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宣伝1。日経LinuxにてLinuxの基礎?を紹介する漫画「シス管系女子」を連載させていただいています。 以下の特設サイトにて、単行本まんがでわかるLinux シス管系女子の試し読みが可能! シス管系女子って何!? - 「シス管系女子」特設サイト

宣伝2。Firefox Hacks Rebooted発売中。本書の1/3を使って、再起動不要なアドオンの作り方のテクニックや非同期処理の効率のいい書き方などを解説しています。既刊のFirefox 3 Hacks拡張機能開発チュートリアルと併せてどうぞ。

Firefox Hacks Rebooted ―Mozillaテクノロジ徹底活用テクニック
浅井 智也 池田 譲治 小山田 昌史 五味渕 大賀 下田 洋志 寺田 真 松澤 太郎
オライリージャパン

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Minefield 3.7a4preのタブバーの仕様変更に対してツリー型タブで取った対応方法 - Mar 29, 2010

タブバーがtabbrowser要素の中から取り出されて1つのツールバーになったということで、タブ関係の挙動を変える系のアドオンが死屍累々なんじゃないかと不謹慎にもwktkしてるわけですけれども。特に影響が大きくて話としても「あーそりゃそうなるわな」ってのが分かりやすいのは、やはりタブバーの表示位置の変更機能ですよね。

今まで

今までは、Firefoxのメインウィンドウの中身は簡単に言えばこんな要素構造になってた。

<toolbox>
  <toolbar/>
</toolbox>
<tabbrowser>
  <tabbox orient="vertical">
    <tabs orient="horizontal">
      <tab/>
      <tab/>
    </tabs>
    <tabpanels>
      <browser/>
      <browser/>
    </tabpanels>
  </tabbox>
</tabbrowser>

XULのレイアウトは主にMozillaの関係者からCSS3に提案中のflexible box layoutに基づいてるんだけど、

  • -moz-box-orient: horizontal(XUL要素の属性指定だとorient="horizontal")だとボックスの中身が横に並ぶ。
  • -moz-box-orient: vertical(XUL要素の属性指定だとorient="vertical")だとボックスの中身が縦に並ぶ。
  • -moz-box-ordinal-groupの値(XUL要素の属性指定だとordinalの値)の順にボックスが並べ替えられて表示される。

これだけの事を組み合わせれば、タブバーの位置を上下左右好きな位置に移動できた。

  • 初期状態では、tabboxのorientがverticalで、tabsにもtabpanelsにもordinalは指定されていないので、タブバーは上に来る。
  • tabboxのorientをhorizontalにしてtabsのorientをverticalにすれば、タブバーが左に来る。
  • tabsのordinalを2、tabpanelsのordinalを1にすれば、タブバーが下に来る。
  • 両方を同時に指定すれば、タブバーが右に来る。

という具合。

これから

ところが、bug 347930のパッチで要素構造が以下のようにガラッと変わった。

<toolbox>
  <toolbar/>
  <toolbar id="TabsToolbar">
    <tabs orient="horizontal">
      <tab/>
      <tab/>
    </tabs>
  </toolbar>
</toolbox>
<tabbrowser>
  <tabbox orient="vertical">
    <tabpanels>
      <browser/>
      <browser/>
    </tabpanels>
  </tabbox>
</tabbrowser>

こうなると、単純にボックスの並び順やら並べる方向やらを変えただけではタブバーの位置を動かせない。

  • toolboxの中にtabsがあるので、ordinalではtabbrowserより下にtabsを持って来れない。無理に持ってこようとするとtoolbox全体がtabbrowserの下に来てしまう。
  • toolboxの中にtabsがあるので、orientではtabbrowserの横にtabsを持って来れない。無理に持ってこようとするとtoolbox全体がtabbrowserの左に来てしまう。

ドン詰まりですね。

他のタブ関係のアドオンが採用した方法

alice0775さんの調べによると、タブバーの位置を変える機能を持ってる他のアドオンでは、tabsを一旦DOMツリーから取り外して別の位置に挿入し直すという方法で、タブバーの表示位置変更を実現しているらしい。

しかしこのやり方だと、tabsがDOMツリーから取り外されるより前に他のアドオンが行った初期化処理の効果がリセットされてしまう場合がある。リンク先のエントリでいくつか挙げられてる懸念がそれ。

本当だったらFirefox本体の方でなんとか面倒を見て欲しい(タブバーの位置変更を行う機能を持たせて、位置が変わる前と後でイベントを発行するようにするとか)所なんだけど、責任者の人達をIRCで英語で説得する自信は全く無いチキンでTOEICスコアめためたで英語音痴な僕は、アドオン側でなんとかする方法を考えないといけない。しかし、最も単純なやり方(DOMツリーの改変)だと他のアドオンとの競合という点で弊害が大きすぎる。

そういうわけで、ちょっと考えてみました。DOMツリーをいじらずにタブバーの位置を変える方法を。

ツリー型タブが採用した方法

ヒントになったのは、XUL/Migemoの「タブバーの下に検索バーを移動する」機能や、Unified Sidebarの「サイドバーを縦型タブバーの下半分に表示する」機能の実装方法。

これらのアドオンでは「検索バーやサイドバーを表示したい位置にmarginやpaddingでスペースを設けて、検索バーやサイドバーをCSS2のポジショニングでその位置に重ねる」という方法で、DOMツリーを改変することなく要素の表示位置だけを変更している。また、ウィンドウの大きさなどが変わった時には、resizeイベントを捕捉して表示位置や要素の表示サイズを自動調整するようにしている。

ツリー型タブのMinefield 3.7a4pre対応でも、基本的にはそれと同じ方法を使う事にした。ただ、タブバーの幅をリサイズできるようにするsplitterを、ポジショニングで表示位置を変えられた状態向けにゼロから作りなおすのは面倒だったので、tabboxの中にダミーのhbox要素を挿入して、splitterは普通にXULのsplitterを使い続ける事にした。

<toolbox>
  <toolbar/>
  <toolbar id="TabsToolbar">
    <tabs orient="horizontal">
      <tab/>
      <tab/>
    </tabs>
  </toolbar>
</toolbox>
<tabbrowser>
  <tabbox orient="vertical">
    <hbox/>
    <splitter/>
    <tabpanels>
      <browser/>
      <browser/>
    </tabpanels>
  </tabbox>
</tabbrowser>

このようにした上で、

  • hboxを含むtabboxの内容を、Firefox 3.6までの手法でレイアウトして、tabsの表示用のスペースを確保する。
  • hboxの上に同じ大きさでtabsを重ねる。
  • splitterによってhboxがリサイズされた時は、tabsの位置や大きさを自動的に更新する。

