たまに18歳未満の人や心臓の弱い人にはお勧めできない情報が含まれることもあるかもしれない、甘くなくて酸っぱくてしょっぱいチラシの裏。RSSによる簡単な更新情報を利用したりすると、ハッピーになるかも知れませんしそうでないかも知れません。
の動向はもえじら組ブログで。
宣伝。日経LinuxにてLinuxの基礎?を紹介する漫画「シス管系女子」を連載させていただいています。 以下の特設サイトにて、単行本まんがでわかるLinux シス管系女子の試し読みが可能!
ツリー型タブが入ってるとスターアイコンからブックマークの内容を編集できない、という報告を見て、そんなバカなこっちじゃちゃんと動いてるのに!と思って薄々そうなんじゃないかなあと思いながらよく報告を見てみたら、Tab Mix Plusと組み合わせた状態であると書いてあり、やっぱり……と思いながら両方を入れてみたら確かに問題が再現した。まあここまではよくある話。
エラーが起こっている箇所はエラーコンソールのメッセージから容易に特定できたんだけど、でもどう見てもそこでエラーになるはずがないという箇所でエラーになっていた。具体的には1つ前のエントリに書いたcreateContextualFragment()
の所。色々条件を変えて調べてみたら、どんな簡単なソースを渡した場合でもcreateContextualFragment()
の返り値が常にnullになっているようだった(Firefox 3.0.13でのテスト結果)。で、さらに条件を変えながら色々試して分かったのは、そもそもツリー型タブと組み合わせなくても、Tab Mix Plusが入ってるだけでcreateContextualFragment()
が全然使い物にならなくなる(Firefox 3.0.xや3.5では常にnullが返り、Trunkでは常に例外が発生する)ということだった。
さすがにこれは何かおかしいと思って、エラーコンソールに表示されるエラーをよく見ると、XMLのパースエラーで「属性が二重に定義されている」とメッセージが出ている。それでピンと来てTab Mix Plusのソースを見てみたら、怪しい記述を見つけた。オーバーレイ用のXULドキュメントで、idがmain-windowであるwindow要素のオーバーレイ内容にXML名前空間宣言が含まれている、というものだ。もちろんこれはXML的に全く問題がないはずの記述なのだけれども、まさかと思いながらそこを書き換えてみたら、Tab Mix PlusがあってもcreateContextualFragment()
が失敗しなくなった。それで、ここが原因だと確信が持てたということで、Bugzillaにバグとして報告してみた。
条件がややこしい上に、一体どこが一番悪いのか分からなかったんだけど、一番表面上のトリガーになってるように見えてるのがDOM Traversal-Rangeだったので、そこのバグとして報告してある。
この問題を回避しようと思ったら、Tab Mix PlusのオーバーレイでXML名前空間宣言を書くのは本当のルート要素だけという風に書き換えるのが一番手っ取り早いんだけど……できれば本体(Gecko)の方を直してほしい所ではある。
nsIZipWriterを使えばアドオンでZIPアーカイブを作れるということを割と最近になってやっと知ったので、アドオンのXPIへのパッケージングまで全部アドオンでできるやん!と思ったんだけど、使い方がよく分からんかったので、実験と練習もかねてコンテキストメニュー拡張の短縮構文で使える汎用的な処理を書いてみた。
要点だけ抜き出すとこんな感じ。
// aSources = nsIFileの配列
// aZipFile = 作るZIPアーカイブのnsIFile
// aCompressionLevel = 圧縮率(0で無圧縮、9で最大圧縮、デフォルトは6)
zipFilesAs : function(aSources, aZipFile, aCompressionLevel)
{
// Firefox 3以降じゃないと動かないよ!
