たまに18歳未満の人や心臓の弱い人にはお勧めできない情報が含まれることもあるかもしれない、甘くなくて酸っぱくてしょっぱいチラシの裏。RSSによる簡単な更新情報を利用したりすると、ハッピーになるかも知れませんしそうでないかも知れません。
の動向はもえじら組ブログで。
宣伝。日経LinuxにてLinuxの基礎?を紹介する漫画「シス管系女子」を連載させていただいています。 以下の特設サイトにて、単行本まんがでわかるLinux シス管系女子の試し読みが可能!
Here is the English version of this article. このエントリはQiitaとのクロスポストです。
2017年の8月下旬に思い立って、ツリー型タブのWebExtensions版を作り始め、去る9月26日にバージョン2.0としてリリースしました。
重い腰を上げて取り組む気になれたのは、必須と目していたAPIが一通り実装されてきて、Firefox 57でようやく技術的に作れる目処が立ってきたからでした。 関係者の皆さんの尽力に改めて感謝の意を表明します。
やっている事自体はそう難しい話ではなく、技術的に目新しいトピックは無いのですが、主に歴史的資料としてレガシーなアドオンの移行の一事例の記録を残しておこうと思います。
I started to develop WebExtensions-based version of the Tree Style Tab at late August 2017, and released as the version 2.0 at 26th November.
The largest reason why I did it is: many numbers of new WebExteisons APIs I required are landed to Firefox 57. Thank you developers for their great effort.
There is no technical novelty topics, but I wrote this as a historical document: a migration story of a very legacy addon.
ツリー型タブの最近の改善でやったことをまた地味に解説するよ。誰得な記事。
ツリー型タブには、「ブックマークからタブを複数開いた時に1つのツリーになってた方がいいけど、でもツリーにするには親になるタブが必要で、だからといって同列のブックマークの中で1つだけが親になるのってなんか違和感あるよね」という場面のための「グループ化専用のダミーのタブ」を開く機能がある。というか、about:treestyletab-group
というURIを読み込んだタブはそういう用途のタブとして扱うようになる。そのときタブの内容が空っぽだと味気ないので、そのタブ配下のタブのツリーをタブの内容として表示するようになっている。
それとはまた別の話で、ツリーになっているタブの上でしばらく待つとそのタブ1つだけじゃなくて配下タブの名前も一緒にツリー表示して、さらにもう少し待つとそれらがリンクに切り替わってクリックしたらそのタブに切り替えられる、という機能もある。
見た目で分かるかもだけど、これらのツリーを生成する部分は共通のpseudoTreeBuilder(疑似ツリー)というモジュールになってる。
この疑似ツリーは、ちょっと前までのバージョンでは、タブの数が多くなるとそのままツリーが下に伸びていって、ウィンドウやツールチップの高さに収まらなくなった分はスクロールして見るという仕様になってた。 元々、おまけの機能だからそれほど作り込む必要性も感じてなかったんだけど、未処理のissueがたくさん溜まってたのを断捨離してたらその中に「このツリーをマルチカラム表示して欲しい」という要望があった事に気がついた。
このエントリを書くにあたって改めて調べ直してたら、別のもっと古いissueでは否定的なことを自分で言ってたみたいなんだけど、実際自分で使ってて「長いタイトルが折り返されるという事もなく巨大なツールチップが画面を覆い尽くして、そのくせちびちびスクロールしないと全項目は確認できない」という状況に意外とイライラしていたため、この機会に「じゃあやってみっか」と手を着けてみた。
で、最終的にはどうにかそれらしくマルチカラム表示できるようなった。
基本的にはCSSのマルチカラム機能を使ってるんだけど、ツールチップの方で僕の意図したとおりの結果を得るためにはちょっと工夫が必要だった。
「ツールチップの方で」と限定したのは、後で分かったんだけど、タブの中に表示する方はそこまで苦労しなくても勝手にいい感じにGeckoがレンダリングしてくれるから。 なので先にそっちの方から書いていきます。
先に要件を整理しよう。
まずコンテナとして、コンテンツ領域いっぱいに広がるボックスを置いておく。
コンテナには、内容が溢れたらスクロールできるようにoverflow:auto
も指定しておく。
#tree {
overflow: auto;
box-flex: 1;
-moz-box-flex: 1;
}
で、この中に置くツリーをマルチカラムにしたいわけなんだけど。
CSSのマルチカラム表示を有効にするだけなら、マルチカラムにしたい内容を含む上位の要素に列の数か幅を指定してやればいい。
2列なら、こう。この場合、列の幅はコンテナの半分になる(自動的に決定される)。
#tree > .treestyletab-pseudo-tree-root {
-moz-column-count: 2;
/* -moz-columns: 2 auto; と同等 */
}
列幅固定なら、こう。この場合、コンテナの中に1列しか収まらない時はマルチカラムにならないという、いわゆるレスポンシブデザイン的な挙動になる。
#tree > .treestyletab-pseudo-tree-root {
-moz-column-width: 20em;
/* -moz-columns: auto 20em; と同等 */
