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たまに18歳未満の人や心臓の弱い人にはお勧めできない情報が含まれることもあるかもしれない、甘くなくて酸っぱくてしょっぱいチラシの裏。RSSによる簡単な更新情報を利用したりすると、ハッピーになるかも知れませんしそうでないかも知れません。

萌えるふぉくす子さんだば子本制作プロジェクトの動向はもえじら組ブログで。

宣伝。日経LinuxにてLinuxの基礎?を紹介する漫画「シス管系女子」を連載させていただいています。 以下の特設サイトにて、単行本まんがでわかるLinux シス管系女子の試し読みが可能! シス管系女子って何!? - 「シス管系女子」特設サイト

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フィリピン行ってきた - May 03, 2015

フィリピンのセブ島に行ってきた。主な目的は、現地滞在中の家族へのごまだれの配達(現地で手に入るそうめんのマトモなつけだれが無い、とのことで)……にかこつけた、ダイビング。聞いた所では、ボホール島、モアルボアルなど、セブ島およびその近くにはダイビングスポットとして有名な所が多いらしくて、その中でも、セブ島南部のオスロブにはジンベエザメの間近を泳げるエリアというのがあって、そんな機会滅多に無いんじゃないの?!と思って、それメインで行ってみた。

結果、目的を無事達成できて満足度は高かった。他にも色々スポットがあるようなので、また行ってみたい。しかし、今回の旅はとにかく不安だらけだったし、意識していなかった所での気付きというのもあった

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アニメ制作の現場を通して仕事というものを描く「SHIROBAKO」 - May 03, 2015

アニメ制作スタジオの日常を描くアニメ、というメタな作品のSHIROBAKO。最初は「え、何? ネタの自主制作アニメ企画か何か?」って認識してたり、主人公達のキャラクターデザインがいまいち好みから外れてたというのもあって、放送時は完全スルーだったんだけど、評判がやたらいいので、ニコニコ動画の公式で無料で見れる1話目を見てみた。そしたら結構印象が良かったので、諸々片付いて時間ができた段階で残りの全話も一気見した。

結論から言うと、ちゃんと物語してて面白かった。仕事論とか社会人としてとかそういう意味で新人の人達に見てもらいたい、と言う人がいるのも分かる(どっちかというと、連絡をちゃんとしないとか、後工程に迷惑をかける人とか、そういう反面教師がたくさん出てきてて「ああ、こういう事をするとスケジュールが破綻するんだなあ……」と思わされる場面の方が多い)んだけど、僕はただただ単純に主人公達5人の成長物語として面白いと思った。

高校時代に1つのアニメを作ったかつての仲間達5人が、いつか再集合することを誓いながら、巣立った後それぞれの現場で一人前になろうと足掻いていて、1人また1人と少しずつ自分の夢に近づいていく中で、1人だけがその中で出遅れてしまう。それぞれバラバラに闘っていた彼女らだけれども、終盤、1つの共通の仕事に各分野のプロとして関わることになっていく、それでもまだ1人だけ出遅れたまま。でも最後の最後に、その1人も思わぬ形での合流を果たす。成長と成功の物語として見事にまとまっていて、2クール分かけてやるだけの事はあったなと思えた。

アニメ制作の現場を描いた作品というと、自分が過去に見かけたことがあるのは動画・原画などの絵描きの人達がメインだった「アニメがお仕事!」と、あとは声優が主人公クラスの作品がいくつかあったかなあというくらいで、「制作進行」という役割の人は口うるさいマネージャーとかそんなくらいのちょい役扱いだったような気がする。やっぱり普通に考えて、抜群に絵が上手い人とか、抜群に演技が上手い人とか、そういう感じで、スター性のある強いキャラクターの方が主役にしやすいんだろうと思う。

今作はその「制作進行」のチームに属する人が主人公で、最初は、なんでまたそんな地味な立ち位置の人を?と思ってしまった。でも考えてみたら、アニメ制作の現場全体を俯瞰しようと思ったら、絵を描く人や演技する人みたいな「そのセクションの中でやってる人」よりは、全体の調整役として動いてる人の視点の方が適してるんだろうな。スター選手ではないし、絵も描いてなければ演じてもいない、音楽もシナリオも作らないけれども、確かに彼女は「アニメを作ってる」人だ。むしろ、そういう各セクションの「絵を描く人」みたいな余計な属性が付かないから、制作進行という立場の彼女こそが主人公に相応しいのかもしれない。

