GLOBAL-ALIGN::left
ALIGN::center
拡張機能
開発の
基礎知識
[[EM:Part3]]

----
CHAPTER::拡張機能開発のチュートリアル
チュートリアル
----
拡張機能を
実際に
作ってみる




----
CHAPTER::開発環境の整備
HEADER::拡張機能開発のチュートリアル
FOOTER::開発環境に必要なもの
ALIGN::center
開発環境に
必要なもの
----
[[EM:絶対に必要]]
　・[テキストエディタ]
　　（[UTF-8]を扱えるもの）
　・[アーカイバ]
　　（[ZIP形式]を扱えるもの）

[[EM:あると便利]]
　・[JavaScript]デバッガ
----
テキスト
エディタ
----
秀丸エディタ
　[[http://hide.maruo.co.jp/]]

TeraPad
　[[http://www5f.biglobe.ne.jp/~t-susumu/]]
----
アーカイバ
----
7-Zip
　[[http://www.7-zip.org/ja/]]
----
デバッガ
----
Venkman JavaScriptデバッガ
　[[https://addons.mozilla.org/firefox/216/]]
　[[（日本語パック）|https://piro.sakura.ne.jp/latest/blosxom.cgi/mozilla/extension/2005-09-30_venkman-ja.htm]]
----
ALIGN::center
しておくと
便利な設定
----
[コンソール]への
エラーメッセージ出力
----
[[PRE:
user_pref("browser.dom.window.dump.enabled", true);
]]
----
dump("文字列") という機能が使えるようになる
渡した文字列がコンソールに表示される

※Windows環境ではFirefoxを
　　-consoleオプション付きで起動する
　LinuxやMac OS XではFirefoxを
　　ターミナルから起動する
----
エラーコンソールへの
内部エラーの表示
----
[[PRE:
user_pref("javascript.options.showInConsole", true);
]]

※「ツール」→「エラーコンソール」で
　エラーコンソールを起動
----
次


----
FOOTER::拡張機能を実際に作ってみる
ALIGN::center
拡張機能を
実際に
作ってみる
----
拡張機能の
タイプ
----
主に
2種類
----
・新機能を加える物

・既存の機能の
　挙動を変える物





----
CHAPTER::Close All Tabs
新機能を
加える
----
・ツールバーのボタン
・サイドバーのパネル
・それ以外
----
ツールバーボタンと
サイドバーパネルは
簡単に追加できる
----
なので
そこを解説





----
CHAPTER::Close All Tabs-Overview
FOOTER::拡張機能を実際に作ってみる - Close All Tabs
ALIGN::center
[[EM:Close All Tabs]]
「すべてのタブを一度に閉じる」
ボタンをツールバーに加えてみる
----
目標（要求仕様）
　・ツールバーに「すべてのタブを閉じる」
　　ボタンを加える。
　・ボタンを押すと、空のタブを残して
　　すべてのタブを閉じる。
　・「すべてのタブを閉じる」という項目を
　　「ファイル」メニューの中にも加える。
　・キーボードショートカット「Ctrl-Q」でも
　　機能を利用できるようにする。
----
作業手順
　1. IDを決める
　2. どこをいじればいいか調べる
　3. フォルダとファイルを用意する
　4. XULで構造を定義する
　5. JavaScriptで挙動を定義する
　6. CSSで外観を定義する
　7. パッケージングする
　8. 配布
----
用意するもの：
　ボタン用アイコン画像
　　大サイズ　24×24　[[image src="icon.png" width="72" height="72"]]
　　小サイズ　16×16　[[image src="icon-small.png" width="48" height="48"]]
----
CHAPTER::Close All Tabs-ID
ALIGN::center
IDを決める
----
ID
----
拡張機能を
識別するための
一意な名前
----
使えるIDの形式