}
列数固定だとウィンドウの幅が広いときに余白ばかり広がってしまってあまり嬉しくないので、ツリー型タブではとりあえず主観で20em
と指定してみた。
自分の使ってる環境では、これでだいたい2~3列になる。
マルチカラム表示したいツリーを構成しているXUL要素の中で、内容が複数列に泣き別れてもいい物(=「1つのタブ」に対応する「アイコンとラベル文字列のペア」以外のすべてのボックス)は明示的にdisplay:block
にしないといけない。
display:-moz-box
のままだと、要素の作るボックスは途中でぶった切られる事が無いので、マルチカラム表示にはならない。
/* required to apply CSS multi columns */
#tree > .treestyletab-pseudo-tree-root,
#tree > .treestyletab-pseudo-tree-root vbox {
display: block;
}
当初はこれに気付いてなくて、わざわざXHTMLとXULを混ぜて実装してた。
でも、後になってからdisplay
の値を変えればXUL要素でも問題ない事が分かったので、今は全部XULに戻してある。
しかし、これだけだと項目の数が多い時に「縦に長いツリーがマルチカラムで表示される」「画面に収まらなかった部分は下にスクロールしないと見えない」ということになる。
こういうのは一覧性が悪くて死ねる。 だって、左の列を上から順に下まで見た後、次の項目を見るにはまた一番上までスクロールし直さなきゃいけないんですよ? あり得ないでしょ……
つまり、各列がコンテンツ領域の高さより高くなられると困る。 項目の数が多いときは、「縦に長ーいリストを2列で表示する」んじゃなくて、「コンテンツ領域の高さに収まる短いリストを3列、4列と列を増やして表示させる」方がいい。 ということ。
じゃあってんでさっきの要素に最大の高さを100%
と指定してみても、これは効果がなかった。相変わらず、親のボックスの大きさを超えてスクロール可能なまま。
#tree > .treestyletab-pseudo-tree-root {
-moz-columns: auto 20em;
height: 100%;
}
なので、resize
イベントでコンテナの高さを調べて、その都度ピクセル値で適切な高さを指定するようにしてみたら、ようやく縦のスクロールバーが消えて横方向にスクロールできるようになった。
...
this.window.addEventListener('resize', this, false);
...
handleEvent : function GT_handleEvent(aEvent)
{
switch (aEvent.type)
{
...
case 'resize':
return this.onResize();
...
}
},
...
onResize : function GT_onResize()
{
...
var container = this.document.getElementById('tree');
var tree = container.firstChild;
PseudoTreeBuilder.columnizeTree(tree); // ここでcontainerの高さをtreeのheightにピクセル値で指定し直す。
},
CSSのマルチカラムでは「列の数」の指定は絶対ではなくて、コンテナの幅と高さから溢れた分の内容は自動的に列の数を増やして表示するようになってる。
コンテナがoverflow:auto
になっていれば、溢れた分は横スクロールすれば見える。
全体の高さを指定していても、項目の数が「全部1列で表示するには多いが、2列を埋めるには足りない」程度の時には、領域の下の方に妙に余白が出てしまう。
これは-moz-column-fill:balance
という初期値のせい。この指定の時には、各列の内容の高さがなるべく揃うようにレイアウトされるため、結果として下の方に余白が産まれることになる。
まぁそれはそんなに悪くはないんだけど、今までコンテンツ領域の高さいっぱいまで並んでた物が急にその半分とかくらいの高さになるのは気持ち悪い。 違和感が無いのは、やはり、領域の高さに収まらなくなった分からちょっとずつ次のカラムに流し込まれていくという感じだろう。
そのための指定が-moz-column-fill:auto
で、これを指定しておくと、1列目は下まで項目が埋まって、入りきらなかった分だけが2列目に溢れるようになる。
実は、この-moz-column-fill:auto
を使うのにも、ボックス全体の高さを明示的に制限しておく必要がある。
というのも、-moz-column-fill:auto
の時は「高さが指定の高さに収まらなかったときに、その分を次のカラムに流す」という事になるので、高さが未指定だと「内容が溢れることもないからいつまで経ってもマルチカラムにはならず、縦にどんどんリストが伸びていく」という結果になってしまう。
……というわけなので、やっぱり全体の高さはスクリプトで動的にピクセル値で指定してやらないといけないのでした。
こちらも要件を整理する。
ここで曲者なのが3つ目の要件。 コンテンツ領域の中であれば「与えられた領域の中を最大限使って、残りは余白扱いにすればいい」ということになるんだけど、ツールチップだとそうもいかない。 というか、必要最小限のサイズで出てくれないと困る。 「内容を表示するのに必要な最小の大きさをどうやって決めるのか?」 これがツールチップの場合の難しい所だ。
先に結論を言ってしまうと、「とりあえず許されてる最大の大きさで試しにレンダリングしてみて、その後、実際に必要な大きさで改めて表示し直す」というのが答えになる。
とはいうものの、ツールチップを1回表示した後そこから小さく縮めるというのは見た目が宜しくない(一瞬だけとはいえ目に見える状態で大きなツールチップが出るというのはイラつきますよね)。