アニメが好きで、アニメ誌とか見てて、あの作品にはこんな人が関わってるんだ、みたいな感じでちょっと制作側のことも垣間見ていて……という人は、大いに楽しめると思う。有名な作品やアニメ関係者のパロディがたくさん出てくるし。

IT関係やってるなら見とかなあかんやろ「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」 - May 02, 2015

イミテーション・ゲーム / エニグマと天才数学者の秘密、やっと見た。

コンピュータの歴史をかじったことがある人なら知らない人はいないだろうと思われる超有名人の、現代コンピュータの礎を築いた1人であるアラン・チューリング(チューリングテスト、チューリングマシン、チューリング完全、といった言葉に今でも名前が残ってる)。エニグマ暗号の解読に関わったものの、晩年は同性愛の嫌疑をかけられて、最終的に自殺した、という程度の事は知ってたんだけど、この映画を見て初めて知った事もたくさんあった。

  • アスペルガー症候群だったらしい。
  • 嫌疑だけじゃなくて、実際に同性愛者だった。
  • でも、女性と婚約もしてた。
  • 少年時代に親友にして初恋の相手がいたが、死別した。
  • 天才数学者でありつつ、アスリートでもあった。
  • 戦時中の業績は国家機密として50年も秘密にされていた。

婚約者になった女性(ジョーン)が参加した経緯とか、脚色の部分も色々あるそうなんだけど、パンフレットを見ると上記の点は全部実話だとのことで、驚くほかない。

チューリングといえば計算機科学、みたいな連想をする人間からすると物足りないくらいにそういう部分の描写や説明は控えめで、メインはあくまで、上記のような特異な人物であったアラン・チューリングその人と周囲の人達の人間ドラマや政治ドラマという感じだった。とはいえ、それは全然正しい判断だし、アラン・チューリングという人の人生のハイライトをドラマティックに描いてるし、1つのストーリーとして綺麗にまとまっていて良かったと思う。IT系じゃない人でも全然面白く見れる。

その時代の常識から外れた「変な人」であったチューリングやジョーンが社会の中でどう扱われるのか、同性愛者として生まれてしまったチューリングが世間からどう扱われるのか、という所の描写もすごく考えさせられた。世の「普通」から外れる事が一体どういう罪だというのか。少なからず世の中のメインストリームから外れた所で生きている自覚があり、メインストリームに完全に合わせては生きられないとも思っている自分としては、他人事に思えず結構感情移入してしまった。

脚色はあるにせよ歴史的な事実の要点を知る事はできるし、それだけでなく、マイノリティの生き辛さを生々しく感じられたり、そういうのをなくしていかなきゃいけないという思いを新たにできたりするし、何より、一人の人の悲しく切ない人生の物語として、大いに見る価値のある映画だと思う。

「かわいい」という評価を表明するのは悪い事とは限らない、と思えるようになったことについて - Mar 31, 2015

女の人の容姿を評価するのをためらうという過去のエントリがにわかに参照されだしたようで、これ7年前に書いたやつなんだけど、改めて読み返してみた。そしたら、当時に比べて今は、女の人の容姿を「かわいい」と評価することにそこまでの抵抗を感じなくなっているなあ、と改めて思った。

当時どうして自分が他者の、特に女の人の美醜を評価することについて抵抗があると感じていたのかについては、要約すると「自分にそんなことを言える権利など無い」みたいな見解だったようだ。では、今はどうか。自分に自信を持てるようになったから他者の美醜を軽々しく言えるようになった、のだろうか。

異常に自信がなかったから言えなかったのが、人並みの自信を持つようになったから言えるようになった、というのは確かにあると思う。でも、だからといって、誰彼構わず「うわ、ブサイクだな」とか言い放つほどに横柄になったとは思ってない。そういうのは表明しないで飲み込む程度には弁えてるつもり。

それだけでなく、自信以外の部分で考え方が変わった部分があるからではないだろうか、と自分では思ってる。具体的には、「かわいい」という事はもっとカジュアルに賞賛されてよいと今では考えていて、それは、差別性のないフレーズとして使って支障がないという認識と、Facebookの「いいね」と同程度にカジュアルに使って良いという認識、そして、言わない方が失礼と言えることすらあるという、3つの理由があると思っている。

