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たまに18歳未満の人や心臓の弱い人にはお勧めできない情報が含まれることもあるかもしれない、甘くなくて酸っぱくてしょっぱいチラシの裏。RSSによる簡単な更新情報を利用したりすると、ハッピーになるかも知れませんしそうでないかも知れません。

萌えるふぉくす子さんだば子本制作プロジェクトの動向はもえじら組ブログで。

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Mozilla勉強会@東京 7th 発表資料を公開しました - Aug 19, 2012

Mozilla勉強会@東京 7thでの発表資料やサンプル実装を公開しました

発表時は準備不足のため時間の配分に失敗し、満足な説明を行えませんでした。すみません。発表時に喋ろうと思っていた内容のメモも併せて公開していますので、そちらもご覧頂ければと思います。

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The priority policy of my addon projects - May 10, 2012

In recent days, I discussed on the issue about scrolling of the vertical tab bar. It made the priority policy about my addon projects clear, again. So, let's sum up them.

  • I assign the highest priority to issues I actually annoyed. Most projects were started because I wanted to use such addons. This is the main motivation to continue developing for me. In other words, when I suffer from a bug in my daily use, I'll fix it prior to other bugs, even if the mine is just trivial and the yours is very serious. After that, if I have time good enough, I'll research and fix your issues. If I've never used the feature (and I never use it in the future), then there is extremely low feasibility rating.
  • I'm negative about adding new features (especially digressive features) to existing addons. Because I currently have no plan to switch to other browsers (Google Chrome, etc.), I want to keep codes easy to follow up to future releases of Firefox. Even if the new feature looks simple, it can cost much time for maintenance in the future chronically. Long term sustainability is prior to short term convenience, for my projects. I'll reject requests which can lose maintainability or independency of the project, even if it is very useful feature, fixing serious bug, and so on.
  • I think that any addon shouldn't break features of Firefox itself without any apparent reason. For example, because the tab bar is automatically hidden in the full-screen mode (F11 key) by default, the vertical tab bar also should be done. If my addon breaks Firefox's default behavior unexpectedly, then I'll make effort on fixing it. However, if the issue is not introduced by my addon, then I often step back from it.

Because currently I have less time to develop addons, I have to apply these policies strictly. Actually, in recent days, I spend just a few days of my time per a month for my private development. Sadly I have to keep many requests pending.

However, codes of my addons are licensed under open source licenses. For example, Tree Style Tab is licensed under GPL/LGPL/MPL. You can fork, develop, or re-distribute any project based on my codes, by your hand. Your version can be better alternative for people who suffered from the issue ignored by me. (And, if it is enough reasonable, I possibly merge your changes to my repository.)

Fox Splitterを更新した - Apr 23, 2012

バージョン0.6系(旧版)2.x系(現行バージョン)の両方とも更新した。

バージョン0.6系の方は、前に書いた2.x系への自動アップデート機能の追加だけで、他は何もいじってない。AMOからインストールした人が2.x系に自動アップデートされないという問題への対処のためだけに作ったバージョンなので、AMOにしかアップロードしてない。基本的にこっちはもう終了したバージョンということでよろしく。

2.x系の方は、最近になってUbuntu上でヘビーに常用し始めるようになって色々気付いた問題を修正したのと、僕の使い方で「ああこういう機能欲しいやばい(ないとめんどい)」と思った機能を追加した。

修正の方で特に大きいのは、「グループ化されたウィンドウの1つを移動した後に他のウィンドウをそれに併せて移動する」という部分の改善だと思う。

GNOME2のワークスペース切り替えの時はそこまで酷いことになってなかったんだけど、Ubuntu 11.10にアップデートして3×3のワークスペースを使うようにし始めた(これ多分GNOME3の機能ですよね?)ところ、全く使い物にならないレベルでグループの配置が壊れるようになってしまった。GNOMEのワークスペース切り替えは、少なくともFirefoxの中から見た時には、各ウィンドウの座標を固定してビューポートの方だけを移動させるんじゃなくて、ビューポートの座標の方を固定して全部のウィンドウの座標をぐりぐり動かしているように検知されている。なので、ワークスペース切り替えの時に全部のウィンドウのscreenX/screenYの値が変わってしまう。それで、それぞれのウィンドウがてんでバラバラに「グループの中のウィンドウが1個動かされたから他のウィンドウも再配置しよう」という事を始めてしまってシッチャカメッチャカになっていた。

