Home > Latest topics

Latest topics > Fennec合宿の成果まとめ

宣伝。日経LinuxにてLinuxの基礎?を紹介する漫画「シス管系女子」を連載させていただいています。 以下の特設サイトにて、単行本まんがでわかるLinux シス管系女子の試し読みが可能! シス管系女子って何!? - 「シス管系女子」特設サイト

Fennec合宿の成果まとめ - Jun 16, 2009

bugzilla上での活動?としてはこんな感じでした。

成果らしい成果は……パッチが1つだけreview+をもらえたチェックインされたことくらいでしょうか。

コメントも何もしてないけど、目を付けたバグ。

感想。Fennecが実用レベルになるのはまだまだまだまだまだまだまだ先だなあ。

というか今Fennecという名前で開発されているブツは、Mozilla Labsが作る新しいUIデザインのモックアップに過ぎない、という風な位置づけのように感じられる。バックエンドで使ってるXULRunnerはモバイル向けの調整が施されていなくて、印刷関係の機能とか、明らかに不要な物がてんこ盛りになっている。中野さん達と色々話したけど、「実用になる製品」の開発を目指すんだったら、僕がこういう風に手出しできるレイヤでゴチャゴチャと小賢しいことをするんじゃなくて、中野さんに書いて貰ったパッチのように、XULRunner自体の方にもっともっと手を入れていく必要があるのだろう。HTML Canvasを描画に使ってるせいで色々酷いことになってるのも、Canvasに手を入れるかDocShellに手を入れるかして、ネイティブ寄りの所で実現するようにすればずっとマシになるはずなのに。とかなんとかそういう「うわぁ……」な現状が色々見えてきたのが、今回の合宿の一番の成果だったのかもしれない。

分類:Mozilla > fennec, , , , 時刻:14:18 | Comments/Trackbacks (9) | Edit

このカテゴリ以下の他のエントリ

  1. Fennecの構造
  2. Fennec for Windows Mobileの実機動画

Comments/Trackbacks

no title

> XULRunnerはモバイル向けの調整が施されていなくて

これ、不利を承知であえて手を入れてないとも考えられます。Mitchell Baker氏が、インターネットをモバイルとそうでないものの二つに分断せず統合するんだというようなことを述べているんですけども、Fennecのバックエンドをモバイルに最適化してしまうと、今はいいですが、将来的にフルブラウザとしての可能性を狭めることになりませんか。

言い換えれば、Mozillaの方針として、Firefoxと極力差を付けたくない意図があるような気がするのです。機器の物理的サイズの制約があるので、フロントエンドはもちろん変えますが、バックエンドはGeckoそのままでいく、と。Open Webの理想のため必要な犠牲だと割り切ってる節があります。

> HTML Canvasを描画に使ってるせいで色々酷いことになってる

パフォーマンスが悪いという意味に理解しました。それを根本的に改良するなら、たとえば独自の描画システムを実装するといった話になると思うのですが、これもFirefoxとは枝分かれしてしまいますよね。

Fennecの中心メンバーも、ご指摘の問題はわかってるはずです。でも、あえて現在の方向でやっている。かといって、リソースのつぎ込み方は、決してモックアップを作ってる感じではありません。すべてをGeckoの中で完結させることが、Open Webの実現にとって重要だと認識していればこそだと思うんです。

パフォーマンスの点は、たぶん、ハードウェアの進歩と、Gecko自体の改良で補うつもりなんでしょうね。現に、後者に関して、Fennecチームから修正してほしいバグの要望を出してますし(Bug 67752:interruptible reflowとか)。前者も日本のケータイの開発競争みたいな形で、短期間のうちにハードが強化されていくと見てるんじゃないでしょうか。

Commented by Rockridge at 2009/06/16 (Tue) 17:57:52

no title

>これ、不利を承知であえて手を入れてないとも考えられます。

それもあるでしょうけど、むしろ、コアを開発してる・開発できる人達(=より低層の部分を開発できる知識がある人)をFennecの開発に引き込めていないせいという部分もけっこうあるのではないかと思います。

>> HTML Canvasを描画に使ってるせいで色々酷いことになってる
> パフォーマンスが悪いという意味に理解しました。

違います。現状はその逆で、スクロールやズームの処理を軽くするために現行のHTML Canvasを使うようにしたせいで、Webページ内の要素のドラッグ&ドロップを行えないとか、select要素のプルダウンメニューが正常に動かないとか、却って余計な問題が増えているということです。
それらの諸問題に対する場当たり的な対応をどんどん入れていくという現在の自転車操業状態を繰り返すよりは、根っこの方に手を入れた方が早いんじゃないの?ということをみんな口を揃えて言ってました。