まず、「カワイイは作れる」というフレーズを知ったという事。それまで僕は、例えば橋本環奈のように素材が非常に良い物だけをカワイイと言い、そうでないものはカワイクナイと言うのだ、カワイイか否かは先天的なものでまずふるいにかけられるのだ、と思っていた。なので、「誰某はカワイイ」と言うのは、「誰某は白人で、だから良い」みたいに言っているのと同じように、生まれ持った性質を褒めているという事で、その性質を持たずに生まれた人にとっては本人の努力で乗り越えられないような差を殊更肯定する、差別性を持った表現だと思っていた。でも「作れる」となると話は違う。可愛くなりたい・可愛くしたいと思った人が努力できて、努力した分だけ確実に「可愛く」なり得る。そうした成果や経過を褒めることに差別性はないと言える。(そんなマガイモノをカワイイというのはおかしい、と思う向きもあるかも知れないが、マガイモノの極致の二次元美少女をカワイイと褒めそやしている人間にそんなことを言う資格はないだろう。)

それと、今はもう放送が終わってしまったけれども、NHKでやってた「東京カワイイTV」という番組。この番組では原宿的な文化圏を中心としつつも様々な価値観の「カワイイ」を紹介していて、世の中には様々なベクトルの「カワイイ」があり得るのだという事を僕は知った。番組パーソナリティの沢村一樹さんが最終回で「理解する必要はない、理解できなくてもいい。とにかく、否定しないことが大事」といった趣旨の言葉を述べていたと記憶しているけれども、そうして大局的に捉えれば、ガングロも「カワイイ」、ロリィタも「カワイイ」、コスプレも「カワイイ」、ギャルも「カワイイ」、なんでもカワイイ。あるベクトルでカワイクナイからといって、別のベクトルでまでカワイクナイということは意味しない。ある物をカワイイと評したからといって、他がカワイクナイという事は意味しない。そう思うようになった。

あと、コスプレイヤーの人達の考え方を知ったのもある。僕は以前は、「自分大好きだから、カワイイカワイイと言ってもらいたくて、それを引き立てるための衣装を着て大衆に媚びて耳目を集めているのだ」と思っていた。確かにそういう人もいないではないけれども、それだけではない、「作り込んだ3次元の作品を見せびらかしたい、自分自身はその素材として使っているに過ぎない」というスタンスの人もいると知った。そういう人達はより良い作品作りのためにメイクアップであったり衣装作りであったりを頑張っているわけで、その努力に対する正当な評価としての「カワイイですね」は、言って何ら悪い物ではない。(同じ事が、普段のメイクや服選びにだって言える。)

総じて、今僕が使う「かわいい」は、「かわいさという1つの基準において他より勝っている」という相対評価ではなく、「これにはユニークな価値がある」という絶対評価としての性質が強くなっているのだと、自分では思っている。そんなわけで、実際に口にする機会はそれほど無いけれども、女の人に対して「カワイイ」というフレーズを使うことに今ではそこまでの強い抵抗感は感じなくなっているように思う。

まあ、誰彼構わず言いまくったらセクハラになるとか、そういう別の問題はまたあるわけだけれども。

会社に所属しながら書いた技術記事の原稿料収入の確定申告 - Mar 17, 2015

この業界、会社に所属しながら実名あるいはペンネームで技術誌に記事を執筆しているという人はそれなりにいると思います。自分も株式会社クリアコードに所属しながらシス管系女子を連載させていただいております。そういう人が確定申告をするときの話を自分の経験に基づいて書いてみます。

そもそも確定申告ってなんなん?つう話なんですけど、給与所得を得ている人間にとっては基本的に、収入源が会社の収入だけだし、年末調整の時期が近づくと「保険の支払いの書類とかもってきてやー」とアナウンスされてそれを持ってって会社に提出すると事務の方がイイ感じに計算して諸々処理してくれるので、あんまり関係ない話のような気がしています。問題は、そういう風に会社が把握してくれてない部分でお金の出入りがあった場合についてです。冒頭に書いたような技術記事を個人で書いている人間の場合、給与所得とは別に収入があるということになるので、その分の所得税やら何やらを納めないといけないのです。そこで出てくるのが確定申告。

聞いた所によると、給与所得以外で年間20万円以上の収入があると確定申告せんといかんのだそうです。僕の場合は原稿料×ページ数の額が20万円を超えていたので、しないといけなかったのですが、ちゃんと理解してなくて今までスルーしてしまっていました。が、このままではいかんと思ってちゃんとやることにしました。ほったらかしにしてると追徴課税とかシャレにならないことになるかもと思うと怖かったからというのもあります。それに、「シス管系女子」連載がついに本として発売されました、なんて大手を振って宣伝し始めたら、「おうおうおめえさんずいぶん羽振りいいみてえじゃねえか? 所得隠してんじゃねえのか? あぁん?」なんて厳しく追及されるんじゃないか、みたいな。