if (!('nsIZipWriter' in Components.interfaces))
throw Components.results.NS_ERROR_NOT_IMPLEMENTED;
if (!aSources || !aSources.length || !aZipFile) return;
if (aZipFile.exists() && !this.isZipFile(aZipFile))
aZipFile.remove(true);
const PR_RDWR = 0x04;
const PR_CREATE_FILE = 0x08;
const PR_APPEND = 0x10;
const PR_TRUNCATE = 0x20;
var writer = Components
.classes['@mozilla.org/zipwriter;1']
.createInstance(Components.interfaces.nsIZipWriter);
if (aCompressionLevel === void(0))
aCompressionLevel = writer.COMPRESSION_DEFAULT;
// 新規ZIPアーカイブと既存のZIPアーカイブではフラグが違う
var flags = aZipFile.exists() ?
PR_RDWR | PR_APPEND :
PR_RDWR | PR_CREATE_FILE | PR_TRUNCATE ;
writer.open(aZipFile, flags);
aSources.forEach(function(aFile) {
var entry = this+aFile.leafName;
// フォルダに対応するエントリの有無を調べる時は、
// エントリ名の末尾に「/」が必要
var entryForCheck = aFile.isDirectory() ? entry+'/' : entry ;
// すでにあるエントリで、フォルダではない物は削除。
// (フォルダを削除しないのは、内容をマージするため)
if (!aFile.isDirectory() && writer.hasEntry(entryForCheck))
writer.removeEntry(entry, false);
// 新しいエントリを追加
if (!writer.hasEntry(entryForCheck))
writer.addEntryFile(entry, aCompressionLevel, aFile, false);
if (aFile.isDirectory()) {
var files = aFile.directoryEntries;
while (files.hasMoreElements())
{
arguments.callee.call(
entry+'/',
files.getNext().QueryInterface(Components.interfaces.nsILocalFile)
);
}
}
}, '');
writer.close();
},
// ファイルの内容を実際にZIPアーカイブとして読んでみて、ZIPアーカイブかどうか調べる
isZipFile : function(aFile)
{
var isZip = false;
if (!aFile || !aFile.exists()) return isZip;
var reader = Components
.classes['@mozilla.org/libjar/zip-reader;1']
.createInstance(Components.interfaces.nsIZipReader);
try {
reader.open(aFile);
try {
var entries = reader.findEntries('*');
while (entries.hasMore())
{
entries.getNext();
isZip = true;
break;
}
if (!isZip) {
entries = reader.findEntries('*/');
while (entries.hasMore())
{
entries.getNext();
isZip = true;
break;
}
}
}
catch(e) {
}
reader.close();
}
catch(e) {
}
return isZip;
},
機能を追加した時にen-USに追加したエンティティを他のロケールに追加し忘れて「○○語の環境で設定画面が動かねえぞゴラァ!!!」という風なバグ報告を貰うことがあまりに多いので(そして自分で気づけないので)、そういうミスを事前に防ぐためのスクリプトを書いてみた。
