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自民党の教師通報フォームの一体何が「問題」なのかを考えてみて、これを問題と思わなかった人に言いたくなったこと - Jul 12, 2016

ちょっと前に「政治的中立を逸脱した教員」を通報する窓口を自民党が公開した件が一部の間で話題になってました。

僕自身は、そのフォームの存在にキナ臭いものを感じて、否定的な思いを抱いてる。これは事実。

でも批判の記事をボンヤリ読んでても「悪いから悪いのだ」的な事を言ってるように見えてしまうし、「密告したかった授業」ハッシュタグの様子を見てると市井では「何も問題無い、いいぞもっとやれ」的な盛り上がり方をしている雰囲気すら感じられる。 自分も、その盛り上がりの様子を見て「分かる」という感覚はあって、この種のフォームの存在を肯定するような感情を抱いた。これもまた事実。

この矛盾しているように見える2つの思いにどう折り合いを付ければいいのかを考えていて、自民党のフォームに元々あったであろう意図と、それを礼賛している人達がそのフォームに期待しているであろう物との間にズレがあるんじゃないのか? と思った。

で、「あの頃のあの嫌な先生が憎い」という感情が優先で先のフォームの問題点がスルーされているんだったら、それって良くないんじゃないの、と思った。

この件を問題だと感じた、と書いている時点で「左翼の左翼擁護乙」と思う人もいると思うんだけど、以下の文はそういう人にこそちゃんと考えてもらいたいと思って書いてます。

現実に「問題教員」の通報先は必要だけど……

自分の子供の時の事を思い返してみて、確かに問題教員と言えるような人はいたと思う。 そういう人を「通報」する先は必要だと思う。

でもそれは「自民党が」やるべき事というわけじゃないですよね。 いや、自民党がやってもいいんだけど、本来だったら教育委員会なり何なり、教育関係者の中での監査役みたいな存在がやるべき事だと思う。

いま現在然るべき通報先が無いのならそれは教育関係者の怠慢だし、通報先があっても問題が握り潰されるなどしてまともに機能していないなら、それもまた怠慢です。 教育関係者の間での自浄作用が期待できないから外部からの黒船に頼るしかないんだ、という現実があるんだったら、それは早急に解決されないといけない問題だと思う。

繰り返すけど、それを自民党がやったらいけない、とは思いません。 実際、必要があって生活保護の申請をしてるのに通らないという場面で共産党がコンサルのような事をしているという話はあって、これを「本来は行政がやるべきだけどできていない事を外部の人間が代わりにやっている、それがたまたま政党だっただけだ」と言うなら、同じような事を自民党がやって悪い道理はないです。

で、どういう人が「問題教員」なの?

今はもう削除されてるけど、最初は自民党のフォームには「『子供たちを戦場に送るな』と主張し中立性を逸脱した教育を行う先生」という文言、改訂後は「『安保関連法は廃止にすべき』と主張し中立性を逸脱した教育を行う先生」という文言があった。 あくまで例示という形だけど、「そういう人は通報されるべき」という意図の表明ではある。

「戦争法なんてけしからん。子供を戦場に送る悪法だ。そう思う子は手を挙げなさい。ん、なんでお前は手を挙げないんだ? あんな物を良しとするのか? じゃあお前は平和の敵だな。先生はお前には授業をしない。教室を出ていけ。」って言う教員がいたとして、そういう教員をこのフォームから通報したら、当初の説明文の例に似てるし、これはまあ確実に調査対象ですよね。

じゃあここで意地悪なことを考えるんだけど、「同性愛なんてけしからん。子供を作る気がない奴は、国を滅ぼす非国民だ。渋谷区のパートナー条例みたいな物は即刻やめるべきだ。そう思う子は手を挙げなさい。ん、なんでお前は手を挙げないんだ? あんな物を有り難がってるのか? じゃあお前は非国民だな。先生はお前には授業をしない。教室を出ていけ。」って言う教員がいたとして、そういう教員をこのフォームから通報してちゃんと取り扱ってもらえるんだろうか?