今回、現行のWindows Mobile端末とiPhone、Google Developer Day 2009で配られたAndroid端末のそれぞれを実際に触る事ができましたが、Windows Mobile上のFennecは後2者と比べるのも憚られる状態というのが現状です。Googleからの収入が途絶える事が目に見えている以上、比較的短期間で成果(Fennecに限らず)を出す事はMozillaというプロジェクトを存続させるためにも必要な事だと思うのですが、現状がこれで、目指す所がそれ(今あるiPhoneやAndroid端末をさらに超えた所)なら、ハードウェアの進歩をただ待っていては間に合わないのではないか?と、自分は心配しております。

Commented by Piro at 2009/06/16 (Tue) 19:05:08

no title

> これ、不利を承知であえて手を入れてないとも考えられます。Mitchell Baker氏が、インターネットをモバイルとそうでないものの二つに分断せず統合するんだというようなことを述べているんですけども、Fennecのバックエンドをモバイルに最適化してしまうと、今はいいですが、将来的にフルブラウザとしての可能性を狭めることになりませんか。

その発想は非現実的ですよ、本当にモバイルでPCと同じものが動くならそもそもFennecのUI以外のコードは必要ないです(Canvasによるハックも含む)。

現状のGeckoは不利とかそういうレベルではなく、使い物にならないレベルなのが問題なんです。一度ビルドしてみて、エミュレータで動かすだけでPiroさんの記事というか、合宿での意見がよく理解できるかと思いますので、もし環境を持っていたらやってみてください。

少なくとも私には印刷できないハードに印刷機能まで持たせていたりとか、無駄に高機能なtoolkitを内蔵してリソースを消費するのは無駄としか思えません。

Commented by 中野雅之 at 2009/06/17 (Wed) 02:08:53

no title

非現実的とは手厳しいご意見ですが、私が申し上げているのは、技術論の外にそれを拘束する原則論があるのではないかという点です。

上で「Mitchell Baker氏が」と言いましたが、実はこの表現は間違ってはいないものの、厳密には正確とも言えません。Mozilla Foundationが2010年末までの目標を出していて、その中に「Integrate mobile into one unified, open, innovative web」なる文言が出てきます。つまり、インターネットをモバイルとそうでないものの二つに分断しないのは、Mozilla全体の方針なのです。
http://blog.lizardwrangler.com/2009/01/05/integrated-revised-2010-goals/

これはMozilla Corporationとしてもコーポレートアイデンティティにかかわりますから、Fennecチームがこの目標に反する振る舞いをとることはできないでしょう。Canvasの採用が「スクロールやズームの処理を軽くするため」だとの点は、Piroさんから教えていただいて初めて知りましたが、それもやはり、統合されたWebを実現するためにはGeckoをベースにするんだという意思決定がまずあって、その枠内で、パフォーマンスを上げるための手段として使っているのではないでしょうか。

「そもそもFennecのUI以外のコードは必要ない」が、Mozilla的にはまさに理想的な形で思い描かれているのだと思います。中野さんがGeckoはモバイルで「使い物にならないレベル」とおっしゃるのならば、それはそのとおりなのでしょう。しかし、GeckoがなければTraceMonkeyは使えませんし、CSS3のプロパティも利用できません。印刷機能が無駄とおっしゃいますが、コードを切り捨ててしまうと、Bluetoothを介した印刷が一般化したとき困りませんか。

仮にGecko以外のエンジンを使うとすると、アドオンの互換性がとれなくなります。かといって、Gecko互換の軽いエンジンをスクラッチから作成するとなると、とてつもないコストがかかります。かつてMozilla Suiteが安定するまで何年かかったんだという話です。結局、原則を動かせない以上、選択肢は限られてくるので、モバイル専用ではなく、全プラットフォームに利益がある形でGeckoを改良していくしかありません。

あと、Piroさんが「Googleからの収入が途絶える事が目に見えている」とおっしゃっていますが、これは違うでしょう。2011年に契約が切れる際、最悪でもFirefoxはGoogle Chromeの倍のシェアを確保していると思います(20% vs. 10%とか)。また、今から2年半以内にGoogleが広告収入よりもWebアプリへの課金にシフトするといったこともあり得ません。つまり経済合理的に考えて、GoogleはMozillaとの契約を切る理由がないのです。契約金の額は変動するでしょうが。

何が言いたいのかというと、収入の心配をしなくてよい以上、MozillaはFennecに「比較的短期間で成果」を出すことを求めていないと思うわけです。分社化で切り離されたThunderbirdと違って、FennecはMozillaにとってFirefoxに次ぐ重要なプロジェクトですが、まずは2010年末までに、真のフルブラウザがモバイル端末できっちり動作する事実を確立することが大事だと考えているのではないでしょうか。コンセプトを実証するのが先で、普及はその後の話です。