とする事で、ぱっと見は今までと同じような挙動を実現しつつ、タブ周りのDOMツリーは一切破壊しないという実装になった。

どっちのやり方の方がいいのか

ツリー型タブのやり方とTab Mix Plus等のやり方のどっちがいいかは、一概には言えない。どちらにもメリットとデメリットがある。

ただ僕は、ツリー型タブで採用したやり方の方が「他のアドオンが全く動かなくなってしまうような衝突の仕方はしなくて、仮に衝突しても最小限の労力でなんとか回避できる可能性が高い」と信じている。

現在Firefox本体の側には、3.6以前のバージョンのFirefox向けに書かれたアドオンについて、Minefield 3.7a4pre以降でもそのまま動くようにするためのパッチも取り込まれている。ちょっとアドオンの作り方に気をつけさえすれば、タブをダブルクリックした時の挙動を変えるとか、リンクから開いたタブの位置を制御するとかいった単機能のアドオンは、ほとんど何も手を加えずにMinefield 3.7a4pre以降に対応できるようになってる。

しかしながら、Tab Mix Plusが現在採用している(らしい)DOMノードを切り貼りするやり方では、「ほっといても他のアドオンがちゃんと動いてくれる」ようにはなりにくい。「DOMノードの切り貼りでタブバーの位置が変更された事」を検知して何らかの特別な初期化処理を行うようなコード、を他のアドオンの側に加えてもらわないと互換性を保てない。僕は、僕のアドオンと競合しないで使えるようにするために、他のアドオンの作者がわざわざ気を使ってくれるとは思えない。僕が作ってる物が、そこまで他のアドオン作者から特別視してもらえる存在だとは、思えない。

なので、僕がアドオンを作る時はなるべく、他のアドオンの側に変更が必要になるような作りにはしないでおこうと思ってる。どうしてもそうなる時は、APIを提供してAPI経由でスッキリと連携できるようにしようと思ってる。そういう謙虚というか悲観的な姿勢が、「ユーザがどんなアドオンと組み合わせて使うかは全く分からない」アドオンを作る上では必要なんじゃないかと思ってる。

nsIVariantを使ってるアドオンが終了していた、と思ったら僕の知識の方が終了していた件 - Mar 23, 2010

SCRAPBLOG : JavaScript 製 XPCOM で配列構造・列挙構造のデータをメソッドの戻り値にする

独自に開発したXPCOMコンポーネントに対して配列を渡したり、あるいは戻り値を配列で受け取ったり、ということをやる方法はいくつかある。上記エントリではコメント欄も含めると4つの方法が紹介されていて、そのうちコメント欄にある2つはJavaScriptの配列をそのまま受け渡せるという点で有用だ。特にnsIVariantインターフェースを使うやり方は、戻り値に使う時に余計な引数を定義しなくていいので、実際にそのXPCOMコンポーネントをJavaScriptから使う時にとても使い勝手がいい。

ということでXUL/Migemoでは積極的にnsIVariantを使ってたんだけど、これがMinefield(検証したバージョンは3.7a4pre)で動かなくなってた。

結論から言うと、これはnsIVariantインターフェースのIIDが6c9eb060-8c6a-11d5-90f3-0010a4e73d9aから81e4c2de-acac-4ad6-901a-b5fb1b851a0dに変更されたせいで起こっている問題で、nsIDOMRangeのIIDが変更された時に起こった問題と同様の物だ。

変更が入ったのは昨年9月で、HTML5の新しい仕様に対応するための作業の一環として、何らかの必要があってインターフェースに機能を加えると同時にIIDも変わったらしい。nsIVariantはFROZENなインターフェースじゃないから、nsIDOMRangeの時のようにIIDが元に戻されることは多分あり得ない。よって、考えられる対策は以下のいずれかということになる 。

  • APIをXPCOM経由で提供する事を諦める。Firefox 2以前、Thunderbird 2以前を切り捨てて、JavaScriptコードモジュールとして書き直す。
  • Firefox 3.6以前用とFirefox 3.7以降用とでXPIDLのコンパイル後のバイナリを分けて、Firefoxのバージョン別に2つのXPIファイルを提供するようにする。

JavaScriptコードモジュールにするデメリットは、Thunderbird 2で利用できなくなってしまう点と、APIが変わってしまう点。バイナリを分けるデメリットは、リリースの時の作業がめんどくさくなる(XPIファイルが2つになるので)という点。どっちを選んでも大変なのは変わらない……

APIが変わってしまうことは避けたかったので、結局、後者の方で対処することにした。

前から使ってるXPI生成用シェルスクリプトに起動オプションでサフィックスを指定できるようにして、

こんなショボいスクリプトを作って、前出のスクリプトと一緒に

call xpidl.bat xulrunner-sdk-1.9.2
bash makexpi.sh -n xulmigemo -v 0 -s "1.9.2"

call xpidl.bat xulrunner-sdk-central
bash makexpi.sh -n xulmigemo -v 0 -s "central"

てな感じで実行するようにして(make.bat / make.sh)、MozillaのFTPサイトからXULRunner SDKのファイル一式を入手して

  • xulmigemo
    • make.bat (make.sh)
    • xpidl.bat (xpidl.sh)
    • makexpi.sh
    • install.rdfなど
  • xulrunner-sdk-1.9.2
    • bin
      • xpidl.exe (xpidl)
    • idl
  • xulrunner-sdk-central
    • bin
      • xpidl.exe (xpidl)
    • idl

という感じにファイルを配置するようにした。

XPIを作りたい時にはXULRunner SDKが必要になってしまうけど、スクリプトいっこ走らせれば xulmigemo-mozilla-1.9.2.xpi と xulmigemo-mozilla-central.xpi という風に複数のXPIを出力できるようになったので、リリースにかかる手間は少しは軽減された……のかな……

追記。Gomitaさんのコメントを見て、IDLファイルからincludeの行を消して試してみたら、それでちゃんとコンパイルできた。なんでだ……!!!

