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ヴィンセント・ギャロの「バッファロー'66」(リンク先はAmazon.co.jp)観た。NHKにようこそ!(Amazon.co.jp)でタイトルだけ出てくるやつ。
非モテ毒駄目男が親に見栄張って「妻を見せてやる」と啖呵切ったもんだから勢いで行きずりの娘っ子を拉致して親のとこに連れてって妻を演じさせる、という話。いちいちマヌケで憎めない主人公と、その主人公にひたすら黙ーってついてく人のいい少女の、ラブストーリーという形式なんだけど、これは男女を描くラブストーリーっていうよりも、定点観測で主人公を描いた映画だ、と思った。
……鼻水出るほど大泣き笑いしました。以下若干ネタバレ有りの感想。
出だしからとにかく主人公の駄目人間っぷりがこれでもかというほどにアピールされる。刑務所から出所直後で一文無しで、虚言癖があって、強迫観念に駆られてて被害妄想で癇癪持ちで、自分勝手で、両親も両親で、母はスーパーボール狂、父も被害妄想で癇癪持ち、そんな親から彼はさして愛されていなくて……
特に、親の彼に対する扱いが悲しい。母は子の前でこう言い放つんだ。「この子が産まれなければ(熱狂的ファンのチームの)優勝試合を見れたのに……」子にとってこれほど悲しい言葉があるだろうか。自分の出生そのものを否定されるなんて。
それからもひたすら彼の駄目さ加減、惨めな過去が次々と暴かれていく。胸がズキズキ痛む。比喩じゃなく本当に痛い。
何より胸が痛むのは、そんな彼を見捨てることができなくて優しく接してくれる、冒頭で拉致ってからずっと同行してる少女の存在。こんな女神みたいな女いるわけねえ!!!! 見も知らぬどころか初見の印象最悪の主人公に、どうしてここまで優しくできるっていうんだ!!!! 男の妄想……男にとってひたすら都合の良い女の幻想……かわいくて、理想の母のように優しくて、本当の恋人のように優しい、そんな女……男の妄想の中にしかいるわけねえだろ!!!! そんな妄想を抱いている男という性の醜さを突きつけられたようで、とても苦しくて。
人に愛されるということにあまりに慣れてない主人公が、また、哀れで滑稽で……物凄くおいしいシチュエーションでも、強がって突っぱねてみたり、なんにも手を出せなかったり。幸せというものにとにかく戸惑う彼の姿を見ていると、胸の辺りがこう、締め上げられるような痛みに襲われる……
で、女神様はここまでの展開から当然のように、彼のことを愛するわけなんだけれども……このシーンを見ていて、あの日のことを思い出して、すっげー泣けてきてしまった。他人に好きと言われることの嬉しさ……これが幸せというものなんだ、失くしたくない、手放したくない、というあの感覚が、不意によみがえってきて……
ラスト、それまでの陰惨な表情から一転して、物凄く嬉しそうな顔で親友に電話をかけるところで、大泣き笑いした。涙が溢れて止まらないんだけど、物凄く愉快痛快で、深夜だというのに鼻水たらしながら声を出して泣き笑いしてしまった。とにかく全てを祝福したくてたまらない、周りのものが全て美しく素晴らしく見える、そんな感情がまたよみがえってきて。
映画としての出来とかはよくわからないけど、僕にとっては、今このタイミングで見てこれほど感情移入できる映画はなかった。
この気持ちを忘れずにずっとしまっておきたい。忘れても、見ればまた思い出すだろう。
の末尾に2020年11月30日時点の日本の首相のファミリーネーム(ローマ字で回答)を繋げて下さい。例えば「noda」なら、「2005-09-20_buffalo66.trackbacknoda」です。これは機械的なトラックバックスパムを防止するための措置です。
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