find_missing_entries_from_locales.js
コンテキストメニュー拡張などの、任意のスクリプトをXPConnect特権付きで実行できるツールでこのスクリプトを実行すると、以下のように動作する。はず。
var file = Cc['@mozilla.org/file/local;1']
.createInstance(Ci.nsILocalFile);
file.initWithPath('C:\\temp\\target.jpg');
var fileStream = Cc['@mozilla.org/network/file-input-stream;1']
.createInstance(Ci.nsIFileInputStream);
fileStream.init(file, 1, 0, false);
var binaryStream = Cc['@mozilla.org/binaryinputstream;1']
.createInstance(Ci.nsIBinaryInputStream);
binaryStream.setInputStream(fileStream);
var bytes = binaryStream.readBytes(fileStream.available());
binaryStream.close();
fileStream.close();
var base64 = btoa(bytes);
Bug 364586 - nsXmlRpcCLient.js conversion to base64 is slowで「JavaScriptでBase64エンコードするの遅いから組み込みの関数使えやゴラァ」と提出されていたパッチを見て知った。バイナリファイルの内容をバイト列の配列として読んでゴニョゴニョしなくても、単純に、バイナリのインプットストリームからreadBytes()
でバイト列を文字列として取得してbtoa()
にかければOK、だそうだ。試してみたら確かにちゃんといけた。
The Burning Edge見てたら、こんなバグがFIXEDになっていた。
text/htmlなHTMLドキュメントをXMLとして扱うにあたって、HTML5の仕様に合わせる形になるという事のようだ。namespaceURI
がnull
から"http://www.w3.org/1999/xhtml"
へ、localName
がすべて大文字からすべて小文字へ、それぞれ変わる、と。
以前の挙動は以前の挙動で古い仕様には合致していたはずなので、時代の移り変わりをしみじみと感じる。
ローカルプロキシっぽいことをローカルプロキシを立てずにやろうとして挫折したことのまとめを書いたら、thorikawaさんが別のアプローチを提示してくださったので、その方向で頑張ってみた。
結論から言うと、URIの置き換え(特定のURIにアクセスしようとした時に、別のURIのリソースの内容を返す)についてはできるようになった。成果はUxU 0.6.0に組み込んである。ただし、他のアドオンとの競合の可能性があるので、初期状態では機能を無効にしてある。
実装がどうなっているかはGlobalService.jsの中のProtocolHandlerProxy
、HttpProtocolHandlerProxy
、HttpsProtocolHandlerProxy
の各クラスを参照のこと。thorikawaさんのエントリに挙げられている課題は、一応解決されているはず。
thorikawaさんによるコードからの違いは以下の点だ。
一つは QueryInterfaceの部分で、QueryInterfaceの部分を置換前のXPCOMに丸投げしてしまっているので、その後の個別の処理も全て置換前XPCOMで行われてもよいはずです。だけど実際にはnewURI,newChannelといったメソッドは置換後のXPCOMのものが呼び出されます。
QueryInterface()
は、実はメソッドの返り値を見るまでもなく、メソッドを実行した時点でそのラッパーオブジェクト自体が変更される。なので、そのせいじゃないかと思う。例えば
var pref = Cc['@mozilla.org/preferences;1']
.getService(Ci.nsIPrefBranch);
var value = pref.getBoolPref(...);
このコードは
var pref = Cc['@mozilla.org/preferences;1']
.getService();
pref.QueryInterface(Ci.nsIPrefBranch);
var value = pref.getBoolPref(...);
