May 01, 2007

Webブラウザがプラットフォームとなった現代

プラットフォームをめぐって

とある便利な機能について、その作者がFirefox用の拡張機能として実装して実験した後、デスクトップアプリケーションとして作り直して正式リリースしようとしている件について、「今時デスクトップアプリケーションなんて誰も使わないよ」とコメントされたそうだ。今のこの状況で全く同感だ、とまで言い切る自信は僕には無いけど、なんとなく、そういう方向になりそうだなあとは思う。

僕自身は、絵の編集やなんかは気が済むまで時間をかけてじっくりやりたいタイプなんで、ちゃんと作りこまれたデスクトップアプリケーションが無いとお話にならない。だからWebベースの物に完全にスイッチするという姿を想像し辛い。でも、そこまでのこだわりを持っていない人は――もしくは、僕と違う所にこだわりのポイントを持っている人は、お絵描きチャットやお絵描き掲示板のJavaアプレットで十分満足している場合もあるようだ。「ふたば」とかの盛り上がりっぷりを見るとそれがよく分かる。スピーディーにたくさんの作品を発表するスタイルには、あの形式がとてもよくマッチしている気がする。

ただ、新しく何かを始めるにあたって、Webベースで、あるいは普段使っているブラウザの中でそれを実現できる手段があるのなら、それで満足してしまう可能性はある。僕自身、初めて触ったお絵描きツールがオンラインの物であったら、それに特化した制作スタイルになっていたかもしれない。僕がオフラインでの制作に拘り続けているのは、絵を描くという事に関してネットに触れる前に制作スタイルを確立してしまったからなのかもしれない。

ネットに触れるようになってから始めた事について振り返ってみると、自分自身、今ではオンラインのサービスに頼りきって生活している。巡回はlivedoor Readerにほぼ統一してしまったし、英和・和英辞書検索も英辞郎ばっかりだし、テキスト翻訳もそう。乗り換え案内も地図検索も全部オンラインだ。

オンラインのサービスなら特に何も考えなくてもフロントエンド・データベースともに最新の状態が保たれているだろうし、というのも、オンラインべったりになっている大きな理由だ。同じ理由で、少なくとも、自動アップデート機能を備えていないデスクトップアプリよりは、自動アップデートの可能なFirefox拡張機能の方が、その点において僕には魅力的だ。

今敢えて「XUL Runner」というデスクトップアプリ専用のランタイムを開発することに注力するメリットは薄いと思う。MozillaがFirefoxだけに注力するという判断をしたのなら、それはやっぱり正しいことなのかもしれない。XUL Runnerよりは、Firefox Mobileとでも言えるような仕組みを実用的な速度で動くように作ることの方が、よっぽど現実的(実現可能性が高いという意味ではなく、成功可能性が高いという意味で)だと思う。

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