　[[EM:UUID（GUID）]]：完全なID
　　{E0EACCD1-98F3-4936-A229-41C667E820B8}

　[[EM:名前@ドメイン]]：簡易的なID
　　closealltabs@piro.sakura.ne.jp
----
UUIDの
作り方
----
Web上のサービスを
使うと楽チンです
[[http://kruithof.xs4all.nl/uuid/uuidgen]]
----
次
----
CHAPTER::Close All Tabs-Inspect
ALIGN::center
どこをいじれば
いいか調べる
----
ツールバーのボタンの追加の場合は
定型的な書き方だけでいけるので
特に調べなくてもよい
----
次
----
CHAPTER::Close All Tabs-Folder
ALIGN::center
フォルダと
ファイルを
用意する
----
プロファイル
フォルダの中に
拡張機能用の
フォルダを作る
----
|Windows XP/2000|C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Application Data<br/>\Mozilla\Firefox\<プロファイル名>\extensions
|Windows NT|C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data<br/>\Mozilla\Firefox\<プロファイル名>\extensions
|Windows 98/ME|C:\Windows\Application Data<br/>\Mozilla\Firefox\<プロファイル名>\extensions
|Mac OS X| ~/Library/Application Support<br/>/Firefox/<プロファイル名>/extensions
|Linux| ~/.mozilla/firefox/<プロファイル名>/extensions
----
[[image src="03.jpg" width="319" height="600"]]
----
次
----
CHAPTER::Close All Tabs-XUL
ALIGN::center
XULで
構造を
定義する
----
closealltabs.xul
[[PRE:
<?xml version="1.0"?>
<?xml-stylesheet href="chrome://closealltabs
                       /skin/closealltabs.css" type="text/css"?>
<overlay xmlns="http://www.mozilla.org
                /keymaster/gatekeeper/there.is.only.xul">

  <script type="application/x-javascript" src="closealltabs.js"/>

  <!--ここに内容を書き加えていく-->

</overlay>
]]
----
コマンド
の定義
----
コマンド
＝他の要素からの
　参照専用の要素
----
ボタンやメニューに
割り当てる機能は
まずコマンドで定義
----
[[PRE:
<commandset id="mainCommandSet">
  <command id="cmd_closeAllTabs"
           oncommand="BrowserCloseAllTabs();"/>
</commandset>
]]
----
ALIGN::center
command要素の属性
|属性|意味
|id|そのコマンドの名前（ID）
|oncommand|コマンドが呼ばれた時に<br/>実行するスクリプト
----
ツールバー
ボタンの定義
----
Firefoxの
ツールバー
----
カスタマイズ
する時には
パレットから
ボタンを選ぶ
----
パレットの中に
ボタンを追加する
----
[[PRE:
<toolbarpalette id="BrowserToolbarPalette">
  <toolbarbutton id="closeAllTabs-button"
                 label="Close All Tabs"
                 class="toolbarbutton-1
                        chromeclass-toolbar-additional"
                 command="cmd_closeAllTabs"/>
</toolbarpalette>
]]
----
ALIGN::center
toolbarbutton要素の属性
|属性|意味
|label|ボタンの<br/>ラベル文字列
|command|ボタンが押された時に<br/>呼び出すコマンドのID
----
キーボード
ショートカット
----
AJAXなどでは
JavaScriptで
定義する
----
XULには専用の
要素がある
----
[[PRE:
<keyset id="mainKeyset">
  <key id="key_closeAllTabs"
       key="q"
       modifiers="accel"
       command="cmd_closeAllTabs"/>
</keyset>
]]
----
ALIGN::center
key要素の属性
|属性|意味
|key|反応する文字キー<br/>アルファベットや記号など
|keycode|反応する特殊キー（キーコード）<br/>VK_ENTER, VK_BACK_SPACEなど
|modifiers|アクセラレータキー<br/>Control, Meta(Command),<br/>Shift, Altまたはaccel
----
メニュー
項目
----
[[PRE:
<menupopup id="menu_FilePopup">
  <menuitem id="menuitem_closeAllTabs"
            label="Close All Tabs"
            key="key_closeAllTabs"
            command="cmd_closeAllTabs"
            class="menuitem-iconic"
            insertafter="menu_close"/>
</menupopup>
]]
----
ALIGN::center
menuitem要素の属性
|属性|意味
|key|割り当てる<br/>ショートカットのID
|insertafter|オーバーレイ時に<br/>挿入位置の目印にする要素のID
|insertbefore|オーバーレイ時に<br/>挿入位置の目印にする要素のID
|position|オーバーレイ時の<br/>挿入位置（数値）
----
次
----
CHAPTER::Close All Tabs-JavaScript
ALIGN::center
JavaScript
で挙動を
定義する
----
closealltabs.js
[[PRE:
function BrowserCloseAllTabs() {
  var tab = gBrowser.addTab('about:blank');
  gBrowser.removeAllTabsBut(tab);
}
]]
----
gBrowserは
ブラウザ要素
（<tabbrowser/>）
への参照
----
ALIGN::center
tabbrowserのメソッド（一部）
|メソッド|引数|意味
|addTab()|開くページのURI|新しいタブを開く
|removeTab()|閉じる<br/>タブの要素|タブを閉じる
|removeAllTabsBut()|閉じない<br/>タブの要素|渡したタブ以外を<br/>全て閉じる
----
次
----
CHAPTER::Close All Tabs-CSS
ALIGN::center
CSSで
外観を
定義する
----
closealltabs.css
[[PRE:
#closeAllTabs-button {
  list-style-image: url(icon.png);
}

toolbar[iconsize="small"] #closeAllTabs-button {
  list-style-image: url(icon-small.png);
}

