Home > Latest topics

Latest topics > 消費者ではなく生産者を食い物にするビジネス

宣伝。日経LinuxにてLinuxの基礎?を紹介する漫画「シス管系女子」を連載させていただいています。 以下の特設サイトにて、単行本まんがでわかるLinux シス管系女子の試し読みが可能! シス管系女子って何!? - 「シス管系女子」特設サイト

消費者ではなく生産者を食い物にするビジネス - Nov 03, 2005

自分の書いた小説なりエッセイなりを出版して売りたいという自己顕示欲のカタマリの素人作者を対象に、出版社は彼らをおだててなだめすかして出資させ、それで収入を得る、という話。出版の必要経費+手数料を素人作者から取ることで、自社の出費は書店の棚のレンタル料くらいで済ませることができ、本が売れようが売れまいが出版社はがっぽがっぽ儲かりまっせ、という感じなのだとか。

最後のリンク先で「リアル鬼ごっこ」の事がとりあげられてるけど、「親指さがし」が糞つまらんかったのは、この作家がこういう経緯で出てきた人だからだった……のかな? だとしたら結構納得。

まあ、クオリティの高い作品を作り出す能力も、世相を読むマーケティング力もない、分を弁えない生産者気取りの消費者というのが、出版社を潤す程度には存在してるということか。

まともな商業作品のレベル、一流のレベルというものを知っていれば、自分の作ってる物が二流三流どころか四流五流、到底売りもののレベルではないということは、すぐに分かりそうなものなんだけど……僕が「絵だけで食っていこうとは思わない」「独立はしない」と事あるごとに言ってるのは、そういうこと。

ああ、でも、僕らのような無能な作者に「俺のレベルでも結構イケるかも?!」と思い上がらせてしまうようなレベルの低いものが市場でもてはやされてるという現状も、この問題の一翼を担ってるのかも知れないなあ。

モノ作りに携わる人は、褒めてくれる人の評価だけでなく、外の世界、上の世界も見ておくべきだと思うのですよ。そうすればこういう詐欺的な商売には乗せられずに済む。

追記@2005.11.4

――「自費出版」「同人」とどう違うのか分からん、という声があったのを見かけて。

僕は「自費出版」についてはよく分からないけど「同人」には馴染みがあるのでその感覚で言うと、僕の知ってる同人誌というのは、原稿書きから編集、校正、装丁デザインその他、果ては営業販売、店舗作り(同人誌即売会でのブースの飾り付け)や売り上げ管理まで、全部自分で責任持って「自分の仕事だ」という意識を持って(ここ重要)やるものだと思ってる。

こういう事をしてると、ものづくりをやるには居丈高な作家先生気分ではいられない、ということが身にしみて分かる。作家先生気分では、これをやり遂げることは困難だ。

逆に言うと、原稿書きから先の作業にタッチしなければ、自分の書いた物があれよあれよという間に「製品」になる様子をただぼけーっと眺めるだけで済ませていれば、いつまでも作家先生気分でいられるのではないだろうか。作家先生気分でもできてしまうのが、共同出版というシステムなのではないかと僕は思う。

分類:出来事・雑感, , 時刻:06:05 | Comments/Trackbacks (1) | Edit

Comments/Trackbacks

文芸社

 文芸社はたま出版の子会社らしいですな。
 リアル鬼ごっこは、これがなぜ売れるのかさっぱりわからん内容でした……。ある意味、読み手の審美眼を試しているのかも知れんとかは思ったりもした。

Commented by にゃおりん at 2005/11/04 (Fri) 03:05:19

TrackBack ping me at


の末尾に2020年11月30日時点の日本の首相のファミリーネーム(ローマ字で回答)を繋げて下さい。例えば「noda」なら、「2005-11-03_business.trackbacknoda」です。これは機械的なトラックバックスパムを防止するための措置です。

Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.

2020年11月30日時点の日本の首相のファミリーネーム(ひらがなで回答)

Powered by blosxom 2.0 + starter kit
Home

カテゴリ一覧

過去の記事

1999.2~2005.8

最近のコメント

最近のつぶやき