Nov 24, 2005

性欲とかのレベル

性欲には少なくとも2つ以上の段階があるのではないだろうか。異性(あるいは同性)一般に対する「物理的にヤリたい」欲求と、特定個人に対する「精神的なところまで深く交合したい」欲求。

前者は本来の意味での性欲だが、後者は性欲の一言で表すのはいささか乱暴だ。愛し合いたい(ヤリたいという意味の隠語ではなく)欲ということで「愛欲」という言葉を考えてみたけれども、これは普通に性欲の同義語として使われているように思う。何と呼ぶのが適切なのだろうか。

ともかく、思うのは、前者は風俗で解消できても、後者は風俗では解消できないだろうということ。

彼女もいなけりゃ現在特に気になる女性もいないという人ならば後者の欲求を持つのは理屈からいっておかしいのではないか? 相手が誰でもいい・相手がいないのにそんなことを考えてるのは、単に「恋に恋してるだけ」で「本当の恋ではない」んじゃないのか? ――といった表現で断じて思考停止してしまうのは早計なように思う。

「何に対して怒ってるのか自分でも分からないがとにかく無性に腹が立つ」とか「なんだか分からないが無性に不安だ」といった感覚は珍しいものではないと思う。

あるロボット研究の場においては、人間の感情をシミュレートする方法として、まず「快か不快か」で感情を分類しようとしたという。しかしそれだけではうまくいかず、結局「対象が明確かどうか」「具体的かどうか」の二つの軸を加えて3次元で感情を捉えることにしたそうだ。例えば「対象が明確で、具体的な、不快感」は「怒り」、「対象が不明瞭で、具体的な、不快感」は「恐怖」、「対象が不明瞭で、抽象的な、不快感」は「悲しみ」といった具合に。

誰かに対して怒っているなら、その誰かに対して怒りをぶちまければよい。何が怖いのか分かっていれば、それに対して備えをすればよい。でも、対象が不在だと(あるいは、こちらの感情が鎮まる前に消滅してしまうと)、振り上げた拳を振り下ろす先が見つからない。恐怖を軽減する備えのしようがない。そういうときには、いろんなものに八つ当たりしたり、何にでも怯えてしまったりする。対象が不在だから、解決の糸口が見つからないのだ。

それと同様に、対象が不在なままの「特定個人向けの性欲」というのもあるのではないか。僕らは、彼らは、ずっとそいつに悩まされてきているのではないだろうか。それが「風俗では満たされない性欲」の正体なのではないだろうか。

「恋愛感情」って、そういうのを言うのだろうか。もしかして。

――ということを、彼女が欲しい - Kammy+'s spaceブログ版というエントリのコメント欄でのやりとりを見ていて思った。

エントリを編集します。

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