えーと。ずっと勘違いしてたんだけど、#include "nsISupports.idl" みたいな行は、interface xmIXMigemoFileAccess : nsISupports てな感じでインターフェース定義の継承元に別のインターフェースを使う場合にだけ必要で、戻り値や引数に使う分には単に interface nsIVariant; とだけ書いておけばいいみたいですね……そうすると、コンパイル時には余計なIIDが含まれなくなって、Firefox 3.6まででも3.7以降でも問題なく使えるXPTファイルが作られるみたい。

まとめ。

  • IDLファイルの書き方を間違えておらず、最小限の記述だけにしてあれば、コンパイルしたXPTファイルはFirefox 3.6まででもFirefox 3.7以降でも使える。
    • 継承元に使うインターフェースはその内容が定義されたIDLファイルをincludeした上で interface インターフェース名; と書く。
    • そうでない物(引数や戻り値でしか使わないインターフェース)は interface インターフェース名; だけ書く。
  • Minefield 3.7におけるnsIVariantのIIDの変更の影響を受けるのは、nsIVariantを継承元としてさらに拡張したインターフェースを定義する場合だけ。

そんなわけで、xmIXMigemo.idlの頭の所はずいぶんスッキリしました。

#include "nsISupports.idl"
#include "nsIObserver.idl"

interface nsIObserver;
interface nsIFile;
interface nsIVariant;
interface nsIDOMWindow;
interface nsIDOMDocument;
interface nsIDOMRange;
interface nsIDOMElement;
interface nsIDOMNode;


/* Utilities: You can use them for your language without additional implementation. */

[scriptable, uuid(4aca3120-ae38-11de-8a39-0800200c9a66)]
interface xmIXMigemoFileAccess : nsISupports
{
(以下略)

Split Browser(分割ブラウザ)をFox Splitterに改名した - Mar 19, 2010

「Split Browser」という名前で公開してたアドオンについて、「名前かぶってるから変えてんか(大意)」というメールが来た。2004年からある「SplitBrowser」という名前のWebKitベースのブラウザの作者の人だった。

こっちの奴は2007年が最初のリリースなので、どう考えてもこっちが悪いですよね……ということで名前を変える事にした。edvakfさんが呟いた「SplitFox」という名前がナイスだと思ったんだけど、検索してみたところそういうハンドルで活動してる人がいたので、これも駄目かーと思ってちょっとひねって「Fox Splitter」にした。

リポジトリ上のファイルは全部修正したけど、リリースはしてないので、今インストールすると表示は「Split Browser」のままです。名前が変わるのは次のバージョンからという事で、今はまだWebページだけの変更。

ツリー型タブのサイドバーをAll-in-One Sidebarと連携させられないの?(I want the tree of tabs to be shown in the sidebar.) - Mar 19, 2010

Q

I was wondering if there is any way to have it open inside All-in-One Sidebar. If so could you please tell me how to do it?

ツリー型タブの縦型タブバーをAll-in-One Sidebarの中で表示する方法があるなら、教えてもらえませんか?

A

Unfortunately, there is no way. Tree Style Tab's vertical tab bar is not a "sidebar panel", so, it cannot be showin in the AIOS sidebar.

There is another addon "Tab Tree" which provide a sidebar panel of tree of tabs.

It is abandoned by the author, however, it is very similar to your requirement. He published it as a public domain software, so, if you can, you'll take over the project without any warranty.

By the way, I think that Unified Sidebar possibly help you.

残念ながら、方法はありません。ツリー型タブが提供する縦長のタブバーはサイドバー用のパネルではないので、All-in-One Sidebarの中に表示する事はできません。

他のアドオンで、タブのツリーのサイドバーパネルを提供する「Tab Tree」という物があります。

作者はこのアドオンをもう更新しないという事を公言していますが、これはあなたの求めているものによく似ています。彼はこのアドオンを、著作権を主張しないパブリックドメインソフトウェアとしているようなので、もしやる気があるなら、あなたはこのアドオンの開発を(許可を求めずとも)引き継ぐ事ができます。

あと、ひょっとしたらUnified Sidebarもあなたの役に立つかもしれません。

Some reasons why I say that eval is not absolutely dangerous than other hacks. - Feb 08, 2010

This is an translated version of my another entry, evalが危険でそれ以外の方法が安全だと思ってる人へ . This is an objection for the entry: Five wrong reasons to use eval() in an extension written by Wladimir Palant.


Recently I updated Source Viewer Tab and Tree Style Tab. However, when I uploaded the latest version to AMO, both files were retained in the sandbox, never made public by AMO editors. They said with one mouth: "Your add-on uses the 'eval' function unnecessarily, which is something we normally don't accept. There are many reasons *not* to use 'eval', and also simple alternatives to using it. You can read more about it here: http://adblockplus.org/blog/five-wrong-reasons-to-use-eval-in-an-extension"

I know the point of their blames very well, because I read and translated the entry to Japanese for my understanding. When I got a rejection about another addon, I got just same comment.

Now I have an objection about indiscriminate rejections by "too many eval()s" like this.

Both "wrong" and "right" are infelicitous adjectives about eval.

First of all, there is no "wrong" use of eval in any JavaScript codes (not only my addons). All of evals are "right" if it does its own work correctly.

For example, by the HTML specification, <em> is defined as "means emphasizing", "cannot appear in <title>", and so on. If you write <em> against the definitions, your HTML will be "invalid".

How about eval? 15.1.2.1 eval (x) in the ECMAScript specification describes about the function. It just says: runs the specified string as a script. There is no cautionary statement about the purpose of using eval.

There is no "wrong" use, it is just "dangerous" use. There are many usecases: some is high-risk, some is low-risk. But, they all evals are "right" use if it works as required by the spec. So, I think that it is a suitable subject for the entry: "Five dangerous use of eval() in an extension".

Risks of eval have to be managed, in other words, risk-managed evals are useful tool to extend Firefox. For end users, I think some eval should be allowed if it is safe enough in the case. "Eval? No, no, it is evil function! Don't use it anyway!" - I think that is slapdash work.

When you get 5-minute recipes via HTTP, do you untrust it anyway? Because it is insecure protocol, you cannot trust any information without SSL? Note, VeriSign certifies that the website you are accessing via HTTPS is surely hosted by the author, but he doesn't certify that the author is not evil. If you cannot trust any people via internet, you have to live offline - it's a internet phobia. In many cases you maybe trust them anyway if it is low-risk.

In the entry, he negates any eval without considering about its risk if it is out of the "valid uses". I think it is just a eval phobia.

Can the eval eat codes from the Web, really?

I agree to blame some cases of 5 cases in the entry. The 1st (parsing JSON), the 2nd (accessing to properties dynamically), and the 4th (running event handlers of HTML or XUL elements) - those three cases must be blamed because they possibly run untrusted scripts from the Web as privileged. This is just same to caution about SQL injections for web apps.

I totally agree this topic. I also think any developer must be careful to make eval isolated from the Web. If my addons are rejected because they have this security issue, I totally back the judgment up.

So, how about my cases?