フォームの趣旨があくまで「政治的中立性」に関してだから、同性愛云々は政治的中立性とは関係無い事例だから調査対象じゃないと言われるかも知れない。

あるいは、自民党の憲法草案に表れているように自民党としては「伝統的な家族のあり方」を大事にしてるので、伝統的家族観を破壊する同性愛は認められない、だからその教員の言動も党の方針と矛盾してないので問題なし、と判断されて握り潰されるかもしれない。

あくまで悪意に取った想像ですよ。 こういうのもちゃんと調査してくれるかもしれませんよ。 真の保守たる政権与党なら、そういうふうにまっとうに仕事をして欲しいと思ってますよ。

僕は、どっちの教員も問題教員だと思うし、調査されるべきだと思うし、教育の現場にそういう人がいて欲しくないです。 でも、その理由は「政治的に偏ってるから」ではないです。

政治的に中立じゃなくても、そういう問題教員って取り締まれるんじゃないの?

先の例のような左翼先生だけが取り締まられて後の例のような伝統的家父長先生が取り締まられないんだったら、それって結局、ただの左翼狩りになってしまう。 それこそ政治的な偏りだと思う。

両者を等しく取り締まるには、政治と無縁の人だけを集めるか、あるいは、右からも左からも人を集めてきて、事例を握りつぶせないような状況を作るかしかないんじゃないの?と思う。

っていうようなことを言うと、みんな口を揃えて「中立なんてあり得ない」と言うんだけど、論点はそこじゃないでしょう。 中立じゃなきゃ取り締まれない、というタイプの問題じゃないじゃないですか、これ

まあ、教室から出て行けみたいな極端なことを言う人は今時いないと思います(そう思いたい)。 でも細かい所でチクチク嫌がらせされたり嫌味を言われたりってのはありうると思う。 嫌いな子供だけ無視したり、他の子なら聞くような訴えでもその子が言った時だけは握り潰したり、そういう消極的な嫌がらせもあると思う。 僕はそういうのが「問題教員」って事だと思ってるんですよ。 (なので、以下で僕が「問題教員」と書いている箇所は、そういう横暴を働く人の事を指していると思って読んで下さい。)

そういうのを取り締まるのに、右翼か左翼かってほんとに関係あるんですか?

僕が言いたいこと、分かってもらえますでしょうか。 教員であるという立場を利用して、権力を笠に着て、横暴を働いて教え子を虐待するのが問題だと僕は思ってるんです。

体罰の問題と本質は同じですよね。 「教育のためなら『体罰も許されるのだ』」はNGだ、っていうコンセンサスが現状ですでに得られてるじゃないですか。 それと同じように、 「(平和|愛国)教育のためなら『横暴も虐待も許されるのだ』」はNGだ、っていうコンセンサスも得られるんじゃないですか?

もう1回書きますよ。 「教育のためなら『横暴も虐待も許されるのだ』」はNGだ、っていうコンセンサスは左右を問わず得られるんじゃないですか?

実際、左翼が行きすぎて共産党系組織からすら支持されなかったような人が、後に処分された事例もあるそうだし、不可能な事じゃないと思うんですよ。

仮に教育の現場に虐待の問題があって、現場が左翼に牛耳られていて、問題教員が左翼だから問題が表面化してないんだとしたら、なおさら、そういう人達の中の良識的な人達にも同意できる線で解決を図った方が実効性が高いんじゃないんですか? 虐待の問題を本当に早急に解決することを優先するなら、変な反論のできない、ぐうの音も出ない交渉の仕方をした方がいいんじゃないですか?

中立性の維持のためには左右両方が必要なんじゃないの?

「左翼の先生にそういう問題教員が多い」というなら、それは別にいいんですよ。 問題教員をばんばん取り締まった結果左翼先生ばっかりだった、っていうのはありうる話です。

仮にそういう状況なんだったら、「左翼先生を取り締まれば問題教員がいなくなる」っていうのも確かに真ではあります。 左翼先生が100人いて、そのうち50人がそういう横暴を働く問題教員で、左翼先生以外の先生に問題教員がいないんだったら、左翼先生を排除すれば確かに問題教員はいなくなる。 でも、問題教員じゃなかった50人はただの巻き添えです。

教育における政治的中立性を維持するにあたって、一人の人が完全に中立っていうのは非常に希だと、僕は思ってます。

教員には、大学で教職課程を取って、教員免許を取ってそのまま教師になって、学校という社会しか知らないまま大人になった人が多いと聞きます。 そんな世間知らずな先生が、右にも左にもかぶれないで中立を維持できるとは僕にはちょっと思えないです。 なので、右の人も左の人もいろんな思想の教員がいて、両方の話を聞いた子供が結果的に中立になる、というのが現実的な落とし所になるんじゃないかと僕は思ってます。

そう考えると、左翼先生だけがいなくなるのは宜しくないと僕は思う。 別の立場の人からの批判に晒されて考え方が洗練されていくという事が起こらなくなるのは、右翼にとっても宜しくない事だと思う。 批判に晒されてない洗練されてない考え方を盲目的に受け入れてるだけの人は、外に出てちょっと批判されたら、すぐ極端から極端に転向しちゃいますよ。「これが真実だったのだ!!」って目覚めて、良からぬ方向に走っちゃいますよ。

(だから、教員が左翼ばっかりだったらそれもマズイわけです。幼稚な左翼にかぶれてた子供が、ネットで「真実」に触れて一気にネトウヨ化、なんて今でもよくある話じゃないですか?)

