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実名垂れ流しでここまで来た自分が思うこと - Oct 07, 2009

僕が実名をWebで出し始めたのは、Mozilla用の拡張機能のライセンス文に本名を書く必要があるものと思い込んでいたためだった。実際の所、世に溢れるコードを見てみると必ずしも本名でなくても構わないような感じだ、というのはずいぶん後になってから知った。ともかく、まあ、本名を晒し始めたという事実があったわけです。当時僕は何歳だっけ。記録に残ってる一番古いバージョンが2001年9月のリリースだから、ええと、大学1年で19歳の時か。

でも、名前を晒すということは実質的には何の変化ももたらさなかった。

そもそも、大学3年になるまでアルバイトというものをしたことが無く、やってた部活も交流試合があるようなものではなかったので、自分は「リアルの世界」ではほとんど全く社会との繋がりがない、価値のない存在だったと言っていいと思う。学祭の垂れ幕作りだとかそういう所でしか世の主流の人々から存在を意識されることがない、いてもいなくてもどうでもいいような人だった。

そんな僕が他人からとそれなりの価値を認められたのは、漫研の中であり、イラストを公開するために作ったこのサイト(当時はまださくらのレンタルサーバではなくISPの無料スペースだったんだけど)であり、そこでの活動であり、つまり僕にとっては「社会との繋がり」はリアル世界よりもむしろWebが起点になっていた。

なので、アルファベット4文字の「Piro」であろうが漢字4文字の「下田洋志」であろうが、その文字列にはWeb上での僕を識別するためのidentifier以上の意味はなかったわけです。実質的には。Webにあった僕の活動の足跡を粗探ししても、出てくる物はたかが知れてたし。

その後、Mozillaの拡張機能を作っていたことが縁でもじら組のMozilla Partyに呼んでいただけて、その打ち上げの席でグッデイに紹介してもらえて、就職して、クリアコードに籍を移して、「Piroがおるから」という理由で会社にMozilla関係の仕事が舞い込んできたりして、という感じで今に至ってる。

で、この現状が「実名を出してたからこそこうなった」「完全匿名でやってたらこうはいかなかった」という話の例になるのかというと、それが僕には分からない。会社で普通に「ぴろたん」と呼ばれてる事を考えると、実名公開してなくてもこうなってたんじゃないの? と思えてくる。

ただ、活動の最初から今に至るまで一貫して同じ名前でいたからこそこうなったのだろう、という事は言えると思ってる。誉められた事も誉められなかった事も、僕がやってきた事は全部この名前に紐付けられていて、だからこそそれらは「実績」として評価することができるのだろう。identify不能な完全匿名で(毎回別の名前で、とか、「名無しさん」でだけ書き込む、とか)活動していたら、何をしてもそれらはひとまとまりの「実績」として見ることはできなかったのだろう。

そういえば僕は、トロフィーとか盾とか貰ったことがないんすよね。そのくせ、誰かに誉めて欲しがっていた。トロフィーという、「お前のそれは称賛に値するのだ」という目に見える評価がずっと欲しかった。欲しかったけど、手に入れられるはずのない物だ。同人だのCSSだのWeb標準だのMozillaだのという非主流のものを、しかもその世界の中心でガッツリやるんじゃなくて周辺に留まってちまちまやってるだけでは、絶対にそんなもん貰えない。誰もそんなものくれない。中心に飛び込む勇気だとか、マイナー分野じゃなくメジャー分野に転向する勇気だとか、そういうのがなければもう絶対に手に入らない。

でも、そんなマイナー分野の周辺でゴソゴソしてただけの僕でも、今自分の名前でググると何かしら出てくる。作った物への評価、していた事への評価が見つかる。それが今の僕にとってはトロフィー代わりになってるのかもしれない。

人に誉められて悦になりたい、トロフィーを眺めたり人に見せびらかしたりしてニタニタしたい、にもかかわらずその象徴たる「トロフィー」のような物理的な証を絶対にもらえそうにないという人は、ひとつの名前で活動するといいのかもしれない。検索すればそこにトロフィーがあるし、そういう形で人に見せびらかすこともできるのだから。

そういうわけで僕は「実名推進」ではなく「顕名推進」の立場を取らせていただいております次第です。

分類:出来事・雑感, , , 時刻:03:46 | Comments/Trackbacks (0) | Edit

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