Both addons, Source Viewer Tab and Tree Style Tab, use eval only for injecting codes to functions in Firefox (and other addons). They never get codes from the Web. If editors decided to reject those addons by the reason, like "This is dangerous because it includes eval! Eval can run codes from the Web!", then it means: they reviewed addons without reading codes, and just checks warnings by the "not perfect" validator.

If so, I cannot agree to the decision. We shouldn't overestimate the power of the validator on the AMO system, because it can detect only a few patterns which are defined as "dangerous". It doesn't parse the JavaScript, it only reports the matching result about simple regular expressions, it cannot detect dangerous codes from obfuscated programs.

You have to judge case by case whether the eval is danger or not. Same about XBL hacks, CSS hacks, replacing of functions, and others. "Yes, this doesn't use eval. I accept it." "Oh, this uses eval. This is wrong. I reject it." Such a rash judgment possibly jeopardize people who download addons from AMO. I believe that we should review sources by our eyes to detect dangerous code cleverly obfuscated, even if it take time.

Is injection by eval absolutely dangerous than other hacks?

All of evals in Source Viewer Tab and Tree Style Tab are used to inject codes to functions of Firefox, it is the 5th case described in the entry. In the entry, he blames this use because:

  • When the definition of the target function changed, terrible problem (crashing, data loss, etc.) possibly appear.
  • It possibly invites "already fixed" security issues again.

And, he said that we should use "less dangerous" ways like:

  • Use closure, and wrap up the original function by a new function. In the function, call the original function by func.apply(this, arguments).
  • Watch changes of values of some property by Object.watch().
  • If you cannot do it with those safer ways, you should not do it. Give up.

In other words, in the entry he said that "those ways are safer than eval".

I think it is an unfair suggestion. If you talk about risk of those cases, you should think other risks too, which are not listed in the entry. We also would like to avoid eval if at all possible. However, in our cases eval is the way really better than others.

Risk: possibilities of conflicting to Firefox features and other addons

Methods to extend Firefox can be sorted as:

  1. Using stable APIs provided by Firefox or other addons. (Toolbar buttons, sidebar panels, contents filtering by nsIContentPolicy like AdBlock Plus, Jetpack Features, etc.)
  2. Using other unstable ways.
    1. Using XBL hacks.
      1. Applying new XBLs.
      2. Replacing existing XBLs. (Tab Mix Plus, etc.)
    2. Using JavaScript hacks.
      1. Replacing existing functions. Using closure, wrapping up original functions in new functions.
      2. Hooking operations of existing functions by Object.watch() or other ways.
      3. Injecting codes to existing functions by eval.
    3. Using CSS hacks. (Personas, third-pirtys' themes, etc.)

One addon can use multiple ways above, but we can call it "safe" addon if it uses only "stable APIs". Otherwise they are possibly unstable. Any addon using unstable ways possibly breaks Firefox and other addons. Themes also.

He said that the "less dangerous" way is safer than eval. But, actually it possibly isn't. For example, I tried to watch the toggling of the Sidebar in Firefox 3.6, by document.getElementById("sidebar-box").watch("hidden", ...). Then it breaks the original behavior of XUL element - the Sidebar was never toggled. (So I had to use an event listener for the "DOMAttrModified" generic event.)

Another case, if you wrap the original function by a new function, any other addon which aimed to inject codes to the original function will never work. Hmm, "Because it is evil. Evil addons using eval must die!" Don't say that. It is the fact, you didn't take care about people who use addons with eval.

By the way, there are features which cannot be implemented without injecting codes into existing functions. Dorando told about those addons in the comments to the entry. The conclusion of the entry is "don't do it, you should not do it". However, if you cannot explain how dangerous eval is than others, it is just a tautology: "you should not do it, because it is wrong use of eval." and "it is wrong use of eval, because you should not do it."

Risk: possibilities of causing troubles with updating of Firefox

On this point, both methods (eval and the "less dangerous" way) have same risk. He said that eval will never work if the definition of the function changed. However, the "less dangerous" way will collapse too if the original function is renamed. It is just a bias that functions will be never renamed in security updates. There is no "rule" like this.

Moreover, if you wrapped two functions A and B, expecting they work as "A-mod => B-mod", the hack will break down if only one mate changed by security fix. We cannot imagine how terrible thing caused is. Not only updating of Firefox, but conflicting to other addons too.

Anyway, we addon developers must catch up changes in any update of Firefox. It is the common issue for any addon which uses unstable ways to extend Firefox. I think blaming like "how terrible eval is than wrapping original functions" is nonsense. More importantly, I believe that we should talk about providing failovers for unexpected matters.

To put it bluntly, any addon is just a "dynamic patch". If you use Linux, you possibly download patches from ML or other places, apply it to the source, and build binaries. It is not uncommon sight. And, it is also important note in those cases: Don't apply the patch to any revision different from the base of it. Using addons on unverified versions of Firefox is just same to that.

Risk: possibilities of less maintainability and/or readability

If we use eval hack, only "codes should be replaced" and "codes should be injected" will appear in the source.

Generally reading source codes like this is certainly hard, because we have to refer the codes of the function which is being overwritten. Instead, there are less codes and sources become compact. If it is very simple like replacing from "width" to "height", it will be human readable enough. So know-how to keep maintainability and compatibility is important for this hack.

Even if you choose the way to wrap original functions, only fragmentary codes will appear in the source too. "Pre-operations", "post-operations", "wrapping functions", "watching functions for property changes", and others. Moreover, if you cannot get the result of operations by the original function as its returned value, eventually you have to know well how the function work.

In this case, if you want to implement a feature which require injection of some codes into the logic of an existing function, you need to copy the complete codes of the original function into your addon (of course you have to modify it.) Then, too many codes are possibly duplicated, so:

  • You possibly cannot include the codes of the original function because their licenses conflict.
  • It possibly re-invite security issues fixed by updates of Firefox, as told in the entry.
  • Too many codes simply make themselves hard to be read.

Risk: possibilities of rejection by editors

This is common to the topic about maintainability. AMO editors finally have to review addons with reading of their sources. If there are tricky codes or too many/long lines, then the cost of reading source codes increases. On this point, both eval hacks and wrapping hacks are similarly tricky.

Although if updates of addons are always rejected by the reason: "there is any eval", then, it becomes a new common practice: writing codes without eval anyway, with tricky hacks, even if they become hard to read. Otherwise the update won't be accepted. It is also a tautology: "we should not use eval, because they never accept codes including eval." and "they don't accept eval hacks because we should not use it."

The conclusion

As I described, I think evals in Source Viewer Tab and Tree Style Tab are not unnecessarily. In other words I believe that those evals are the best way to implement the feature with keeping compatibility. I think those evals are not absolutely dangerous than the "less dangerous" ways described in the entry, and I also think there are no alternative ways to do it.