問題をすり替えないで下さい

僕がここまでで書いた話を「議論のすり替えだ」って思いますか?

逆じゃないんですか? 問題教員に悩まされてきた人達のやり場のない怒りを、「それは左翼のせい」という政治的立場の話にすり替えて通報を募る方が、議論のすり替えなんじゃないんですか?

いや、自民党のフォームを作った人達がそこまで悪意を込めてやってたとは限りませんよ。 純粋に、彼らは彼らの思いがあって左巻きの教育を苦々しく思っていて、現状を調査したかっただけかもしれません。

(とはいえ、政権与党で、それなりに各方面に影響力の強い自民党が、左翼教師の通報を募ってたら、それって実質的にはやっぱり左翼狩りになるんじゃないの? と僕は思いますけど。)

自分の知る限りは2回の改訂を経て、自民党の件のフォームからは左翼を狙い撃ちにする感のある表現がなくなりました。 右翼思想の教員や、宗教思想の教員を通報するためのフォーム、というふうにも見えるようになっていますし、実際に当初からそのような教員の通報を期待しているのかもしれません。 右でも左でも関係無しに政治的偏り自体を問題視してたなら、最初からそうしておくか、あるいは、こういう余計なゲスの勘ぐりをされないためにも、左翼を想起させる例だけじゃなく右翼を想起させる例もそれ以外の例も併記しておいても良かったんじゃないかと思います。

でも、それでもなお、本来問題にするべきは権力を笠に着て横暴を働き虐待をする教員の方で、何らかの思想に偏っている教員ではないと自分は思ってます。

この文章を「左翼の左翼擁護だ」と思うのはべつにいいですよ。 事実として僕は左巻きを自覚してるし、問題教員としてよく語られる事例はどれも左翼教員ばっかりに見える(日教組が、というフレーズもよく目にします)から、事実として左翼の左翼擁護になってると言われたら否定はできないです。

でも、左翼憎しで雑に考えないで欲しいんですよ。 理性的であって欲しいんです。

これが逆に、共産党が右翼狩りを呼びかけてる例だったら、「ああまたアホなことを……落ち目の奴がそんなことやっても的を増やすだけやろ……」くらいで済ませてしまって、ここまで掘り下げて考えてなかったかもしれない。 「理性的に」って書いたけど、自分自身が理性的に考える前に感情で切り捨ててたかもしれない。 残念だけどそれも否定できないです。 でも、「せやろ。そんな程度の良識しか無いお前が言うなや」で済ませられてしまうのは嫌です。

右からでも左からでも上からでも下からでもどこからでもいいから、より本質に近いところに切り込んでいけるならその方が望ましいと思います。

くどくど繰り返し言うんですが、問題教員は実際いるし、そういう人達に苦しめられた人達が怒ってるのも分かるんですよ。 でも、それで理屈を忘れて本来叩くべき先と違う物を叩くのは、変だと思います。

僕からは、以上です。

選挙の時に熱くなってる人や政治活動に熱くなってる人を見て思った、18歳で選挙権を得た人達や、それより若い人達に伝えたい事 - Jul 09, 2016

僕は今33歳でもうすぐ34歳になろうとしていますが、16年前は17歳か18歳。 2016年7月10日の参議院選挙は選挙権が与えられる最低年齢が引き下げられて以後初の国政選挙で、当時の自分と同じくらいの年代の人も投票できるようになっています。 考えに考え抜いて投票先を選ぶ人も、自分が支持する人の方に勝って欲しいと思う人もいると思います。

当時僕には選挙権はありませんでしたが、それでもテレビで報じられる投票率の低さにイライラしていました。 みんなが選んだと言える事ならまだ納得できなくはないけど、みんなが選んだと言えないほど投票率が低くてどうして納得ができようか、と。

