スライド

困ったこと

日本語の資料が極めて少ない

まず何より困るのは、日本語の技術資料がほとんどないことです。突っ込んだ情報は英語の資料を漁るか、ソースコードと格闘しながら探し当てるしかなく、これがXULアプリケーション開発に手を出すのをためらわせる最大の原因になっていると言っても過言ではないでしょう。ただ、Webベース・XMLベースということで、DHTMLによるWebページやゲームの制作のための技術をそのまま転用することもできるので、ある程度はそれで補うこともできると思います。

私自身いくつかの技術情報を文書化しております。皆さんがXULアプリケーション開発に手を出される際には、もし良かったら、どんな些細なことでも文書として残しておいて頂けると幸いです。

仕様が変わりやすい

最近でこそ大きな変更はあまり入らなくなってきた感がありますが、仕様が頻繁に変わるせいで、あるバージョンのMozillaでは動いていたXULアプリケーションが次のバージョンではもう動かなくなってしまった、ということがままあります。

このような問題を避けるため、Mozillaには長期にわたって仕様を変更せずただセキュリティ関係の修正だけを取り込んでいく「長期安定化ブランチ」というものがあります。現在ではMozilla 1.4、そしてもうすぐリリースされる1.7がそれにあたるのですが、その長期安定化ブランチ(企業や一般向けにはこちらが推奨されている)と最新の変更がどんどん加えられていくTrunk Nightly Build(ホビーユーザーはこちらの利用者が多いと思われる)のどちらを対象に開発を行うのかというところで悩むこともあります。また、旧来からの路線のアプリケーションスィートであるMozillaと軽くて小規模なFirefoxというプロダクトの段階でもユーザー層が分かれていて、これら全てに対応することを目指すか、それとも特定プロダクトの特定バージョンだけを対象に開発を行うのか、これも頭の痛い問題です。

このようなややこしい状況が、新規にXULアプリケーション開発に手を出すのをためらわせる一つの要因になっていることは否めないと思います。