たまに18歳未満の人や心臓の弱い人にはお勧めできない情報が含まれることもあるかもしれない、甘くなくて酸っぱくてしょっぱいチラシの裏。RSSによる簡単な更新情報を利用したりすると、ハッピーになるかも知れませんしそうでないかも知れません。
の動向はもえじら組ブログで。
宣伝。日経LinuxにてLinuxの基礎?を紹介する漫画「シス管系女子」を連載させていただいています。 以下の特設サイトにて、単行本まんがでわかるLinux シス管系女子の試し読みが可能!
ツリー型タブではタブバーをウィンドウの横に置く使い方を基本的には想定してるワケだけれども、普通にタブバーを縦型にするだけだと、Minefieldではタブバーをダブルクリックしたらウィンドウが最大化されるという謎の結果になってしまうことがある。
MinefieldではBug 555081で行われた変更により、ツールバーの空白の部分がウィンドウのタイトルバーと同じ扱いになるようになっている。ツールバーの空白部分をドラッグすればウィンドウが動くし、ダブルクリックすればウィンドウの最大化になる(Windowsの場合)し、ぴたすちおのようにタイトルバーを右クリックしたらウィンドウシェードするようなユーティリティを使っていれば、それも動く。
ただ、ウィンドウの横に移動されたタブバーのようにぱっと見ツールバーに見えない部分までもがこのような挙動になってしまうと、違和感があるし混乱の元ではある。また、ツリー型タブの場合はタブバーの空白の領域をドラッグするとタブバーの位置を変えられるという機能があるけれども、上記の通りの仕様なのでこのままではタブバーの位置を変えられないということにもなってしまう。こういう時、どうすればいいのか。
タイトルバーのように振る舞うツールバーの挙動は、chrome://global/content/bindings/toolbar.xml#toolbar-drag で定義されている。コードを見てみると、WindowDraggingUtils.jsmというモジュールを読み込んで自分自身をWindowDraggingElementという物に登録しており、こうして登録された要素がタイトルバーのように振る舞うようだ。じゃあこの初期化処理を無効化するか初期化処理で行われた結果を取り消してやればいいんじゃないか、と思ったけど、設計的にそれは無理だった。
仕方がないのでWindowDraggingUtils.jsmの方を見てみると、「タイトルバー上にあるボタン等をドラッグした時だけは上記のような動作にしないようにする」というのをどうやって実現しているのかが分かった。
mouseDownCheck
)がfalseを返した時か、クリックされた要素からその祖先までの間にドラッグ操作を受け付けそうな要素がある時は、preventDefault()
している。preventDefault()
された場合、マウスのボタンがそもそも押下されなかったという扱いになるみたい。端的に言うと、MozMouseHittestイベントをpreventDefault()
すれば、ツールバーのタイトルバー的な振る舞いを無効化することができるということのようだ。
gBrowser.tabContainer.addEventListener(
'MozMouseHittest',
function(aEvent) {
aEvent.preventDefault();
},
true
);
ただ、タブバー内で発生するMozMouseHittestイベントを常にpreventDefault()
してしまうと、タブをクリックしてもタブが切り替わらないということになってしまう。preventDefault()
するのは祖先要素にタブまたはクリック可能な要素が無い場合だけに制限しないといけない。
ツリー型タブには「ポインタがタブバーを離れている時はタブバーを隠してor縮めて、ポインタがタブバーに近づいたら(フルサイズで)表示する」という機能がある。
Firefox 4に向けて開発が進んでいるMinefield 4.0b6preでこの機能が動かなくなっていたので修正をしよう……と思ったら根本的に作りなおさなきゃいけなかった。でも以前のやり方に比べたらずっとスッキリと実装できるようになっていた。
これはそんなお話。
Firefox 3.6までは、上記の機能を実現するのにえらく苦労していた。
tabbrowser要素の仕様変更のまとめで過去に図解したけど、今までのFirefoxではタブバーとコンテンツ表示領域が1つのボックスの中に収まっていたので、ボックスの縦横の配置を変えるだけでタブバーを「縦置き」できていた。そうして「縦置き」したタブバーの幅を自動的に増やしたり減らしたりしてやりさえすれば、最も単純な「タブバーを自動で隠す」機能は実現できる。