具体的なやり方についてなんですが、世の中には確定申告について解説した本が山ほどありますし、税務署に行って「確定申告したいんですけど……」と言ったら懇切丁寧に教えてもらえるので、そういうのでちゃんと調べるのがいいと思います(が、僕の場合は税務署に話だけ聞きに行ってもピンと来なくてまるっきり身に付かなかったのでした……)。僕は実際には、以下のような手順でやりました。

申告書の作成は以下の通り。

  1. 必要書類を揃える。
    • 会社の源泉徴収票
    • 原稿料の支払い調書
    • 原稿作成に必要で購入した物のレシートとか領収証とか
    • 国境なき医師団等、個人的にした寄付の領収証
  2. e-Taxのページを開いて、確定申告書の作成初めて確定申告される方→「確定申告書作成コーナー」と辿って、「申告書・決算書・収支内訳書等 作成開始」というボタン状のリンクをクリック。
  3. 別ウィンドウ(タブ)で確定申告書作成のためのページが開かれる。提出方法の選択画面になるが、e-Taxを利用するにはICカードリーダー・ライターと電子署名のための証明書が必要になるので、そちらは何も手続きをしていないと利用できない。なので「書面提出」を選択する。
  4. 利用環境のチェックのページの次に、作成する申告書の種類を選ぶページが表示される。青色申告というのをやるには事前の申請が必要だけれどもそんな物はやっていないので、「平成N年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告書を作成」というリンクをクリックする。
    • 昨年よりも前の年の分の申告書を作る時は、下の方の「平成N年分の申告書等を作成する」というリンクを辿る。
  5. 「収入が給与1か所のみ(年末調整済み)の方」「左記に該当しない方」「質問に答えて作成」という3つの選択肢が表示されるので、「質問に答えて作成」を選択する。
  6. ウィザード形式で色々聞かれるので、情報を埋めていく。
  7. 最後に印刷用のPDFを保存する画面が出るので、PDFを保存・印刷する。また、入力中のデータを保存できるので、それも保存する。
  8. 3〜7を繰り返して、必要な年の分の申告書を全部作成する。
  9. できた書類を持って、税務署または確定申告に詳しい人に相談して、間違っている所を教えてもらう。
  10. 駄目出しを貰ったら、先の「確定申告書作成コーナー」で「作成再開」というリンクを辿って、7で保存したデータファイルを読み込ませる。するとウィザードの画面に戻るので、訂正箇所を直す。
  11. 7〜10を、不安がなくなるまで繰り返す(面倒なので1回で終わらせましょう……)。

ここでちょっと「源泉徴収」について説明しておく。原稿料を貰う時に、「1ページあたりいくらです」と言われた金額よりもちょっと少ない金額が振り込まれていて、送られてきた支払い調書を見たら「源泉徴収分としていくら引きました」みたいに書いてあると思うけど、これはどういうことなのかという話。

所得税は稼いだお金の額に応じて課されるんだけど、総額に対して何パーセントという形ではなくて、経費がいくらかかりましたとか、医療費にこれくらいかかりましたとか、控除分とされる金額をマイナスした額に対して課税される。でも、そういうのって1年が終わってみるまで結局いくらだったのか分からない。かといって、最後にまとめて税金を払いますということにすると、極端な話、税金を1円も払わないでバックレてしまえる。なのでそうならないように、雇用者や原稿料を支払う側があらかじめ何パーセント分かを仮の税金として引いて、先に税務署に納めておく、これが源泉徴収。その後、1年の最後の最後に諸々の収入や支出が確定した段階で改めて「本当に納めないといけなかった税金は一体いくらなんだ?」というのを計算する、これが年末調整とか確定申告とかの作業なんですね。

それで、源泉徴収されてた分が本来納めるべき税金より多すぎたなら差額が返ってくる(これがいわゆる還付金)し、逆に、本来納めるべき税金より少ない額しか源泉徴収されてなかったなら差額を払わないといけない。この分はその年の期限までに払えばその金額で済むけど、滞納してると、ほったらかせばほったらかすほど利子みたいなものが膨らんでしまう。そういう訳なので、皆さん毎年ちゃんと確定申告しといた方がいいですよ、という話になるのです。

