Nov 06, 2005

悪夢

悪夢を見た。僕の現状がこれでもかというほどに凝縮された感じの。以下、その夢の情景。

場所は、明るい感じのホール。Mozilla Partyや関西オープンソースやJapan Debian Mini Confみたいなイベントらしい。壇上に講演者が立って色々話をするんだけど、あんまりかしこまってない、話が終わったら講演者も観客席にいた人も皆「参加者」という括りでざっくばらんに話し合える、そんな、なんとなくオープンソース系のセミナーっぽい感じ。

僕は、そのイベントに一観客として参加してるんだ。他の観客にも僕の知人や友人がけっこういるんだ。

知り合いや友人が開催してて(Mozilla Partyでいうなら、ゆきちさんやbtm組長や、Mozilla Japanの人達ですね。いや、僕はMozilla Partyやその他のイベントに参加した後で彼らと親睦を深めるようになったのですけれども)、だからその時点でちょっと僕には優越感があったりするんだな。「俺はただの観客じゃない、ちょっと『中の人』に近いところにいるんだぜ、ちょっぴり凄いんだぜ」とか思ってたりするんだな。

でも、この日は僕はただの観客。「俺は今は観客だけど、いつでも壇上に上がれるような立場なんだぜ」みたいな思い上がった観客。

最初に座ってた席がちょっと外寄りで見にくかったから、真ん中寄りの「いい席」に移動しようとするんだな、僕は。でも、警備員とかスタッフとかに咎められるんだ。「そこは予約席だから座っちゃいかん!」って。誰も座ってないのに。誰も来る気配はないのに。それで僕はものすごくイライラするんだ。

んで、思い上がってる僕は、僕を咎めた彼らの言葉をこんな風に解釈するんだ。「ここは上客のための特等席だ、お前ごときが座っちゃいかん」って。「俺は『中の人』に近い人間だっつうのに、なんだその扱いは!?」って、僕は思うんだな。

元の席に戻るのも恥ずかしくてできず――事情通みたいな顔して偉そうな態度に出たくせに結局うまくいかなかったのねアイツは、と笑われるのが嫌で――、その「いい席」のすぐ近くの空き席に座ろうともしないで、ふてくされてもっと隅っこの方に移動する僕。

すると、そこで、なんかさっきまで前で講演してたお偉い人が、僕の一つ後ろの席に座ってて、僕に対して説教してくるんですね。「君、そんな態度じゃ駄目だよ。もっと冷静にならないと」みたいな。頭ごなしに叱るんじゃなくてすげえいい人っぽい感じで。

でも、恥ずかしさで頭が沸騰してた僕は、真摯な態度になれずに逆に突っかかってしまうんだな。「あなたみたいなできた人には分からんでしょうけどねえ俺のこのイライラは!」みたいな感じで。

んで、そのうちそのお偉い人の講演内容にまで僕は言いがかりをし始めるんだ。
僕「だいたいあんた2ちゃんねらーを褒めすぎだ。アイツらは屑だ。褒める価値なんて無いんだ。」
偉い人「そこまで言うことないんじゃないですか? アナタ2chに対して恨みでもあるんですか?」
僕「ねーよそんなの! ていうか俺だってねらーだよ! 他でもない俺自身が、ねらーである自分を何か特別なもののように思い上がってるんだよ!!」
偉い人「……他の利用者は誰もそんなこと思ってませんよ。2chというものをもっと冷静に見てるし、穏やかなコミュニティとして見てる。アナタみたいにあれへの帰属意識を持ってプライドに感じてるような人はいませんよ。アナタ、ちょっと熱くなりすぎてますよ?」
僕「うるせーうるせー!!! 黙れ黙れー!!!(半泣きになりながら)」

そしたら主催者側の、スタッフをしてる友人が慌てて僕をなだめてこう言うんだ。「落ち着けって、その人はあの世界の誰某(超有名人)にもアドバイスしたような人なんだぞ。」僕はその言葉をこう理解した。「そんな人に声かけられるって事は、お前もその超有名人と同じくらいの素質を認められてるって事なんだぞ。落ち着いてその人のアドバイス受けりゃ、それくらいビッグになれるかも知れないんだぞ。」と。

で、僕は言葉を失ってしまって、口をぱくぱくさせたり、急に言葉遣いが少し大人しくなったり……でもここで急に敬語になるのも権力に屈したみたいで恥ずかしい、けど萎縮してるから、「いや、その、僕は……」とかそんな感じで、ふてぶてしい態度でどもってしまうんだ。

そしたらそのお偉い人、僕のことを「なんて哀れなやつ……こんなのを評価しようとした自分が馬鹿だった」みたいな何とも言えない蔑む目で見て、歩いて去ってくんだ。周囲な人達みんな焦ってその人の後を追っかけて、僕だけそこに取り残されてしまう。

結局僕は、席移動するためにあちこち歩いてたせいでまともに講演を聞けず、後ろの席に座った後もさらにその後ろにいたお偉い人に食ってかかってて、やっぱリなんにも話を聞けなかった。それで、みみっちい話だけど、ちゃんと話を聞いてたであろう観客席にいた友人や、主催者側の知人に、今日はどんな話をしてたのか、講義に出てなかった学生みたいな感じで聞こうと思うわけだ。

でも、「お前、後悔するくらいならガキみたいに突っかかってないで最初から真面目に聞いとけよ。自業自得じゃないか。だから教えてやる気にもならんよ。」みたいに呆れられそうで、しかも、以前には自分のことを評価してくれていたような友人知人達だから、余計に恥ずかしくて言い出せなくて。仕方ないから半べそかきながら独りでとぼとぼ歩いて帰るんだな。

それでもイライラしてどうしようもないから、手に持ってた未開封のお菓子(なんかゼリーっぽいもの。要するに、地面に落としたらもうどうにもならないような種類のやつ)の袋を地面に思いっきり投げつける僕。袋の中身が散らばって砂まみれになってしまう。それを見て、観客席にいた軽薄そうな人が「あーあーもったいねー。なんで物にあたるワケ?」と、邪気のない目でその様子を見ながら言うんだな。

僕は「わかんねーよ!! なんでこう、したいと思ったことが何もできねーんだよ!!! もうやだよこんなの!!!!!」って叫びながら号泣して、飛び散ったお菓子のへばりついたコンクリ壁に両拳を叩きつけながら泣き崩れるんだよ。

そんな夢だった。

この悪夢には僕の現状の全てが凝縮されている。知り合いに少なからず評価されているということ。でもその評価を鼻にかけて思い上がっていること。実際には世間からの評価は大したことないどころか知られてすらいないということ。思い通りにいかないとすぐ機嫌が悪くなること。権威主義的なこと。卑屈なこと。他の人からの厚意や評価を自らドブに投げ捨てること。見栄っ張りなこと。取り返しのつかないことをすることでスッキリしようとして、でも取り返しがつかなくなった後からやっぱり後悔すること。

もうやだよこんなの……

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