How many people who says "eval is dangerous than others" actually read and reading the source codes of Mozilla products? Trying to extend Firefox even if there is no stable API? Catching up updates of Firefox constantly? Trying to solve compatibility problems with other addons? I'm feeling blue.

Only XPCOM components are really stable APIs, which are marked "FROZEN" in their IDL files. Otherwise they are absolutely unstable. There are only a few "FROZEN" APIs, preferences I/O, W3C DOM, etc. JavaScript functions in the browser window are very unstable. Even the FUEL - which was the component advertised as providing stable APIs independent from Firefox versions - is possibly removed from the next major release of Firefox. Yes, this is the Mozilla. I think it is just a kidding: "eval is dangerous, wrapping original functions by new functions with the name same to originals is safer than it."

In conclusion, I think it is unjust treatment that addons are retained in the sandbox because "they have evals".


To reject spams, you have to answer a quiz to comment to this entry. "今の日本の首相の名字(ひらがなで回答)" means: the family name of the current prime minister of Japan, in "hiragana". You'll see the answer from wikipedia (Japanese version of the page).

evalが危険でそれ以外の方法が安全だと思ってる人へ - Feb 08, 2010

先日、ソース表示タブのアップデート版をAMOにアップロードしたところ、公開申請が却下されました。「不必要なeval()が多すぎる。拡張機能におけるeval()の5つの間違った使い方(原文:Five wrong reasons to use eval() in an extension)をよく読んで出直してこい。(大意)」という感じのコメントが添えられていました。

また、ツリー型タブのアップデート版も別の人から同じコメント付きで公開申請を蹴られました。

全文+コメントを翻訳するくらいには当該エントリを読んだ僕ですから、今更読み返すこともないのですが、こう何度もこのエントリを引き合いに出して申請を蹴られると正直腹に据えかねる物がありますので、自分の考えをちょっとまとめておきたいと思います。

つたない英語力で頑張って英語に翻訳してみました。

evalの使い方に「正しい」も「間違っている」もない

まず何より明らかにしておきたいのは、言葉尻を捉えて反論するのもどうかと言われそうですけれども、evalの使い方には「正しい」も「間違っている」も無いということです。

例えばHTMLの仕様書には、em要素は強調を意味するとか、この要素はこの要素の中には記述できないとかの、色々な定義が書かれています。その定義から外れた使い方をすれば、確かにそれはinvalidな(間違っている)HTMLと言っていいでしょう。

では、evalはどうか。ECMAScriptの仕様書(リンク先のページには3rd Editionと書いてあるけどPDFは5th Editionです)15.1.2.1 eval (x)の項には、evalの仕様としては「与えられた引数をスクリプトとして実行する」という、挙動についての取り決めだけが書かれています。「何のためになら使ってよい」という風な記述は一切ありません。当たり前といえば当たり前ですが。

そこにあるのはただ、「その仕様の通りに動作した結果、何が起こるのか?」という結果についてのリスクの高低だけです。多大なリスクを伴う使い方、全くリスクを伴わない使い方、色々な使い方が考えられますが、動作する限りはそれらはすべて「仕様通りの正しい使い方」です。なので当該エントリのタイトルも本当は「evalの5つの危険な使い方」などとするのが妥当だと僕は思っています。

こういう場合にこういうデメリットがあること考えられる、だからこのような対策が必要だ、あるいはメリットとデメリットを天秤にかけないといけない、というのがリスク管理の考え方です。「間違っているから駄目だ」と思考停止するのは、天秤にかける事すら否定するということです。

例えばSSLを使っていない普通のHTTP接続で閲覧しているWebページの内容は、「第3者によって改竄されている可能性」を完全には否定できません。だからといって、そのページに書かれている情報は一切全く信用してはいけない、ニュースだろうが料理のレシピだろうが一切アテにしてはいけない、という考え方が健康的と言えるでしょうか? また、SSLは接続している先のWebサイトが本当にその運営者が運営するものであるかどうかということは保証してくれますが、運営者が善人か悪人かということまでは保証してくれません。相手が善人であると保証されないのだからネットで買い物はしたくない、カップラーメンもマンガの本もホッチキスの針も、詐欺に遭うのが怖いからネット経由では絶対何も買わない、という考え方は妥当でしょうか? そこまで行くともはやインターネット恐怖症フォビアでしょう。

前出のエントリで「この使い方は正しい」とされている以外の使い方がされているevalを、個々のケースごとのリスクの高低を無視して一律で否定するのは、僕には単なるeval恐怖症フォビアとしか思えません。

そのevalには本当に、Webからやってきたコードが混入する恐れがあるのか?

前出のエントリで挙げられている5つのケースのうち、1番目(JSON形式のデータのパース)、2番目(プロパティ名が動的に変化する時に、そのオブジェクトのプロパティにアクセスするため)、4番目(HTMLやXULにインラインで記述されたイベントハンドラの実行)の3つのケースでは、Webからやってきた信頼されていないコードを特権付きで実行してしまう可能性があることに触れています。これはWebアプリケーションにおいてのSQLインジェクションに対する注意喚起と同様の物と言えます。

この観点でevalの使い方に神経質になることは大事です。僕も、evalを使うすべての人は、この点に気をつけなくてはならないと思います。この理由で公開申請が却下されたのであれば、その判断は実に妥当だと思いますし、反論の余地は全くありません。

では、今回のケースはどうでしょうか。

ソース表示タブツリー型タブでは、evalはFirefox本体の関数を書き換えるためにだけ利用しており、そこにWebから取得したコードが混入するとは考えにくいです。もしこの理由で申請が却下されたのであれば、それは、レビュアーがきちんとコードを読まずに、単に機械的チェックにおけるevalの警告だけを見て判断を下したという可能性が出てきます。これは言い換えると、「evalが機械的チェックで検出されたからNG、検出されなかったからOK」という風な安直な判断を下すようになっている可能性があるということです。

もしそうなのであれば、そのようなレビュー姿勢は宜しくないものだと自分には思えます。そういう機械的なチェックをくぐり抜けるための抜け道はいくらでもあります。難読化されたコードなどはその典型ですし、難読化されていない「読みやすそうなコード」でも、ぱっと見分からないようにごまかすのは簡単です。もし機械的なチェックの結果だけを見て判断を下しているのであれば、そういうケースによる危険なコードの混入の可能性は否定できないことになります(そういう場合、時間をかけてでも・判断が遅くなってでもきちんと精査するべきでしょう)。そういうケースに対しても対処できるようにというのが、わざわざ人の手でレビューすることになっている理由の1つであると自分は信じています。

evalによる関数の書き換えのリスクは、それ以外の方法のリスクと比べてそんなに高いのか?