申告書ができたら提出と所得税の納付です。これは以下の通りの手順でやりました。

  1. 印刷された物の中に資料の貼り付け用シートというのがあるので、給与所得の源泉徴収票と、寄付金の領収証を糊付けする。
    • 副収入の支払い調書や、副収入の必要経費を証明する領収証・レシートは、ここには貼り付けないでいいです。これらは提出書類の要件には含まれません。ただし、確定申告書の提出後に税務署が「これ収入少なすぎ。これ経費使いすぎ。おかしい。脱税の恐れあり。」みたいに怪しんだら、申告書に書いた内容は本当に正しいですよという事を証明するためにこれらの書類が必要になってくるので、捨てないで取っておきましょう。
  2. 最寄りの税務署に行く。
  3. 税務署内に確定申告書の提出コーナーがあるので、書類を提出する。
  4. 形式的なチェックの後、提出分・控え分の両方にハンコをもらえたら、提出分はこの時点で回収されるので控え分だけ受け取る。
  5. 税務署内に所得税の納付コーナーがあるので、そこに行って「納付したいんですけど」と言って申告書の控えを見せる。
  6. 職員の方の指示に従ってお金を払って領収証を貰う。

書類の提出も所得税の納付も、郵送とか振り込みとか引き落としとかで済ませられるみたいなんですけど、僕は「ほんとにこれでええんか? ええのんか?」と不安が大きかったので、駄目だったらその場で指摘してもらえる税務署窓口での直接提出・直接納付にしました。

以上のようなやり方でやった結果、僕の場合は平成23年(2011年)は所得税の納税の必要ありでだいたい1割くらいの延滞料込みの納税、平成24年(2012年)は納税も還付も無し、平成25年(2013年)はぶっ壊れた作業用PCの新調やらCintiq Companion Hybridの導入やらで必要経費が多かったので還付、平成26年(2014年)は納税の必要ありだけど割り増し無しの額面通り、という感じでした。

とりあえず、分からないことは税務署の人に聞けば教えてもらえるので、確定申告がどうこうと世の中が忙しくなってる時以外の時期に、税務署まで足を運んでみるといいと思います。税務署怖くないよ。バックレるつもりの無い真面目な納税者には優しいよ。

シス管系女子で取り扱っている解説の妥当性、危険性について - Mar 15, 2015

シス管系女子(正確には「#!シス管系女子 Season3」)の現在発売されている号の日経Linux 2015年4月号掲載分について、hostnameコマンドは与えられた引数でホスト名を設定する物なので、ホスト名を取得するためだけにhostnameコマンドを使うのは、誤操作で問題が起こり得るから危険だという指摘がありました。

別の話として、実際に指摘を見かけたことはまだ無かった気がしますが、過去の回でcrontab -eを紹介するにあたって色々調べ直していた時に、crontab -eは、確認なしでの削除であるcrontab -rとミスタイプしやすいから使ってはいけないという話も見かけました。

どちらの事例も、「その機能が正常に使われている限りにおいては問題ないが、ヒューマンエラーが発生した時のリスクが大きいので、そもそもその機能を使うべきではない」という、安全側に倒した考え方であるように自分は受け取りました。運用という側面から「シス管」を考えた場合には、尤もな指摘だと言えると思います。

hostnameについては、なぜ$HOSTNAMEを参照するようにしなかったのかというと、以下のような所が理由となります。

  • 自分がその方法で覚えてしまっていた。
  • ホスト名を変えるためにhostnameコマンドを使う、ということが普段無いために、そのリスクに無頓着だった。(hostnameコマンドによるホスト名再設定は、再起動したら状態が戻ってしまうことから「使えねー」「役に立たねー」と思ってしまい、それ以後存在自体をすっかり忘れ去ってしまっていた)
  • なんとなく、環境変数の値は誰かが書き換えうるものという認識があり、コマンドの出力を見た方が安定した結果を得られそうに思った。(環境変数でもコマンドの結果でも同じ情報が得られるのであれば、コマンドの方を使うほうが安心、という認識がある)

crontab -eについては、「そんなん間違えへんやろ」と思っている部分が正直大きいです。が、自分がそう言えるのはcrontab -eというコマンド列を日常的に頻繁に利用するわけではないからかもしれないとも思っています。入力する回数が多いとcrontab -rというtypoの出現頻度が現実に問題となり得るレベルにまで高くなってくるものなのだ、と考えると、管理運用を業務とする人ほど敏感になるというのはありうるかも、と思います。

