浅井真紀氏原型のフル可動フィギュア。通称ロボ波。漫画単行本のオマケ(なのか?)ですが、手を加えた立体物ということでここに置いておきます。
浅井真紀氏によるチューニング手順も参考にされたし。
このフィギュアの股関節は前後スイングのみの1軸関節で、横方向には開きません。モモの所にボールジョイントがあるため多少は脚を開けますが、ほとんど申し訳程度です。これではM字開脚なんて到底不可能ですね(←させるな)。股関節部分に横方向の動きを加える改造は、ロボ波の必須工作と言えるかもしれません。
デザイン上のパネルラインを活かしてモモの前の方に回転軸を加える改造に挑戦された方を某所で見かけたのですが、その方は、失敗したというコメントを残していました。この方法だと、軸で回転させた時に下の方のブロックが尻と衝突してしまうとのことでした。
その失敗談から、切断のラインと軸の位置を変える案が出ていました。これなら、ブロックを回転させてもお互いにぶつかることはないはずです。僕はこれを実践することにしました。
まず、パーツを切断します。余計なところまで切りすぎてしまわないように慎重にカッターナイフで作業しました。おそらく、普通はカッターノコやエッチングソーを使うところのような気がしますが、手持ちの道具がこれしかなかったので……
なお、モモ前面とパーツ中央を結ぶ線を切る時には、水平ではなく斜めに切っておく(モモ前面のパネルラインに沿って切る)と、完成した後に関節が目立ちません。
両足とも切断し終えた状態の写真です。切断面を見て、パーツの構造を把握しておくと良いと思います。
関節を仕込む前に、この状態でパーツの「合い」を見ておきましょう。すると、このまま回転軸を仕込んだのでは、脚を開いた時に脚が水平になってくれないことが分かります。斜めに切った面に軸を仕込むのだから当然なのですが、アクションの幅を広げるためにも、ここは水平まで脚が上がるようにしておきたいところです。
というわけで、その準備として、切断したパーツのうち脚側のブロックについて、外の装甲を残す形で内側をくりぬいておきます。こうしておいた上で、回転軸をボールジョイントにしておけば、回転+若干のスイングによって水平まで脚を上げられるようになるはずです。
予定の位置に穴を開け、ボールジョイントを仕込みます。僕はイエローサブマリンの「関節技」を使いました(透明だったから)が、汎用ボールジョイントで極小の物なら何でもOKです。このサイズではボールジョイントの「受け」を仕込めないため、脚側のブロックに大きめの(ボールの径に合わせた)穴を開け、それをボールジョイントの受けにすると良いでしょう。
以上で完了です。身長も外見も基本的には変わっていません(当たり前)。が、動かしてみると違いがよく分かります。
製品の首は頭の方にボールジョイントがあるものの、首自体が前方向に傾いているため、ポーズを付けた時にそこだけ不自然に見えてしまいがちです。股関節を改造するのに使ったボールジョイントが余ったので、それを使って首を二重関節化してみました。
ボールジョイントは首と胸の接合部分に仕込みます。ボールの受けを設置するスペースはありませんので、首の方にボールを設置し、胸の方にはボールの径と同じ大きさの穴を少し掘りました。あまり派手には動かせませんが、微妙な演技の幅は広がったのではないかと思います。
製品はぱっと見、胸の内部がスカスカなのがとても目に付きます。これは、胸の内側が外側と同じ白で塗られているため、光を反射して胸の内側を照らし出してしまうせいです。
これを防ぐには、胸の内側にグレーや黒を塗ればよいでしょう。油性のマジックでも十分です(僕はコピックのグレーやガンダムマーカーを使いました)。こうすることで、普通に明かりの下で見た時に胸の内側が暗く影になるため、スカスカ感が解消されます。
この技は、ガンプラなどで装甲の裏側を黒やグレーで塗るのと同じ技です。ロボットものでも、装甲裏が白いままなのと暗く塗ってあるのとでは、ぱっと見のスカスカ感がだいぶ違います。
飾り台になっているエントリープラグのシート状のイスですが、本体を引っかけるところが尻の部分くらいしかないため、綾波を座らせるとすぐにずり落ちてしまいます。
これを防ぐために、僕はイスと綾波の背中をストッパーで固定する加工を施してみました。バックパックの左右にあるスリット状のモールドと、シートの同じような位置にあるパネルラインの部分にそれぞれ穴を開け、真鍮線を通しておきました。これによって、お座りポーズで長期間飾る時でもずり落ちを気にしなくて済むようになりました。