と書いてもちゃんと動く。後者のような使い方をされている限りは、QueryInterface()
で何を返していようと関係ない、ということではないのかなあ。
C++で書かれたコンポーネントの中ではdo_QueryInterface()
という関数?がよく使われているようで、こいつが中で何をやってるのかまでは僕にはよく分かってないけど、上記の例の前者ではなく後者に相当するものなんだったら、引用部のような現象が起こるのではないかと思う。
ということでそういう場合に備えて、ProtocolHandlerProxy
クラスは、コンポーネント「{4f47e42e-4d23-4dd3-bfda-eb29255e9ea3}」が備えているすべてのインターフェースを実装しておくようにした。具体的には、nsIHttpProtocolHandler、nsIProtocolHandler、nsIProxiedProtocolHandler、nsIObserver、nsISupports、nsISupportsWeakReferenceの各インターフェース。といっても、やってることとしてはやっぱり単に元のコンポーネントに処理を丸投げしてるだけなんだけど。
またもう一つは、このサンプルでも正常に動作しないサイトがいくつかあること。AJAXを多用しているサイトでも基本的には問題なく動くのですが、たとえばGMailにアクセスするとなぜか簡易版HTMLが表示されてしまいます。もしかすると上記の問題と関連しているのかも知れません。
これは推測だけれども、HTTP_USER_AGENT等が正常に送られなくなっていたせいではないかと思われる。
ちゃんと調べたわけではないんだけど、Webページ内のスクリプトのnavigator.userAgent
の値や、HTTPの通信の際に送られるユーザエージェント名の文字列は、コントラクトIDが@mozilla.org/network/protocol;1?name=http
であるコンポーネントがnsIHttpProtocolHandlerインターフェースを通じて返す値を元に生成されているらしい。
然るに、thorikawaさんによるサンプルコードのコンポーネントにはnewChannel()
などのメソッドは定義されているけれども、nsIHttpProtocolHandlerが持つはずのuserAgent
等のプロパティは定義されていない。XPConnect経由でこのコンポーネントにアクセスすると、undefined
が文字列にキャストされて空文字として返ることになる。その結果、サーバに送られるUA文字列も空っぽになってしまう。つまりサーバから見たら未知のUAとなってしまう。GMailにアクセスするとなぜか簡易版HTMLが表示されてしま
うのは、未知のUAに対しては簡易版HTMLを返すようにGMailが作られているからではないかと僕は推測している。
変更点1で書いた話を実施するにあたって、当初はこれらのプロパティもgetterとして定義してみてたんだけど、実際に動かしてみると、期待通りには動かなかった。具体的には、Webページ内のスクリプトからnavigator.userAgent
等にアクセスしようとすると、セキュリティの制限により前述のgetter関数を実行できない、というエラーが出る。
なので、getter関数を使うことは諦めて、ProtocolHandlerProxy
クラスのプロトタイプに、単純な文字列や数値の定数プロパティとしてそれらを設定しておくようにした。general.useragent.* 系の設定の変更を動的に反映しないといけないので(ここでgetterを使えないのが痛い)、とりあえず今のところは、それらの設定の変更を常時監視して、変更があればその都度ProtocolHandlerProxy
クラスのプロトタイプの定数プロパティの値を更新するようにしている。
この実装では、ProtocolHandlerProxy
をスーパークラスとして、HttpProtocolHandlerProxy
、HttpsProtocolHandlerProxy
という2つのサブクラスを定義することにした。これらの違いは単にコントラクトIDだけ。(まあ、モジュールを登録する時にしか使わない情報なので、サブクラスにするまでもなかったんだろうとは思うけど……)
コントラクトIDが@mozilla.org/network/protocol;1?name=http
であるコンポーネントを入れ替える事を考えた時に、一番問題になるのはおそらく、同じ事をしようとするアドオンが2つ以上あった時のことだと思う。テストケース内でリクエストされるURIをリダイレクトするためだけに、いつもコンポーネントを入れ替えた状態にしておくというのは、無駄にリスクを高めるだけのような気がする。なので、必要な時にだけ機能を有効化できるようにしてみた。
