Mar 18, 2007

精神的ポルノ

リアルな女の裸や、性行為って、まあ風俗とかアダルトビデオとかを抜きにして、普通の人が普通に生活してる限りにおいては、そう易々と拝めるものではないと思う。どういう場合に見れる・体験できるかというと、どういう関係なら見えるかというと、恋人か夫婦(かセフレ)の関係にある場合くらいのものだろう。つまり、レアものだ。そういう本来(?)レアであるはずの物を、2次元平面という形だったり、モザイクかかってたり、という風にいくぶん劣化した形ではあれ容易に手に入れることができるから、アダルトビデオや写真集といったものには価値が生ずるのだと思う。また、行ったことないから詳しいところは知らないけれども、本来レアであるはずの物だからこそ、風俗は吉野家やマクドナルドに比べて高い料金を要求されるんじゃなかろうか、と思う。

「愛してる」という風な言葉だとか、もっと言えば「愛されてる」感覚とか、特別な信頼を寄せられる感覚とか、素直になんでも相談されるとか、そういうものも、やはり、普通の人が普通に生活してる限りにおいては「レアもの」の体験だと思う。恋人か夫婦でもない限り、リアルにそういうものに触れられる機会はそうそう無いと思う。

にもかかわらずそれを欲しがっているから、僕らは、恋愛ストーリーの漫画を読んで主人公に感情移入したり、あるいはもっと直接的に、ギャルゲーの主人公に自分の名前を付けてゲームのキャラとの「恋愛体験」を楽しんだり、あるいはもっとリアルに、安くないお金を払ってメイド喫茶でケチャップで名前を書いてもらったり熱い食べ物をふーふーしてもらったり、したくなるんだろうと思う。

精神的ポルノ。本来恋人や夫婦でなければお目にかかれないもの、体験できないものを、容易に手に入れられる手段。オタク文化の中でも萌え系の物は、そういう側面があると思う。

遠距離やってて、そういう精神的ポルノで欲求を満たしてしまって、本物の彼女相手にそういう欲求を抱けなくなってしまわないか、と不安になってくる。アイマスのCDを何枚も立て続けに購入したり、ようつべでアイマスのキャラ「星井美希」がプロデューサー(主人公)に熱烈にアプローチする様子の動画を見てニヤニヤしたり、それでちょっと本気でXbox360を買おうかどうか悩んでしまっていたり、といったことをしているここ最近は、特にそれを恐ろしく感じている。

ほぼ23年間、現実の世界でのそういうことと無縁で生きてきてしまって、やっと現実に機会を得たというのに、たった1年かそこらでむざむざそれを投げ捨てて、23年の間ずっと過ごしてきた精神的ポルノだけの世界に自ら逆戻りしようとしている、ということが恐ろしい。レアアイテム獲得のためのレベル上げやなんかの努力を諦めて、武器屋で売られてる普通の武器で満足してしまおうとしている、そんな自分が恐ろしい。頑張ることを放棄して、楽な方に流れてしまいそうな、自分が恐ろしい。

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