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共同出版とか自費出版とかの話のリンク元を辿った中に、文芸社(自費出版ビジネスで悪評が多い会社の一つ)で自費出版した人のブログがあった。断片的に語られた情報によると、以下のような感じだったそうだ。
これまでに色々な所で「自費出版はここがインチキ」と指摘されているポイントのいくつかについては、担当者は事実を一応は話していたようだ。ただ、「今回の出版では儲からない。が、次のチャンスに繋がる可能性はある。そのための投資として出そう。」という風に口説いたのは、いただけない。作家としての「次」に……ましてや、「プロ」になんてまず繋がらないのに。
悲しいのは、この人がコミケに何度か一般参加していたらしいということだ。コミケ会場にも小説を置いているサークルはたくさんあるし、「同人誌で」「まずはコミケなり文学フリマなりに出展側で参加する」という所から始めてみることもできたはずなのに……何故、そちらには目を向けなかったんだろう? 何故、飛びついてしまったんだろう? 何故、一足飛びに結果を手に入れようとしてしまったんだろう? とても、やるせない。
前のエントリのコメント欄に、「マンガの場合は同人誌という選択肢があることが比較的知られているから、割が合わない自費出版ビジネスには引っかかりにくいんじゃないだろうか。そういう選択肢の存在(とその実態)を知ることができない人達が、引っかけられてしまうんじゃないだろうか。」という風な事を書いたけど。同人誌という選択肢があり、同人誌即売会の会場の空気とはどういう物か、そこで一体何ができるのかを知っていたはずの人が、引っかかってしまった。コミックマーケットは彼に、作り手として参加する価値を伝えられなかったのか。
参考リンク:
他人事のように書いたけど……自分だって騙されるかもしれない、ひょっとしたら現在進行形で騙されてるかもしれない。モデリング講座の例もある。たまたま僕が今、声優養成学校とかゲーム制作専門学校とか自費出版とかの暴露話・裏話・告発話に関心があって、それらについてだけは情報を集めているから、こう言えているだけで……それ意外の情報弱者な分野については、分からない。
追記。
「インチキじゃないごく普通のビジネスじゃん」と言ってる人がいた。同じ事を、一時期話題になった株式会社ウェディングなどのデート商法(「将来彼女ができた時のために」とおだてて、美人女性の販売員に接客させて「やがて訪れるかもしれないその時」のイメージを疑似体験させ、判断力を鈍らせて「今必要でない」高額アクセサリを売りつけるやり方)に対しても言うんだろうか。
確かに、この程度では詐欺にはあたらないだろう。「あなたが勝手に勘違いしただけでしょ? 可能性は低いけど、って最初に言ったし、あなたもそれで納得したんでしょ? 本当は『こいつは見る目が無いからこう言ってるけど、俺はこれを足がかりにして大成功して勝ち組になれるって信じてる! 周囲の奴ら全部見返してやる! でも今は謙遜しておこう』って思ってたのかもしれない、本当は『織り込んで』なんていないのに見栄で『織り込み済みですから』って言っただけかも知れないけど、こうして契約書が残ってるんだから『織り込んだ』って世間は見なすんですよ?」って、厳しい人には言われるだろう。
極端な話、本人が気付かないままで満足したままなら問題ない、とも言える。ホメオパシー、新興宗教……こういうのはいくらでも世の中にある。消え去らないということは、やっぱり、「それでも」っていうニーズが常にあるってことだ。ニーズがあるならそれに応える、それは確かにある意味で「普通の商売」だ。「そのニーズに応えていいのかどうか?」っていうことを、抜きにさえすれば。
最初のリンク先の人は、今、少なからず後悔しているようだ。それが全てを物語ってる。
私は自分で同人誌を作ったことはありませんが、友人がコミケ常連だったので手伝ったりはしていました(と言っても十年以上前の話)。
でも小説の同人誌を作ったこともないし、小説系、文学系の即売会やショップなどにも行ったことがありませんので、これからまだ勉強しなくちゃと思っているところです。
自分で作るのが好き、その意義を感じている、そういう方が自費出版で後悔するのは確かに悲しいことですね。
後悔していない(次につながるなんてないだろうと思っていて、それでも120万使ってもいいやと思った、とか)ならいいんですけど、後悔している、不満を持った、などならやはり悲しいですね。