当初は、NSGetModule()
が返すモジュールのregisterSelf()
メソッドの中でregisterFactoryLocation()
している箇所を、設定値を見て必要に応じスキップするようにすればいいだろうか、くらいに考えていた。でも2つの理由でこれはうまくいかなかった。
1の問題をもう少し具体的に書くと、例えばこのコンポーネントの有効無効をextensions.uxu.protocolHandlerProxy.enabled
といった名前の設定で切り替えるようにしようと思っても、NSGetModule()
が返すモジュールのregisterSelf()
メソッドが実行される段階ではまだユーザプロファイル内に保存された設定値が読み込まれていないため、その段階でextensions.uxu.protocolHandlerProxy.enabled
の値を取得しても常にデフォルト値(=false
)となってしまう、ということ。
これを回避するためにUxUでは、設定値ではなくファイルを使うことにした。プロファイル内に「.uxu-protocol-handler-proxy-enabled」という名前のファイルがあればコンポーネントを有効に、ファイルがなければコンポーネントを無効に、という風に、ファイルの有無を真偽値型の設定代わりに使うようにしている。泥臭いというか非効率的というかすごく馬鹿っぽいというかそんな気がするけど、これ以上にいい方法を僕は思いつけなかった。
2の問題は、1を解決できたとしても発生する。Firefoxは利用可能なXPCOMコンポーネントのデータベースをプロファイル内にcompreg.datとxpti.datとして保存しているようで、これらのファイルを生成する時にNSGetModule()
が呼ばれるんだけれども、毎回起動時にこのデータベースを作り直していたら無駄が大きすぎる。ということで、アドオンが追加・削除された時などの「コンポーネントの一覧に変更があった可能性がある」場合にだけ、有効なコンポーネントの一覧のデータベースが作り直されるらしい。UxU的には、プロトコルハンドラの乗っ取りのON/OFFを切り替えた後に必ずこのデータベース再作成の処理を走らせないといけない、でもそれができてない、ということだ。
で、これも似たような方法でアッサリ解決した。Firefoxはユーザプロファイル内に「.autoreg」という名前のファイルがあると(ファイルの有無しか見ないので、内容は何でもいい。空ファイルでよい。)、必ずcompreg.datとxpti.datを再作成する。なので、ユーザが設定を変更したらそのタイミングで「.autoreg」を作成してやり、次に起動した時には設定の変更が確実に適用される(コンポーネントが有効かあるいは無効化される)ようにした。
これだけごちゃごちゃと妙なことをやっておいて、できることといったら単にURIをリダイレクトするだけなんだよね。ショボっ!
ソース表示タブの障害として、「外部のテキストエディタを使う設定にしてる時に、Windowsのアカウント名が日本語だったりするとファイルを開けない」という報告を受けた。それを修正しようとして挫折した。以下はそのまとめ。
当該機能は実はソース表示タブ自身が提供しているわけではなく、Firefox 2以降くらいからFirefox自体に元々備わっている隠し設定のための設定UIを提供しているだけで、実際の処理はFirefox本体の物に丸投げしている。具体的にはviewSourceUtils.jsのopenInExternalEditor()
とかそこら辺。
ただ、Firefox本体のこのコードは国際化のことをきちんと考えられていないようで、テキストエディタの実行ファイルのパスに日本語の文字などが含まれているとダメという既知のバグがある(原因はgetExternalViewSourceEditor()
の中でgetCharPref()
で取得したパス文字列をUTF-8バイト列からUCS2のUnicode文字列に変換していないせい)。なのでソース表示タブではこの部分に動的にパッチを当てる形で問題を回避するようにして、もう少し実用に耐えるようにしようとしてみている。
今回の問題の原因は、エディタの実行ファイルではなく、開こうとしている対象のファイルのパスの扱いにある。
Firefoxは、ソースを表示しようとしている対象がローカルのファイルだとそれをそのまま、Web上のファイルであればそれをダウンロードしたテンポラリファイルを、エディタに渡そうとするんだけど、どうもその時にnsIProcessのrun()
メソッドで渡す引数がUCS2のままなのがいけないらしい。試しに自分の環境(Windows Vista日本語版)で試したところ、引数のeditor.run(false, [path], 1);