「グループ化されたウィンドウ全部が相対座標を保ったまま一度に移動されたので、再配置の必要なし」とかの判断をちゃんとするようにすればよかったんだけど、僕の頭で思いつくやり方だとどーにもうまくいかんかったので、諦めて安全確実だけどちょっと重い方法でウィンドウの移動→グループ全体の再配置を行うようにした。普通にウィンドウをドラッグで移動した時とかのレスポンスは悪くなったんじゃないかと思うけど、背に腹は代えられない。

新機能は、「グループ化されたウィンドウの1つでPanoramaを使った時に、グループ全体の大きさまでそのウィンドウを一時的に広げる」という機能が元々あったのを、Panoramaの時以外にも使えるようにした(ついでに、詰めが甘かった所を色々直した)という物。何でこういう物が欲しかったかというと、

  1. 僕は今Ubuntuのワークスペースの1つをFox Splitterで3分割したFirefoxのウィンドウ専用に割り当てている。
  2. 分割後のそれぞれのウィンドウには、別々のプロジェクトのRedmineのチケット一覧を表示している。
  3. それぞれのプロジェクトでチケットを追加する時は、その分割されたウィンドウの中でやっている。
  4. Redmineはある程度の大きさのウィンドウで表示される前提でレイアウトが組まれているので、狭いウィンドウの中では非常に使いにくい。
  5. なので、チケットを書いたり詳細を読んだりするときだけそのウィンドウを大きくして、終わったら元の大きさに戻す(そうしないと他のウィンドウのRedmineが見えないから)という事をよくやっていた。

という使い方をしていて、いいかげんいちいち自分でリサイズするのが面倒になったから。

今のFox Splitterは、全体を管理する大きなウィンドウのような実体が無い状態で各ウィンドウをあたかも1つのグループの下に属しているかのように協調して動作させる、ということをやっていて、作ってる側の自分としては、頭を抱える部分も多いけれども「元々Firefoxにある物だけを駆使してどこまでできるか?」ということを追及するある種の挑戦というかパズルに挑んでいるような感覚もあって、そういうことを効率よくやるためには結局2分木でやるのが安全確実なんだなあとか色々と気付かされた所があって、ノウハウ的にも自分のやってきたことの集大成になってるんだけど、エンドユーザとしての使い勝手は多分旧版のFox Splitterに比べると劣化してると受け取られることの方が多そうで、報われないことに一生懸命になってるなー感が自分である。

とはいっても、自分で使う分にはとりあえずこれだけ動いてくれれば十分だし、旧版の設計で今後もずっと自分でメンテナンスし続けるのは絶対に無理だし、もっといいやり方が見つかるまでは、この路線を変えることは多分無いと思う。

Ez Sidebarを数年ぶりに更新した - Apr 07, 2012

とかなんとか発言した舌の根も乾かないうちにEz Sidebar 4.0.2012040701を公開した。実験的にやってみたら案外あっさりできたので、その勢いで完成まで一気に。実質的にほぼ0からのスクラッチで、基本設計が全く別物になっていてコードの共有部分はほとんど無い。

旧版ではサイドバー用のウィンドウを物理的に(DOMツリー的に)別ウィンドウとして開いていて、パネル内のスクリプトに対してどうやってブラウザウィンドウの中にあるように見せるかという所が技術的な鍵だった。例えばwindow.parent.gBrowserにアクセスされたら、最も手前にあるブラウザウィンドウを探してきてそのgBrowserを返す、みたいな感じで。そういう強引なことをやってたから、つくづく、よくあんなんで動いてたなという感じだ。

今回の再実装では、根本的な考え方は至極単純で、ウィンドウの内容が初期化されるタイミングで<panel>の中にサイドバーのボックスを丸ごと移動して、以後はその<panel>を「別ウィンドウに切り離されたサイドバー」として表示している。これだとサイドバーは相変わらず元のウィンドウのDOMツリーの中に存在しているから、パネル内のスクリプトから見た時に普通に親のフレームとしてFirefoxのウィンドウにアクセスできるし、Firefoxのウィンドウの側からもパネルの内容を普通にサブフレームとして認識できる。Firefoxのウィンドウが複数ある時は最前面のウィンドウの<panel>だけを表示しておき、ウィンドウが切り替わったタイミングで同じ位置・同じ大きさに<panel>を表示する、という事をやってるので、見た目的には1つの<panel>が個々のFirefoxのウィンドウとは独立して存在しているように見えなくもない。他にも、ドラッグ操作での移動とかリサイズとか、ただの<panel>をウィンドウっぽく動かすために細かい所で違和感が出ないように色々やってる。