参院選を前にして、16年前の当時書いた文章がなぜか参照されていた形跡があったので改めて読み返してみましたが、いやぁ若いですね恥ずかしいですね。顔から火が出るなんてもんじゃないですね。でもこれも自分を形作ってきた物のひとつという事で、消さずに残しておくことにしました。

ところで昨今、僕が支持している考え方やそれに近い考え方の陣営が下手を打って自ら株を下げているように感じられゲンナリさせられることが度々あります。

中には、事実と確定していないデマと思しきものもあります。 しかし16年前の当時の自分や、自分が体験した事例を思うと、「やらかしててもおかしくない」と思わずにはおれません。 世間からも「こいつらならやらかしててもおかしくない」と見なされている、そういう風潮を感じます。 16年前の自分が書いた文章を読み返して恥ずかしかったのは、それも理由の1つだと思いました。

なので、そういった事例と絡めて、その頃の自分にも聞かせるつもりで、今現在自分が思っている事を改めて書き残しておこうと思います。

(ところで、大前提として選挙には行きましょうね。 そこは当時も今も相変わらず思ってます。 選挙権を20歳で得て以降、自分は今の所、公的な選挙は記憶にある限りでは全部行ってます。)

熱くなって馬鹿な事をしないで下さい

当時の僕は「選挙の後にガタガタぬかしても変わらない。選挙で物事が決まるんだ。だから選挙に行かなきゃいけないんだ。」という感じの事を語ってましたが、浅かったです。実際には選挙と選挙の間、選挙がない時の方が大事です。勉強と同じですね。普段勉強していれば試験でいい点が取れて、勉強してなければ点は取れない。試験は「普段のあなたがどうであるか」が可視化される機会でしかなくて、試験で点を取る事は目的ではありません。それと同じで、趨勢は選挙の前にだいたい決まっていて、選挙もそれが可視化されるというひとつの区切りでしかありません。

だから、選挙の時に熱くならないで下さい

というか、選挙の時じゃなくても熱くならないで下さい

我々には資金や組織力が無いからゲリラ戦を挑むしか無いのだ、みたいな自己正当化をして無関係の他の人の邪魔をしたり迷惑をかけたりしないで下さい

自分は正しい事を広めようとしてるんだから少々の事は許されるのだ、みたいな思い上がりからルールを軽視し犯すような真似はしないで下さい

「協力してくれるなら味方だ」みたいな二元論でもって無限の同意や無償の全面協力を強いたりしないで下さい。 ましてや、勝手に人の名前を使ったり意思を騙ったりしないで下さい

(上記の例には、誰がやったのかも定かでない、事実かどうかも定かでない、という物も含まれています。が、前述の通り自分は「こういう事が実際あってもおかしくない」と思っていますので、以下の話はそれを前提として書きます。)

「今は特別な時だから」とか「自分は正しい事をしてるから」とか、そういう都合のいい例外を自分で作ってルールやマナーを勝手に歪めて考えないで下さい。 そういう傲慢さや、見識の狭さや、頭の悪さは、見透かされます。 そういう人を、良識を持ったまっとうな人は支持しませんし、好感も抱きません。

厳密に言えばグレーゾーンなんだから、黒と確定してるわけじゃないんだから、やっちゃった者勝ちなんだから、やっちゃえばいいじゃん。 「あいつら」がやってるんだから「こっち」だって同じことをやりゃいいじゃん。 おあいこで相殺されるでしょ。 そう思うかもしれませんが、周囲の第三者はそういう甘い判断をしてくれません。 良識ある人達は好意的に見てくれるはずだ、なんて思い上がらないで下さい。 良識のある人は、わざわざグレーゾーンに踏み込みません。 グレーゾーンに踏み込んだ時点で、良識のある人から見れば、あなたはもはや「良識が無い・一顧だにするに値しない、良識に反する敵」なのです。 そこを勘違いしないで下さい。

一発逆転を狙わないで下さい

なぜそんなに熱くなるのか。 当時の自分を思い返すに、「普段の鬱憤を晴らしたい」とか「今までの不利を一気にひっくり返したい」とか「今まで認められていなかったぶん、認められて評価されたい」とか、そういう思いがあったと思います。

選挙の前に趨勢は決まっている、世論という物はだいたい形成されている、という事は、なんとなく皆さん感じていると思います。 そういう物を自分一人の努力で容易に変えられはしないという事も、薄々分かっていると思います。 自分が思った事とか考えた事を披露しても聞いてもらえない、賛同も得られない、言えば言うほど嫌われ避けられる、それどころかそもそも言いだす事すら憚られる、そんな感覚がなんとなくあるんじゃないでしょうか?