とか書かれてる箇所で渡されてるパス文字列をnsIScriptableUnicodeConverterあたりでShift_JISに変換してやったらうまく動いた。IDL定義ではstringの配列としか書かれてないけど、ここはプラットフォームごとのデフォルトの文字エンコーディングにしておかないといけないようだ。
実験段階で明らかなように、nsIScriptableUnicodeConverterで適切なエンコーディングに変換してやれば問題は解決できる。残る問題は、じゃあ一体どのエンコーディングに変換すればいいのか、ということだ。
設定UI上にエンコーディング選択用のドロップダウンリストを付けるという手もあるけど、ユーザにそんな事を意識させるのはダサイ。なるべくなら自動で判別できるようにしておきたい。ということでその方法を模索してみた。
nativePath
から辿ってみた現在のFirefoxでは、ローカルファイルはnsIFileインターフェースで処理されている。このIDL定義を見ると、プラットフォームのデフォルトのエンコーディングでのパス文字列をそのまま保持しているとおぼしきnativePath
プロパティの定義には[noscript]
と書かれていて、JavaScriptからはアクセスできないようになっている。実際、試してみても無理だし。
ちなみに、昔おそらくnsIFileの代わりに使われていたと思われるnsIFileSpecだとnativePath
には[noscript]
が付いてない。なので、これを使ってやればいいか?と思ったけど、リンク先のソースの位置を見ると分かる通りこれは既に廃止されたモジュールで、今のFirefoxのバイナリには入ってないっぽい。インスタンスを作ろうとしてもエラーになる。
nsIFile/nsILocalFileを実装してるWindows用のコード(nsLocalFileWin.cpp)のGetNativePath()
の定義を見ればヒントを掴めるんじゃないか?と思ってみてみたら、CopyUnicodeToNativeという関数?が使われてた。コードが書かれてるnsNativeCharsetUtils.cppを見てみると……おおお、なんか答えっぽい物があるぞ。ifdefでプラットフォームごとに関数の中身の定義をそれぞれ変えてて、例えば頭の方を見てみると、Mac OS XとBeOSでは単純にUTF-8に変換してるという事が分かる。
ただ、下の方に書いてあるWindows用とUnix/Linux用の処理は、見ても訳が分からんかった……単純にこのエンコーディングに決め打ち、という訳にはいかないみたいで、ここからさらに色んな所のコードを見に行かなきゃいけないようだったので、この時点で挫折した。
nsIScriptableUnicodeConverterはエンコーディング名を指定してUCS2との間で相互変換するものだけど、その時に「プラットフォームのデフォルトのエンコーディング」を指すようなキーワードがあったりしないしないか?と思って、そっち関係のコードも見てみた。
nsICharsetConverterManager.idlとかnsUConvModule.cpp見てて、どこをどう辿ったのか忘れたけど、GetDefaultCharsetForLocale()
というメソッドがnsIPlatformCharset.hで定義されているという所まで辿り着いた。
メソッド名から見て、ロケールを指定しないといけないようだけど、それさえなんとかなればこれでいけるか? と思ってこれにJavaScriptからアクセスできないか試してみたけど、ダメだった。Components.classes['@mozilla.org/intl/platformcharset;1']
にはアクセスできるんだけど、QueryInterface(Components.interfaces.nsIPlatformCharset)
してみたら「そんなインターフェースねえよ」と怒られてしまった。検索してみても、どうもC言語用のコードしか無いみたい。
無理でした。以上。
C(C++?)を書けるようになって、上で辿り着いたメソッドの実行結果を返すだけのコンポーネントでも書けば、サクッと解決できるのだろうか。もう勉強するしかないのか?
コンテキストメニュー拡張で使ってるけど、文字コードを選択するドロップダウンリストは以下のようにすれば作れる。
<menulist id="charset"
label="(choose an charset)"
datasources="rdf:charset-menu"
ref="NC:DecodersRoot">
<template>
<menupopup>
<menuitem uri="..."