ソース表示タブツリー型タブで使われているevalはすべて、前出のエントリで挙げられている5つのケースのうち5番目のケース、「Firefox内で使われている関数の内容を書き換えるため」に該当するものです。前出のエントリでは、この使い方を以下の理由から非難しています。

  • 書き換える対象の関数の内容が変化した時に、ブラウザ自体がまともに動作しなくなってしまう恐れがある。
  • せっかく修正されたセキュリティ上の問題を、再び持ち込んでしまう恐れがある。

そして、代わりに推奨するやり方として以下のような「無理のないやり方」を挙げています。

  • 関数を別の関数で置き換えた上で、置き換え後の関数内で元の関数をfunc.apply(this, arguments)で呼ぶ。
  • Object.watch()を使って、特定の変数やプロパティの値が変化したタイミングで処理を行う。
  • そういう「無理のないやり方」では実現できないことをしようとしているのであれば、もう素直に諦める。

換言すると、前出のエントリの筆者は「このような無理のないやり方の方が、evalによる関数の置き換えに比べて、前述のような事態が発生するリスクが少ない」と述べていると言えます。

僕には、これはアンフェアな言い方と思えます。リスクの多寡で問題を語るのであれば、ここに挙げられていないリスクについても考慮するべきでしょう。そうすることで初めて、僕のような人が「evalによる関数の書き換え」という手法を選択している理由が明らかになります。僕だって、考えなしにevalを使っているわけではありません。メリットとデメリットを天秤にかけた上で、その方がリスクが小さいと考えてevalを使っているのですから。

リスク:Firefox自身の機能や他のアドオンと競合する可能性について

アドオンを「機能を実現する方法」の観点で見ると、以下のように分類できます。

  1. Firefoxや他のアドオンが提供するAPIに則ったアドオン。ツールバーへのボタン追加、サイドバーパネルの追加、nsIContentPolicyによるコンテンツフィルタリング(AdBlock Plus)、Jetpack Featureなど。
  2. Firefoxや他のアドオンがAPIを提供していない箇所に改変を加えるアドオン。
    1. XBLを使って機能を加えるアドオン。
      1. 新規にXBLを適用するアドオン。
      2. 既存のXBLを上書きするアドオン。Tab Mix Plusなど。
    2. JavaScriptの関数のはたらきを変更して機能を加えるアドオン。
      1. 関数を置き換えるアドオン。
      2. Object.watch()等で本来の処理に割り込むアドオン。
      3. 関数をevalで書き換えるアドオン。
    3. CSSでXUL要素の見た目を変えるアドオン。Personas、テーマなど。

1つのアドオンが複数の分類にまたがる場合も多いのですが、このうち「他のアドオンとの競合の可能性」という点で本当に低リスクであると言い切れるのは、1の「APIに則ったアドオン」の枠から外れないものだけです。それ以外はどんなアドオンであっても、Firefox自体の挙動や他のアドオンに何らかの影響を与える可能性があります。テーマですら例外ではありません。

前述の「無理のないやり方」の説明では、さもそのようなやり方を採用することによって競合のリスクが全面的に低減されるかのような書き方がなされていますが、場合によってはこの方が却って競合してしまう場合すらあります。実際、Firefox 3.6上でサイドバーの開閉状態の変化を捕捉するためにIDがsidebar-boxである要素のhiddenプロパティに対してObject.watch()で監視を行おうとしたところ、XUL要素の挙動が破壊されて、サイドバーの開閉自体が行われなくなってしまいました。(これは結局、DOMAttrModifiedイベントを監視してhidden属性の値の変化を見るという方法で回避することにしました。)

別の例として、「無理のないやり方」で関数を丸ごと置き換えられてしまうと、evalで元の関数を書き換えようとしていた他のアドオンが、関数を書き換えられないせいで期待通りに動作しなくなってしまうということも考えられます。……「そんな邪道なやり方をしている方が悪いのだ」という非難は無しですよ? 他のアドオンに与える影響を考えていないのは、お互い様なのですから。

また、これはリスクとは別の話ですが、「evalによって特定の箇所に特定のコードを注入することによって関数の定義内容を変えてしまわなければ実現できない機能」というものもあります(前出のエントリに対するコメントでも、Dorando氏が例を示しています)。そのような「無理なやり方」でやらなければならない事はするべきではない、というのが前出のエントリの著者の結論のようですが、後述する物も含めたリスクの点で明らかな優位性を主張できないのであれば、「無理なやり方はするべきでない、なぜならevalの間違った使い方だからだ」「evalの間違った使い方はするべきでない、なぜならそれは無理なやり方だからだ」というトートロジーに過ぎません。

リスク:Firefoxのバージョンが変わると予期しない結果になる可能性について

この点のリスクは、evalによる関数の書き換えでも、「無理のないやり方」と呼ばれている関数の置き換えでも、同様に存在します。前出のエントリでは「置き換え対象の関数の内容が変わったらどうするんだ」ということを指摘していますが、それを言えば、関数の名前が変われば「無理のないやり方」も破綻します。セキュリティアップデートでは関数の名前やそれぞれの働きが変わることはない、というのはただの思い込みです。そんなルールはどこにもありません。

また、「置き換えた関数A」→「置き換えた関数B」の順で処理が行われることを期待してコードを書いてる場合に、「置き換えた関数A」だけが実際には置き換えられなかったとすると、「置き換えた関数B」が動作する上での前提が崩れますので、その時どんなトラブルが起こるかは予想できません。これはFirefoxのバージョンが変わった時だけでなく、他のアドオンと同時に利用した時の競合についても全く同じ事が言えます。

いずれの場合にせよ、Firefox本体や他のアドオンのバージョンアップに対して、改変を加える箇所のソースコードをその都度調査し直さなければならないという、メンテナンスのコストの問題は、どちらにも共通して存在しています。「evalと関数置き換えのどちらの方が元のコードの変化に強いのか」ということを論じてもあまり意味はなく、どちらの手法を使うにせよ、Firefoxのバージョンアップに際してきちんと動作を検証しているかどうかや、前提が崩れた時のためのフェイルセーフがきちんと考えられているかどうかの方が、リスクに対する備えとしては重要且つ効果的なのではないか? というのが僕の考えです。