何故旧版では<panel>を使わなかったのかというと、やりたくてもやれなかったんですよ。サイドバーは一種のインラインフレームなんだけど、確か昔は<panel>の中にインラインフレームを置くとまともに動作しなかったと思う。そういう細かい技術的な障壁が当時は色々あって、Ez Sidebarのような事をどうしてもやりたいとなると、旧版のようにダーティなハックをたくさん仕込まないといけなかった。それが今では、「こう書いたらこう動いて欲しいよね」という書き方をすればだいたいフツーに動いてくれるわけですよ。隔世の感だ。

あと、バージョン3.2(1つ前のバージョン)にあった機能を全部引き継いでるわけではなくて、というかサイドバーをメインウィンドウから切り離して表示する機能以外は全部バッサリ切り捨てた。All-in-One Sidebarのような有名所のアドオンが既にそういう機能を持ってるみたいだから、わざわざ同じ機能を作らなくても、そっち使えばいいじゃんという話です。Ez Sidebarは、他のアドオンが提供してくれない機能だけに絞って提供した方が意義があるはず……と思って。

過去にこのアドオンの名前を「Sidebar Window」から「Ez Sidebar」に変えたのは、サイドバーの切り離し以外の機能も色々付けたからだったんだけど、今回のリリースで機能的には最初の物より低機能な所に逆戻りしてしまった。皮肉な結果だ。

Fox SplitterのせいでユーザのFirefox 3.6からの移行が進まないって言われた件 - Apr 02, 2012

Linuxでwmctrlを使うようにしたバージョンのFox Splitterを今日付で公開した。

なんだかんだで最近腰が重いんだけどその重い腰を上げてリリースのための作業をやろうと思った背景の1つには、Mozillaの中の人からメールで表題の件について連絡があったからだ。既知のバグがあってmasterでは直ってるのにリリースされていない、という状況ではそのメールに返信するのが憚られる……と思って、慌てて細かい所を直してリリースしたというわけ。これも罪悪感駆動開発な気がする。

Fox Splitterのユーザが古いバージョンを使い続けている最大の理由は、AMOでFox Splitter 0.xから2.0への自動アップデートが行われないからじゃないかと思ってる。諸々の事情でFox Splitter 2.0では旧版からアドオンのIDを変えないといけなかったので、AMOのサイト上ではFox Splitter 2.0と0.xが別々のアドオンとして登録されてて、Fox Splitter 0.xのユーザにはFox Splitter 2.0が自動アップデート経由で提供されない。2.0への移行は、完全にユーザの自由意志に任せざるを得ないという事になっている。使い勝手がどうとか以前に、勝手にアップデートが下りてくるかこないかがネックになってるっていう予想だ。

強権的手段として、「単にFox Splitter 2.0を自動的にインストールして、その後Fox Splitter 0.xを削除する」というだけの内容のアドオンをFox Splitter 0.x最新版としてアップロードすれば、Fox Splitter 0.xから2.0への移行を強制することはできるけど……2.0の方には否定的なレビューが多く付いていて評価も低い(旧版は星2つ以下は15%なのに対し、新版は星2つ以下が57%……まあ母数が圧倒的に少ないから統計的にはあんまり意味がないかもなんだけど)という現状を見ると、そこまでやっちゃっていいっていう自信をまだ持てずにいる。

4月4日追記。Mozillaの中の人から「ちょうどそういう(Fox Splitter 0.x系の新バージョンとして、Fox Splitter 2への自動アップデート機能を含んだ物をリリースするという)方法について提案しようと思ってた所だった」的なレスポンスがあったので、春の嵐で早退したのをいいことに頑張って書いてみたんだけど、死ぬほどめんどかった。

Fox SplitterのLinuxでの挙動の改善と、Mac OS Xで残された課題 - Mar 25, 2012

Fox SplitterをWindows以外で使った時に 実にパネェ感じでストレスフルな挙動を示す件について、とりあえずLinuxではちょっとだけ改善できた気がする。

要点を先にまとめておくと、こういうことだ。

  • Windows上では以前から、ウィンドウの1つが選択されて最前面に来たら、グループ化された他のウィンドウもそれによって「押し上げられ」て最前面に来る、という挙動になっていた。
  • でもFirefoxの仕様上の制限で、LinuxとMac OS Xではそれができていなかった。
  • 今回、Linuxではwmctrlを呼び出すことによってWindows上と同じような挙動を再現できるようになった。
  • Mac OS Xで同じ事ができるのかどうかは分からないままである。
  • JSDeferredはやっぱり素晴らしいです。