だから、選挙というタイミングで一発逆転したくて、もしかしたら一発逆転できるかもと期待して、熱くなるのではないでしょうか。 少なくとも僕は、そう考えていたと思います。

そんな風に虫のいい事を考えているから、嫌われるような事をやらかすんですよね。 今になって改めて、自分はそう思います。

虫のいい事を考えている間は、そういう考えを捨てられないという本質的な人間性が変わらないままでは、「ルールを守って」とか「マナーを守って」とかそういう事に気をつけようとしても、どうせできやしません。 先に挙げたような迷惑行為を表面的に慎もうとしても、違った形で迷惑行為をやらかします。 絶対にボロが出ます。 コーラを飲んでゲップを我慢しても、代わりにオナラが出るのです。

一発逆転できなくてもヤケにならないで下さい

一発逆転を目指さない、とはどういうことか。

  • 地道に誠実にやる
  • 嘘はつかない、捏造もしない、根拠のある事実に基づいて話す
  • 悪あがきしない、自分の非は素直に認める

今の僕は、これが大事な点だと思ってます。

そういう風にやったからといって、人に好かれる保証は無いし、支持される保証もありません。 結局誰にも賛成してもらえないまま、というオチだって十分にあり得ます。 非を認めた途端に、「それみたことか」と得意げに叩き出す人も出てくるかもしれません。 でも、それでも誠実にいきましょう。 それが最低条件です。

僕のここまでの人生、わりとそんな感じです。 自分ではなるべく嘘をつかず真面目にやってきたつもりですが、「大多数の人の圧倒的な支持」は得られていません。

大多数の圧倒的な支持を得ていれば勝ち、そうでないなら負け、という考えであれば、僕の現状は「負け」ということになるでしょう。

でも実際には、僕の活動を意義ある物として評価してくれる人はいて、たまに誉められたりもしてます。 嘘・虚構で得たわけでなく、事実を積み上げた上で得られた評価なので、これは確かな物だと自負しています。 「勝つ」か「負ける」かの2値でだけ考えていると、こういうものを見落としてしまいます。

話を聞いてもらえないからってヤケにならないで下さい

「耳障りのいい嘘をつかなきゃ聞いてもらえないじゃないか」 「嘘でもなんでもいいから聞いてもらえなきゃはじまらないじゃないか」 そんな事はありません。それはあなたの考え違いです。 嘘も捏造も無しに正直に話していて、話を聞いてもらえている人はいくらでもいます

ただし、「あなたが正直に話しさえすれば、誰でも話を聞いてくれる」訳でもありません。 正直に話しても聞いてくれない人はいます。

人に話を聞いてもらえないなら、その人が興味を持ってくれて聞きたくなってくれるような話し方を考えましょう。 間違っても、無理矢理肩を引っ掴んで聞かせるような事はしないで下さい。

話を聞いてもらえないのは、聞く気が無い相手が悪いのではなく、聞く気にさせられないあなたが無力なのでもなく、あなたと相手が違う人間だからです。 そこが分からない限り、永遠に話は聞いてもらえませんし、聞いてもらえても恐らく、「分かってもらえた」と満足できる事は無いでしょう。 相手があなたのコピー人間でもない限り、「あなたが満足できるようなレベル」で相手があなたの考え方を受け入れて同意してくれることはありません。 相手に期待しすぎないで下さい

若くて熱くなっている人にはなかなか理解できないかもしれませんが、自分と違う人生を生きてきて、自分と違う考え方をしていて、自分とは相容れない考えを持っている、そういう人達を貶すでもなく取り込むでも無く、そのまま死ぬまでお互いに平行線を行き続けながら、同じ船に乗り続けるのが社会というものです。 「自分と違う考えの人がいなくなればいいのに」とあなたが思うのなら、相手の側から見ても「自分と考えが違うこいつはいなくなればいいのに」と思われています。 あなたは安全地帯にいるわけではありません。 それを念頭に置いて、「何事もお互い様だ」という事を忘れないで紳士的にやって下さい。

