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宝箱のパラドクスの問題に対する姿勢から見る賢さ - Aug 28, 2005

僕の結論は「宝箱を替えても替えなくても確率は変わらない」つまり「Aに財宝が入っている確率もBに財宝が入っている確率も1/2である」、よって「替えるべきとも替えないべきとも言えない(替えても替えなくくても良い)」ということになるんだけど、回答編には「違う」と書かれている。解説を見ても納得できない……どうしてそうなるの?

宝箱Bを開封したことで、宝箱Cの中に財宝が入ってる確率が上昇するのは分かるけど、宝箱Aの中に財宝が入ってる確率も同時に上昇するんじゃないの? なぜAの確率は変わらないでCの確率だけが上がるのか理解できない。

AとCを交換できるということは、Aを一旦戻してAとCとどちらを選ぶか選択せよと言われるとの同じことだと思うのだけれども、それでどうしてAとCに差が付くの? さっぱり分からない。

という風なことをチャットで漏らしたら、これは前提条件(問題文)に不備があるんじゃないのかと言われた。

その人曰く、ロボットが作為的に「当たりの宝箱」を避けてBの箱を開けたのであれば、その行動はCが当たりである確率が高いと判断するヒントになる、だからCが当たりである確率の方がBより高くなるのだ、という。だからロボットが作為的に選んだのか否か分からないのでは答えようがない、と。

しかし僕の頭の中では、先に述べたとおり「Aを一旦戻して、AとCの二択で選択し直す」という問題と同じであるという認識があるので、ロボットが作為的であろうが無かろうが、やっぱリ確率は変わらなくてどちらも1/2になると思うのですよ。

ロボットの行動がヒントになりうるのは、

  • ロボットが作為的に、当たりを避けて箱を選んでいる
  • そのことが前提条件として示されている
  • Aを選んで、AとCの二択から選択し直せる、という状況で、これをリセットして、再びA、B、Cの3択で選択し直すことができる(=試行を2度以上行える)
  • 自分がBの箱を選んだ場合にロボットがAの箱を開けることを、2度目の試行で確認する

というごく限られた条件下での話だと思う。ところが、この問題文ではこれらの条件いずれについても不明なわけで。

――上の段、かなりアホなこと書いてた。ロボットが必ず空の箱を開けると分かっていれば、それだけでCを選べばよいという確率が高まる。詳細は文末のリンク先を参照のこと。

というところで僕は、問題文に不備があろうがなかろうが、与えられた条件の枠内で考えて必ず真っ先に答えを出してしまおう、と焦る人間であるということに気がついた。これはつまり、自分で物を考えようとしない、言われたことしかできない人間であることの証だ。そしてどうやら世の中には僕のような人間の方が多いようだ。

本当に賢いのは、よりメタな視点から与えられた条件そのものを疑い、その問題文が正しいのかどうかを検証できる人だろう。そうでないと、僕のような人間が思いつかない素晴らしい打開策を提示することなどできない。

賢い人に僕もなりたかった(´;ω;`)

――元の話らしい話を教えてもらった。こちらでは、ロボットにあたる存在はどれが当たりの箱かを知っていることになっている。問題編にもそれと同様の条件が追記されていた。なるほど、この条件の下でこういう考え方ができるのだと解説されれば、納得できた。最初の問題だと、ロボットが宝の入った箱を開ける可能性もあるじゃないか!と解釈できた(僕はそう解釈していた)ので。

分類:出来事・雑感, , 時刻:20:01 | Comments/Trackbacks (6) | Edit

Comments/Trackbacks

どちらも1/2

自分も同じ確率になると考えたので、確認のため全ての起こり得る事象について検討してみました。

以下、便宜上宝箱の名前をX, Y, Zと変え、財宝を含む宝箱をXとします(「あなた」にどれがXなのかが分からなければ、これで全ての場合について考えるのと同等になります)。そうすると以下のパターンが考えられます。

-Xを選ぶ
--ロボットがYを選ぶ
---Xのまま → ○
---Zに変更 → ×
--ロボットがZを選ぶ
---Xのまま → ○
---Yに変更 → ×

-Yを選ぶ
--ロボットがXを選ぶ(終了)
--ロボットがZを選ぶ
---Yのまま → ×
---Xに変更 → ○

-Zを選ぶ
--ロボットがXを選ぶ(終了)
--ロボットがYを選ぶ
---Zのまま → ×
---Xに変更 → ○

ロボットがX(財宝)を選んだ場合は前提条件より除かれますので、起こり得る事象は全部で8通りとなります。その内訳を見ると、

-「そのまま」の場合 → ○○×× → 2/4 = 1/2
-「変更」の場合 → ××○○ → 2/4 = 1/2

となるので、やはり変更してもしなくても確率は同じになります。

また、よく見ると、「Xを選ぶ」「Yを選ぶ」「Zを選ぶ」それぞれの場合でさえ、いずれも○か×かは1:1であることが分かります。なので「ロボットが作為的に選んでいる」かどうかは確率に影響しないように思います。

Commented by 北村 at 2005/08/28 (Sun) 22:15:52

あ。

もしかして元記事は、「Cの方が確率が高いからCにするべきだ」という風に判断を誘導するための詭弁はこうして作られるんだよ、という話だったのだろうか?

Commented by Piro at 2005/08/28 (Sun) 22:42:37

場合分け

最初に選んだ箱が当たりだった場合と、はずれだった場合は別々に考えます。

最初に当たりXを選ぶ確立は1/3です。
最初に当たりXを選んだ場合、
--ロボットがYを選ぶ
---Xのまま → ○
---Zに変更 → ×
--ロボットがZを選ぶ
---Xのまま → ○
---Yに変更 → ×

よって変更した場合、確実に当たりません。

他方、最初にはずれを選ぶ確立は2/3です。
最初にはずれを選んだ場合、
-Yを選ぶ
--ロボットがZを選ぶ
---Yのまま → ×
---Xに変更 → ○
-Zを選ぶ
--ロボットがYを選ぶ
---Zのまま → ×
---Xに変更 → ○

よって変更すると確実に当たります。

というわけで、最初に選んだ箱と変更すれば1/3の確立ではずれ、2/3の確立で当たることになります。

これは有名な3囚人問題という数学の問題です。

Commented by 流離い人 at 2005/08/28 (Sun) 23:48:31

暗黙の了解

初めまして、でいきなり申し訳ないんですが

教科書的には、確率の問題では問題文に記されたことは全て「確定していること」という暗黙の了解で話が進みます。今回は問題文中でロボットが空き箱を引き当てることが既に書かれているので、ロボットが空き箱を引き当てる確率ついては考えないことになっています。

こういった問題は高校数学では「条件付き確率」と呼ばれます。さすがに大学試験に出るときは確定事項を細かく記すことが多いですが、「暗黙の了解」は習っていない人には分からない以上、一般の人に出す場合は配慮が必要になるでしょう

Commented by かんざし at 2005/08/29 (Mon) 00:14:42

no title

確率とか数学のド素人の癖に数学の話に噛みつこうとした僕の失態ですねorz

Commented by Piro at 2005/08/29 (Mon) 00:23:07

no title

流離い人さん、ご指摘有難うございます。見直すと自分の「また、~」以降の記述とかは全然間違ってますね。
余計なコメントをしてしまって(済みません>Piroさん)お恥ずかしい限りですが、理解の糸口が掴めてよかったです。

Commented by 北村 at 2005/08/29 (Mon) 01:59:35

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