じゃあどうすれば?という事になるんだけど、逆転の発想というかなんというか、ツリー型タブでは「そもそも最初からベストのサイズで表示する事は諦める」という解決策をとっている。 どういう事かというと、いきなり違うサイズのツールチップを出すとギャップで見当識を失うので、まずは元の普通のツールチップと同じ大きさ・位置で1回表示して、そこからアニメーションでツールチップを必要な大きさまで拡大する、という事をしてる。
ツリー型タブの高機能なツールチップはだいたい元のツールチップよりは大きくなるので、この「1回小さめのサイズで表示した」状態で必要なサイズを確定させて、後からゆっくり拡大すればいい。
元より小さなツールチップで何故「最大の大きさで試しにレンダリングしてみる」ができるのかというと、XULのarrowscrollbox要素を使ってるから。 これは元々は、ツールチップが画面いっぱいに広がっていてもまだ内容が収まりきらない時のための対策として使っていた。 arrowscrollboxは中にどんなに大きな物を置いてもそれ自体やその親(ツールチップ)の大きさが広がらないので、安心して「めいっぱい大きく表示して、最小限必要なサイズをその結果から割り出す」ということができる。
「幅も高さもいい感じにする」というのは難しいので、ツリー型タブの場合はまず「画面の全体を覆い尽くさない程度」ということで画面の高さの70%(例えば画面が縦1024ピクセルなら、その7割の717ピクセル)を最大の高さとして、その中でマルチカラム表示の指定を反映させている。
arrowscrollbox > .treestyletab-pseudo-tree-root {
-moz-columns: auto 20em;
-moz-column-fill: auto;
height: 717px; /* ←実際にはその都度計算する */
max-height: 717px; /* ←実際にはその都度計算する */
}
こうすると、高さについては指定の高さまでに収まって、幅は必要な分だけ自動的に列が増えていくという形で、ツリー全体を収めるのに必要な領域を確定する事ができる。
高さは既に分かっているので、残るは幅なんだけど、これはツリー自体のboxObject.width
やclientWidth
からは分からない。
というのも、この時点でのマルチカラム表示されたツリーは「列の幅は指定されているが列の数は指定されていないので、要素自身の幅を超えて列が表示されている(可能性がある)」という状態で、要素自体の幅を調べても意味がないのです。
overflow:auto
になってる要素の幅を計測しても中身の幅は分からない、というのと同じね。
こういう時の「本来の内容の幅」は、RangeのgetBoundingClientRect()
で調べられる。
これは、DOMのRangeが含んでいる範囲の全要素が収まる矩形の位置や大きさを計測してくれるという便利なAPI。
これを使ってツリーの要素の「内容を」選択してそのサイズを測れば、ツリー全体を収めるのに本当に必要な最小のサイズが分かる。
var range = tree.ownerDocument.createRange();
range.selectNodeContents(tree);
var rect = range.getBoundingClientRect();
range.detach();
あとは、ツールチップ全体を広げるだけ。 「ツリー全体を収めるのに必要な幅」と「画面の幅さの80%(例えば画面が横1280ピクセルなら、その8割の1024ピクセル)」のどちらか小さい方をツールチップの新しい幅にしてやる。 ツリーはツールチップの中のarrowscrollbox要素の中に置かれているので、ツールチップがツリーよりも小さければ、はみ出た部分はスクロールして見る事ができる。
以上、マルチカラムなポップアップをいい感じに表示するためのノウハウの話でした。
実は、ここに書いた内容はmasterのHEADでの話で、解説を書くにあたって調べ直した結果の洗練された内容になってる。 今リリースしてるバージョンでは、そこまで洗練されてない状態の(でもだいたい同じような結果を得られている)コードになってるので、どこが無駄だったのかを洗い出して「こいつ技術力低いなあ!」と笑いものにしてくれていいです。
それにしても、昔なつかしNetscape Communicator 4では、フォルダの中にブックマークが大量にあるときはこんな風に段組表示してくれて一覧性が高くてものすごく便利だったんだけど、Geckoエンジンベースで作り直されたNetscape 6以降や、その流れの先にあるFirefoxには、その機能はついぞ引き継がれなかった。 業を煮やして複数のポップアップを並べることで擬似的に再現できないか?という実験をしてみたこともあったんだけど、不安定でダメだった。
今だったら、このやり方で行けるんじゃないか?という気がする。 というか、SUMOの質問に寄せられてる回答でStylish用のスタイルシートが公開されてて、2つの例のうち1つはCSSマルチカラムでやるようになってたので、間違いなくできる。
ただ、例に挙がってるStylish用のスタイルシートはカラム数が固定されていて、1列でいい時にまで常に2列3列になってしまうという問題がある。 ネスケ4の頃のそれのような使い勝手を実現するには、ここで解説したような細かい調整をやらないといけないんだと思う。 僕自身はやる元気がないので、誰か代わりにやってくれないかなあ……と、実現する見込みの低そうな事をネットの片隅でこっそり呟いてみる次第です。
ツリー型タブではタブバーに表示するスクロールバーについて、普通のスクロールバーよりも細く表示するようにしてるんだけど、その実装方法に少し改善があったので誰得だけど解説しておく。
ちょっと前までのバージョンでは、単純にCSSのmax-width
で以下のように実現していた。
tabs.tabbrowser-tabs
.tabbrowser-arrowscrollbox
> scrollbox
> scrollbar[orient="vertical"],