ただ、実際にはそれだと実際使っててストレスを感じる。タブバーの幅が変化する度にタブバーによって押し潰される形でコンテンツ領域の幅が縮んでしまい見た目に激しくガタつくのと、それに加えて再描画のためにFirefoxが一瞬でも無反応になってしまう事がある、というのが多分その理由だろう。
じゃあタブバーの幅が増えた分をコンテンツ領域の上にかぶせてやればガタつきがなくなってイイよね、ということで上のスクリーンショットのような事をやろうとして、当時の僕はFirefoxの仕様に頭を抱える羽目になってしまった。
要素同士を重ねる、というと一番手っ取り早いのはネガティブマージンを使う方法だろう。タブバーにネガティブマージンを指定してやれば万事解決する……そう考えていた時期が僕にもありました。
見るも無残。
どうも現行バージョンのGeckoはインラインフレームだけ特別な描画の仕方をしているらしく、iframeやbrowserの内容はオーバーレイのウィンドウのように他の内容より前に表示されるみたいだ。browser要素がDOMツリーに尽かされた後でDOMツリーに追加されたtab要素なら、browser要素よりも手前に描画されることもあるようだけど、基本的にはこうなると思っておいた方がいい。
ネガティブマージンで駄目ならposition:absoluteやらposition:fixedやらはどうなんだ、という代替案は当然出てくるだろうけど、これもやっぱり駄目だった。browserをz-index:1に、タブの方をz-index:2にという風にやっても、どう頑張ってもタブがbrowserの下に隠れてしまった。
panelやmenupopupを使うと、OSのレベルで別のウィンドウを開いて任意の位置に重ねることができる。影や枠を表示しないようにすることもできるから、うまくやればこれが一番確実かもしれない。
ただ、自分で0から作る場合ならともかく、Firefoxのタブを後から改変するという場合には、これは激しくお勧めできない。Firefoxのタブ周りのDOMツリーを不用意にいじると、Firefoxの本来の構造を期待して開発されたアドオンが動かなくなってしまう可能性が高いからだ。
アレも駄目これも駄目という感じだったので、Firefox 3.6以前では結局、他のアドオンに対して与える影響が一番少なそうなやり方として、いくつかのテクニックの組み合わせでそれっぽく見せるようにしてみた。
まずタブバーの幅を普通に増やす。
それだけだとコンテンツ領域が押し潰されてしまうので、そうならないようにネガティブマージンでappcontentあたりの幅を広げてレイアウトを維持する。
次にnsIContentViewerのmoveメソッドで描画内容をずらす。このメソッドは、フレームの内容の描画位置を任意の座標分平行移動する物だ。
仕上げとして、nsIContentViewerのmoveメソッドで描画位置を変えたせいでレンダリングされていない「タブバーと重なり合う部分」を、canvasのdrawWindowで描画する。 スクロールしてる場合やフルズームが使われている場合に位置をうまく合わせるのが難しいけど、なんとか頑張った。
ちょっと前までのMinefieldでも、基本的にはこれと同じ事をやってた。 tabbrowser要素の仕様変更のまとめで説明している通り、タブバーそのものはposition:fixedで固定して位置を合わせていて、かつてタブバーがあった所に挿入したダミーの要素と実際のタブバーとの表示サイズを同期させているという点が異なるけど、browser(iframe)とタブが重ならないように工夫を凝らしているという点では変わりはなかった。
そんな感じで今までやってたんだけど、Minefield 4.0b6preをアップデートして試しに機能をONにしてみたら、上記の解決策の重要な要素の1つである「nsIContentViewerのmoveメソッドで描画内容をずらす」が効かなくなってた。
これではタブバーの幅が変わる度にコンテンツ領域がガタついてしまうという問題を回避できない。
もはやこれまでか。そう思った僕を救ったのは、別の(ツリー型タブ)の不具合によって起こっていた現象でした。
先述の通り、Minefield用には既にタブバーをposition:fixedでレイアウトするという変更を反映してた。それが原因で、TabsToolbarの中に配置されたツールバーボタンが、タブバーが自動的に隠された状態であっても表示されたままになってしまうという現象が同時に発生していた。
……ん? ちょっと待てよ! なんでその位置にそのボタンが見えてるわけ?! browserの下に隠れてない!?