自分がこの連載で紹介する内容を考える時の判断基準としては、

  • オプションの指定が不要なやり方と必要なやり方の両方があって、結果が同じなのであれば、オプションの指定が不要なやり方の方を紹介する。
  • 簡単なやり方と難しいやり方の両方があって、結果が同じなのであれば、簡単なやり方の方を紹介する。
  • 設定が不要なやり方と設定が必要なやり方の両方があって、結果が同じなのであれば、設定が不要なやり方の方を紹介する。(screenではなくtmuxを紹介したのはこれが最大の理由です)
  • 確実なやり方と不確実なやり方の両方があって、結果が同じなのであれば、確実なやり方の方を紹介する。
  • 安全なやり方とリスキーなやり方の両方があって、結果が同じなのであれば、安全なやり方の方を紹介する。

といったいくつかの基準があるのですが、「簡単だけど危険」「安全だけど難しい」のように判断が難しい時にどうするかというのは悩み所です。自分の中で決着が付かなければそもそもその話題は紹介せずに置いておくということもあります。が、多くの場合はcrontab -eのように、リスクを過小評価して利便性の方に舵を切ってしまいがちな気はしています。

ただ、可能な限り「簡単で、設定いらずで、確実で、安全で」という風に懸念点の少ないやり方を紹介していきたいという思いはあります。連載時の内容についての指摘は再録のタイミングで直せるので、全面的な改稿となると無理ですけども、セリフ回しや1コマの描き直し程度で乗り切れそうないい改善提案がもしあれば、Twitterアカウントへのリプライ等で情報を提供していただけると嬉しいです。

  • 今の所、Season2でやったSSHの公開鍵の登録についてssh-copy-idを使ったほうがラクという指摘は頂いており、これは何かの機会に反映したいと思っています。
  • このエントリに書いているhostnameの事については、既にuname -nhostname -sなどの別案を頂いていますが、hostnameコマンド一発で済ませられるやり方に比べると若干面倒さが増す感があるので、「まんがでわかるLinux シス管系女子」での追加コンテンツのような形で「より安全にやりたいならこういうやり方もある」という補足情報を載せる方向で行くのがいいかなあ、と思っています。

総じて、この連載については「初級者レベルの人がちょっとステップアップする」「文字の説明だけ見ても分かりにくい事を、ビジュアライズして説明する」という所にテーマを設定しているので、安全性最重視の解説にはしにくいと思っており、そこの所は本誌の他の記事の方々に期待しております(丸投げ)。

シス管系女子の刊行物の関係まとめ - Mar 07, 2015

「シス管系女子」関係の刊行物が色々あって状況がカオスなので、図でまとめてみました。

シス管系女子の刊行物の関係まとめの図

「まとめ読み」は、日経Linux本誌の付録としてだいたい年に1回ペースで制作されている物です。「まんがでわかるLinux シス管系女子」は、「シス管系女子」第1話から第13話、「#!シス管系女子」第1話(通算第14話)から第11話(通算24話)に加えて描き下ろしを収録した物となっており、作者の主観的にはこれが「初の単行本」という認識です。

各話は「まとめ読み」に再録する段階で一部修正していて、「まんがでわかるLinux」再録の段階でもまた修正しています。そこにさらに描き下ろしが加わっているので、今お買い求め頂ける物ではまんがでわかるLinux シス管系女子が最も内容が充実していておすすめです。「#!シス管系女子 Season2」については、「まんがでわかるLinux」の売れ行きが良ければ、今連載中の「#!シス管系女子 Season3」と合わせてまた本になるんじゃないかなあ……と思います。

Firefox 41以降での、アドオンの署名義務化の影響について - Feb 12, 2015

具体的にアドオンを作る・使う側の人間はどう対処すれば良いのか、というのを自分の理解でまとめてみる。判断のソースは原文のコメント欄での質問と回答で示されている情報です。