以下、背景も含めた詳しい話。

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tabFx2Compatible.xul、tabFx2Compatible.css、tabFx2Compatible.xmlを使わないようにした - Feb 09, 2012

ツリー型タブ情報化タブの今日付でのリリース分から、tabFx2Compatibleという自作のライブラリ(?)を使わないようにした。当初はマルチプルタブハンドラでも使ってたけど、ツリー型タブ・情報化タブに先駆けて一足先に使わないようにしていた。今回残りの2つでも利用をやめたことで、TBEやり直し組のアドオンからはこのライブラリが全く姿を消したことになる。作ったのが2008年の2月からだから、丸4年くらいは使ってたのか。

このライブラリは元々、Firefox 3での仕様変更に追従するために仕方なく作った物だった。

Firefox 2ではタブの中に任意の要素(サムネイル描画用のcanvasだったりカウンタ表示用のlabelだったり)をXBLのコンテナ要素を使って動的に追加できていた。しかしFirefox 3になる時、具体的には2007年の12月頃に、高速化のためにそういう冗長性を排除する変更が行われてしまって、JavaScriptで動的にタブの内容を追加するということが原理上不可能になってしまった。

正確には、方法はあった。Firefox本体がタブに適用していたXBLによるバインディングを独自のバインディングで置き換えて、それを使ってタブの内容を変更するというやり方だ。しかし、XBLのバインディングは同時に1個だけしか適用できないという制限がある。複数のアドオンが同じ事をやろうとしたら、結局どれか1つのアドオンしかまともに動かないという事になってしまう。他の人の作る物との互換性という話に限らず、リッチでファットなAll-in-One型のアドオンであったTBEを捨てて各機能ごとに個別のアドオンに開発し直す道を選んでいた僕にとっては、自分の手がける物同士の互換性を維持するためにも、これは致命的な問題だった。

前述のライブラリは、特定のアドオンのために特化したバインディングを適用するのではなく、Firefox 2時代の「ある程度好きなようにタブの内容を増やせる余地がある」、冗長性を持った汎用的なバインディング定義を、Firefox 3向けに復活させるという物だった。

風向きが変わったのは2010年9月の事だった。Firefox 3.7のモックアップで示された視覚的なデザインを実現するために、タブのバインディングに再び冗長性が付与された。メジャーバージョンとしては、この変更はFirefox 4から反映されている。僕はこの仕様変更をうけてtabFx2Compatibleを改修し、Firefox 4以降のタブのバインディングの構造と、Firefox 2以前のタブのバインディングの構造の、両方を併せ持つ状態に変更した。

という経緯を見ると分かるかもだけど、このtabFx2Compatibleというライブラリは本質的に、Firefox 3.0から3.6までの間のバージョンに対応するためには欠かすことができなかった。ツリー型タブ等のアドオンの対応バージョン範囲の下限がこの範囲に重なっている間は、このライブラリは絶対に使う必要があったので、いくらTMPやVimperator等とバインディングの衝突の危険性があったとしても、構成ファイル群から外すことができなかった。

今回、Firefox 10のESR(延長サポート版)がリリースされたことにより正式にFirefox 3.6の死期が確定したので、サポート終了を待たずにFirefox 3.6のサポートを打ち切って、それと同時にtabFx2Compatibleも廃止することにした。レガシーなFirefox 2由来のDOMツリー構造を前提にして書かれたスクリプトやスタイルシート等を、全面的にFirefox 4以降の既定のDOMツリー構造に合わせて変更する作業は、それなりの手間を要したけれども、これでカビの生えた過去から決別できるのなら安い物だと思った。

選択肢の1つとして、tabFx2Compatibleを今後も使い続ける(Firefoxのタブのバインディングの構造が変わったら、その度にtabFx2Compatibleを更新していく)というやり方もあった。今この瞬間にかける労力を最小化する事を選ぶのなら、そういう選択もあり得たと思う。でも、tabFx2Compatibleは元々Firefox 3から3.6までの暗黒期を乗り越えるためだけに用意された物だったのだから、用済みになったのなら、思い切って捨てた方が今後のためになると思った。