検証してみたところ、いつ行われた変更によるものなのかは分からないけど、Minefieldではいつの間にか、前述した「browserやiframeの内容は常に最前面に描画されてしまう。それらと重なる位置に置かれたXUL要素はbrowserやiframeの下に隠れてしまう。」という問題が起こらなくなっているようだ。
そこまで分かれば話は早い。もう前述のような凝ったことをしなくても、普通にposition:fixedで配置してbackground:rgba(0, 0, 0, 0.25)にすればもうそれだけで、「半透明のタブバーの下にコンテンツ領域が透けて見える」状態になるということだ。 こうしてひとまず現状のMinefieldには対応することができた。
いい時代になったものですね。
JavaScriptでアニメーション(モーショントゥイーンなど)をやろうと思うと、setTimeout()
とかsetInterval()
とかのタイマーを使うことになる。でもタイマーを複数個同時に走らせるのはリソース的に無駄だしオーバーヘッドが大きいせいでアニメーション効果ががたついてしまうようになったりするので、複数のアニメーションを同時に進行させるなら、1つのタイマーで複数のアニメーションを同時に処理した方がいい。
というわけで、そのためのライブラリをだいぶ前に作った。これは実際にツリー型タブ等で使ってる。以下のようにすると、タイマーの開始とか停止とかをヨロシクやってくれる。
var animationManager = window['piro.sakura.ne.jp'].animationManager;
// JavaScriptコードモジュールとして読み込むなら
// Components.utils.import('resource://myaddon-module/animationManager.js');
// で animationManager がエクスポートされる
var tab = gBrowser.selectedTab;
var task = function(aTime, aBeginningValue, aTotalChange, aDuration) {
// aTime:アニメーション開始時点からの経過時間(ミリ秒)
tab.style.marginLeft = (aBeginningValue + (aTime / aDuration * aTotalChange))+'px';
return aTime > aDuration; // trueを返すとその時点でアニメーション終了
};
animationManager.addTask(
task, // アニメーションの処理そのものとなる関数
parseInt(getComputedStyle(tab, null).marginLeft), // aBeginningValue:初期値
50, // aTotalChange:変化量
250 // aDuration:アニメーションにかける時間(ミリ秒)
);
この例だとmargin-leftが今の値から50増加するアニメーションだけど、変化量の指定をマイナスにすればそれだけで、今の値からmargin-leftが50減るアニメーションになる。(ちなみに、アニメーションの処理となる関数が受け取る引数の形式がなんでこうなってるのかについては、「高速な環境ではたくさん描画していいけど、低速な環境だと再描画を減らしてほしい。とにかく、1回のアニメーションは決まった時間の中できちんと終わらせたい。」という可変フレームなアニメーションをやりやすくするためです。)
既に動いてるアニメーションを中止する時は、登録した関数をremoveTask()
に渡す。
animationManager.removeTask(task);
// すべてのアニメーションを中止するなら
// animationManager.removeAllTasks();
中止ではなくてアニメーションを一時停止→再開させたい場合は、こう。
animationManager.stop(); //停止
// ...何かの処理...
animationManager.start(); // 再開
という感じのライブラリなんだけど、これを最近mozilla-centralに入った新しいアニメーションのためのAPIに対応させてみた。APIとしての変更は、addTask()
の最後の引数にDOMWindowを受け取るようになったという点のみ。
animationManager.addTask(
task,
parseInt(getComputedStyle(tab, null).marginLeft),
50,
250,
window // アニメーションを行うウィンドウ
);
リンク先で紹介されているmozRequestAnimationFrame/MozBeforePaintが利用できる環境ではそれを使用して、そうじゃない時は今まで通りsetInterval()
で処理する。ライブラリを使う側のコードは、Firefoxのバージョンの違いを意識する必要は全く無い。ただ、APIを生で使う時に比べるとオーバーヘッドがあるから、新APIのメリットぶちこわしかもしんない。
リンク先のエントリを見た感じでは、理屈としては一般的な可変フレームレートのアニメーションの考え方に基づいているみたいなんだけど、DOMのイベントをトリガーにしないといけなかったり次のフレームを描画するためにいちいちメソッドを呼ばないといけなかったりというのは煩わしいと思ったので、せっかくだからライブラリ側で面倒を見るようにしてみた。
openWindow()
って何ですかアドオンで新しいChromeウィンドウ(特権付きのウィンドウ、XPCOMとか自由に使えるやつ。ブラウザウィンドウ等、Firefoxのアプリケーションとしてのウィンドウはだいたいそう。)を開く方法はいくつかある。
window.openDialog()
を使うopenWindow()
を使う普通にXULドキュメントの中で読み込まれてるスクリプトからやるのなら、1の方法でいい。