#menuitem_closeAllTabs {
  list-style-image: url(icon-small.png);
}
]]
----
XULにおける
list-style-image
＝ボタンやメニュー項目の
　アイコンの指定に使われる
----
次
----
CHAPTER::Close All Tabs-manifest
ALIGN::center
インストール
定義
----
install.rdf
[[PRE:
<?xml version="1.0"?>
<RDF:RDF xmlns:em="http://www.mozilla.org/2004/em-rdf#"
         xmlns:NC="http://home.netscape.com/NC-rdf#"
         xmlns:RDF="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#">
  <RDF:Description RDF:about="urn:mozilla:install-manifest"
                   em:id="closealltabs@piro.sakura.ne.jp"
                   em:name="Close All Tabs"
                   em:version="1.0"
                   em:creator="SHIMODA Hiroshi"
                   em:description="Provides a toolbar button to close all of tabs."
                   em:homepageURL="https://piro.sakura.ne.jp/"
                   em:iconURL="chrome://closealltabs/content/icon.png">
    <em:targetApplication>
      <RDF:Description em:id="{ec8030f7-c20a-464f-9b0e-13a3a9e97384}"
                       em:minVersion="1.5"
                       em:maxVersion="2.0.0.*"/>
    </em:targetApplication>
  </RDF:Description>
</RDF:RDF>
]]
----
ALIGN::center
名前空間「http://www.mozilla.org/2004/em-rdf#」のプロパティ
|名|値|名|値
|id|拡張機能や<br/>アプリケーションのID|homepageURL|拡張機能の<br/>ダウンロードページ
|name|表示名|iconURL|拡張機能マネージャに<br/>表示するアイコン
|version|拡張機能の<br/>バージョン番号|updateURL|更新情報を提供する<br/>リソースのURI
|creator|作者の名前|targetApplication|インストール対象の<br/>アプリケーション
|contributor|貢献者の名前<br/>（いれば）|minVersion|インストール対象<br/>アプリケーションの<br/>最低バージョン
|description|簡単な説明文|maxVersion|インストール対象<br/>アプリケーションの<br/>最大バージョン
----
インストール対象
アプリケーション
----
これも
UUIDで指定
----
Firefox
　{ec8030f7-c20a-464f-9b0e-13a3a9e97384}

Thunderbird
　{3550f703-e582-4d05-9a08-453d09bdfdc6}
----
ALIGN::center
マニフェスト
ファイル
----
chrome.manifest
[[PRE:
content closealltabs
          chrome/content/closealltabs/
skin    closealltabs
          classic/1.0  chrome/skin/classic/closealltabs/

overlay chrome://browser/content/browser.xul
          chrome://closealltabs/content/closealltabs.xul
overlay chrome://global/content/customizeToolbar.xul
          chrome://closealltabs/content/closealltabs.xul
]]
----
ALIGN::center
|オペレータ|意味
|~content|~基本のリソースの登録
|~locale|~言語リソースの登録
|~skin|~テーマの登録
|overlay|オーバーレイの読み込み指定
|style|テーマの読み込み指定
----
次
----
CHAPTER::Close All Tabs-XPI
ALIGN::center
XPIパッケージを
作成する
----
[[image src="03.jpg" width="319" height="600"]]
----
この構造のまま
closealltabs@piro.sakura.ne.jp
以下をまとめて
closealltabs.[[EM:xpi]]
というファイル名の書庫に
ZIP形式で圧縮
----
次
----
CHAPTER::Close All Tabs-distribute
ALIGN::center
配布する
----
大きく分けて
二つの方法
----
・Mozilla Add-ons
　で配布する

・自分で配布する
----
Mozilla Add-ons
  [[https://addons.mozilla.org/]]
  拡張機能のポータルサイト
----
1. アカウントを作成する
2. 拡張機能をアップロードする
3. [[EM:拡張機能がレビューされる]]
4. 承認されたら一般ユーザ向けに
     公開される
----
自分で配布
する場合
----
XPIパッケージのMIME Type
　[[EM:application/x-xpinstall]]