こういう切り替えをできる時にやっておかないと、またTBEみたいな事になってしまう恐れがある。TBEでは、タブの移動等といった基本的な機能すらFirefox本体に備わっていなかった頃から開発していたため、TBE自身で独自の「タブを移動する」などのAPIを実装していた。そういう古いオレオレAPIから、Firefox 1.5くらいから新しくFirefox本体に備わったTabMoveとかのDOMイベントベースでのやり方にスイッチする事の手間を惜しんで、「とりあえず今動いてるから」と独自のオレオレAPIを維持することに固執してしまったがために、TBEはFirefox 1.5とともに時代に取り残され死んでしまった。そんな愚はもう繰り返してはいけない。

それにつけても、あの辺(Firefoxのタブまわり)の開発をやってる人達の意向に振り回されっぱなしだった4年間だったなー……と思うと、なんか感慨深い。

ツリー型タブでタブのツリー構造を高速に復元できるようにしたりPDFでも「自動でタブバーを隠す」できるようにしたりした - Dec 14, 2011

Tree Style Tab 0.13.2011121401で、長年の課題だった点に対する改善を入れてみた。現実逃避です。

まず1点、ツリーの復元にすごく時間がかかるという問題。

今まではSSTabRestoringイベントのタイミングでツリー構造を復元してたんだけど、これだとタブがちょっとずつしか復元されないせいでツリーもちょっとずつしか復元されない→ツリー全体が復元されるまで場合によってはものすごく時間がかかる、という問題があった。でもSSTabRestoringイベントが発行される前の時点ではnsISessionStoreのsetTabValue()で保存した情報を取り出せないからどうしようもなくて、ずっと放置してた。

これが最近のバージョンのFirefoxではSSTabRestoringより前でもセッションに保存された情報を取り出せるようになってたので、じゃあってんで、真っ先にツリー構造だけ復元するようにしたという次第。

前のエントリではnsIObserverでメッセージを拾うとか何とか書いたけど、結局その方法はやめた。最終的にどうやったのか、という事を簡単に書いておく。

おさらいとして、Firefoxが備えているセッション復元機能は以下のような流れで処理を行っている。

  1. SSWindowStateBusyイベントが発行される。
  2. 必要な数のタブを開く。タブを使い回す時は、今読み込んでいるタブの内容を破棄する。
  3. セッションの情報に基づいてタブを初期化する(表示・非表示の切り替え、タイトルの設定など)。この時SSTabRestoringイベントが発行される。
  4. セッションの情報に基づいて履歴を復元する。この時SSTabRestoredイベントが発行される。

問題は、1と2の間に割り込んで、2で使い回される事になるタブのツリー構造を一旦リセットしないといけないけど、そのためのAPIが無い(どのタブが使い回される事になるのか、を知る方法が全く無い)っていう事。

  • __SS_tabStillLoadingとか__SS_restoreStateとかを見たら分かるんじゃないか?と思ったけど、これを使っても、「Bar Tab相当の機能」によって待機状態のままになってるタブと、これからセッションが復元されようとしている状態のタブとを見分けられない。
  • プロパティアクセスやDOMノードへの属性値の設定を監視するのはコストが大きそうだし、他のアドオンやFirefoxの機能を壊してしまいそう。
  • タブを使い回す直前にnsISHistoryのPurgeHistory()というメソッドが呼ばれていて、nsISHistoryにはnsISHistoryListenerインターフェースを備えたリスナを登録できるようだったので、これを使えばいけるか!?と思ったけど、nsISHistoryには1個しかリスナを登録できなくてアドオンでリスナを追加するとFirefox自身が追加したリスナが失われてしまって、全体的に動作がぶっ壊れてしまった。
  • nsSessionStoreはJavaScriptコードモジュールではなくXPCOMコンポーネントなので、プロトタイプやシングルトンとして動作してるインスタンスに対してフックを仕掛ける事もできない。

とかなんとかああでもないこうでもないといじり回していて、もう最後の手段という事で、<browser/>stop()を置き換えてフラグを立てたり下ろしたりするようにした。nsSessionStoreは1と2の間で、使い回す予定のタブをプライベートメソッドのrestoreHistoryPrecursor()に渡してそれらの内容を初期化するという事をやってて、その中で必ずstop()を呼んでいたので、stop()が呼ばれた時にJavaScriptのスタックを辿って、restoreHistoryPrecursor()から呼ばれていたら「このタブはこれから使い回されようとしている」というフラグを立てるようにしたrestoreHistoryPrecursor()は他の場所からは絶対に呼ばれないから、これが一番確実だと思う。

