Aug 06, 2006

ライチ光クラブ

ライチ光クラブAmazon.co.jp)読んだ。

煙と機械油にまみれた螢光町の片隅にある、少年達の秘密基地「光クラブ」。そのリーダー・ゼラと8人の仲間達は、崇高なる目的を果たすため、ライチの実を燃料にして動くアンドロイド「ライチ」を制作する。しかしライチ完成から以後、光クラブ内の結束関係は少しずつ壊れていく。ライチは、ライチにさらわれてきた少女は、光クラブのメンバー達は、果たしてどうなってしまうのか? ……というストーリー。

東京グランギニョルという劇団が1985年に第3回公演作品として上演した「ライチ光クラブ」に当時感銘を受けた作者が、後年関係者に情報提供を受けつつ執筆した、漫画版「ライチ光クラブ」が、本作であるとのこと。

僕は当然のことながら元の演劇を見たことはないのだけれども、これを読んだ感覚は、紛れもなく、舞台演劇のそれだった。無意味なセリフの反復。登場人物がみんな我も我もとしゃべり出す様子。飛躍を通り越してもはや破綻した論理。科学的とは到底思えない、エセ科学ですらない設定。一貫性のない言動。自己完結的な発言の数々。会話してるんだけど実は目の前の相手とは会話してない、舞台の前にいる我々に向かって語りかけるような雰囲気。耽美な画。作品全体が、演劇の空気に包まれてるんだな。

基本的なストーリーはありがちだけど、演出の勝利かな。そういうところもまた舞台的だと思った。

エントリを編集します。

wikieditish message: Ready to edit this entry.











拡張機能