Firefoxのアドオンやテーマの正体は「動的に適用されるパッチ」です。ソースコードに対して、そこら辺に転がってる野良パッチをあててビルドする、というのはLinuxを使ってる人にはよくある光景ではないかと思いますが、「パッチが書かれた時のバージョンと違うバージョンのソースにパッチを当てること」がいかに危険かは、言うまでもないでしょう。Firefoxのアドオンを「アドオン作者によって動作確認されたバージョン」以外のバージョンにインストールすることは、それと全く同じ事です。

リスク:メンテナンス性、ソースの可読性が低下する可能性について

evalによる関数書き換えの場合、ソース中には「書き換える対象の関数名」「書き換えたい前のコード片」「書き換え後のコード片」だけが書かれることになります。

このコードを解読するためには「書き換える対象の関数」の内容を参照する必要があるため、その内容が頭に入っていない場合(大抵はそうでしょう)、解読が難しくなりがちです。その代わり、ソースコードの量自体は必要最低限になります。また、書き換える対象がロジックに絡まない「widthをheightに書き換える」という風な部分なのであれば、コードの読みやすさという点でもさほど問題は無いと言えます。このあたりは、「evalで関数を書き換える時の、互換性や後々のメンテナンス性を高く保つためのノウハウ」が重要になってくる所です。

関数の置き換えを行う場合も、ソースコードは結局は断片的な物になります。「前処理の関数」「元の関数をラップする関数」「後処理の関数」「元の関数の中で特定のプロパティに変更が加えられた事を捕捉して処理を割り込ませる関数」などが細切れに定義されますし、また、元の関数の処理結果の受け取り方法として「戻り値」以外の情報を使うのであれば、結局は元の関数の内容が頭に入っていないといけないことになります。

元の関数の中に変更を加えなければどうにもならない機能をどうにかして実現したい場合(前出のエントリのコメントで指摘されているようなケースなど)、こちらの手法にこだわるのであれば、「元の関数に必要な変更を施した後の関数」をアドオンの中で定義しておく以外に手はありません。そうなると、Firefoxや他のアドオンのコードと全く同じコードがそのアドオンの中に大量に含まれるようになってしまいます。これは、以下のような問題に繋がります。

  • それぞれのライセンスが衝突してしまうために、コードを丸ごと引用できないという事態が起こり得る。その機能を実現できない、という苦渋の決断を迫られる。
  • 前出のエントリ内でも指摘されている「せっかくFirefox(や他のアドオン)の側でセキュリティ上の問題が修正されても、関数を古いバージョンのそれに基づいた改変版に丸ごと置き換えてしまうことで、再びセキュリティ上の問題が持ち込まれてしまう」問題が起こり得る。
  • 単純にソースの行数が増加する事それ自体も問題となる。

リスク:公開申請時のレビューが通りにくくなる可能性について

これは「メンテナンス性、ソースの可読性が低下する可能性」にも共通する話です。AMOのエディターは最終的にはコードレビューによってそのアドオンの安全性を精査する必要があり、コードがトリッキーなものであればあるほど、また、コードの行数が増えれば増えるほど、コードレビューは大変な物になります。その意味で、関数の部分的な書き換えも関数全体の置き換えも、コードレビューの手間が増えるという点では一長一短です。

もっとも、今回の事例のように「evalを使っていること」を理由に公開申請が却下されることが相次ぐのであれば、eval無しでトリッキーで可読性の低い分量の多いソースコードの方が、比較的レビューが通りやすいという事になるのかもしれませんけれどもね。その場合、これもやはり「レビューを通してもらうためにはevalを使わない方がいい、なぜなら、evalを使っているとレビューが通らないからだ」という、何の説明にもなっていないトートロジーになる訳ですが。

まとめ

上記のような理由で、僕はソース表示タブツリー型タブの中で使われているevalが不必要な物ばかりであるとは考えていません(むしろどれも必要だからそうしているというのが自分の立場です)し、それらのevalの個々の用法が「これを読んで出直せ」と提示されたエントリの中で書かれている「代替案」に比べて目立ってリスキーであるとも思っていませんし、その「代替案」で代替できるとも思えません。

「evalの方が危険だ」と言っている人のうち何割の人が、本当にMozillaのコードを読んだことがあるのか、読み続けてきたのか、APIが用意されていない箇所でブラウザの機能を拡張する事に取り組んできたのか、継続的にFirefoxのバージョンアップに追従し続けたことがあるのか、他のアドオンとの競合を解消する方法を模索し続けてきたのか、僕には疑問に思えます。

XPCOMコンポーネントのIDL定義で「FROZEN」というフラグが立っている物以外のすべてのAPIは、いくらでも変更される可能性があります。FROZENになっているAPIは、Preferenceの読み書き、W3CのDOM関連など、全体から見れば本当にごく一部だけです。ブラウザ内のJavaScriptのレイヤで定義された関数に至っては、それが変更されない保証などどこにもありません。「Firefoxのバージョンに依存しないAPIが提供される」と思われていたFUELですら廃止される可能性が出てきている、Mozillaはそんな世界なのです。それで「evalの方が危険だ、同じ名前の関数で置き換える方がマシだ」と言うのがどれほど馬鹿げた話か。

ですので僕にとっては、evalの使用を理由として公開申請が却下された今回の出来事に対しては、不当な判断を下されたという思いが強いです。

そろそろFirefoxからChromeへの移行を本気で検討した方がいい気がしてきた - Feb 07, 2010

B.B.S/2628 "タブバーのスクロール後タブバーが正しくリペイントされない" - outsider reflex

Tree Style TabとJetpackを入れるとタブバーをスクロールするとタブの残像が残ったままになる。

[str]
1. Firefox3.6を新しいプロファイルにTree Style Tab-0.9.2010020502とJetpack-0.7をインストールし起動する
2.タブバーがスクロールするように多数のタブを開く
3. スクロールバーまたはホイールスクロールによりタブバーをスクロールする

[actual]
タブバーが正しくリペイントされずタブの残像が残る

[expected]
正しくリペイントされる。

Mozilla/5.0 (Windows; U; Windows NT 6.1; en-US; rv:1.9.2.2pre) Gecko/20100206 Namoroka/3.6.2pre ID:20100206050755

B.B.S/2629 "Re: タブバーのスクロール後タブバーが正しくリペイントされない" - outsider reflex

widgetがどうとかのGecko 1.9.2での修正(異常に縦に長いページのレンダリングが壊れる問題に対する修正)の影響だと思われます。JetpackではSlidebarの実装のためにtabbrowserと同じ大きさのbrowser要素をopacity:0の状態でtabbrowserの下に重ねていますが、こいつのせいでレンダリングがおかしくなっています。

