Oct 02, 2006

Firefoxの商標問題の話

韓国では、ロボットアニメ全般のことを「ガンダム」と呼ぶらしいですね。マクロスのバルキリーもガンダム、マジンガーもガンダム、テコンVだってガンダム。しかも「ガンダム」の権利を持ってる創通エージェンシーだったかサンライズだったかが訴えたら、「韓国ではガンダムはロボットの一般名詞として普及しているので訴えを認めない」だかなんだかいう判決が出たという……

こう言ってしまうと身も蓋もないけど、Linuxディストリに含める「Firefoxからオフィシャルのロゴと名前を取っ払ってカスタマイズした独自ビルドのブラウザ」にFirefoxという名前を付ける事を認めたとしたら、何が起こるか分からんのですよね。悪意に基づいてイタズラされるかも知れんし、しょうもないミスによって致命的な問題を引き起こされるかも知れない。

具体的な実例を挙げるとしたら、Debian Sergeでパッケージmozilla-firefox、Firefox 1.0.x系の一時期のビルドが(今もそうなのかな? 僕はUbuntuに移ってしまったので分からない)、Debianコミュニティによって追加されたパッチのせいでやたら不安定になっててちょっと使うだけでボコボコ落ちまくっていたという事実がある。

この様子を見て、Debianユーザが「Firefoxってやっぱダメダメだな、使えねえなあ」と思う余地は十分にあったわけですよね。オフィシャルビルドを自分でインストールするという事をしなかったら、僕も「Debian上ではFirefoxは使い物にならん」と思っていたかも知れない。Mozilla FoundationやMozilla Corporationのせいではないミスを、MFやMCのせいにしてしまっていたかも知れない。MFがMFの判断で取り込んだパッチのせいで問題が起こるならそれはMFのせいだけれども、MFのあずかり知らぬ所で起こった出来事の責任をMFのせいにするというのは、僕の倫理観では「許されないこと」です。

――ということを考えたら、名前の使用をホイホイ許可する訳にもいきませんわなあ。善意に任せればいいじゃんといっても、商標とかそこら辺の法律の話って、「水は低きに流れる、放っておいたら人は悪事をはたらく、もしくは、悪意がなくても人はミスをする」という考え方に基づいた話だから、そもそも話がかみ合うわけがない。

MCはフルタイムの従業員を数十名抱えているし、Mozilla Japanだってそうだし、彼らはそれでおまんま食ってる状態なワケで、ブランドに傷が付いたらそれは死活問題なワケで、必死になるのも当たり前だと思う。どっかの部外者がFirefoxの名を騙ってポカをやらかして、彼らが職を失うなんて事は、あってはならないことです。

ともかくDebian Sargeでの実体験がある僕としては、アンオフィシャルなパッチを独自に組み込むということと、Firefoxのオフィシャルのロゴと名前を付けるということとは、排他的な選択にせざるを得ないのではないかなあ、と思うわけですよ。

……という視点からしか僕は物事を見てないので、独自のパッチを一切取り込まずにオフィシャルのビルドをそのまま再配付するということなら許してもいいんじゃね? と、僕は思っている。現状ではそれも禁止してるんでしたっけ? それともそういうのは既に許可されてるの? どっちなんだろ。→こういうやり方ならOKらしい。

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