label="rdf:http://home.netscape.com/NC-rdf#Name"
value="..."/>
</menupopup>
</template>
</menulist>
ただし、XULにこれを書いただけだと空のリストになってしまう。onloadとかそこらへんでCc['@mozilla.org/observer-service;1'].getService(Ci.nsIObserverService).notifyObservers(null, 'charsetmenu-selected', 'other');
とすればポップアップの中身が生成される。設定ダイアログで使う時なら、その後でpreference要素のvalue
を見るなどして、前回の選択状態を復元してやる必要がある。
Mozilla Partyの発表用資料を準備してる最中、自分で作っておきながら画像の埋め込みの仕様がクソ過ぎることにブチギレて、高橋メソッド in XULを久しぶりに改良してた。
公開ページはまだ更新してない。改良されたバージョンはリポジトリに置いてある。
FireMobileSimulatorでのローカルプロキシ実装の試みを見て、UxUでデバッグ用ローカルプロキシみたいな事をできるようにしてみたい、と思った。
ただ、HTTPのことはこれっぽっちも分からない。ソケット通信も、一応独自プロトコルっぽいものを使って別プロファイルで動作中のFirefoxからテスト結果を受け取るということはできるようになったけど、それ以上の事は分かってないまま。なので、まじめにローカルプロキシを立てる以外の方法で、「特定のURIにアクセスしようとした時だけ、あらかじめ定義しておいたルールに従って別のリソースを返す」ということをできるようにしてみようと考えた。
僕が現在把握している方法としては、以下の物がある。
http-on-modify-request
イベントのタイミングでリダイレクトするやり方。shouldLoad()
の中でリダイレクトするやり方。1はthorikawaさんが頑張っておいでなので、それに期待している(ソースがGPL互換ならUxUにそのまま入れられるので)。他人のフンドシ。他力本願。ここでは後の2つについての挫折の経緯だけ書き留めておく。
結論を先に言っておくと、2も3も実装上の制限により全滅っぽい。やはり、ローカルプロキシをちゃんと実装するしか完全な解決策はないようだ。thorikawaさん期待age。
http-on-modify-request
イベントを使うやり方これは、現在FireMobileSimulator等ですでに使われている。nsHttpChannelはリクエストを送信する前にnsIObserverServiceを通じてhttp-on-modify-request
イベントを、レスポンスが返ってきた後にhttp-on-examine-response
とかhttp-on-examine-merged-response
とかhttp-on-examine-cached-response
とかのイベントを通知する(SubjectはnsHttpChannel自身)ので、このタイミングでリダイレクトをしようという話。
FireMobileSimulatorの場合、nsHttpChannelの現在の通信をキャンセルした上で、nsHttpChannelからnsIWebNavigationを引っ張ってきてloadURI()
で新しく通信を始めてる。
var redirected = 'http://www.example.com/';
var observer = {
observe : function(aSubject, aTopic, aData) {
if (aTopic == 'http-on-modify-request') {
var httpChannel = aSubject.QueryInterface(Ci.nsIHttpChannel)
.QueryInterface(Ci.nsIRequest);
// ここでキャンセル
httpChannel.cancel(Components.results.NS_ERROR_FAILURE);
// リクエストし直し
httpChannel.notificationCallbacks
.getInterface(Ci.nsIWebNavigation)
.loadURI(redirected, Ci.nsIWebNavigation.LOAD_FLAGS_NONE, null, null, null);
}
};
Cc['@mozilla.org/observer-service;1']
.getService(Ci.nsIObserverService)
.addObserver(observer, 'http-on-modify-request', false);
通常のbrowserやiframeの場合はこれでいいんだけど、img要素やXMLHttpRequestからの通信では失敗する。具体的にはhttpChannel.notificationCallbacks.getInterface(Ci.nsIWebNavigation)
の時点でエラーになる。例えばXMLHttpRequestによる通信なら、httpChannel.notificationCallbacks.getInterface(Ci.nsIXMLHttpRequest)