そうすると、

  1. SSWindowStateBusyイベントを拾って、「これからツリーが復元されようとしている」ことを検知して、「ツリーが復元されようとしている」フラグを立てる。
  2. restoreHistoryPrecursor()のタイミングで、「これからセッション情報が復元されようとしているタブ」にフラグが立つ。
  3. 復元されるタブの1個目に対してSSTabRestoringイベントが発行される。この時、「ツリーが復元されようとしている」フラグが立っていたら、2でフラグが立てられたタブだけを収集してきてツリー構造を復元する。
  4. 2つ目以降のタブのSSTabRestoringイベントが発行される。以下略。

という具合にして、個々のタブのセッションの復元完了を待たずに一気にツリー構造を復元できるようになるわけです。

この改善は、Firefoxのセッション復元APIを使ってるSession Managerとの併用でもちゃんと活かされる。Tab Mix Plusみたいに独自のオレオレセッション復元機能を持っててそれを使ってる環境は……知らない。多分動かないだろうけど対応する気力無い(そもそも、僕自身Session Managerは使っててもTMPは使ってない)。

次、2点目。タブで開いてる内容がPDFだったりFlashだったりすると「タブバーを自動で隠す」が機能しないという問題。

ポインタの位置に応じて自動的にタブバーを表示したり隠したりという事をやるためのベタなやりかたは、Firefoxのウィンドウ(XULドキュメント)でキャプチャリングフェーズでmousemoveイベントを監視するという方法だ。ポインタがタブバーの近くに来たらタブバーを表示して、コンテンツ領域の上に載ったら(タブバーから離れたら)タブバーを隠す、という感じ。AutoHideというアドオンはそうしてたし、ツリー型タブもそうしてる。

ところが、何度か中野さんが解説されてた気がするけど、Firefoxはプラグイン(FlashとかPDFとか)の描画領域の上で発生したクリックやら何やらのイベントは全部プラグインが握りつぶすようになってる。そのため、普通にmousemoveイベントを監視してても、プラグインの領域にポインタが載ってる間は何もイベントが発生しない。ポインタがタブバーから離れた事はmouseout等で検知できても、コンテンツ領域に載ったという事を検知する事ができない。

(ちなみに、ツリー型タブではタブバーの「近く」にポインタがあるときはタブバーを隠さないで、ちょっと離れたら初めてタブバーを隠す、という風にしている。そうしないと、タブバーの幅を変えるためにスプリッタをドラッグしようとしても、ちょっとポインタがぶれただけですぐタブバーが隠れてしまってストレスが溜まってしょうがない。なので、mousemoveでポインタの座標を監視するという方法に頼らざるを得ないのです。)

同じ理由で、マウスジェスチャ系のアドオンもプラグインがあるとジェスチャがまともに動かないという事が結構あるみたい。そこをどうにかしようとすると、CとかC++とかでコンポーネントを作ってもっとプラットフォーム寄りの所でポインタの位置を拾うしかなくて、「プラグインの上でもジェスチャできる」が売りのMonkey Gesturesは実際そのようにしてたと思う。

ネイティブなコンポーネントを書くというのは嫌っていうかそんな手間かけたくなかったので代わりにどうやったかっていうと、すごく単純な話で、background: rgba(0,0,0,0.01) !important; -moz-appearance: none !important;にした<panel/>をコンテンツ領域の上に重ねて開くようにした。たったそれだけ。そうするとXULの要素の上だから普通にmousemoveイベントが発生して、ポインタの正確な位置を取れるようになった。

透明なポップアップを表示する時には、セオリーというか注意点がいくつかある。

  • background: transparent !important;で完全な透明にしてはだめ。完全に透明な<panel/>は何のイベントも拾ってくれない。なので、rgba(0,0,0,0.01)(ものすごく薄い半透明の黒)のように、何かとにかく色を付けておく必要がある。
  • Linuxでは半透明のpanelは表示できない(Geckoが対応してなくて、ピクセルごとに完全透明か完全不透明かのどっちかしかできない)。なので、background: transparent !important;で完全透明にしつつborderでちょっとだけ線を表示して、<panel/>の中に不透明な部分を作ってやる。
    • ただ、それだとcompiz等ではpanelに影ができてしまってかっこわるい。不透明な部分が矩形になってると影ができて、矩形以外の形だと影ができないっぽい(ロケーションバーのfaviconの所に出るドアハンガーUIに影が表示されないのもこれが理由)ので、<panel/>の左右にだけ枠線を付けるという風にして、領域が矩形にならないようにする。