AMOでFull Review済みのアドオン
作業フローは変わらない。公開されるファイルが勝手に署名されるようになるだけ。
AMOでPreliminary Review済みのアドオン
作業フローは変わらない。公開されるファイルが勝手に署名されるようになるだけ。
既存アドオンの勝手翻訳版、既存アドオンの勝手改造版などで、公表している・公表しても問題ない物
AMOにアカウントを作り、アドオンのIDを元の物から変更した(アドオンマネージャ上で明確に別のアドオンとして認識できるようにした)上で、XPIをアップロードして、自動検証を(場合によってはそれに加えてPreliminary Review相当の目視レビューも)受け、署名されたXPIを入手する。
AMOに掲載していない自作のアドオンで、公表している・公表しても問題ない物
AMOにアカウントを作り、XPIをアップロードして、自動検証を(場合によってはそれに加えてPreliminary Review相当の目視レビューも)受け、署名されたXPIを入手する。
AMOに掲載していない自作または改造版のアドオンで、公表できない物
現在公表されている範囲の情報では、対処法無し。署名を要求しないようにするオプションも無い。リリース版Firefoxの利用を諦め、開発者向けのノーブランド版、Nightly、あるいは独自ビルド版を使うしかない。
AMOに掲載していない自作または改造版のアドオンで、Preliminary Reviewを通過できない物
現在公表されている範囲の情報では、対処法無し。署名を要求しないようにするオプションも無い。リリース版Firefoxの利用を諦め、開発者向けのノーブランド版、Nightly、あるいは独自ビルド版を使うしかない。
自己署名証明書やベリサイン等で購入したオブジェクト署名証明書を使って署名して頒布しているアドオン
Mozillaの証明書による署名以外は許可されなくなると明言されており、それ以外の方法での署名は無意味になる。取れる対処方法は、公表できるアドオンかどうかによって変わる(上記参照)。
Thunderbird用のアドオン
作業フローは変わらない。Thunderbirdではアドオンの署名は要求されないままとなるので、勝手改造アドオン等も変わりなく使える。(ただし、今後もずっとそうであるかは不明。)
distribution/bundles/以下にインストールしたアドオン
この方法でインストールされたアドオンはアドオンマネージャの管理下に置かれないため、短期的には影響は無いようだが、そもそもこの機能は将来のバージョンで削除する意向だとのこと。よって、この方法でカスタマイズを適用している場合はアドオンとしてのインストールに移行する必要があり、公表できるアドオンかどうかによって対応が変わってくる(詳細は上記を参照)。

現在AMOでのアドオンの公開に際してはPreliminary ReviewとFull Reviewの2段階のレビューがあり、Preliminary Reviewを通過できればサイト上に掲載され、その上でさらにFull Reviewを通過できれば検索結果にヒットしたり一覧に表示されたりするようになる、という感じなんだけど、Preliminary Reviewではセキュリティ上の重大な脅威が無いならとりあえずは通過できる事が多い。しかし、Firefoxのセキュリティ機構をバイパスするためのアドオン、例えばThunderbirdでメールに添付されたWindowsショートカットを直接実行できるようにするアドオンのような物は、どれだけ多くのユーザが切望していても、例え顧客企業で必要とされていても、レビューを通過できない。今回の件の記事のコメント欄でも、署名チェック機構をバイパスするようなアドオンは審査を通過できない(=XPIに署名して貰えない=インストールは許可されない)という事が明言されている

「公表できない物」っていうのは、例えばクリティカルな情報を含んでいるとか、組織内利用専用とか、そういうこと。なぜ公表できるかどうかが焦点になるのかというと、AMOのサイト上で一般向けに公開されないとしても、インターネット上のサービスにパスワードもかけずにファイルをアップロードし、どこの誰かも分からないボランティアのスタッフに自由にソースコードを見られる、という事を許容できるかどうかという話になるから。

企業などの組織内で使うためのアドオンについては「第3の選択肢」を用意するという事になっているようだけれども、具体的な詳細が公表されていないので、現状では最悪のケースも想定しておいた方がいいんじゃないかって気がする。例えば「特別なパートナーシップ契約を結んで、非公開でレビューを受けられるようにする」みたいな話だったとして、Mozillaにとって特別なパートナーシップ契約を結ぶだけのメリットを感じられない規模の組織は、詰んでしまうことになるので。

正道はやはり、クリティカルな情報を含まなくていい形で公開できるアドオンとして開発しておき、クリティカルな情報はMCDなり何なりで後から反映できるようにしておく、という事だとは思うんですけどね。

率直な感想としては、「ウチの製品をユーザがどう使えるかはウチが決めますよ、使い手のあなたたちに使い方を決める権利はありませんよ」「ウチの製品の上で使いたいならそれなりの質の物じゃないと許しませんよ」って言ってるような印象で、tivoizationと似た感じのニオイを感じられてまったくウンザリする話だ、って感じではあります(現状でも、Firefox OS向けのアプリは既にそうだったと記憶してる)。ある程度普及して、「Mozillaという組織の名前を冠した信頼と実績のFirefoxというブランド」が一定の価値を持ち、自分がやろうとしている事のリスクもよくわからないままに致命的な操作をしてしまいかねない層のユーザの数が無視できないレベルに達しており、そしてそれを狙った悪質な攻撃が増加している、という前提に基づくと、やむを得ない判断だと理解はできるんですが。だから怨むべきは、Mozillaではなく、面白半分だったり悪意だったりで人に迷惑かけてる黒アドオン作者の方。