tabs.tabbrowser-tabs
.tabbrowser-arrowscrollbox
> scrollbox
> scrollbar[orient="vertical"] * {
max-width: 10px;
min-width: 10px; /* この指定がないと逆に最小サイズが大きくなってしまう */
}
tabs.tabbrowser-tabs
.tabbrowser-arrowscrollbox
> scrollbox
> scrollbar[orient="vertical"] {
font-size: 10px;
}
この方法の難点は、一部のプラットフォームで……というかWindowsでスクロールバーの端のボタンの表示がずれるということ。 スクリーンショットを見ると、「▼」がちょっと右にずれてるのが分かる。 何故こうなるかというと、Windowsのスクロールバーの端のボタンのアイコンは最小サイズが大きめに定義されているようで、それよりも小さなサイズを指定してもWindows側の最小サイズが優先されてしまうせい。
この問題は、実用上は問題がないので長らく放置してたんだけど、最近ツリー型タブのissue trackerで閉じられてないままの古いissueを断捨離してる時にもっとこうしたらいいよという提案があったことに今頃気がついて、その方針を最近のバージョンで採用してみた。
これはどうやってるのかというと、スクロールバーの幅を小さくする代わりに、「スクロールバーの左右にマイナスのマージンを設定して他の要素の下に潜り込ませる」ことで、擬似的に細く見せている。
何ピクセル潜り込ませるかは環境によって変わってくるので、document.getComputedStyle()
なども使ってその都度計算するという面倒なことをしている。
これで、「▼」がずれるということがなくなった。
しかし、今度は副作用としてタブバーの背景色を変えている時に表示が変になるという問題が起こってしまった。 例えばClassic Theme Restorerをインストールして且つ「Mixed」スキンを選択した状態だと、水色の背景の一部がグレーになってしまってた。 これは、先の「マイナスのマージンを設定して他の要素の下に潜り込ませる」という手法において、スクロールバーが潜り込む先となる(スクロールバーの上に載って一部を覆い隠す)ボックスの背景色の指定が必要となってしまって、決め打ちで指定した色がユーザのカスタマイズ後の色と違うせいで見えてしまっているということ。 タブバーの背景色を変える方法はuserChrome.cssやらテーマやらClassic Theme Restorerやら色々とあるので、すべての場合にマッチする万能の対策は事実上無い。
ということで頭抱えてしまって、なんとかスクロールバーの潜り込んだ部分(はみ出た部分)を綺麗に消す方法はないかと、思いついた方法を色々試してみた。
max-width
でちゃんと細くできてたんだし)と思って試してみたら、ボタン部分だけがスクロールバーからはみ出すという結果になってしまった。
overflow-x:hidden
だな!と思って、スクロールバー全体にこれを指定してはみ出したボタンだけをどうにかしようと思ったけど、実際やってみたらスクロールバー全体の動作がぶっ壊れてしまうので駄目だった。
万策尽きてDOMインスペクタの画面とにらめっこしてた所、clip
という名前が見えた。そういえばCSSにはそういう機能もあるんだった。試したこと無かったから、じゃあそれで行けるんじゃないか?
ということで実際試してみたんだけど、これもスクロールバーのボタンには効いてくれなかった。
でも、MDNのプロパティ解説を見るとdeprecatedと書いてあって、誘導先を見たらclip-pathを使えと書いてある。
clip-path
というとFirefoxのタブの見た目などを丸くするのに実際使われてるプロパティだったはずなので、こっちなら大丈夫だろうと思って再挑戦したら、ようやくうまくいった。
Classic Theme Restorerとの併用時にも何ら問題がないことが見て取れる。
実装は以下のようになってる。
tabs.tabbrowser-tabs
.tabbrowser-arrowscrollbox
> scrollbox
> scrollbar[orient="vertical"] {
font-size: 10px;
max-width: 10px;
min-width: 10px;
clip-path: url(#treestyletab-box-clip-path);
}
tabs.tabbrowser-tabs
.tabbrowser-arrowscrollbox
> scrollbox
> scrollbar[orient="vertical"] * {
font-size: 10px;
max-width: 100%;
min-width: 10px;
}
tabs.tabbrowser-tabs
.tabbrowser-arrowscrollbox
> scrollbox
> scrollbar[orient="vertical"] scrollbarbutton {
font-size: 10px;
margin-left: -3px;
margin-right: -2px;
}
参照してるSVGのクリッピングパスは以下の通り。
<svg:svg height="0">
<svg:clipPath id="treestyletab-box-clip-path"
clipPathUnits="objectBoundingBox">
<svg:path d="m0,0 V1 H1 V-1 H-1 z"/>
</svg:clipPath>
</svg:svg>
このクリッピングパスはどういう形かというと、仮想的なキャンバス全体を覆い尽くす矩形になってる。m
から始まる相対指定で(0,0)
から(1,1)