タブのcollapsed属性をいじってるTMPの多段タブならともかくTab Kitでも問題が起こらないのはなんでなんだ?と思ってスタイルシートを調べてみた所、scrollboxでスクロールさせてると駄目で、その中のbox.scrollbox-innerboxに対するoverflow:autoでスクロールさせてる場合はこの問題が起こらないようです。

しかしscrollboxをoverflow:autoにした場合はnsIScrollBoxObjectのインターフェース経由でスクロール位置の操作が可能なのに対し、box.scrollbox-innerboxをoverflow:autoにした場合はnsIScrollBoxObjectのインターフェースが取れません。結果、画面の外に新しいタブが開かれた時にその位置まで自動的にスクロールさせるという事ができなくなります。

「Jetpack 0.7と組み合わせても問題が起こらないが、画面外にタブが開かれるとフォーカスを見失う」
「画面外のタブにフォーカスが行くと自動的にそこまでスクロールしてくれるが、Jetpack 0.7とは同時に利用できない」
どっちがいいでしょうか。僕は後者です。(どうせ現状のJetpackはなくなるそうだし、その過程でなんとかしてもらいたいと思ってます)

掲示板の方では「現状のJetpackはRebootで置き換えられるそうだからそっちに期待」的な事を書いたけど、下手したらReboot後でもずっとこのままなのかもなーという風な悲観的な予想も捨てきれずにいます。

norahさん曰く、同じ問題がサードパーティ製のテーマとJetpackとの組み合わせにおいても発生するそうです。既存のアドオン、既存のテーマについては「冷遇」して、JetpackとPersonasへの移行を促したいという事をMozillaの偉い人が言ってたらしいけど、実装レベルで着々と実力行使が進んでる感がありますね。

対するGoogle Chromeでは、タブの縦置きが試験的に実装され始めてるそうです。こんな事を書いたばかりですが、そろそろ本気でGoogle Chromeへのエクソダスを図った方がいいような気がなんとなくしてきました。

今までできていたことが少しずつできなくなっていく、締め付けが強まっていくストレスというのは、いざ自分が締め付けられる立場になるととても辛いものですね。それならいっそ、最初から制限がきつくても将来性のある新天地に移ってしまおう、と考えても変じゃないよなあと思いました。Mozilla SuiteからFirefoxに移行した時以来、レンダリングエンジンの違いで言えばDonutからMozillaに移行した時以来なので、今更それがほんとに可能なのかという不安はありますが。

ツリー型タブのGoogle Chrome版は作らないの?(Tree Style Tab for Google Chrome) - Feb 05, 2010

Q

Any plans to add Tree Style Tab to Google Chrome or Chromium?

ツリー型タブをGoogle ChromeもしくはChromiumに移植する計画は無いの?

A

Now I have no plan to export Tree Style Tab to Chrome. The fact "Tree of tabs are permanently shown, without any operation" is the best benefit of Tree Style Tab for me. Currently there seems to be no API to do it. I don't want to use such a feature if clicking on a toolbar button (or any other operation) is required to show the view.

Moreover, it is the main reason of my development that I want to improve my PC environment. Because I'm not planning to switch to Chrome, I will not develop Chrome extensions.

By the way, there are some similar extensions VerticalTabs, Tab Menu, and Tree Style Tabs (Beta) (Note: it has same name but it is NOT my product!). They possibly help you.

Updated at 2012-11-22: More extensions, Sidewise Tree Style Tabs and Tabs Outliner are available now. They are good alternative of Tree Style Tab on Google Chrome.

今の所、私自身がツリー型タブをChromeに移植する予定はありません。私は、「ツリー型タブ」の便利な所は「タブの一覧(ツリー)が常時表示されている」点だと思っています。現状のChromeの拡張機能向けのAPIでは、そのような拡張機能は残念ながら作ることができないようです。ボタンをクリックしないとツリーが表示されないような機能は、自分は使いたくないです。

また、私自身の開発のモチベーションは主に「自分が日常的に使う環境を使いやすくしたい」という所に支えられています。私は今の所Chromeを常用するつもりが無いため、Chrome用拡張機能を開発するモチベーションがありません。

なお、似たような拡張機能でVerticalTabsTab MenuTree Style Tabs (Beta)(注:同じ名前ですが私が開発した物ではありません!)というものがあります。まずはこれらを試してみてください。

2012-11-22追記:その後、Sidewise Tree Style TabsおよびTabs Outlinerという拡張機能が公開されています。これらを使うと、ツリー型タブにより近いユーザー体験をGoogle Chrome上で得られます。

ツリー型タブでタブバーの「新しいタブ」ボタンを隠せなくなった(How to hide "New Tab" button in the tab bar?) - Feb 05, 2010

Q

I just updated the Tree Style Tab addon and the new tab button that used to be hidden is now visible. Is there a way to hide it? I always use Ctrl-T, so it just wastes space.

ツリー型タブを更新したら、今まで隠れていた「新しいタブ」ボタンが表示されるようになってしまいました。これを隠す方法はありませんか? 私はCtrl-Tをいつも使っているので、このボタンは不要です。

A

Sorry, I removed the option because it is not a feature related to "tree". Instead, you'll hide the button by customizing your userChrome.css like:

.tabs-newtab-button {
    display:none !important;
}
/* hide the "shadow" */
tabbrowser
  .tabbrowser-strip
  .tabbrowser-tab
  .tabs-container
  .scrollbox-innerbox {
    background-image: none !important;
}

Note: These examples work on Tree Style Tab 0.8.2009100101 or later.

すみません。「ツリー」と関係ないものだったので、その機能は削除してしまいました。代わりにuserChrome.cssに上記のようなスタイル指定を書き加える事で、ボタンを非表示にできます。

縦置きタブバーの下にサイドバーを統合するUnified Sidebarをリリースしたよ - Feb 05, 2010

とりあえずMozilla Add-onsに置いた

ツリー型タブに対して表題のような要望が寄せられることが何度かある。ツリーと関係ないからツリー型タブにそういう機能を入れる気はないんだけど、まあそういうニーズはあるんだろうなというのは理解できる。なので以前にuserChrome.cssでそれっぽくする方法を考えてみたりもした。その時の結論としては「ちゃんとアドオンにしないと駄目だね」という感じだったんだけど、結局誰もアドオン化してくれてなかったようだったので、仕方がないから自分で作った。

このアドオン自体はタブを縦置き表示する機能は持ってません。単にサイドバーの表示位置を変えるだけです。タブを縦置きするにはuserChrome.cssで頑張るか以下のアドオンを使って下さい。

他にもタブを縦置きするアドオンがあれば、なるべく連携するようにはしたいので、このエントリにコメント付けるなどして教えて下さい。

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