透明な<panel/>を使う方法にはいくつか弊害があって、今まではそれを気にして採用を避けてた。が、今回のアップデートではそれぞれ「できる所までは頑張ろう、どうしても無理な所はもう知らん」というスタンスで割り切ることにした。

  • ユーザがコンテンツ領域の中をクリックしたつもりで<panel/>がクリックされてしまうと、「クリックしたのに何も起こらない」という状況が発生してしまう。
    • →タブの内容がプラグインで表示されてるかどうかを見て、必要な時だけ透明な<panel/>を使うようにした。タブバーが隠れて<panel/>が閉じられた後でなら普通にクリックできるので、タブバーが隠れる前にコンテンツ領域をクリックするようなせっかちな人の事はもう諦める事にした。
  • 透明な<panel/>以外の部分(ツールバーボタンなど)をクリックすると、環境によっては、透明な<panel/>が閉じられるだけで終わってしまう。
    • popupBoxObject.setConsumeRollupEvent(Ci.nsIPopupBoxObject.ROLLUP_NO_CONSUME)ある程度は抑制できるっぽい(Ubuntu 10.04LTSのcompizだと、Firefoxのウィンドウの中に対してはclick-throughが通用するようになったが、他のアプリケーションのウィンドウをいきなりクリックした時は相変わらずだった)。どうしても駄目な時については、もう、諦める。

なんで方針を変えた(安全に完璧に提供できない弊害の多い方法は使いたくない→弊害があっても使う)かというと、「同じ要望がもう数えるのも嫌になるくらいしょっちゅう来ててウンザリしたから」っていうのが最大の理由だ。

いや、つまり「PDFとか表示してるとタブバーが隠れてくれない」問題は、割と誰でもぶち当たってしまう問題なわけですよ。それに対して、実際に調べたわけではないけど、多分上に挙げたような「弊害」が実際に致命的な問題になるような人は多分そんなに多くないだろうと思うわけですよ。どっちの人を大事にしたらいいかっていう事で天秤にかけて、前者を救う事にした。という話なのです。

そういう意味では、TMPの独自のセッション復元機能を使ってる人を見捨てるってどうなんっていう言い方もあるだろうけど、あんなもん(TMP独自のセッション復元機能)ぶっちゃけ捨てていいですよ。Firefox本体のセッション復元機能に勝ってる部分、ありますか? ないですよね? いやよく調べないまま書いてるんだけどさ。

Firefox Hacks Rebooted 4章正誤情報速報 - Nov 20, 2011

Firefox Hacks Rebootedの正誤表を早いとこ作らないといけないという事は認識しているのですが、他の事に忙殺されていて手を着けられていません。なので、自分の担当章で現在把握しているミス、出版後に状況が変化した点などについて書いておきます。(ここに書いた内用は、いずれ本書のサポートサイトにもまとめる予定です。このエントリは「速報版」ということで。速報と言うには遅すぎますが……)

Bootstrapped Extensionsでのchrome.manifestについて(Hack#33 、217ページ)

本書での解説のうち、chrome.manifestの読み込みの方法の記述が事実と異なっています。

Components.manager.addBootstrappedManifestLocation()およびComponents.manager.removeBootstrappedManifestLocation()には、 chrome.manifestのファイルの位置ではなく、XPIファイルもしくはchrome.manifestがあるフォルダの位置を渡します。別のファイル名・別の位置のマニフェストファイルを読み込ませたい場合は、chrome.manifestの中からmanifestディレクティブで間接的に読み込ませる必要があります。

なお、Firefox 8および9ではBootstrapped Extensionsに含めたchrome.manifestは自動的には読み込まれませんが、Firefox 10からは自動的に読み込まれるようになります(Bug 675371)。

e10s(プロセス分離)について(Hack#34~38、219ページ~249ページ)

各地で既報の通り、デスクトップ版Firefoxのe10s有効化は当面行われない事になりました。これらの節で解説しているMessage Managerの仕組み自体はまだ残されるものと思われますが、個人的な予想として僕はMessage Managerの仕組み自体も将来的に削除されてしまう可能性があるとも考えています。ですので、何らかの事情でどうしても使わないといけないという事でない限りは、Message Managerの仕組みは使用しない事を、僕個人としてはお勧めします

