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の動向はもえじら組ブログで。
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ubuntu Linux 入門キットという本が出るようですね。谷さんの日記で知った。「うぶんつたん描いてよ」とせっつかれてた頃のことを思い出すと、なんとも感慨深いです。
宇宙消失(グレッグ・イーガン 著/山岸 真 訳)(Amazon.co.jp)
西暦2067年、謎の巨大な漆黒の球「バブル」によって太陽系全体が包み込まれ外宇宙から隔離されて早33年。ナノマシンによる神経制御で生理的欲求や感情すらもコントロールできる時代、警察官崩れの私立探偵ニックの元に寄せられた奇妙な人捜しの依頼から、物語は始まる。ただの人捜しであったはずの依頼はいつの間にか、「バブル」誕生の真相に近づき、しまいには宇宙崩壊の危機にまで……という話。
面白い。ついつい止まらなくなって一気に読み終えてしまった。
後半で鍵になる波動関数とかシュレディンガーの猫の話は、読んでいて頭がこんがらがってくるけれども、可能性の拡散とリアルタイムで発生していくパラレルワールドの表現(南京錠の番号のエピソードで既にそれは表れているのだけれども、うっかりするとそのまま読み飛ばしてしまうかもしれない)は、今まで全然理解できなかった「量子のゆらぎ」「重ね合わせの状態」「量子コンピュータ」等の概念を、ストーリーを通じて上手く教えてくれているように思えた。
しあわせの理由(著:グレッグ・イーガン、訳:山岸真)(Amazon.co.jp)。短編集。収録作の中では表題作が一番好きかな。
全体的に、SF的なガジェット分は少なめに思えた。基本的に、宇宙にも出て行かないしコンピュータ世界で論争することもないし。解説文で「イーガン作品はSFと言うよりも哲学だ」みたいな話があったけど、その通りだと思う。
まあヒマがあったら読んでみればいいかな、みたいな。絶対読め!とまでは思わない。(←何様)
順列都市(上)(Amazon.co.jp)、順列都市(下)(Amazon.co.jp)(著:グレッグ・イーガン、訳:山岸真)を読んだ。IRCNetの「#順列都市」の名前の由来と聞いてから、住人(と自分では思ってる)としては読まなきゃいかんかしらと思ってたんだけど、Amazonでは品切れ状態になってたりして、でも先日見たら在庫有りになってたので、アソシエイトの紹介料の消化も兼ねて買ってみました。
軸になってる「塵理論」というのがよく分からない…… とりあえず、一度動き出したらハードウェアが破壊されようが仮想マシンが破壊されようが一向に関係なく走り続ける、有限のリソースの中で無限を実現する、そんなソフトウェア世界があって、そしてそれは今僕達がいる宇宙とはお互い何の干渉もできなくなって、永久に存在し続ける……という風に解釈してみたんだけど。この解釈でよいのだろうか。
物語世界の枠組みとしてはディアスポラの方がまだ単純で分かりやすかった気がする。単純に、僕が宇宙の外側というものについて今まで興味を持っていたから、理解しやすかっただけなのかもしれないけど。
例えて言うなら、大編成のオーケストラの盛大な演奏を聴いたような感覚だろうか。一つ一つの音が何を意味しているのか、感知することも全然できない。でもその圧倒的な音の渦に飲み込まれ流されるのが、ただ単純に心地いい。そんな感じ。
物語は謎を残したまま終わってしまうけれども、読後感はさっぱりしてる。いい夢見せてもらいました。ありがとうございます。
ザ・サーチ グーグルが世界を変えた(Amazon.co.jp)
どこだかで紹介されてたのを買って読んだ。
「グーグル」と題してはいるけれども、歴史的経緯やグーグルの立ち位置の説明のために、Yahoo!やAltaVista、Exciteなど、他の検索エンジンの歴史についても詳しく書かれている。「単なるグーグルのサクセスストーリーを綴った本ではない」、と僕の見かけた書評に書かれていた記憶があるけれども、確かにその通りだと思った。
グーグルをはじめとする「検索業界」と、それを形作る顔ぶれが、どのように生まれ、切磋琢磨し、滅び、生まれ変わってきたのかを追いながら「検索業界の今」を詳細にレポートする。さらに、営利企業として今後グーグルがその影響力をどのように行使していくのか、グーグルという肥大化した組織をどのように導いていくのか、グーグルのみならず検索業界全体が世界をどう変えていくのか、未来への期待と警戒を、問いかけを含めつつ語っていく。技術的側面はそこそこに、経済的・政治的な側面から検索業界を見ていく、そんな本。