でも、JavaScriptコードモジュールやXPCOMコンポーネントのスクリプトのように、グローバルオブジェクトがDOMWindowじゃない場面ではこの方法が使えない。特にFirefoxが起動した直後でまだブラウザウィンドウすら開かれていないという場面では、nsIWindowMediatorのgetMostRecentWindow()
でDOMWindowを取得してそのメソッドを呼ぶ、というようなこともできない。なのでこういう時は2の方法を使わないといけない。
window.openDialog()
の引数は window.open()
と同じだ。
'_blank'
決めうち)'chrome,all,dialog=no'
とか'chrome,all,modal'
とかそういうの)window.openDialog()
の場合はこの後に続いてさらに引数を指定することができて、第4引数以降に渡した物がそのまま、開かれたウィンドウの中でwindow.arguments
として参照できるようになっている。例えば
var w = window.openDialog(url, '_blank', 'chrome,all',
arg0, arg1, arg2);
こう指定して開かれたウィンドウでは
window.arguments[0] // => arg0の値
window.arguments[1] // => arg1の値
window.arguments[2] // => arg2の値
となる。Firefoxのブラウザウィンドウは、コマンドライン引数で渡されたURI等をこうやって受け取っている。
これと同じことをnsIWindowWatcherのopenWindow()
でやろうとして、うまくいかなかった。
openWindow()
の引数は
'_blank'
決めうち)となっていて、最初の引数が加わったことを除けば2~4はwindow.openDialog()
の第1~第3引数と同じ。問題は、開かれるウィンドウに引数を渡す方法が違うということ。window.openDialog()
と同じ感覚で引数を渡しても、期待通りに受け渡されない。
var WW = Cc['@mozilla.org/embedcomp/window-watcher;1']
.getService(Ci.nsIWindowWatcher);
// これはダメ
WW.openWindow(null, url, '_blank', 'chrome,all',
arg1, arg2, arg3);
// これもダメ
WW.openWindow(null, url, '_blank', 'chrome,all',
[arg1, arg2, arg3]);
// これは場合によってはOK
WW.openWindow(null, url, '_blank', 'chrome,all',
arg1);
Function.prototype.call()
では引数を普通に並べてFunction.prototype.apply()
では配列で渡す、という様式を真似てJavaScriptの配列を渡してみても、WindowWatcherは「なんですかコレ」って感じでこっちの意図を読み取ってはくれない。開かれたウィンドウの方でwindow.arguments
を見てみても、長さ1の配列になってて、その要素はなんだかよく分からないnsISupportsのオブジェクトになってる。
引数を1つだけ渡す場合だとうまくいくことがあるというのは、このメソッドの第5引数の型がnsISupportsだからだ。nsISupportsをを実装してるオブジェクトならWindowWatcherはちゃんと受け取ってくれて、開かれた側のウィンドウでもwindow.arguments[0].QueryInterface()
して使うことができる。
でもやりたいことはあくまで、複数の引数をウィンドウに渡して、開かれたウィンドウの側でwindow.arguments
で配列の要素としてそれぞれを受け取ることなのですよ。というか、開かれる側のウィンドウがそういう実装になっているため、どうしてもその様式で引数を渡さないといかんのです。
XPCOMの世界で配列を扱わないといけない場面でたまーにnsISupportsArrayというのが出てくる。これは名前の通り配列のような性質を持つインターフェースで、openWindow()
の第5引数はこのインターフェースを実装してるオブジェクトも受け付けるという風にIDL定義には書いてある。
似たような感じでプリミティブ値に対応するようなXPCOMのインターフェースがいくつかあって、nsISupportsStringとかnsISupportsPRBoolとかnsISupportsPRUInt64とかそういうのがいっぱいある。これらのインスタンスをnsISupportsArrayに格納してopenWindow()
に渡してやれば、どうやら、開かれた方のウィンドウでは対応するJavaScriptのプリミティブ値としてそれらを受け取れるらしい。
が、こんな事真面目にやってらんないですよね。値の型に合わせてインターフェースを使い分けてインスタンスを作って……とか、めんどくさすぎる。
幸い、XPCOMにはnsIVariantという便利な物があって、これのsetFromVariant()
にJavaScriptの値を適当に渡してやると、あとはnsIVariant君がよろしくやってくれるのです。これを使わない手はない。
var JSArray = ['string', true, 29];
var array = Cc['@mozilla.org/supports-array;1']
.createInstance(Ci.nsISupportsArray);
JSArray.forEach(function(aItem) {
var variant = Cc['@mozilla.org/variant;1']
.createInstance(Ci.nsIVariant)
.QueryInterface(Ci.nsIWritableVariant);
variant.setFromVariant(aItem);