までを覆う矩形を作っている(左上から始めて、下、右、上、左と反時計回りに進んでパスを閉じてる。最初は逆方向の時計回りに回ってしまってうまくいかなかった)ので、クリッピングパスの適用対象になるボックスがどんなサイズであってもそれと同じ大きさになる。
スクロールバーに対してこのクリッピングパスを反映すると、この矩形からはみ出る部分、つまりネガティブマージンではみ出してるボタンが切り取られて表示されるようになる、というわけ。
今回の実装自体のノウハウをそのまま流用できる場面はそうそうなさそうだけど、なんかの機会にまた使うかもしれないので、解説してみた。
要点をまとめると、「要素のスクロールの可否といった動作に影響を与えないで、見た目の表示サイズだけを小さくしたい時は、clip-path
を使うとよい」といったところでしょうか。
以上、ちっこい三角ひとつのためだけに四苦八苦させられた話なのでした。
Tree Style Tabで選択可能な組み込みのスタイル指定の一つとして、Mac OS X上のデフォルトテーマ風の物を、cho45さんのStylish用スタイル定義を参考にして作ってみた。 スクリーンショットはVista上での物だけど、OS X上でも確認はしてるのでご安心を。
Firefox 3以前の環境ではcho45さんのスタイル定義ほぼそのまんまを適用するようになってて、その場合はタブの高さが26ピクセル固定になってしまうのでタブの中に何か追加する系のアドオン(具体的にはInformational Tab)との相性が非常に悪い。
で、それをなんとかする方法として、Firefox 3.5以降ではborder-imageが使えるということを思い出したので、その実験というか練習も兼ねて使ってみる事にした。
普通に考えると、tab要素自体に-moz-border-imageを指定すればそれでおしまいという事になるんだけど……ツリー型タブの場合はドロップ位置のマーカーを表示するためにborderを多用してるので、-moz-border-imageをtabに指定すると都合が悪い(普通のborderと同時に指定した場合、-moz-border-imageの方が優先されるようだ)。かといって、内側や外側にもう一つタブ全体を囲うXUL要素を増やそうとすると、他のスタイル指定と激しく競合して見た目がグチャグチャになるし……
で、色々試行錯誤して、Firefox 3以前でタブの右・左・中央のそれぞれに異なる背景画像を表示するために使っていたボックスを流用して解決する方法を思いついた。
この拡大図で言うと、9個に分けられた各領域を普通だったら一つのボックスのborder-imageでカバーするところを、今回は1~3・4~6・7~9の3つのボックスに分けている。-webkit-border-imageや-moz-border-imageの例として紹介されているコードでは4つの辺の幅を同じにしてる例が多いけど、実は4つの辺はそれぞれバラバラに幅を指定できる。なので、
url("共通の画像") 10 10 10 10 / 10px 0 10px 10px
で右の辺の幅を0に。url("共通の画像") 10 10 10 10 / 10px 0 10px 0
で左右の辺の幅を0に。url("共通の画像") 10 10 10 10 / 10px 10px 10px 0
で左の辺の幅を0に。という風にしてやる事で、1枚の画像で3つのボックスそれぞれに異なる部分を切り出して適用するような効果を得られる。
また、このままだとタブの高さがborder-imageの幅の分だけ高くなってしまう(border-imageの上辺+タブのラベルの高さ+border-imageの下辺=タブの高さ)ので、タブのラベルやアイコンなどに対して上下にネガティブマージンを設定して、強制的にタブの高さを小さくするようにしてみた。上の図は切り出し位置を示すためにわざと高さを広げた状態だけど、ネガティブマージンを効かせれば、冒頭のスクリーンショットのようなスリムなタブになる。
そういえばbox-shadow(-moz-box-shadow)が使えるんだったなと思って、Firefox 3.1……じゃなくて3.5以降ではツリー表示したタブに影を付けるようにしてみた。
「新しいタブ」ボタンの影だけは背景画像です。
タブのドラッグ&ドロップに関する色んなバグを一挙に解決するパッチと最後のタブの右に「新しいタブ」ボタンを表示するようにするパッチの両方が入って、タブ回りが色々変わった。何はともあれ、タブをクリックしようとしただけなのにうっかりドラッグになってしまって別ウィンドウが開かれてムキー、という事がなくなってよかった。
とりあえず自分が把握してる限りでは、ツリー型タブ等でscrollbox内の方の「新しいタブ」ボタン(今回追加された奴)をdisplay: none;
で消してるせいか、ボタンを再表示させた時や新しいタブを追加した時などにタブやボタンの並び順が盛大にぶっ壊れるようになった。display: -moz-box; visibility: collapse;
にしておくとこの問題は起こらないっぽいので、次版ではそうする予定。(コードはもうコミットしてある)
あと、gBrowser.mTabContainer.childNodes
が返す内容がタブとは限らなくなった(どんな要素でもタブバー内に置けるようになったので)ということで、タブを取得するのにこのプロパティを使ってる人は一応気をつけといた方がいいと思う。てかtabbrowser要素のmTabs
自体がこれを参照してるし、現実的にはタブ以外を置いたら色んな所がぶっ壊れる事が予想されるから「置くなよ! 絶対置くなよ!!」って言ってるのと同じだよなあ。まあ一応対応しとくけどさ……
またさらに気付いたけど、タブのnextSibling
やpreviousSibling
もタブでない値を返す可能性がある状態になってる。XBLのソースに埋め込まれてるコメントノードの位置もタブの間に何故か移動してしまったりする事があるようで、前後のタブをこのプロパティで参照してる場合には被害を受ける事になる。ここも注意が必要だ。
全然話は変わるけど。
アドオンで要素の表示・非表示をCSSのdisplayプロパティで制御するにあたって、display: none;