それが格好いい大人という物だと、今の自分は思っています。

2016年の現場からは、以上です。

朝の情報番組が「保守」って言葉の意味に真面目に言及するとは思いもよらなかった - Oct 16, 2014

朝、出がけにテレビ見てたら「そもそも、(政治の文脈での)『保守』って何なの?」という話をやってて、ついギリギリまで見てしまった。朝の情報番組といったら……というか、チャンネル桜みたいな政治思想がはっきりしてる局でもない限り、池上さんの番組以外では日本のテレビはこういう話題には触れないものなのだろうなあと思っていたので、「へえ、案外まじめにやってるんじゃん」と思って、それで見入ってしまった。

どこの局のなんていう番組かは覚えてないんだけど(って今調べたら、テレビ朝日の「モーニングバード」という番組の「そもそも総研」というコーナーだったようだ)、東大名誉教授の人(名前覚えてない)、小林よしのり氏、鈴木邦男氏の3人にインタビューしていて、僕が見て記憶してた範囲では、小林よしのり氏と鈴木邦男氏は「今保守を名乗っている人達(政党、政治家等)は、本当の意味で保守とは言えない」と言ってて、特に鈴木氏は、自身が学生運動真っ盛りの頃に右翼をやってた当時は「右翼」からも「左翼」からも嫌われてたのが「保守」だった、なんてな事も言っていた(ということは、いわゆる「ノンポリ」に近いニュアンスだったのだろうか?)。

「保守=保って守る、という字面だが、じゃあ何を保って守るの?」という素朴な疑問に対しての各人のコメントは、こんなだった(僕の理解では)。

  • 東大名誉教授の人の言う保守とは「体制確立時の主流だったものを守るのが保守。アメリカなら、独立時に中心にいたWASP層が保守。イギリスなら、議会制を立ち上げた時に議会を牛耳っていた貴族層が保守。日本なら、戦後の安保体制を守るのが保守(本流)」
  • 小林氏の言う保守とは「真の保守とは2000年スパンの伝統に基づく文化を守るもの」で、「今保守を名乗っている人達は、高度経済成長の幻影を守ろうとしているだけ」
  • 鈴木氏の言う保守も「本来の意味で言えば、外からの影響を色々と受けて変わり続けてきた寛容さに基づく文化を守るのが保守」で、「今保守を名乗っている人達が守ろうとしているのは、戦前くらいまでの短い期間で見た時の『伝統』に過ぎない」

コーナーの結びとしては、「保守を自称している人達はそれぞれ実は何を守ろうとしているのかちゃんとはっきりしないといけないんじゃないの」という感じの落し所だった。

僕自身は、「保守とは何か?」という定義付けについては、大筋では大学の一般教養レベルで教わった内容をそのまま今でも受け入れている(それ以上に納得できる説明には出会えていない)。それはどいうものかというと、僕の認識では、「保守」とは、端的に言えば現状維持が基本の態度の事。善き事か悪しき事か・正しい事か間違った事かといった価値判断は行わず、理由はどうあれ、変わったり変わらなかったりした結果いまあるものを最大限維持する、とにかく今生きてる人達がなるべく変わらずに惰性でイイ感じに生きていけることを指向するもの、だと僕は考えている。良く言えば慎重、悪く言えば日和見、他人の後追い。他の人が何か新しい事に挑戦して、それでうまくいってたら、やり方を真似て採り入れる。現状維持が基本ではあっても、全く何も変えないわけじゃなく、変えた方がよいとはっきりしてるなら渋々ではあっても変えていく。少なくとも日本人に関して言えば、僕も含めて多くの人に見られる性質だろう。

(そういう「保守」と対置される物として、人は意志の力で今より良く変われるのだ!と信じて、現状を変えてでもガンガン挑戦していこうという向きがあって、その中でも、前例のない新しい事・未来の理想に向かって変えていこうとする革新派が「左翼」で、現実にあったかどうかはともかくとして過去のどこかの時点を理想として変えていこうとする懐古・反動派が「右翼」……なのだろうと、今のところ僕は認識している。)

言う人に言わせると、僕の認識のような「保守」の説明は「保守をただのノンポリに貶めている!」てなお叱りの対象になるみたいなんだけど、僕は、そういう反応をするのは「反動」「封建」あたりと「保守」とを混同しているだけだと思ってる。だいたい、「保守的」という形容詞がどういう様子を指すのかっていうと、一般的に、より新しいもの(考え方、やり方、道具、なんでもいい)が出てきた時に、新しい物にとりあえず難癖を付けて、「自分が今まで採用していたもの」の方にしがみついてしまう事を言うじゃないすか。保守的な政治思想、これすなわち保守。これ以上に説得力のある説明、あり得なくない?(だから、例えば、そのしがみついた先が「封建」で、このご時世に「女性は家を守るべし、社会進出なんてもってのほかだ」とか言っちゃってたら「保守的な封建」だし、しがみついた先が「共産主義」で、あの中国ですら自由経済を導入しているにも関わらず「自由経済は一切認めん!」ってんなら、それは「保守的な共産主義者」と言っておかしくないと思う。)