はじめてのコメントで失礼いたします。
コミケで創作文芸で活動している者です。
パロディでもエロでもない小説がコミケにジャンルとして存在するというのは、コミケに来慣れている人でも知らないことが多いです。あのカオスでお祭り騒ぎな環境では、目立たなくなってしまうからでしょう。
ただ、同人誌即売会という場所は、本の内容のよしあしだけではなく、見ず知らずの人に手にとってもらうための工夫が必要になります。それだけの準備をしても、コミケでの創作文芸ジャンルでの平均売り上げは10冊くらいなのではないかと言われるくらいに過酷です。
そのため、このジャンルで活動している者としては、一概に「コミケに来い」とは言えません。書くことが好きで、(本に限らずいろいろなものを)作るのが好きで、一期一会の出会いが好きでなければ、やっていけないのを嫌というほど知っているからです。
ですので、ご自分が納得した上であれば、自費出版社を選択される方のことを、私はあたまごなしに悪いとは思いません。
「……何故、そちらには目を向けなかったんだろう?」
>もしかすると、同人誌即売会が「アマチュアの閉じた世界」に見えたのかもしれない。「私はこういう人たちとは違うの、プロとしての見込みがあるの。貧相なコピー本出して満足なんかしないの、ちゃんとした編集者についてもらって装丁もきちんとしてもらってプロ作家として全国に出すの」と考えてしまったのかもしれない。
もしそう考えたのなら、その背景には「あなたの作品は世に問う価値がある(=アマチュアでなくプロの価値がある)」とおだてた自費出版ビジネス会社の影があることでしょう。
同人経験者ではなさそうですが、こちらの記事も涙を誘いますよ。時期と文脈から察するに、かの出版社であるようです。
ttp://plaza.rakuten.co.jp/pureringo2000/diary/200709040000
ひと昔前は、こういう「作家へのチャンスが開けるように見せかけて高額な自費出版をさせるビジネス」は、主に新聞広告で宣伝が行われていたのですね。
ところが最近は、ブログアフィリエイトやブログクチコミ広告によって宣伝が行われている。「消費者でもある一般市民ブロガー」の方々が、アフィリエイト報酬ほしさにそういう出版社を賛美する記事を書いて「自費出版こそが作家へのチャンスですよ!」「同人やってる人間にとっても、ちゃんとした出版社から本出すって憧れですよねー!」「皆さん今すぐ応募しましょう!」と自費出版ビジネスを煽っているんですね。一度出版社名でブログ検索してみてください。いろんな賛美ブログが出てきますよ。アフィリエイターの方々って広告主がどんな会社か逐一よく調べたりしないじゃないですか。だから問題は非常に大きい。
ブログ普及以前の新聞広告全盛時代でしたら、「新聞社は広告費欲しさに悪質な自費出版ビジネスの記事を載せている」と非難できたのですが。今や自分たち一般消費者が「アフィリエイト報酬欲しさに、よく調べもせず自費出版ビジネスの宣伝ブログを書いてしまう」という事態が容易に起きるのですよね。もしかすると自分が加害者になってしまうかもしれない。恐ろしいものですね。
>神崎さん
わ。全く同人と関わりが無いという前提で色々書いてしまってました……失礼しました。
>いちサークル者さん
>パロディでもエロでもない小説がコミケにジャンルとして存在するというのは、コミケに来慣れている人でも知らないことが多いです。あのカオスでお祭り騒ぎな環境では、目立たなくなってしまうからでしょう。
そうですねぇ。自分は色々あって「同人小説」の存在を知ってましたが、この世界に入ってくるまでのプロセスや観測範囲次第では、全く知らなくても不思議ではないと思います。
だいたい、ネットが普及した今では、Webで公開した方が安上がりで広い範囲にリーチできるし。僕も「何か創作活動をするんならまずコミケ来い」とは言わないですハイ。
ただ、何かを選択するのなら、選択しようとしている選択肢と、選択しないことを決めようとしている選択肢の両方について、同じ程度の情報は持っておくのが良いのではないかと僕は思ってます。選択した方で失敗した時に「あっちを選んでいれば」と後悔するのはそれでも避けられませんが、「よく知らないまま切ってしまった」という二重の後悔には陥らなくて済むんじゃないかなあと。(「よく知ってたのに切ってしまった」と後悔するんならキリがないですが……)