array.AppendElement(variant);
});
WW.openWindow(null, url, '_blank', 'chrome,all', array);
これでめでたく、複数の引数をWindowWatcherからも渡せるようになりました、と。
これで一件落着と思ってたんだけど、この方法が使えない場合があることが分かった。nsIVariantはプリミティブ値でもXPCOMのオブジェクトでも何でも受け渡せる万能なヤツなんだけど、nsISupportsArrayと組み合わせてWindowWatcherに渡す時は、XPCOMのインターフェースを持ってないJavaScriptのネイティブのオブジェクトはこの方法では渡せなかった。
var variant = Cc['@mozilla.org/variant;1']
.createInstance(Ci.nsIVariant)
.QueryInterface(Ci.nsIWritableVariant);
variant.setFromVariant({ prop : value });
こうやって値を設定した物をnsISupportsArrayに渡しても、開かれたウィンドウの方ではよく分からんnsISupportsのオブジェクトになってしまって、元のオブジェクトが持ってた情報を取り出せなかった。
回避方法として思いつくのは
JSON.stringify()
して渡して、受け取り側でJSON.parse()
するくらい。JSONにできない物は2の方法でやるしかないと思う。
var bag = Cc['@mozilla.org/hash-property-bag;1']
.createInstance(Ci.nsIWritablePropertyBag);
for (var i in hash)
{
if (hash.hasOwnProperty(i))
bag.setProperty(i, hash[i]);
}
で渡して、受け取った側で
var hash = {};
var enum = window.arguments[0]
.QueryInterface(Ci.nsIPropertyBag)
.enumerator;
while (enum.hasMoreElements())
{
let item = enum.getNext()
.QueryInterface(Ci.nsIProperty);
hash[item.name] = item.value;
}
という風にしてハッシュに戻す。とか。
ウィンドウ間の情報の引き渡しはマジ鬼門。
あと、上に書いた諸々の処理をライブラリとしてまとめておいたので、同じような事をしようとしてる人は使うといいよ。
最近、JsDoc Toolkitの導入を考えてる。
ツリー型タブのAPI紹介等ではXPIDLっぽい書き方にしてみてるけど、オレオレ表記なので分かってもらえない可能性があるという心配はずっとしている。
ところで、Firefox自体のソースを見ていると以下のような書き方をしているのをよく見かける。
(略)
/**
* Given a starting docshell and a URI to look up, find the docshell the URI
* is loaded in.
* @param aDocument
* A document to find instead of using just a URI - this is more specific.
* @param aDocShell
* The doc shell to start at
* @param aSoughtURI
* The URI that we're looking for
* @returns The doc shell that the sought URI is loaded in. Can be in
* subframes.
*/
function findChildShell(aDocument, aDocShell, aSoughtURI) {
(略)
これはJavaで標準的に使われているJavadocという「ソースコードの中に埋め込まれたコメントを自動的に収集してHTML形式でドキュメントを生成する」仕組みに基づいたもので、同じ形式でコメントを埋め込めるよう、Javadocの仕様に準拠した実装が言語ごとに存在しているようだ。JavaScriptならJsDoc Toolkit、C言語ならGTK-Docが一般的らしい。あとJavaScriptに関してはGoogle Closure ToolsのClosure Compilerも対応しているらしい
事実上の標準としてみんなが見慣れた形式なのであるならば、これに合わせて書くのがいいだろう。と思ったので、とりあえずライブラリとして切り出して公開しているコードにJavadoc形式で使い方の解説を埋め込んでみることにした。
@example
に例を書く時に、例の中に<
とか>
とかのHTML的にまずい文字が含まれていると、出力されるHTMLがぶっ壊れてしまう。JsDoc Toolkit自体のソースを見てみた所(JsDoc Toolkitはそれ自体がJavaScriptで書かれている。Java上で動作するJavaScript実行環境のRhinoの上で動作している。)、ファイルの拡張子でフィルタリングを行っているらしいということが分かった。あと、テンプレートのファイルの方を編集すれば、例に埋め込んだコードのせいでHTMLがぶっ壊れてしまう問題は回避できるようだった。
そういうわけで当面の所はこんな変更を加えて使ってみることにした。以下はjsdoc_toolkit-2.3.2.zipに対する差分です。
diff -ur jsdoc-toolkit-orig/app/lib/JSDOC/JsDoc.js jsdoc-toolkit/app/lib/JSDOC/JsDoc.js
--- jsdoc-toolkit-orig/app/lib/JSDOC/JsDoc.js 2009-01-24 18:42:04.000000000 +0900