で非表示にするのはセオリー通りで別にいいんだけど、表示させる時にdisplay: inline;
とかdisplay: block;
とかにしてる人がたまにいてもにょる。Web上のCSSではそれで正解なんだけど、XULでこれをやるとボックスの並び順がぶっ壊れたりレイアウトがおかしくなったりする事があるので、よっぽどの事情(タブバーを多段表示させる時とか)がない限りはあくまでdisplay: -moz-box;
の方を使って欲しい。最近見かけたものではPathtraqがそうだった。
XUL要素の表示・非表示を制御するには大別して3つ、細かく分けると7つの方法がある。
node.hidden = true
と node.hidden = false
node.setAttribute('hidden', true)
と node.removeAttribute('hidden')
node.style.display = 'none'
と node.style.display = '-moz-box'
node.collapsed = true
と node.collapsed = false
node.setAttribute('collapsed', true)
と node.removeAttribute('collapsed')
node.style.visibility = 'collapse'
と node.style.visibility = 'visible'
node.style.visibility = 'hidden'
と node.style.visibility = 'visible'
いくつかのXUL要素では、hidden
プロパティやcollapsed
プロパティに真偽値を代入しても何も起こらないので、setAttribute()
とremoveAttribute()
とした方がより確実ではある。プロパティでの代入にせよDOMの属性値での指定にせよ、最終的にはCSSでの指定と同じ物として扱われる。xul.cssの頭の方を見れば、どういう事かよく分かると思う。
上の例でnode.setAttribute('hidden', false)
ではなくnode.removeAttribute('hidden')
と書いているのにも理由がある。テーマやアドオンの中には「要素のhidden
属性の値がtrue
であるかどうか」ではなく「hidden
属性に何らかの値がセットされているかどうか」しか考えてない場合があって、false
を設定したのに非表示のままになってしまう、というような事がたまにあるから。collapsed
にも同じ注意が必要。
XULの世界的には物凄く基本的な事なんだけど、HTML+CSSの世界から入ってきたばっかりの人はこの辺の事を知らないままでいるかもしれないので、一応書いてみた。
こういう事(why:何故そう書かねばならないか)って、アドオンの実際のコード(how:どう書いたらよいか)をいくら見てても分からないんだよなあ……ほんとXULは地獄だぜ。
タブのドラッグ&ドロップに関する色んなバグを一挙に解決するパッチと最後のタブの右に「新しいタブ」ボタンを表示するようにするパッチの両方が入って、タブ回りが色々変わった。何はともあれ、タブをクリックしようとしただけなのにうっかりドラッグになってしまって別ウィンドウが開かれてムキー、という事がなくなってよかった。
とりあえず自分が把握してる限りでは、ツリー型タブ等でscrollbox内の方の「新しいタブ」ボタン(今回追加された奴)をdisplay: none;
で消してるせいか、ボタンを再表示させた時や新しいタブを追加した時などにタブやボタンの並び順が盛大にぶっ壊れるようになった。display: -moz-box; visibility: collapse;
にしておくとこの問題は起こらないっぽいので、次版ではそうする予定。(コードはもうコミットしてある)
あと、gBrowser.mTabContainer.childNodes
が返す内容がタブとは限らなくなった(どんな要素でもタブバー内に置けるようになったので)ということで、タブを取得するのにこのプロパティを使ってる人は一応気をつけといた方がいいと思う。てかtabbrowser要素のmTabs
自体がこれを参照してるし、現実的にはタブ以外を置いたら色んな所がぶっ壊れる事が予想されるから「置くなよ! 絶対置くなよ!!」って言ってるのと同じだよなあ。まあ一応対応しとくけどさ……
またさらに気付いたけど、タブのnextSibling
やpreviousSibling
もタブでない値を返す可能性がある状態になってる。XBLのソースに埋め込まれてるコメントノードの位置もタブの間に何故か移動してしまったりする事があるようで、前後のタブをこのプロパティで参照してる場合には被害を受ける事になる。ここも注意が必要だ。
全然話は変わるけど。
アドオンで要素の表示・非表示をCSSのdisplayプロパティで制御するにあたって、display: none;
で非表示にするのはセオリー通りで別にいいんだけど、表示させる時にdisplay: inline;
とかdisplay: block;
とかにしてる人がたまにいてもにょる。Web上のCSSではそれで正解なんだけど、XULでこれをやるとボックスの並び順がぶっ壊れたりレイアウトがおかしくなったりする事があるので、よっぽどの事情(タブバーを多段表示させる時とか)がない限りはあくまでdisplay: -moz-box;
の方を使って欲しい。最近見かけたものではPathtraqがそうだった。
XUL要素の表示・非表示を制御するには大別して3つ、細かく分けると7つの方法がある。
node.hidden = true
と node.hidden = false
node.setAttribute('hidden', true)
と node.removeAttribute('hidden')
node.style.display = 'none'
