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omni.jarを展開してデバッグした話と、Minefield(Firefox 4)で起動時のセッション復元が働かなくなる問題について - Sep 27, 2010

最近のMinefieldのナイトリービルドで、ツリー型タブがあると前回終了時のセッションが復元されない(タブのタイトルだけ復元されて実際には空のページになる)という現象が起こっている。この問題の原因の究明のためにずいぶん遠回りをした。

  • 最初は、SSTabRestoringやSSTabRestoredイベントを監視してる所が悪いのかと思った。なのでツリー型タブのイベントリスナの所をコメントアウトしてみた。しかしそれでもまだ問題が起こる。
  • Minefieldの方が壊れてるのか?とも思ったけど、ツリー型タブを無効にしたら問題なくセッションが復元される。なのでどうもやはりツリー型タブが悪いみたい。

こういう時は、処理がどこで止まってしまっているのかを特定するのが僕が知ってる唯一の(そして多分一番ストレートな)原因調査の仕方だ。今回だったらセッション復元が止まってしまってるので、nsSessionStore.jsの中に沢山デバッグ用のdump()を埋め込んで、どこの時点でおかしくなっているのかを調べるという事になる。

が、Minefieldではそれが一筋縄ではいかなくなってた。

構成ファイルのほとんどを1つのアーカイブの中に入れてしまうというomni.jarという変更が反映されて、今までだったらcomponentsフォルダの中にそのまま置かれていたnsSessionStore.jsも、omni.jarの中に格納されている。なので上記のような調査法を取ろうとすると、omni.jarの中にあるファイルを書き換えないといけない。

ところが7-Zipではこのomni.jarを開くことができない。多くの場合、jarファイルはただのZIPアーカイブなので7-Zipのファイルマネージャで開いて中身を編集→再圧縮ということが簡単にできるんだけど、omni.jarの場合はアーカイブ自体が壊れていると判断されてしまって中身を見ることすら適わない。

検索してみたら同じようなことで悩んでる人が他にもいたみたいで、リンク先に書かれてる情報によるとExplzhを使えばomni.jarを開けるらしい。

ということで早速Explzhを入れてみた。Explzhでomni.jarを開いてみると、確かに中身を見ることができる。しかし、中にあるファイルを編集してエディタを終了すると、omni.jarの再圧縮に失敗してしまう。ファイル名を変えるとかファイルを1個だけ削除するとかするとなんとか編集後のファイルをアーカイブに含められたんだけど、その状態でMinefieldを起動すると、ファイルが部分的に読み込めなくなってウィンドウの背景が透明になってしまうとかの謎なトラブルが発生してしまった。Explzhでもomni.jarを部分的に変更しようとすると駄目みたいだ。

追記。Windows XP以降の「圧縮フォルダ」機能でもomni.jarを展開できるらしい。圧縮フォルダなんて微妙に不便だから使ってなかったのに、こんな所で役に立つとは……

まとめると、トラブルが起こらないようなomni.jarの編集方法は、こう。

  1. omni.jarを作業フォルダにExplzhで展開する。
  2. 必要な変更を行う(デバッグ用のコードを埋め込むなど)。
  3. 展開されたファイル群を7-Zip等でZIP形式で圧縮する。
  4. ファイル名をomni.jarに変更する。
  5. 4で作ったomni.jarで、Minefieldのomni.jarを置き換える。
  6. %localappdata%\Mozilla\Firefox\Profiles\プロファイル名\ の中にあるキャッシュファイルを消す。

この方法で、Minefieldが正常に起動する状態を保ちながらomni.jarの中にあるファイルに変更を加える事ができた。

nsSessionRestore.jsに大量のdump()を入れて調べてみた所、最初のタブ(現在のタブ)の復元が終わった後で次のタブを復元する時に、すぐに処理が終わってしまっていた。さらによく調べると、復元対象のタブを決定する時にもしタブのセッション情報の_tabStillLoadingというフラグがfalseになっていたら(=タブのセッションが復元完了していたら)、そのタブをセッションの復元対象から除外するという設計になっていた。

_tabStillLoadingというフラグには見覚えがあったのでツリー型タブのソースを検索し直してみたら、別のバグの対策でこのフラグを敢えてfalseにするような処理を入れていて、これが誤爆しているせいで上記の問題が起こっているようだった(本当はそのタブはまだセッションが復元されていない・読み込み中の状態なのに、_tabStillLoadingfalseにセットされてしまうため、タブがセッション復元の対象から除外されるようになってしまっていた)。

まとめると、こういう事だった。

  • Firefox 4 の最適セッションリストア原文)で行われた変更で、ブラウザ起動時のセッション復元が、すべてのタブを一度に復元するのではなく、3個ずつ復元するように変更された。
  • その時、まだ復元が完了していないタブがいつまでも「読み込み中」の状態に見えてしまうと格好が悪いので、タブの要素のbusy属性を取り除いて、一見すると既にタブの復元が完了しているかのように見せるようになった。その代わり、まだタブの復元が必要であることを示す_restoringというフラグをbrowser要素の方に立てるようになった。→Bug 602555でリファクタリングされて、また仕様が変わった。前述の「_restoringのフラグが立っている状態」に相当するのは「browser要素の__SS_restoreState1の時」になった。
  • ツリー型タブは、タブのbusy属性だけを見て、そのタブが読み込み完了しているかどうか・セッション復元中かどうかを判断して、読み込みが完了していると判断したタブのセッション情報の_tabStillLoadingを強制的にfalseにして、タブの読み込みが完了しているとnsSessionStoreに認識させるようにしていた。
  • そのため、Minefieldでは「一見すると読み込みが完了しているように見えるが、内部的にはまだセッション復元が完了しておらず読み込み中の状態である」タブまでもがツリー型タブによって「内部的にも読み込みが完了した状態である」という扱いになるようになってしまっていた。よって、タブのセッションが復元されないという現象が発生してしまっていた。

別のバグの対策用のコードの条件分岐にもうひとつ条件を足して、「一見すると読み込みが完了しているように見えるが、内部的にはまだセッション復元が完了しておらず読み込み中の状態である」というケースを判別するようにしたら、この問題は起こらなくなった。同じコードを他にもいくつかのアドオンで使っていたので、それらも合わせて修正しておくことにした。もし同じ事をやっている人が他にもいたら、十分気をつけて欲しい。

分類:Mozilla > XUL, , , , , , 時刻:01:12 | Comments/Trackbacks (0) | Edit

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