ともかく、僕は「保守」とはそういう無色透明なものだと思ってて、ここから先の話もそういう前提での話なんだけど。

熱力学第2法則(エントロピー増大の法則)を援用すれば、現状維持だけやってたらゆるやかに劣化していき、いつかは破綻する。 ただの守りの姿勢ではなく緩やかな改善を含むのだとは言っても、基本的な態度はあくまで現状維持。高度経済成長のように、外的要因からの上向きの風に運良く乗っかる事はできるかもしれないけれど、基本的に、自分から率先してはっきりとどこかに向かおうとはしないが故に、幸せになれるかどうかは他人任せ・運任せ。 うまくいってる時期ならそれでもいいんだけど、うまくいかなくなってる時にいつまでもそのままだと、座して死を待つのみなんてことにもなってしまう。

そういう危機感というか「このままじゃいけないんだろうな」という不安感というか、そういうのがあるから、今の世の中では、大阪維新の会だったり「日本を取り戻す」な安倍首相だったりの、「今の状態から、より良い状態にダイナミックに変わろうとする」呼びかけが好まれるのだろう。

多くの人が漠然と保守的であるのなら、保守を標榜する政党や政治家が人気を集めるのは自然な事だろう。ただ、「自分は保守的な人だから、保守を標榜する人や組織を支持しよう」と、ラベルで物を見てなんとなく判断してしまっていると、見誤る。安倍首相に代表される今の政権を支えている考え方は、「なるべく現状維持」っていうより「現状からダイナミックに変える」なのだから、その時点でもう「保守」じゃないじゃないすか。

そういや今思い出したけど、例えば、自民党の改憲案見た時に思ったけど、文言の修正量の多寡じゃなくて意味合いの方を見ると、言葉尻をちょっと変えただけだけど意味がガラッと変わってた。「国家権力の暴走を縛るための憲法」というコンセプトが、「国家権力が国民を縛るための憲法」に様変わりしてた。そういうのって、「文章としてはほとんど変えてないから現状維持だよね」ってのは詭弁で、「文言を一部変えたことで、換骨奪胎して全然別物に変えてる」ってのが実際でしょ。僕はそんなのは「保守的」とは言えないと思う。

「自分達こそが国民の本来のあるべき姿を目指しているのだ」っていう「右翼」が、そんな感じで詭弁を駆使して、「よく分かんないけどなるべく自分たちのありのままで生きていきたい」っていう「保守」のラベルを勝手に借用して「代弁」して……つまり「あるべき姿」と「ありのままの姿」という別々の物を意図的に混同させて、「右傾化なんかしてないよ、保守だから中道だよ」って言いながら実質右に傾けている、本来以上の支持を集めてしまっている、そんなところがあるんじゃないかなー。

うん、我ながら今いいこと言った気がするから繰り返すけど、「あるべき姿」と「ありのままの姿」は、やっぱ違うんですよ。

「あるべき姿」を指向していて、且つ「それは、本来のありのままの姿とイコールであるはずだ、それが最も自然で美しい姿であるはずだ」と思ってるというのが、ウヨとか右翼とかっていうものなんだと僕は思ってる(「人間本来の姿として、同性愛はおかしいし、専業主婦が家庭を守ってるのが自然で、云々」っていうのも、「同性愛は動物の世界にだって当たり前にある(少数派ではあっても)し、専業主婦という業態は高度経済成長期に流行っただけであってそれ以前にはべつにそうじゃなかったし、云々」と証拠を持ち出して反論されても、考えを曲げたり改めたりしないんじゃないの? ガチガチの右の人って)。マイルドヤンキーとか、滅茶苦茶悪く言えば低学歴な、深くものを考えない態度の人の素朴な感情から、右傾化が加速してくっていうのも、背景にはそういうのがあるんじゃないかなあ。ほっとくとどうしても混同しやすいっていう。

そのあたり、「革命だ!科学だ!」って言ってた陣営のサヨ・左翼は、「あるべき」と「ありのまま」の区別にもうちょっと自覚的なんじゃないかなあ……と一瞬思ったんだけど、9条を守る系の人とか、素朴な感情ベースで運動やってる人達には、そこを自覚してない人は結構いそうだし、先導してる人達もやっぱりそこをごまかして混同して大衆を味方に付けようとしてるんだろうなあ。