Commented by Rockridge at 2009/06/17 (Wed) 06:38:41

no title

まあ要約してしまうと、理想と現実の板挟みは辛いよねという話にしかならないんですけどね……

Commented by Piro at 2009/06/17 (Wed) 09:59:22

GeckoがなくてもTraceMonkeyは使えます

> しかし、GeckoがなければTraceMonkeyは使えませんし、
これは全く事実に反します。JavaScriptエンジンはGeckoから完全に独立しています。XPCOMすら使っていません。スタティックビルドでもJavaScriptエンジンのDLLは独立してビルドされます。
これ1つで論旨全体が無効になるわけではありませんが、「技術者でもプログラマでもないので大雑把な内容の記事しか書けません」とか言い訳して基礎的な事実すら勉強しないのでは説得力がガタ落ちになるような気がします。

Commented by えむけい at 2009/06/17 (Wed) 10:59:26

no title

> JavaScriptエンジンはGeckoから完全に独立しています。

ご指摘感謝します。「GeckoがなければTraceMonkeyは使えませんし」の点に関しては、誤りを認めて撤回します。

> これ1つで論旨全体が無効になるわけではありませんが

それは私もならないと思います。立場上Geckoを捨てられないのではないかとの主旨に変わりはなく、また現にFennecはTraceMonkeyを使ってしまっています。JavaScriptエンジンが独立しているからといって、今更V8やNitroには乗り換えられないでしょう。

> 基礎的な事実すら勉強しないのでは説得力がガタ落ちになるような気がします。

なぜ、えむけいさんが脇からこのような悪意のこもった発言をされるのか、理解に苦しみます。Piroさんや中野さんがおっしゃるならまだしも。はたして、このような文をわざわざ書く必要があったのでしょうか。

Commented by Rockridge at 2009/06/17 (Wed) 13:10:00

no title

向こう(Mozilla Flux)に書いた内容の焼き直しですが、えむけいさんのコメントは、事実を指摘する際に相手の感情面に配慮する必要性を感じないいわゆるWebモヒカン的な考え方に基づいて発せられた、悪意に基づいているわけではない淡々とした事実の指摘であると自分は解釈しています。
その後に「だから、そういう事を言う人間も駄目だ」と付け加えて憤慨するのも、「だから、その点を改めれば説得力が増すよ」と付け加えて改善に活かすのも、受け取り手次第ですよね。
僕としては、こういった議論(?)も材料にしてより建設的な活動にフィードバックしていただければなあと思っています。

余談ですが、えむけいさんは今回の合宿にも参加されていましたし(そういえば、誰が参加したという情報はまだどこにもまとまってませんでしたね……)、そういう意味でも、この話題に乗っかるのは別におかしい事ではないと思います。

Commented by Piro at 2009/06/17 (Wed) 13:44:03

no title

Piroさん、お心遣いに対し、心よりお礼申し上げます。
励ましにも勇気づけられました。

私としては、えむけい氏が合宿に参加されていたかどうかにかかわりなく、議論は歓迎でしたし、同氏のコメントの前段部分で間違いを指摘されたことも、私が誤っていたことは事実ですから、これも不満はありません。

私が問題にしたのは後段部分で、強い揶揄あるいは嘲笑のように感じました。返しとして「悪意」というキツい言葉を使ったのは、腹立ち半分、えむけい氏の反応を見たい気持ち半分で、意図的なものです。結果、同氏は「善意の指摘のつもり」であり、「何が問題なのかさっぱりわかりません」とコメントされました。

揶揄でも嘲笑でもなかったものの、自覚なく相手の感情を逆撫でしていたという話でした。それでいて、私の切り返し(もちろん、切りつけている自覚はありました)に対しては、「(今後はデタラメを書いても)笑われるに任せることにします」「大嘘を撒き散らしてください。」と感情を露わにされています。リアルのえむけい氏がどのような方かは存じませんが、Web上での振る舞いについてはいちおう理解しましたので、氏が宣言されているとおり、私も今後は触れあわないようにします。それがお互いのためでしょう。

この件とは関係なく、勉強はしていきたいと思います。Piroさんからもいろいろ教えていただければ幸いです。

Commented by Rockridge at 2009/06/17 (Wed) 17:31:19

TrackBack ping me at


の末尾に2020年11月30日時点の日本の首相のファミリーネーム(ローマ字で回答)を繋げて下さい。例えば「noda」なら、「2009-06-16_gasshuku.trackbacknoda」です。これは機械的なトラックバックスパムを防止するための措置です。

Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.

2020年11月30日時点の日本の首相のファミリーネーム(ひらがなで回答)

Powered by blosxom 2.0 + starter kit
Home

カテゴリ一覧

過去の記事

1999.2~2005.8

最近のコメント

最近のつぶやき