Jan 09, 2009
Firefox 3.1のスマートロケーションバーまわりがわけわからん!
- 「Location bar search (1)」 - Scene Side B
- Firefox 3.1: スマートロケーションバーの絞込み - えむもじら
- Firefox 3.1の主な変更点を日本語で - Mozilla Flux
現時点までで、以下の設定項目が新設されたところまでは把握してる。
- browser.urlbar.restrict.history(文字列型)
- browser.urlbar.restrict.bookmark(文字列型)
- browser.urlbar.restrict.tag(文字列型)
- browser.urlbar.restrict.typed(文字列型)
- browser.urlbar.match.title(文字列型)
- browser.urlbar.match.url(文字列型)
- browser.urlbar.default.behavior(整数型):Bug 463459 – Use a separate pref instead of empty restrict/match values to specify defaults により追加された。restrictとmatchの値が「空の場合は」云々の特例的な処理を一本化するための物。
- browser.urlbar.search.sources(整数型)
以下は削除された、と。
- browser.urlbar.matchOnlyTyped(真偽型)
が、どれがどんな風に働くのかがごちゃごちゃして分からんようになってきた……
browser.urlbar.default.behavior(フラグを指定しておくことで、restrictとかmatchとかの指定をしたのと同じ状態から検索をスタートする)に3を指定するのと、browser.urlbar.search.sourcesに3を指定するのとの、違いがいまいち分からない。ので、ソースをあちこち辿ってみた。見てみた感じでは、どうやらnsNavHistoryのProcessTokensForSpecialSearchメソッドが鍵になってるっぽい。
検索対象のテーブルの指定や絞り込みの条件は、すべてmAutoCompleteCurrentBehaviorという1つの変数にフラグとして格納される。
- 1(最下位ビットがON)は、履歴だけを検索対象にする。
- 2(下から2番目のビットがON)は、ブックマークだけを検索対象にする。
- 4(下から3番目のビットがON)は、タグ付けされている項目だけを検索対象にする。
- 8(下から4番目のビットがON)は、タイトルにマッチする。
- 16(下から5番目のビットがON)は、URIにマッチする。
- 32(下から6番目のビットがON)は、ユーザがロケーションバーから手動操作で訪問した項目だけを検索対象にする。
これらを踏まえて、以下の順で処理されている。
- browser.urlbar.default.behaviorの指定でmAutoCompleteCurrentBehaviorを初期化する。
- browser.urlbar.search.sourcesを見て、
- 1だったらmAutoCompleteCurrentBehaviorの最下位ビットをONにする。
- 2だったら下から2番目のビットをONにする。
- それ以外の時(0や3)は何もしない。(browser.urlbar.search.sourcesが0の時、つまりスマートロケーションバーの検索機能自体を無効にしている時は、ここにそもそも処理が回ってこない?)
- スマートロケーションバーに入力中の文字列をトークンごとに分割して、restrictやmatchで設定されている文字列と比較する。一致したらその都度、mAutoCompleteCurrentBehaviorの対応するビットをONにしていく。
- 入力中の文字列が空の時は、最下位ビットと下から6番目のビットをONにする。(Bug 426864 – Only show user typed history pages for the urlbar dropdown によって追加された処理で、ユーザが何も入力してない状態でドロップダウンリストを開いたら過去の入力履歴だけを表示する、という挙動をこれによって再現する。)
- ここまでの結果のmAutoCompleteCurrentBehaviorを見て、以下の順で、どのSQL文を使うかを決定する。これは排他的な選択なので、どれかの道に分岐したらその時点で検索条件が確定する。
- 下から3番目のビットがONの場合、タグ付けされた項目だけを検索するSQL文を使う。
- 下から2番目のビットがONの場合、ブックマークだけを検索するSQL文を使う。
- 下から6番目のビットがONの場合、ユーザがロケーションバーから手動で訪問した項目だけを検索するSQL文を使う。
- 最下位ビットがONの場合、履歴だけを検索するSQL文を使う。
- 上記ビットがいずれもOFFの場合、履歴とブックマークの両方を対象に検索するSQL文を使う。
- 下から4番目のビットと下から5番目のビットは、次の段階での絞り込みに使われる。
ああややこしい……
- 5のステップでは排他的な選択になっているので、例えば「タグ付けされた項目で、且つ、ロケーションバーから訪問した事がある物だけを対象に検索する」という風なことはできないようだ。
- 条件を指定する方法には、browser.urlbar.search.sources、browser.urlbar.default.behavior、検索時のキーワード入力の3つがあるが、これら3つの間には優先順位は無い。優先順位は各ビットの方にあって、常に5-1から5-5の順番に従って判定される。なので、以下のような不可解なことが起こる。
- browser.urlbar.default.behaviorを使って、ブックマークからのみ検索を行うようにした状態(下から2番目のビットがON)で、検索時語句の中に「^」を含めて履歴のみの検索を指示した(最下位ビットがON)、という場合、手動で指示した検索条件はまるっきり無視されて、あくまでブックマークからのみ検索が行われる。
- browser.urlbar.default.behaviorを使って、ユーザがロケーションバーから手動で訪問した項目だけを検索対象にするように指定(下から6番目のビットがON)していても、検索時語句の中に「+」が含まれていた(下から3番目のビットがON)場合には、手動で指定した方の条件が優先されて、タグ付けされた項目からのみ検索が行われる。
- browser.urlbar.default.behavior=3とbrowser.urlbar.search.sources=3の違いは、前者は「ブックマークされていて且つ履歴にも含まれている(=訪問済みのブックマーク)」項目だけが検索対象になり、後者は「ブックマークと履歴の全体」が検索対象になる、という点。search.sourcesが0(検索機能自体が無効になっている)以外で、default.behaviorが3の時は、両方の条件がMIXされて、browser.urlbar.default.behavior=3の条件と同じ(ブックマークと履歴の全体から訪問済みのブックマークだけを検索するのも、ブックマークから訪問済みのブックマークだけを検索するのも、履歴から訪問済みのブックマークだけを検索するのも、全部同じ事ですね)になる。
その場での入力とデフォルト設定のどっちが優先されるのか、がパッと分からないのってどうかと思うんだけど……XUL/Migemoのスマートロケーションバー周りの挙動をこれに合わせないといけないんだけど、こういうわかりにくい挙動をそのまま再現するというのは、モチベーションが上がらないなあ。(ていうかバグ立ってそう)
21日追記。browser.urlbar.search.sourcesが廃止されてこのエントリの内容のかなりの部分は無駄になりました。
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