+++ jsdoc-toolkit/app/lib/JSDOC/JsDoc.js 2010-08-20 10:17:17.602464000 +0900
@@ -69,7 +69,8 @@
JSDOC.JsDoc._getSrcFiles = function() {
JSDOC.JsDoc.srcFiles = [];
- var ext = ["js"];
+ var ext = ["js", "jsm"];
+ var ignorePattern = /\.test\.js$/i;
if (JSDOC.opt.x) {
ext = JSDOC.opt.x.split(",").map(function($) {return $.toLowerCase()});
}
@@ -89,7 +90,7 @@
}
}
- return (ext.indexOf(thisExt) > -1); // we're only interested in files with certain extensions
+ return (ext.indexOf(thisExt) > -1) && !ignorePattern.test($); // we're only interested in files with certain extensions
}
)
);
diff -ur jsdoc-toolkit-orig/app/run.js jsdoc-toolkit/app/run.js
--- jsdoc-toolkit-orig/app/run.js 2009-01-08 06:32:58.000000000 +0900
+++ jsdoc-toolkit/app/run.js 2010-08-16 17:28:28.673092400 +0900
@@ -337,7 +337,7 @@
if (!path) return;
for (var lib = IO.ls(SYS.pwd+path), i = 0; i < lib.length; i++)
- if (/\.js$/i.test(lib[i])) load(lib[i]);
+ if (/\.jsm?$/i.test(lib[i])) load(lib[i]);
}
}
Only in jsdoc-toolkit: jsdoc.bat
diff -ur jsdoc-toolkit-orig/templates/jsdoc/class.tmpl jsdoc-toolkit/templates/jsdoc/class.tmpl
--- jsdoc-toolkit-orig/templates/jsdoc/class.tmpl 2009-09-03 06:37:31.000000000 +0900
+++ jsdoc-toolkit/templates/jsdoc/class.tmpl 2010-08-18 15:10:02.542253900 +0900
@@ -300,7 +300,10 @@
<if test="data.example.length">
<for each="example" in="data.example">
- <pre class="code">{+example+}</pre>
+ <pre class="code">{+String(example)
+ .replace(/&/g, '&')
+ .replace(/</g, '<')
+ .replace(/>/g, '>')+}</pre>
</for>
</if>
@@ -399,7 +402,10 @@
<if test="member.example.length">
<for each="example" in="member.example">
- <pre class="code">{+example+}</pre>
+ <pre class="code">{+String(example)
+ .replace(/&/g, '&')
+ .replace(/</g, '<')
+ .replace(/>/g, '>')+}</pre>
</for>
</if>
@@ -466,7 +472,10 @@
<if test="member.example.length">
<for each="example" in="member.example">
- <pre class="code">{+example+}</pre>
+ <pre class="code">{+String(example)
+ .replace(/&/g, '&')
+ .replace(/</g, '<')
+ .replace(/>/g, '>')+}</pre>
</for>
</if>
@@ -565,7 +574,10 @@
<if test="member.example.length">
<for each="example" in="member.example">
- <pre class="code">{+example+}</pre>
+ <pre class="code">{+String(example)
+ .replace(/&/g, '&')
+ .replace(/</g, '<')
+ .replace(/>/g, '>')+}</pre>
</for>
</if>
モック(Mock)とスタブ(Stub)の違いがよく分かってなかったんだけど、何が違うのか、そしてモックはどう使う物なのかということを、すとうさんに教えてもらって今更理解した。あとで会社のブログに書くつもりだけど、メモとして要点だけまとめておく。
自分は今まで、とりあえずユニットテストに注力していて、ある意味脅迫観念的な勢いで、ブラックボックス度合いを高くする事を心がけてた。今まではそれでだいたい問題なかった。でも最近になって、ブラックボックステストにしようとすると無理があるというケースにぶち当たるようになった。1つの機能の中でコロコロと遷移する内部状態を、どうにかして検証したいというようなケースが出てきた。