と node.style.display = '-moz-box'
node.collapsed = true
と node.collapsed = false
node.setAttribute('collapsed', true)
と node.removeAttribute('collapsed')
node.style.visibility = 'collapse'
と node.style.visibility = 'visible'
node.style.visibility = 'hidden'
と node.style.visibility = 'visible'
いくつかのXUL要素では、hidden
プロパティやcollapsed
プロパティに真偽値を代入しても何も起こらないので、setAttribute()
とremoveAttribute()
とした方がより確実ではある。プロパティでの代入にせよDOMの属性値での指定にせよ、最終的にはCSSでの指定と同じ物として扱われる。xul.cssの頭の方を見れば、どういう事かよく分かると思う。
上の例でnode.setAttribute('hidden', false)
ではなくnode.removeAttribute('hidden')
と書いているのにも理由がある。テーマやアドオンの中には「要素のhidden
属性の値がtrue
であるかどうか」ではなく「hidden
属性に何らかの値がセットされているかどうか」しか考えてない場合があって、false
を設定したのに非表示のままになってしまう、というような事がたまにあるから。collapsed
にも同じ注意が必要。
XULの世界的には物凄く基本的な事なんだけど、HTML+CSSの世界から入ってきたばっかりの人はこの辺の事を知らないままでいるかもしれないので、一応書いてみた。
こういう事(why:何故そう書かねばならないか)って、アドオンの実際のコード(how:どう書いたらよいか)をいくら見てても分からないんだよなあ……ほんとXULは地獄だぜ。
タブのドラッグ&ドロップに関する色んなバグを一挙に解決するパッチと最後のタブの右に「新しいタブ」ボタンを表示するようにするパッチの両方が入って、タブ回りが色々変わった。何はともあれ、タブをクリックしようとしただけなのにうっかりドラッグになってしまって別ウィンドウが開かれてムキー、という事がなくなってよかった。
とりあえず自分が把握してる限りでは、ツリー型タブ等でscrollbox内の方の「新しいタブ」ボタン(今回追加された奴)をdisplay: none;
で消してるせいか、ボタンを再表示させた時や新しいタブを追加した時などにタブやボタンの並び順が盛大にぶっ壊れるようになった。display: -moz-box; visibility: collapse;
にしておくとこの問題は起こらないっぽいので、次版ではそうする予定。(コードはもうコミットしてある)
あと、gBrowser.mTabContainer.childNodes
が返す内容がタブとは限らなくなった(どんな要素でもタブバー内に置けるようになったので)ということで、タブを取得するのにこのプロパティを使ってる人は一応気をつけといた方がいいと思う。てかtabbrowser要素のmTabs
自体がこれを参照してるし、現実的にはタブ以外を置いたら色んな所がぶっ壊れる事が予想されるから「置くなよ! 絶対置くなよ!!」って言ってるのと同じだよなあ。まあ一応対応しとくけどさ……
またさらに気付いたけど、タブのnextSibling
やpreviousSibling
もタブでない値を返す可能性がある状態になってる。XBLのソースに埋め込まれてるコメントノードの位置もタブの間に何故か移動してしまったりする事があるようで、前後のタブをこのプロパティで参照してる場合には被害を受ける事になる。ここも注意が必要だ。
全然話は変わるけど。
アドオンで要素の表示・非表示をCSSのdisplayプロパティで制御するにあたって、display: none;
で非表示にするのはセオリー通りで別にいいんだけど、表示させる時にdisplay: inline;
とかdisplay: block;
とかにしてる人がたまにいてもにょる。Web上のCSSではそれで正解なんだけど、XULでこれをやるとボックスの並び順がぶっ壊れたりレイアウトがおかしくなったりする事があるので、よっぽどの事情(タブバーを多段表示させる時とか)がない限りはあくまでdisplay: -moz-box;
の方を使って欲しい。最近見かけたものではPathtraqがそうだった。
XUL要素の表示・非表示を制御するには大別して3つ、細かく分けると7つの方法がある。
node.hidden = true
と node.hidden = false
node.setAttribute('hidden', true)
と node.removeAttribute('hidden')
node.style.display = 'none'
と node.style.display = '-moz-box'
node.collapsed = true
と node.collapsed = false
node.setAttribute('collapsed', true)
と node.removeAttribute('collapsed')
node.style.visibility = 'collapse'
と node.style.visibility = 'visible'
node.style.visibility = 'hidden'
と node.style.visibility = 'visible'
いくつかのXUL要素では、hidden
プロパティやcollapsed
プロパティに真偽値を代入しても何も起こらないので、setAttribute()
とremoveAttribute()
とした方がより確実ではある。プロパティでの代入にせよDOMの属性値での指定にせよ、最終的にはCSSでの指定と同じ物として扱われる。xul.cssの頭の方を見れば、どういう事かよく分かると思う。