とすれば元のリクエストを取得できるので、こんな感じで場合に応じて再リクエストの方法を振り分けてやる必要がある。(XMLHttpRequestの場合については、どうやれば再リクエストできるのかまではたどり着けてない。もしかしたら無理なのかも。)
spec
を書き換える場合nsIChannelのURI
プロパティはnsIURIインターフェースの読み取り専用プロパティなので、通信先のURIを書き換えることはできない……ように見える。でも実はnsIURIのspec
プロパティの方は書き換え可能なので、ここに新しいURIを代入することででもリダイレクトできてしまう。
observe : function(aSubject, aTopic, aData) {
if (aTopic == 'http-on-modify-request') {
var httpChannel = aSubject.QueryInterface(Ci.nsIHttpChannel);
httpChannel.URI.spec = redirected;
}
とはいえこの方法は全くお勧めできない。動く場合もあるけど、動かない場合もある、という感じで実に不安定だ。nsHttpChannelの実装を見れば分かるけど、http-on-modify-request
が通知された段階ですでにその時のリクエスト先URIに基づいた初期化処理がいくつか終わってしまっているので、それと矛盾するURIを設定する(例えば、HTTPのリクエストだった物をFile URLにリダイレクトするとか)と、この後の内部処理でエラーが起こるっぽい。
http-on-examine-response
の方ではnsIHttpChannelのsetResponseHeader()
を利用できるので、Location
ヘッダにURIを設定してみたんだけど、ダメだった。残念ながらヘッダを解釈してくれなかった。
nsHttpChannelの実装を見たら、HTTPのステータスコードが301とか302とかの時だけLocation
ヘッダを見るようになってた。ステータスコードを保持しているプロパティは読み取り専用なので、強制的にLocation
ヘッダを読ませるということはできそうにない。
shouldLoad()
を使うやり方これはURNサポートなどで実際に使っている。詳しい方法は2007年当時のエントリに書いてあるけど、要約するとこういうことだ。
やってみると、一見上手く動いてくれてるように見えるんだけど、XPConnect特権がある実行コンテキストで作成したImageやnsIXMLHttpRequestのインスタンスからの通信が捕捉されなくて、UxUの用途では使えない感じだった。まあ仮に捕捉できたところで、元の通信を止めて別のURIで通信するようにさせる方法は分かってない(もしかしたら無いかもしれない)んだけど。
あと、shouldLoad()
の第2引数はnsIURIインターフェースなのでこれのspec
プロパティを書き換えたらどうだろう?と思ってやってみたけど、これもうまくいかなかった。browser要素等での読み込みの場合だと、nsDocShellのInternalLoad()
でエラーが発生する。実装を見た感じでは、nsIContentPolicyに処理が渡ってくるより前に元のURIに基づいてセキュリティ関係の機能が初期化されてるので、その後でURIを書き換えたのがいけなかったんじゃないかと思う。
とにかく、nsHttpChannelのインスタンスが作成された後からどうこうしようと思うのがそもそも手遅れくさい。それより前のステップでアクセス先のURIを書き換えようと思ったら、ローカルプロキシを立てる以外に手は無いようだ。
いいかげん諦めてMozilla Partyの発表資料作ることにします……
くでんさんが報じておられる通り、Bug 418003 - Firefox is packaging unneeded images and iconsによって、過去に使われていたもののもう使われていない画像がデフォルトのテーマからまとめて削除された。Trunkでは既にそのようになってるけど、Firefox 3.5もそうなるんだろうか。だとしたら例によって「何でこんなギリギリになってからやるわけ?」と愚痴りたくなるわけですが。
削除されたファイルの一覧はMercurialのコミットログを見ると分かる。行の頭に「-」が付いている物が、削除されたファイルという事になる。
自分がアドオンの中で流用していて影響を受けるのは、「読み込み中」の状況を示すためのアイコンとして使っていたThrobber-small.gifだ。Throbber.png、Throbber.gif、Throbber-small.pngも一緒に削除されたので、これらを流用してる人は代わりのアイコンを参照するようにしないといけない。
これらのThrobber画像は、半透明のアニメーション画像に差し替える関係でFirefox 3.0の時点から既に使われなくなっていた。また、これらの新しいThrobber画像は16×16サイズのものしか用意されていないので、大きいサイズの画像が必要な場合は自作するか古いバージョンからぶっこ抜くしかない。
16×16については、以下のChrome URLで参照できる。
少なくとも今の時点では、Windows用、Linux用、Mac OS X用のいずれも同じパスで参照できるようだ。
ユーザが別のテーマを選択している場合もこの画像を参照したければ、以下のようにjarファイルの中のパスを直接指定する必要がある。