ダウンロードさせたい場合
　[[EM:application/octet-stream]]
ALIGN::center
----
注意点
----
他の拡張機能と
バッティングしないか？
（要素のIDが重複していないか）






----
次
----
CHAPTER::Open Bookmark in Tab
FOOTER::
拡張機能のタイプ

・新機能を加える物

・既存の機能の
　挙動を変える物
----
既存の機能の
挙動を変える
----
CHAPTER::Open Bookmark in Tab-overview
FOOTER::拡張機能を実際に作ってみる - Open Bookmark in Tab
ALIGN::center
[[EM:Open Bookmark in Tab]]
ブックマークを常に
新しいタブで
開くようにしてみる
----
目標（要求仕様）
　・ブックマークを左クリックしたら
　　新しいタブで、
　　中クリックしたら現在のタブで
　　開くようにする。
　・現在のタブが空（about:blank）
　　の場合、新しいタブを開かずに
　　現在のタブで開く。
　　（無駄なタブを開かない）
----
作業手順
　1. IDを決める
　2. どこをいじればいいか調べる
　3. フォルダとファイルを用意する
　4. XULで構造を定義する
　5. JavaScriptで挙動を定義する
　6. パッケージングする
　7. 配布
----
CHAPTER::Open Bookmark in Tab-ID
ALIGN::center
IDを決める
----
[[EM:UUID（GUID）]]：完全なID
　{E0EACCD1-98F3-4936-A229-41C667E820B8}

[[EM:名前@ドメイン]]：簡易的なID
　openbookmarkintab@piro.sakura.ne.jp
----
CHAPTER::Open Bookmark in Tab-Inspect
ALIGN::center
どこをいじれば
いいか調べる
----
方法は
2つ
----
・動いているFirefox上で
　改造箇所を探す

・ソースコード上で
　改造箇所を探す
----
DOMインスペクタ
----
動作中の
Firefoxの
内部コードを
覗き見る
----
ソースコード全文検索
（LXR）
[[lxr.mozilla.org/mozilla/]]
----
ビルド前の
ソースコードを
覗き見る
----
もう1つ
裏技
----
ビルド済みの
Firefoxを
展開してみる
----
C:\Program Files\Mozilla Firefox\chrome\
にある
・browser.jar
・toolkit.jar
あたりをZIP書庫として展開してみる
----
ビルド前の
ソースとは
ちょっと違う
----
[[EM:ステップ1]]
DOMインスペクタで
コマンドを分析
----
実演
----
[[PRE:BookmarksMenu.loadBookmark()]]
が呼ばれていることが判明
----
[[EM:ステップ2]]
[[PRE:BookmarksMenu.loadBookmark()]]
の定義を調べる
----
ソースコードの
全文検索
----
[[http://lxr.mozilla.org/mozilla1.8/|lxr1.htm]]
Firefox 2のソースコード
----
「BookmarksMenu」
を[[Text Search|lxr2.htm]]
----
bookmarksMenu.js
というファイルで定義
されていることが判明
----
「loadBookmark」
で[[ページ内|lxr3.htm]]を検索
----
見つかったメソッド「loadBookmark」の定義
[[PRE:
loadBookmark: function (aEvent, aTarget, aDS)
{
  if (aTarget.getAttribute("class") == "openintabs-menuitem")
    aTarget = aTarget.parentNode.parentNode;
    
  // Check for invalid bookmarks (most likely a static menu item like "Manage Bookmarks")
  if (!this.isBTBookmark(aTarget.id))
    return;
  var rSource   = RDF.GetResource(aTarget.id);
  var selection = BookmarksUtils.getSelectionFromResource(rSource);
  var browserTarget = whereToOpenLink(aEvent);
  BookmarksCommand.openBookmark(selection, browserTarget, aDS);
  aEvent.stopPropagation();
},
]]
----
[[PRE:
BookmarksCommand.openBookmark()
]]
が呼ばれている
----
「BookmarksCommand」
を[[Text Search|lxr4.htm]]
----
bookmarks.js
で定義されている
----
「openBookmark」
で[[ページ内|lxr5.htm]]を検索
----
見つかったメソッド「openBookmark」の定義
[[PRE:
openBookmark: function (aSelection, aTargetBrowser, aDS) 
{
  if (!aTargetBrowser)
    return;

