Sep 26, 2005

「避モテ」の読み方とはてなキーワードとコンセンサス

「避モテ」の読みは「ひもて」が妥当じゃないのかおよび「避モテ」の読みを「さけもて」にした理由より。

単に、全く誰からも恋愛対象として見られない・愛されない状態を「非モテ」と言うのに対し、そこまで世の中が俺に冷たくするんだったら俺はむしろもう恋愛とかどうでもいい・モテたくなんかない、キモがるやつは上等だ、徹底的に戦ってやる、という立場を選択的に取ることを「避モテ」と呼ぶ、という流れが非モテの話題においてできつつあるようなのだけれども、この「避モテ」をどう読んだらいいのさという話。「はてなキーワード」で「避モテ」がキーワード化されるにあたって表面化した問題だ。

金子氏は「<ruby><rb>非</rb><rp>(</rp><rt class="読み">ひ</rt><rp>)</rp></ruby>モテから発生した言葉で、ある種の洒落でもあるから、<ruby><rb>避</rb><rp>(</rp><rt class="読み">ひ</rt><rp>)</rp></ruby>モテと読むのが正しい」という主張。対して 加野瀬氏は、「<ruby><rb>市立</rb><rp>(</rp><rt class="読み">いちりつ</rt><rp>)</rp></ruby>と<ruby><rb>私立</rb><rp>(</rp><rt class="読み">わたくしりつ</rt><rp>)</rp></ruby>のように、発音時に判別をしやすくするためにも、敢えて<ruby><rb>避</rb><rp>(</rp><rt class="読み">さけ</rt><rp>)</rp></ruby>モテと読むべきである」という主張。

僕は言葉の意味とかそういったことには保守的(自然発生的に使われだした言葉・用法に対して、これが本当の意味だ! と積極的に定義していくことには否定的だけれども、コンセンサスを得られてきているのならば、それを追認するのが妥当であろう、という意味での)な人間なので、金子氏と同意見なのだけれども、実用性のことを考えた加野瀬氏の提案にも納得はできる。

ただ、本当の問題は、その新しい読み方はコンセンサスを得られているのか? 提案レベルのものをキーワード化するのが望ましいことなのか? ということだと僕は思う。

「はてなキーワード」は便利な機能だが、Wikipediaのような「完璧な辞書」を目指したものではないし、言葉の意味を定義するようなものでもない。

しかしながら実際には、Googleである言葉を検索した際にはてなキーワードがトップに来ることは非常に多く、何でもかんでもまずググることが信条のネットユーザーにとっては事実上、「その言葉の意味を解説・紹介した信頼できるソースである(少なくとも、Google八部の対象にならない程度には、Googleから妥当であると判断された検索結果である)」と化してしてしまっているとも言える。

故に、その言葉に強い思い入れのある複数名の人物によって、時に、キーワード編集合戦などということも行われてしまうことがある。「はてなキーワード」が社会的にどうでもよい存在なのであれば、ここまで拘る人はもっと少ないだろう。

だから敢えて言うが、はてなキーワードで新語を登録することは、その言葉の(何でも真っ先にググるような人達にとっての)定義を定めることに極めて近い。よって、明確にあるいは暗黙的に共通の意図を持って使われている言葉に対して、誰の承認も得られていない「オレ定義」を軽々しく付け加えて登録することは、極論すれば世論誘導と言うこともできよう。

とは言うものの、こういった新しい言葉の定義や読み方について「これはこうなんじゃないのか?」と議論するための手続きは、少なくとも今のところは存在していない。多くのブログで話題が行き交うようになり、なんとなくコンセンサスが得られてきたところで、コンセンサスを得られているであろう範囲の意味合いを「その言葉の定義」と誰かが形式的にWikipediaなりはてなキーワードなりに登録する、そんな流れを待つ必要がある。これは非常に遠回りだ。

議論の火種を敢えて作る、「釣る」ことで、その新語の定義に関する議論を加速させる。道義的正当性はさておき、考え方としては面白いものである。

――ていうかそもそも、一つのキーワードに対して二つ以上の読みを登録できたら便利じゃなくね?←そういう結論なのか

まあ、道義的とか望ましいとか、とある業者のいちサービスに過ぎないはてなキーワードを勝手に神格化してお前が勝手に盛り上がってるだけなんじゃねーの、そもそもはてなキーワードを信頼できるソースにしてるやつなんていねーよ、っていうかお前はあんなものを信じてやがんのかよプゲラ、と言われたらなーんも言い返せません。はい。

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