自分が日常的に利用している、それどころか、依存すらしているツールが、どのような思惑の元に作られ、運用されているのか。世界の仕組みの一端を垣間見た気になれる。
結構読み応えはあると思う。
毒笑小説(東野圭吾 著)(Amazon.co.jp)。「変身」で名前を知って、色々なジャンルの小説を書いている人らしいという話を見かけ、短編集ということで買ってみた。
収録作の一つ「マニュアル警察」はまさに実際に原作に使われたものなんだけど、「世にも奇妙な物語」的ムードが濃厚な感じ。ブラックな笑いが嫌いでないなら、充分楽しめると思う。
あ。「つぐない」だけはブラックな笑いから外れて普通に切ない物語という感じだけど(対談で作者自身もそう言っている)、僕は、こういうのも好きだわ。
ダ・ヴィンチ・コード(文庫版)上(Amazon.co.jp)、中(Amazon.co.jp)、下(Amazon.co.jp)。今更だけど。
前に話題になってたとき、てっきり「モナリザの微笑みは(中略)人類滅亡を予言していたんだよ!!!」「な、なんだってー!!!」な感じの本かとばっかり思ってたんだけど、朝の情報番組で映画版のストーリー紹介やってて、ああこれはそういうのとはまたちょっと別物なのかと思って、買って読んでみた。
なかなか面白かったと思う。ラングドンと一緒に逃亡して、パズル解きに夢中になってるみたいな感覚。
シラスの最期というのが、何とももの悲しくて、思わず目が潤んだ。彼にはこのラストこそが相応しかったのだろう、と思う。このラストを以て、彼はどういう人間だったのかということがこれ以上ないほどにはっきり描き出されているような気がする。
そして物語自体も最後まできれいに落としてくれてて、心地よい。人死にが出てるのにこのさわやかさは何なのだろうか。もしかしたら、「生きている間ですら満足に伝わらない、人から人へのメッセージという物」を、ラングドンはソニエールから100%すべて受け取ることができたから、なのかもしれない。
機動戦士ガンダム MGデータブック2006(Amazon.co.jp)。要するに、マスターグレードシリーズのカタログですな。掲載対象はシリーズ第1弾のガンダムから、現在の最新作のネモまで。
前半は、ガンダムMGシリーズの1作につき1ページ(たまに2ページ)を割り当ててアイテムを紹介。基本的には箱に掲載されてる写真と同じ物が中心?
後半は、大河原邦男・カトキハジメ・ビークラフトによる開発用参考画稿を大量掲載。一部はカトキハジメ DESIGN & PRODUCTS(Amazon.co.jp)やカトキハジメ DESIGN & PRODUCTS APPROVED GUNDAM(Amazon.co.jp)にも掲載されたもの。特にコメントや解説はついておらず、ひたすら絵が載ってるだけなので、本当に純粋に資料的な感じ。
特筆すべきはやはり全体の内容の2/3を占めている大量の画稿で、値段の都合や素材強度、金型を使う成形の都合、コンセプトの違いなどで製品には盛り込まれなかったアイデアを色々見られる。例えばGガンダムのアイデア段階では「プラモデルの検討」と言うよりも「ガンダムのディティールが付いた格闘家アクションフィギュア」と言う方が相応しいようなとんがったコンセプトの画稿がたくさんあったりする。
資料マニア向けの本、以上でも以下でもないのかな。
WEB+DB PRESS 2006年31号の、はてなの中の人達によるAjax&JavaScript特集が面白い。Ajaxの基礎理論を踏まえた上で、Ajax関係の色々なライブラリやフレームワークに焦点を当てて、より効率的にAjaxなコードを書く方法を紹介している。
JavaScriptのことは(Firefoxのカラミもあって)それなりに知ってたつもりだけど、prototype.jsってナニ? どう嬉しいの? という感じだったので、「prototype.jsを使わない場合のコード」→「prototype.jsの基本機能を使ったコード」→「prototype.jsをフル活用したコード」という流れで基本的な機能の使い方の実例を見ることができたのは嬉しかった。
Perl、Ruby、PHP、JavaをAjaxのバックエンドで使う場合に関する話や、AjaxなUIの自動テストの話とかもあって、読み応え結構あると思う。既にバリバリに活用してる人にはあんまり意味ないだろうけど、とにかく何かとっかかりを欲してる人には良い内容なんじゃないかなあ。