  // in this case, we can just use |aSelection.length| as "Open in Tabs"
  // is only available when you are only selecting multiple bookmarks
  // if you selected a folder of bookmarks, we check the number of tabs in
  // openGroupBookmark()
  if (aTargetBrowser == "tab" && !this._confirmOpenTabs(aSelection.length))
    return;

  for (var i=0; i<aSelection.length; ++i) {
    var type = aSelection.type[i];
    if (aTargetBrowser == "save") {
      this.saveBookmark(aSelection.item[i].Value, aDS);
    }
    else if (type == "Bookmark" || type == "ImmutableBookmark") {
      var webPanel = BMDS.GetTarget(aSelection.item[i],
                                    RDF.GetResource(gNC_NS + "WebPanel"),
                                    true);
      if (webPanel && aTargetBrowser == "current")
        this.openWebPanel(aSelection.item[i].Value, aDS);
      else
        this.openOneBookmark(aSelection.item[i].Value, aTargetBrowser, aDS);
    }
    else if (type == "Folder" || type == "PersonalToolbarFolder" || type == "Livemark")
      this.openGroupBookmark(aSelection.item[i].Value, aTargetBrowser);
  }
},
]]
----
実際にブックマークを開いているのは
[[PRE:
this.openOneBookmark(aSelection.item[i].Value, aTargetBrowser, aDS);
]]
この部分
----
「openOneBookmark」
でページ内を再検索
----
メソッド「openOneBookmark」の定義
[[PRE:
openOneBookmark: function (aURI, aTargetBrowser, aDS)
{
  var url = BookmarksUtils.getProperty(aURI, gNC_NS+"URL", aDS);
  // Ignore "NC:" and empty urls.
  if (url == "")
    return;

  openUILinkIn(url, aTargetBrowser);
},
]]
----
実際にブックマークを開いているのは
[[PRE:
openUILinkIn(url, aTargetBrowser);
]]
この部分
----
「openUILinkIn」
を[[Text Search|lxr6.htm]]
----
utilityOverlay.js
で定義されている
----
見つかった関数「openUILinkIn」の定義
[[PRE:
/* openUILinkIn opens a URL in a place specified by the parameter |where|.
 *
 * |where| can be:
 *  "current"     current tab            (if there aren't any browser windows, then in a new window instead)
 *  "tab"         new tab                (if there aren't any browser windows, then in a new window instead)
 *  "tabshifted"  same as "tab" but in background if default is to select new tabs, and vice versa
 *  "window"      new window
 *  "save"        save to disk (with no filename hint!)
 *
 * allowThirdPartyFixup controls whether third party services such as Google's
 * I Feel Lucky are allowed to interpret this URL. This parameter may be
 * undefined, which is treated as false.
 */
function openUILinkIn( url, where )
{
  if (!where)
    return;

  ...
]]
----
つまり
----
BookmarksCommand
  .openBookmark()
から
openUILinkIn()
に渡されるまでの間で
[[EM:「URIをどう開くか」]]
の指示を書き換えて
やればよい
----
具体的なコードを
書くための材料が
出そろった
----
次

----
CHAPTER::Open Bookmark in Tab-Folder
ALIGN::center
フォルダと
ファイルを
用意する
----
[[image src="04.jpg" width="565" height="545"]]
----
ALIGN::center
XUL
----
openbookmarkintab.xul
[[PRE:
<?xml version="1.0"?>
<overlay xmlns="http://www.mozilla.org
                /keymaster/gatekeeper/there.is.only.xul">

  <script type="application/x-javascript" src="openbookmarkintab.js"/>

</overlay>
]]
JavaScriptを読み込むためだけのシンプルなもの
----
CHAPTER::Open Bookmark in Tab-JavaScript
ALIGN::center
JavaScript
でメソッドを
再定義する
----
openbookmarkintab.js
[[PRE:
window.addEventListener('load', function() {

  var originalOpenBookmark = BookmarksCommand.openBookmark;

  BookmarksCommand.openBookmark = function(aSelection, aTargetBrowser, aDS) {
    if (aSelection.length == 1) {
      if (aTargetBrowser == 'current' &&
        gBrowser.currentURI.spec != 'about:blank')
        aTargetBrowser = 'tab'; // = 'tabshifted';
      else if (aTargetBrowser == 'tab' || aTargetBrowser == 'tabshifted')
        aTargetBrowser = 'current';
    }
    return originalOpenBookmark.call(this,
             aSelection, aTargetBrowser, aDS);
  };