まあ、Firefoxの名前とブランドロゴを外したビルドを使う分には関知しないという抜け道は残してくれているようなので、そこがMozillaの良心だと思ってます。

「シス管系女子」の本のおまけについて - Feb 09, 2015

シス管系女子の本の宣伝も兼ねて。

まんがでわかるLinux シス管系女子 (日経BPパソコンベストムック)

日経BP社 (2015-02-18)
売り上げランキング: 10,129

本の企画が動き出す前、本誌付録の「まとめ読み」を実際に見てみたときから、本編だけだとギュウギュウ詰め感あって読んでて辛いと思ったので、敢えて各話間に必ずおまけという名の緩衝材を入れることは僕の中でずっと決めてた。一般的な漫画単行本でも各話間におまけがあるのでそれを真似た、とか、ページ数が少ないのをごまかすための水増し、とか、そういう性質も無いとは言えないけど、それよりはやはり、読みやすさへの配慮という切実な動機が大きい。

おまけを入れることを提案した後、先方からは「全ページに何かしら役立つ情報を入れたい」という意向を聞いていたんだけれども、上記の通り緩衝材としての役割を強く意識しての提案だったから、「緩衝材が必要だ」とか「キャラクターを好きになってくれた人もいるはずだから絵のコンテンツにも需要はあるはず」とかなんやかやゴネて、最終的に、各話が終わった後の1ページ目には本編の内容に関係する補足情報や豆知識を、2ページ目には内容と関係無いイラストや蔵出しの設定画といった、お役立ちとはほど遠い情報で「ヌキ」を作るというスタイルに落ち着いた。

そこまではよかったんだけど、悩んだのは、その2ページ目の方に何をどこまで入れるのかっていう点で。

途中までは、裏話とかキャラの設定とか思いつく限り色々盛り込もうかって思ってたんだけど、仕上げに近い段階になって「やっぱやめよう」って思って、文字部分をだいぶ削除した。そのとき思い出してたのは、ずっと昔に「るろうに剣心」の単行本を読んで感じてた事。仮に誰が見ても明らかにそうだろうなってバレバレだったとしても、「このキャラのデザインは綾波レイの影響が~」とか、わざわざ言わないで欲しかった。読んでてすごく気持ち悪かった。今にして思えば、あれは読者が知りたいであろう事・見たいであろう物を読者向けのサービスとして提供していたのではなく、作者自身が語りたくてしょうがなかった事をあの場所で発露していたという事なんだろう。商品であるはずの物の中に垂れ流されていた自意識に、僕は「ウッ」てなってたんだと思う。自分自身が、人から認められたい欲の強い自意識過剰なタイプの、相手が興味なさげにしてるにも関わらず自分の喋りたい事をベラベラと一方的にまくし立ててしまうタイプの人間だという事を考えると、同族嫌悪のような物だったのかもしれない。(なので、そういうのは商品の中ではなくこういう所で垂れ流しておきます(垂れ流す事自体をやめるという選択肢が無いあたりが救いようのないポイントである))

正直、最終的にコンテンツとして入ってる物の中にはまだまだ、読者が見たかった物ではなく僕が見せたかっただけの物があると思う。見せたかったっていうか、むしろ、これしか見せられる物が無いんですみたいな。全部を描き下ろしで埋めるのは無理だったので、大変申し訳ないけれどもそこはどうかご容赦頂ければ幸いです……次の本は出るかどうかも含めて未知数だけど、2年目以降で衣装の着回しがほとんどになって新規に衣装の設定を起こしてないというのもあって蔵出しできる素材が圧倒的に少ないので、描き下ろしが増えるんじゃないかと思う。思うっていうか、多分そうしないと成立しない。最近はフキダシに入れてる顔アイコン的なやつを使い回すようにしてて、労力を削減した代わりに、絵を描くモードに頭を切り換えるまでのウォームアップができていない気がするので、ウォームアップがてらイラストを描くようにして少しでも描き溜めて、次に備えておきたく思う次第です。

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