上の例でnode.setAttribute('hidden', false)
ではなくnode.removeAttribute('hidden')
と書いているのにも理由がある。テーマやアドオンの中には「要素のhidden
属性の値がtrue
であるかどうか」ではなく「hidden
属性に何らかの値がセットされているかどうか」しか考えてない場合があって、false
を設定したのに非表示のままになってしまう、というような事がたまにあるから。collapsed
にも同じ注意が必要。
XULの世界的には物凄く基本的な事なんだけど、HTML+CSSの世界から入ってきたばっかりの人はこの辺の事を知らないままでいるかもしれないので、一応書いてみた。
こういう事(why:何故そう書かねばならないか)って、アドオンの実際のコード(how:どう書いたらよいか)をいくら見てても分からないんだよなあ……ほんとXULは地獄だぜ。
タブのドラッグ&ドロップに関する色んなバグを一挙に解決するパッチと最後のタブの右に「新しいタブ」ボタンを表示するようにするパッチの両方が入って、タブ回りが色々変わった。何はともあれ、タブをクリックしようとしただけなのにうっかりドラッグになってしまって別ウィンドウが開かれてムキー、という事がなくなってよかった。
とりあえず自分が把握してる限りでは、ツリー型タブ等でscrollbox内の方の「新しいタブ」ボタン(今回追加された奴)をdisplay: none;
で消してるせいか、ボタンを再表示させた時や新しいタブを追加した時などにタブやボタンの並び順が盛大にぶっ壊れるようになった。display: -moz-box; visibility: collapse;
にしておくとこの問題は起こらないっぽいので、次版ではそうする予定。(コードはもうコミットしてある)
あと、gBrowser.mTabContainer.childNodes
が返す内容がタブとは限らなくなった(どんな要素でもタブバー内に置けるようになったので)ということで、タブを取得するのにこのプロパティを使ってる人は一応気をつけといた方がいいと思う。てかtabbrowser要素のmTabs
自体がこれを参照してるし、現実的にはタブ以外を置いたら色んな所がぶっ壊れる事が予想されるから「置くなよ! 絶対置くなよ!!」って言ってるのと同じだよなあ。まあ一応対応しとくけどさ……
またさらに気付いたけど、タブのnextSibling
やpreviousSibling
もタブでない値を返す可能性がある状態になってる。XBLのソースに埋め込まれてるコメントノードの位置もタブの間に何故か移動してしまったりする事があるようで、前後のタブをこのプロパティで参照してる場合には被害を受ける事になる。ここも注意が必要だ。
全然話は変わるけど。
アドオンで要素の表示・非表示をCSSのdisplayプロパティで制御するにあたって、display: none;
で非表示にするのはセオリー通りで別にいいんだけど、表示させる時にdisplay: inline;
とかdisplay: block;
とかにしてる人がたまにいてもにょる。Web上のCSSではそれで正解なんだけど、XULでこれをやるとボックスの並び順がぶっ壊れたりレイアウトがおかしくなったりする事があるので、よっぽどの事情(タブバーを多段表示させる時とか)がない限りはあくまでdisplay: -moz-box;
の方を使って欲しい。最近見かけたものではPathtraqがそうだった。
XUL要素の表示・非表示を制御するには大別して3つ、細かく分けると7つの方法がある。
node.hidden = true
と node.hidden = false
node.setAttribute('hidden', true)
と node.removeAttribute('hidden')
node.style.display = 'none'
と node.style.display = '-moz-box'
node.collapsed = true
と node.collapsed = false
node.setAttribute('collapsed', true)
と node.removeAttribute('collapsed')
node.style.visibility = 'collapse'
と node.style.visibility = 'visible'
node.style.visibility = 'hidden'
と node.style.visibility = 'visible'
いくつかのXUL要素では、hidden
プロパティやcollapsed
プロパティに真偽値を代入しても何も起こらないので、setAttribute()
とremoveAttribute()
とした方がより確実ではある。プロパティでの代入にせよDOMの属性値での指定にせよ、最終的にはCSSでの指定と同じ物として扱われる。xul.cssの頭の方を見れば、どういう事かよく分かると思う。
上の例でnode.setAttribute('hidden', false)
ではなくnode.removeAttribute('hidden')
と書いているのにも理由がある。テーマやアドオンの中には「要素のhidden
属性の値がtrue
であるかどうか」ではなく「hidden
属性に何らかの値がセットされているかどうか」しか考えてない場合があって、false
を設定したのに非表示のままになってしまう、というような事がたまにあるから。collapsed
にも同じ注意が必要。
XULの世界的には物凄く基本的な事なんだけど、HTML+CSSの世界から入ってきたばっかりの人はこの辺の事を知らないままでいるかもしれないので、一応書いてみた。
こういう事(why:何故そう書かねばならないか)って、アドオンの実際のコード(how:どう書いたらよいか)をいくら見てても分からないんだよなあ……ほんとXULは地獄だぜ。