とにかく僕が思うのは、似た言葉をごまかして混同させて騙して自分に有利に情勢を動かそうとする態度は、不誠実だってこと。大勢の支持を短期的には集められないとしても、誠実な態度を取り続ける馬鹿正直な(でも、できる限り誠実さを保てる範囲で他人の理解を得られるよう工夫できるような)人が、僕は好きだし、僕自身なるべくそうありたいと思うのですよ。

あと、既存の適切な名前に悪いイメージが付いてしまったからといって、既に別の意味で使われている言葉を安易に代替で使わないで欲しい、とも思う。そんな事をするくらいなら、造語で新しい名前を作る方がまだマシだ。そういう事が思いつかないくらいに素で言葉の意味を混同してしまっているんだったら、もうちょっと言葉というものに敏感になった方がいいと思う。

参考:

(……と、ここまで書いた所でちょっと不安になってWikipediaとか見てみたんだけど、僕の「保守」の捉え方は「数多ある保守に共通する普遍的な性質」の説明としては大筋で間違いではないようだったので、安心した。)

児ポ法も真っ青な言論統制制度がもうすぐ国会を通過するようです - Apr 04, 2008

osakana.factory - 日本の子供たちからインターネットが消える日

暫定税率がどうこうだののドサクサ紛れにロクな真偽も無しに通っちゃう予定だそーです。

法案の中身ももちろんだけど、「ドサクサ紛れに通しちゃえ」ってのがほんと腹立たしい。これに限らず、そういうのばっかだ。

アメリカン - Mar 23, 2008

なんというか、こう、大味というか大雑把というか、「だーいじょうぶだいじょうぶ、ミーにまっかせなサ〜イ!! HAHAHA!!」とか言って色々ぶっ壊しながら直進する陽気なアメリカン、というキャラクターを思い浮かべました。

児童ポルノ法 - Mar 14, 2008

児童ポルノ問題についてみんな勘違いしている。 - orangestarの日記

「ロリコンはキモイ!! 死ね!!!」と思うことは自由だし、そう言うことも自由だし、そうあるべきだ。そう発言することも考えることすらも法で禁止してしまうなんてことが、あってはならない。ロリコンをキモいと思う人がその心情を自由に発言し主張できる、そういう世の中を僕らは守っていかなければならない。

僕が児童ポルノ法(の「準児童ポルノ」うんたらかんたらの部分)に反対する理由も、誰もが反対するべき理由も、まさにそういうことだ。

その事が分からない人は、この件について口を挟むべきではない。

追記。「性的視線から無縁な児童」なんてのは単なる「フィクション」じゃないの? - 想像力はベッドルームと路上から王様を欲しがったカエル | 児童ポルノを撲滅しようと画策している団体は、内部で児童にポルノを鑑賞させている。 色々ねじれてるのなぁ。

予算委員会の答弁50分がエンターテインメントとして普通に面白かった - Feb 14, 2008

労働者派遣法とニコニコ動画、この国の未来について。 - orangestarの日記で紹介されてた衆議院予算委員会での答弁映像が、「何勘違いしてるんだ? まだ俺のバトルフェーズは終わっちゃいないぜ!!」「やめて! もう与党のライフは0よ!!」という感じでエンターテインメントとして普通に面白かった。丸い顔したおっちゃんがほとんど50分間ずっと喋り倒しなだけの映像なのに、いやぁ、飽きさせないなあ。

ま、冷静に考えれば、「予算委員会」で偽装請負がどうとかの話をやってる方が「勘違い」だし「空気読めよ」な話ではあるんですけどね。(なんでそれなのにこの場でこういう質問をする羽目になってるのか、の理由はもちろん知ってるからそこへのツッコミは無しでお願いしますよ)

選挙 - Jul 29, 2007

投票所に行く途中、投票所入場整理券を風に飛ばされて焦った。

今開票速報見たら、与党過半数割れで驚いた。まあでも、所詮は参院(いらない院、意味ない院)選だから、この選挙の結果は国の行く末には全く影響せんのでしょうけどね。まあ、だからこそなんだろうな、こういう結果になる事を与党が容認したのは。

医療崩壊2.0 - Mar 06, 2007

医療崩壊2.0ワロ……てる場合じゃないよこれは

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