宣伝。日経LinuxにてLinuxの基礎?を紹介する漫画「シス管系女子」を連載させていただいています。 以下の特設サイトにて、単行本まんがでわかるLinux シス管系女子の試し読みが可能!
Firefoxで、タブを閉じる時にいきなりタブが消えるんじゃなくちょっとずつ消えるようなアニメーションが実装されたようだ。ツリー型タブにアニメーション効果を加えた時にも書いたけど、状態が不連続に変化するよりも連続的に変化した方が分かりやすいことは間違いないので、この改良は歓迎すべき事だと思う。
使い勝手的な面とか見た目的な面とかでは多分他の人が言及していると思うので、僕は実装とかAPIとかの面で感心した点に言及してみる。
このパッチが入るちょっと前に「新しいタブを開く時にアニメーション効果を適用する」という処理も入ったんだけど、この2つには違う所が1点ある。それは、既定の状態がアニメーション有りか無しかという点だ。
gBrowser.addTab(uri)
で、アニメーション有りでタブが開かれる。gBrowser.addTab(uri, { skipAnimation : true })
で、アニメーション無しでタブが開かれる。gBrowser.removeTab(tab)
で、アニメーション無しでタブが閉じられる。gBrowser.removeTab(tab, { animate : true })
で、アニメーション有りでタブが閉じられる。今回のremoveTab()
の既定の挙動とフラグ指定の仕様は大いに評価したい。何故かというと、これは互換性を最大限保つために必要なことだからだ。
タブを閉じる時にアニメーション効果を適用させるということは、タブに「閉じるという操作は行われたが、まだ実際にはDOMツリー状に存在している」という状態が加わったということだ。そのため、gBrowser.mTabContainer.childNodes
で取得したタブの一覧の中に、本来であれば処理対象にしては行けないタブが含まれてしまうようになる。
これは大いに混乱を招く。アドオンの多くはタブを閉じる際のアニメーション効果のことなど知らないから、タブが閉じられたらすぐにDOMツリーからも消えることを期待している。そういう前提で書かれたコードが、片っ端から動かなくなってしまう恐れがある。
今回のパッチでは、この混乱を最小限にするための配慮が行われている。このような状態が発生する場面を「タブのクローズボックスがクリックされた時」と「Ctrl-Wなどのキーボードショートカットで現在のタブが閉じられようとした時」だけに限定することで、それ以外の場合は明示的に指示されない限りはアニメーションしないようにしてある。アドオンが要であるFirefoxとしては、APIの変更でアドオンが作りにくくなる・人気のアドオンが動作しなくなることのデメリットの方が、美しい設計のAPIにすることのメリットを上回ると考えられるから、この判断は合理的と言っていい。
今後の課題は、互換性を重視したことでAPIが分かりにくくなってしまった点をどうするか、ということではないかと個人的には思っている。特に、addTab()
とremoveTab()
という対になったAPIにおいて、似たような事をやるのにそれぞれやり方が違うというのは、あまり誉められる事ではないから。
ただ、今はとにかく、Mozillaが互換性を重視する決定をしてくれたことをありがたく思っている。
の末尾に2020年11月30日時点の日本の首相のファミリーネーム(ローマ字で回答)を繋げて下さい。例えば「noda」なら、「2010-08-07_animation.trackbacknoda」です。これは機械的なトラックバックスパムを防止するための措置です。
writeback message: Ready to post a comment.