それですとうさんに相談したら、そういう時はモックを使えばいいと言われた。でも、話を聞く限りだとモックというのはテスト対象の実装の中の処理の流れを追う物のようなので、それじゃブラックボックステストにならないじゃないかと思った。それをそのまま言ったら、確かにテストはできるだけブラックボックステストになってた方がいいけど、機能テストやインテグレーションテストのような粒度の大きな単位のテストでは、処理の中で起こる様々な出来事や副作用を色々モニタリングして、すべての処理が期待通りに動いているかどうかを検証しないといけないから、必然的にホワイトボックステストにならざるを得ないと言われた。
それを聞いて、目の覚めるような思いをした。そうか、ブラックボックステストとホワイトボックステストの使い分けはそこが基準になるのか、と。今まで自分がホワイトボックステストを書かずに済んでいたのは、状態の遷移を伴うような機能を作る必要がなかったからだったんだ、テストをどうも書きにくいなあと思っていた機能は本当はホワイトボックステストにしたほうがいい物だったんだ、と。
そんなわけでUxUにモックの機能を実装した。
「JavaScript Mock」で検索するとJSMockとjqmockが上位に出てきたので、最初はそれらを参考にするように(メジャーな実装があるんだったらそれをそのまま取り入れるなりAPIを合わせるようにするのが望ましい)と言われたんだけど、ドットで繋げるメソッドチェインの記法がガンガン出てきて頭パンクした。
もう少し下の方までスクロールするとMockObject.jsというのが出てきて、こっちはファイル全体で3KBに満たない小さなライブラリなので、まずはここから始めることにした。何せコードが短いから、読むのもそんなに苦にはならない。モックの概念を言葉で説明されてもさっぱりだったけど、一通りの処理の流れを見たら、「モックというのは一体何をやらなきゃいけないのか」「どういう振る舞いが期待されているのか」ということがよく分かった。
MockObject.jsと同等の機能を一通り実装した後でもう一度JSMockの方を見たら、なるほどこれはこういう意味だったのかというのがやっと分かった。サンプルコードを見ても、モックという物の意味をそもそもよく知らない時点では、どこからどこまでがJSMockの部分なのかさっぱり分からなかったんだよね。ということで、MockObject.jsに加えてJSMock互換のAPIも付け加えてみた。jqunitの方は……もう別言語だからシラネ。
あと有名なのはJsMockito? これも頑張ったらできるかなあ、というかMITライセンスだしそのままぶち込んだ方が早いか……
Firefoxで、タブを閉じる時にいきなりタブが消えるんじゃなくちょっとずつ消えるようなアニメーションが実装されたようだ。ツリー型タブにアニメーション効果を加えた時にも書いたけど、状態が不連続に変化するよりも連続的に変化した方が分かりやすいことは間違いないので、この改良は歓迎すべき事だと思う。
使い勝手的な面とか見た目的な面とかでは多分他の人が言及していると思うので、僕は実装とかAPIとかの面で感心した点に言及してみる。
このパッチが入るちょっと前に「新しいタブを開く時にアニメーション効果を適用する」という処理も入ったんだけど、この2つには違う所が1点ある。それは、既定の状態がアニメーション有りか無しかという点だ。
gBrowser.addTab(uri)
で、アニメーション有りでタブが開かれる。gBrowser.addTab(uri, { skipAnimation : true })
で、アニメーション無しでタブが開かれる。gBrowser.removeTab(tab)
で、アニメーション無しでタブが閉じられる。gBrowser.removeTab(tab, { animate : true })
で、アニメーション有りでタブが閉じられる。今回のremoveTab()
の既定の挙動とフラグ指定の仕様は大いに評価したい。何故かというと、これは互換性を最大限保つために必要なことだからだ。
タブを閉じる時にアニメーション効果を適用させるということは、タブに「閉じるという操作は行われたが、まだ実際にはDOMツリー状に存在している」という状態が加わったということだ。そのため、gBrowser.mTabContainer.childNodes
で取得したタブの一覧の中に、本来であれば処理対象にしては行けないタブが含まれてしまうようになる。
これは大いに混乱を招く。アドオンの多くはタブを閉じる際のアニメーション効果のことなど知らないから、タブが閉じられたらすぐにDOMツリーからも消えることを期待している。そういう前提で書かれたコードが、片っ端から動かなくなってしまう恐れがある。
今回のパッチでは、この混乱を最小限にするための配慮が行われている。このような状態が発生する場面を「タブのクローズボックスがクリックされた時」と「Ctrl-Wなどのキーボードショートカットで現在のタブが閉じられようとした時」だけに限定することで、それ以外の場合は明示的に指示されない限りはアニメーションしないようにしてある。アドオンが要であるFirefoxとしては、APIの変更でアドオンが作りにくくなる・人気のアドオンが動作しなくなることのデメリットの方が、美しい設計のAPIにすることのメリットを上回ると考えられるから、この判断は合理的と言っていい。
今後の課題は、互換性を重視したことでAPIが分かりにくくなってしまった点をどうするか、ということではないかと個人的には思っている。特に、addTab()
とremoveTab()
という対になったAPIにおいて、似たような事をやるのにそれぞれやり方が違うというのは、あまり誉められる事ではないから。
ただ、今はとにかく、Mozillaが互換性を重視する決定をしてくれたことをありがたく思っている。
半分眠ったまんまで作業してたのでしょーもないregressionを仕込む→修正して公開→またregressionということを繰り返した結果、既に0.13.3になってしまったわけですが、バージョン0.13.0で結構大きくいじりました。機能的には全然変わってないですが。