かなりのページ数を割いたにも関わらずこういう事になってしまって、本当に残念です。既に本書の内容を参考にe10s対応のための準備を始めていた方もいらっしゃる模様で、Firefox 3 Hacksの時のFUEL解説と同じように、結果的に皆さんを振り回してしまう事になってしまい誠に申し訳ありません。

プログレスリスナの実装について(Hack#33 、237ページ~238ページ)

サンプルコード中でnsIWeakReferenceという記述がありますが、これはnsISupportsWeakReferenceの誤りです。

ワーカースクリプトでのdata: URIの利用について(Hack #42、271ページ)

data: URIは利用できないと書いていますが、Firefox 10からはdata: URIも利用できるようになります(Bug 699857)。

ワーカースクリプト内でのXPConnectの利用について(Hack #42、276ページ)

本節ではChromeWorkerの名前空間で、XPConnectへのアクセスのためにXPCOMというオブジェクトを利用できると書いていますが、Firefox 8正式版ではこの機能は廃止されました(Bug 649537)。ワーカーの名前空間からは、XPConnectは一切利用できません。

ただ、本節で述べている通り、元々ワーカーの名前空間からXPConnect経由で利用できる機能はほとんど無かったという事と、js-ctypesは引き続き利用できる(Nightlyで実際に確認しましたので、これは間違いないです)という事から、実質的にはほとんど影響の無い変更だったと言えます。

再起動のいらないアドオンのコンテストが11月8日頃〆切で行われているそうですね - Nov 01, 2011

Firefoxアドオンコンテストの要項を意訳してみた。 - おんがえしの日記で報じられていますが、「再起動のいらないアドオン」というテーマでアドオンのコンテストが開かれているそうです。

再起動のいらないアドオンというとAdd-on SDKを使って開発すればそういう風になる訳ですが、何度か勉強会等で話している通り、再起動のいらないアドオンを作るだけならSDKなしでも作る事は可能です。そういう物も応募できるのか? という質問がやはり告知のページにも寄せられていて、回答としては、「SDKなしでもいいよ」と書いてありました。なので、老害のくせに性懲りもなく応募してみる事にしました。

まずFox Splitter

URL
https://addons.mozilla.org/firefox/addon/fox-splitter/
Name
Fox Splitter
Description

Do you want to browse multiple webpages (ex. "English version" and "translated version") side by side? This can do it.

This provides ability to "split" a Firefox window to multiple ones, and manages them (grouped windows) like a large window with multiple panes. To "split" the window, "Split" button in the navigation toolbar is available. Otherwise, you just have to drag a tab to near the inner edge of the window itself, and stay there. Then a drop position marker will appear like the screenshot: https://static-cdn.addons.mozilla.net/img/uploads/previews/full/59/59710.png?modified=1309171529 Not only two panes, but also three, four, or more "panes" are available. Of course, when you resize a member window, others also fit to it like panes in a large window.

This is developed without Add-on SDK but based on my tiny framework named "Restartless", including customizable toolbar items, configuration dialogs, l10n, Firefox 3.6 support, and so on. https://github.com/piroor/restartless

あと、Back to Owner Tab

URL
https://addons.mozilla.org/firefox/addon/back-to-owner-tab/
Name
Back to Owner Tab
Description

Have you met such a stressful situation?: You finished to read a webpage and want to back to the previous page, but you can't click the "back" button because it is disabled - yes, you were in a new tab opened from the previous page, so you have to close the current tab instead of clicking "back" button.

This provides ability to go back/forward across tabs/windows. Even if the current page is in the first (or last) entry in the history, the "back" (or "forward") button is still enabled. If you click the button, then the owner tab (or the "next" tab - it had focus before the "owner") gets focus.

This is developed without Add-on SDK but based on my tiny framework named "Restartless", including customizable toolbar items, configuration dialogs, l10n, Firefox 3.6 support, and so on. https://github.com/piroor/restartless

最後にさらに宣伝しておくと、先日発売されたオライリーのFirefox Hacks Rebootedには、GomitaさんによるAdd-on SDKを使ったアドオン開発のチュートリアルと、Add-on SDKを使わない再起動不要なアドオン開発での色々なテクニック・注意点のまとめの両方が収録されています。再起動不要なアドオンには興味があるけど、まとまった情報が無くて二の足を踏んでる……という方がもしいらっしゃいましたら、こちらの本を片手に挑戦してみるといいかもしれませんね。

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