>ほっちゃんさん
>もしかすると、同人誌即売会が「アマチュアの閉じた世界」に見えたのかもしれない。
そういう感覚、自分にもありました。といっても、プロアマの事ではなくて「エロなんて邪道だ! 健全な内容で勝負してこそだろ!」という話なんですが。
結局、なんというのか……「自分がそれを作って主体的にどうしたいか」じゃなくて「自分がその世界に属することでどう評価されたいか」の比重が大きいと、つけ込まれたり後悔したりすることになりやすいんじゃないかなあという気がします。
>今や自分たち一般消費者が「アフィリエイト報酬欲しさに、よく調べもせず自費出版ビジネスの宣伝ブログを書いてしまう」という事態が容易に起きるのですよね。
うわぁ……ちょっと見てみましたが、酷いですね。
ふと思いましたが。ニコニコ動画発の初音ミク系コンテンツが結構出てきてるようですけど、一歩間違うとニコ動もまたこういうビジネスの温床になってしまいそうな危険性を孕んでますね。
ただ、あそこはまず最初に作品を発表しないとどうにもならず、再生数等のランキングがはっきり見える形で示されているので、「正当な目で評価された時に大して価値がないのに、おだてられて事実を誤認して……」という事にはならずに済んでるのかなあ。
年齢層が結構低いという情報もありますし、そこに集まってる人達の性質的に「食い物にされる」ポテンシャル自体は高いと思うので、ひろゆきがそういう方向に舵を取らないことを祈るばかりです。
>今や自分たち一般消費者が「アフィリエイト報酬欲しさに、よく調べもせず自費出版ビジネスの宣伝ブログを書いてしまう」という事態が容易に起きるのですよね。
これは確かにヒドイ。
情報商材と、ほんとそっくりだと思うのですが、
アフィリエイターがあのてこの手で売りたがり、商材販売者は、何もしなくても売れる(一概には言えないのですが”騙せる”)
目先のお金におぼれると、見ず知らずのうちに被害者が生まれるのですね
今回の記事で取り上げていただいておりますブログ主です。リンクを張っていただいたおかげでアクセス数がいつもの10倍近い数字に跳ね上がって驚いております。
記事を読んだので、いくつかお答えさせていただきます。
まず印刷冊数の総計は1000冊です。うち全国契約店300店に1冊ずつ配り、50冊は宣伝用、手元に40冊、残りは文芸社倉庫にという内訳です。
次にコミケを知りつつも飛びついてしまった理由について。
自分はコミケに参加しつつも、恥ずかしながらあまり小説を書くサークルさんについて知らなかったもので、ちょっと聞いたことがある程度にしか思っていませんでした。
そして自費出版を選んだ理由。
・自分の作品が短編が主だったため、あまり投稿できる小説の賞が見つけられなかった。
・デメリットもそれなりに正直に話してくれたので信頼できると感じた。
・120万という数字がなんとか手に届く数字であった(ギリギリでしたが)
・他の成功例と、先につながるという言葉に目が眩んだ。
こんなところです。
小説のサークルをもっと知っていれば違ったかも……とは少なからず思いますが、こんなものでも応援してくれた両親や友人に失礼なので騙された、失敗したとは声高々には言えません。
ともあれ、出版したからには売れてくれれば、という淡い期待を引き摺っていましたが、先日の記事を読んだことでもう吹っ切れました。
今回のことは、私自身の過信、目先の欲、情報不足、全てが重なり合って起こったことだと思っております。ただ自費出版とはいえ、自分の本を作る過程を身を持って知りましたので、高い授業料だとプラスに考えようと思います!
今後も創作は継続していくつもりですが、おそらく自費出版はもうしないでしょう。
最後になりましたが管理人のピロ様、勝手にリンクを張らせていただきながら、記事にしていただきありがとうございます。
長文申し訳ありませんでした。
>ヤマイシさん
初めまして。
コメント、ありがとうございます。
部数については本文の方を修正させていただきました。
アクセス増に関しては、このエントリ自体がいくつかの個人ニュースサイトで紹介されたため、そこからの流れによるものと思われます。
創作活動を続けて行かれるとのお言葉を見て、ほっとしました。
この度の件が糧として活かされることを祈っております。
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