nodesFromRect()
を使うようにしたので、見えているスクロール位置から検索を始める処理が相当速くなりました。nodesFromRect()
の効果と合わせて、Minefield 4.0b2preではページ内検索のストレスがほとんど無くなったと思います。Minefieldで検索が速くなったのは、Bug 39098 – Elements with visibility:hidden, visibility:collapse, or display:none get copied to the clipboardがfixされたおかげです。
toString()
で文字列にすると、CSSで非表示になっている要素のテキストまで一緒に取得されてしまうのですが、その後rangefindで検索する時は非表示のテキストは検索対象にならないため、場合によってはヒット箇所が飛ばされてしまったり検索が止まってしまったりという問題が起こります。DOMWindow.QueryInterface(Ci.nsIInterfaceRequestor)
.getInterface(Ci.nsIWebNavigation)
.QueryInterface(Ci.nsIInterfaceRequestor)
.getInterface(Ci.nsISelectionDisplay)
.QueryInterface(Ci.nsISelectionController)
.checkVisibility(textNode, 0, textNode.nodeValue.length)
というやり方で個々のテキストノードの可視・不可視の状態を判別して不可視のテキストを除外した結果を取得して、正規表現のマッチングに使うようにしていました。Minefield 4.0b2preにXUL/Migemo 0.13.xを入れてMXRのページでページ内検索してみると、効果の程がよく分かると思います。僕は、今すぐにでもFirefox 3.6を窓から投げ捨ててしまいたくなりました。
あとはJägerMonkeyが入ってくれれば……
ところで、他のアドオンからXUL/MigemoのAPIを呼び出す時はちょっと注意が必要になってます。
migemo
オブジェクトから機能を呼び出す時には常にシステム辞書の内容だけを返すように仕様を変えました。Components.utils.import('resource://xulmigemo-modules/service.jsm')
でユーティリティを読み込んでXMigemoCore
の各メソッドを呼ぶか、Cc['@piro.sakura.ne.jp/xmigemo/factory;1'].getService(Ci.xmIXMigemoFactory).getService('ja')
てな感じでXPCOMコンポーネントを直接呼び出すかする必要があります。XMigemoCore
でもxmIXMigemoCoreでもどっちにしても、これらが持つ機能で正規表現を生成する時は戻り値は常に文字列(正規表現のソース文字列)になるので、その都度new RegExp()
してやる必要があります。migemo
のメソッドを使って問題ありません。XUL/MigemoのUI周りでもそうしてます。nsIDOMWindowUtilsのnodesFromRect、解説がなくてさっぱり使い方が分からなかったので使ってみて調べた結果を記しておく。
インターフェースの定義はこんなん。
nsIDOMNodeList nodesFromRect(in float aX,
in float aY,
in float aTopSize,
in float aRightSize,
in float aBottomSize,
in float aLeftSize,
in boolean aIgnoreRootScrollFrame,
in boolean aFlushLayout);
8個もの引数を取るんですよ……
そういう経緯で実装されたので、第1から第6までの引数は経緯から考えたら納得のいく指定の仕方と言えよう。
0, 0
になる(scrollX, scrollY
を指定すると「ビューポートの左上からscrollX, scrollY」という意味になってしまうので注意!)。戻り値のノードリストは、どういう訳か文書中の登場順の逆順で返ってくるようだ。
作業メモ。
window.watch('gFindBarInitialized', function() { ... })
で、遅延初期化のタイミングで初期化を行える。classDescription
にホワイトスペース文字が入ってると、カテゴリへの登録がうまくいかないかも。nsUpdateTimerManagerに対応するマニフェストファイルなんかを見てみた感じでは、実装のクラス名をそのままclassDescription
にするといいのだろうか?しないといけないなーと思ってる課題。
スマートロケーションバー関係を調べて分かった事。
moz_openpages_temp
という名前のテーブルに保存している。
place_id
とopen_count
という2つのカラムを持ち、ページの遷移に応じて内容が随時更新される。moz_openpages_temp
のopen_count
が0より大きい物は、オートコンプリートの候補として返される時にURIの前にmoz-action:switchtab,
という文字列が付与され、lichlistitemのtype
属性用の値にはaction
という値が設定される。autocompletesearchparam
属性の値にenable-actions
という文字列が含まれている時だけのようだ。
moz-action:switchtab,
という文字列が付与され~」という処理がスキップされる。moz_openpages_temp
のopen_count
はオートコンプリートの候補の並び順には影響しない。あくまでfrequencyベースで検索していて、ヒットした候補の中にたまたま現在タブで開かれているplaceが含まれていた場合にだけ、この機能が発動するという仕様のようだ。