}, false);
]]
----
内容の
解説
----
[[PRE:
window.addEventListener('load', function() {
   ...
}, false);
]]
ブラウザウィンドウが開かれた直後に
内容を実行する
----
[[PRE:
var originalOpenBookmark =
     BookmarksCommand.openBookmark;
]]
元のメソッドの関数オブジェクトを
変数に保持しておく
----
[[PRE:
BookmarksCommand.openBookmark =
      function(aSelection, aTargetBrowser, aDS) {
]]
メソッドを再定義する
----
[[PRE:
if (aSelection.length == 1) {
  ...
}
]]
開くブックマークが一つだけの時だけ
特別な処理を行う
----
[[PRE:
if (aTargetBrowser == 'current' &&
  gBrowser.currentURI.spec != 'about:blank')
  aTargetBrowser = 'tab'; // = 'tabshifted';
]]
ブックマークを現在のタブに読み込むはずで、
且つ、現在のタブの内容が空でない場合、
代わりに新しいタブを開く
----
[[PRE:
  else if (aTargetBrowser == 'tab' ||
           aTargetBrowser == 'tabshifted')
    aTargetBrowser = 'current';
}
]]
ブックマークを新しいタブに読み込むはず
だった場合、現在のタブに読み込む
----
[[PRE:
  return originalOpenBookmark.call(this,
           aSelection, aTargetBrowser, aDS);
};
]]
元のメソッドを実行して、
返り値を返す（←ここ重要）
----
他の拡張機能が
同じメソッドを
置き換えようとして
且つ
そのメソッドの
返り値が重要な場合
----
返り値を返さない
→その2つの拡張機能が
　同時にインストール
　された時にエラーが
　起こる
----
原則として
返り値は常に
返した方が安全
----
参考
----
Function.call()の代わりに
Function.apply()を使う
[[PRE:
return originalOpenBookmark.apply(this,
             [aSelection, aTargetBrowser, aDS]);
// return originalOpenBookmark.apply(this,
//                                   arguments);
]]
メソッドの引数の数が不定だったり
引数に変更を加えなかったりする場合は
こちらの方が便利なことも
----
変数ではなくプロパティに
元のメソッドを保持する
[[PRE:
BookmarksCommand
       .__openbookmarkintab__openBookmark =
                  BookmarksCommand.openBookmark;
...
return this.__openbookmarkintab__openBookmark(
               aSelection, aTargetBrowser, aDS);
]]
元のメソッドを他の箇所からも呼び出したい
場合はこうしておくとよい
（メソッド名が重ならないよう気をつける）








----
次
----
CHAPTER::Open Bookmark in Tab-manifest
ALIGN::center
インストール
定義を書く
----
install.rdf
[[PRE:
<?xml version="1.0"?>
<RDF:RDF xmlns:em="http://www.mozilla.org/2004/em-rdf#"
         xmlns:NC="http://home.netscape.com/NC-rdf#"
         xmlns:RDF="http://www.w3.org/1999/02/22-rdf-syntax-ns#">
  <RDF:Description RDF:about="urn:mozilla:install-manifest"
                   em:id="openbookmarkintab@piro.sakura.ne.jp"
                   em:name="Open Bookmark in Tab"
                   em:version="1.0"
                   em:creator="SHIMODA Hiroshi"
                   em:description="Loads bookmarks in new tabs by default."
                   em:homepageURL="https://piro.sakura.ne.jp/">
    <em:targetApplication>
      <RDF:Description em:id="{ec8030f7-c20a-464f-9b0e-13a3a9e97384}"
                       em:minVersion="1.5"
                       em:maxVersion="2.0.0.*"/>
    </em:targetApplication>
  </RDF:Description>
</RDF:RDF>
]]
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chrome.manifest
[[PRE:
content  openbookmarkintab
           chrome/content/openbookmarkintab/

overlay  chrome://browser/content/browser.xul
           chrome://openbookmarkintab/content/openbookmarkintab.xul
]]
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ALIGN::center
XPIパッケージを
作成する
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ALIGN::center
配布する
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ALIGN::center
注意点
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他の拡張機能と
バッティングしないか？
（返り値の問題や、
　元のメソッドを保持
　しているかどうか）
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Firefoxのバージョンが
変わっても動作するか？
（メソッド名の変更、
　引数の数や順番の変更、
　そもそもの処理内容の変更）
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メソッドの置き換えは
Firefoxのバージョン間の
互換性維持に気をつける








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CHAPTER::締め
HEADER::
FOOTER::
以上
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ご清聴
ありがとう
ございます



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質疑
応答