Feb 26, 2006

WebSig24/7 2006関西新年会

Mixi内のコミュニティ「WebSig24/7」(Web制作に関わる人達の情報共有と横の繋がりを強化するための集まり)の初の関西ローカルイベントとなる新年会に参加してきた。 (写真) ……といっても、知見を広めるためにといわいさんに紹介されて潜り込んできたというのが正解なんだけど。コミュニティ内での活動実績ないし(ぉ

まあ「今のWeb業界の人達」の集まりなんだから当然っちゃぁ当然なんだけど、「CSS」とか「Strict」とかそういう単語が普通に通じる会話の席というのが実に新鮮で……「CSS使うとデザインがダサくなる」とか言われてツッパってた頃から考えると、なんというか、夢のような時間でした。

参加者数55名ともなると相当なもので、しかもいきなり名刺を切らしてしまった僕なんかは、これは動き回ってもどうしようもないなと早々に諦めて、定位置的な所で雑談をしていたわけですけれども。

閉会後、その雑談をしていたときの人達7名での二次会へ。会場近くにあった大人~な雰囲気のバーになだれ込み、大声でしゃべくりまくって店や他のお客さんにどえらい迷惑をかけてしまいました。ごめんなさいごめんなさい。顔とか名前とか覚えるにはやっぱりこのくらいの規模くらいが良さげだね……ということでこの2次会がきっと我々的には一番盛り上がっていたと思う。

さらにその後、一人が入れ替わって3次会。でも終電の時間が迫っていたので12時にはお別れしましたとさ(まるでシンデレラですな)。

1次会ではいわいさんのご紹介でプロの写真家の方とお話しさせていただく機会を持てて、しかし商品写真のこととかそもそも何から聞いたらいいのかがまず全く分からず、酷くトンチンカンなことを訊いてしまった気がする。大切な時間を割いてくださったのに、本当に申し訳ないです……

新聞社のWebサイト運営部門で頑張ってらっしゃるというNさんの、新聞社ならではの逸話がすごかった。新聞社っていうだけで何でも聞いていいと思ってる人がよく電話をかけてくるんだ!という話で、「ヤフーの住所ってどこですか?」「(うんざりしながら)ヤフージャパンの住所はどこどこです」「ヤフージャパン? ヤフーじゃないの?」「ヤフーの本社はアメリカなんですよ……ところでなんでそんなことを知りたいんですか?」「いや、知りたいことがあったらヤフーに訊けば分かるって言われたから……」……なんというかもう想像を絶しすぎ。世界って広いなあ……(遠い目)

あと、この業界だとずっとPCの前に座りっぱなしで腰が痛くなるとかそんな話も。ある人は整体に通ってると言ってて、別の人は前までは足ツボマッサージだったけど今はスポーツジムに行ってるという話をしていた。ジムで体を動かすと、マッサージされるだけよりも体の調子が良くなるんだそうな。姿勢の悪さから来る腰痛をどう解消すればよいかという話もあって、姿勢を正すにはまず筋力を付けるべきなんじゃないのということを言ってみたりもした。僕も酷い猫背なんだけれども、今の会社に勤めだして朝昼2回、今では昼だけ、地下2階くらいから13階まで階段を上るということをやって、足腰や背筋がいくらか鍛えられたようで、気付いたら「背筋を伸ばしている方が楽で、猫背の状態が疲れる」ようになってきた気もする。やっぱ運動不足は健康の大敵だよね、うん。

2次会以降では年齢的には僕が23で一番下だったんだけれども、CSSとか今の本道のWeb技術に関してはもうとっくの昔に一線を退いてしまって今となってはロートルなんだなあということを、何となく思った。「Strictにしたいんだけど相手が理解してくれない!」とか、「ブラウザ間での見栄えの調整が!」とか、あぁいつの時代もみんな同じことで悩むんだなあ、皆さん若いなあ、と。

特に前述のNさんの言葉は、当時の僕を本当に思い出させる。「美しいコードを書きたい」「汚いコードを表に出してることが恥ずかしい」「Web標準とかコードの美しさとかにこだわるのって結局制作者の自己満足でしかないんかな」とか。

僕としては、こう考えている。

Web標準というのはあくまで、インフラ層やWeb制作の現場にプロフェッショナルとして関わる人間が認識しなければならないことでしかなくて、他の仕事の片手間でちょっと担当に割り当てられたとかそういう人にまで「XHTMLがどうである」とか「CSSがこうである」とかそんなことを説く必要は全くないと思う。というか言うだけ無駄だし。そういうものだし。だから今は、「誰でも使えるCMS(コンテンツ管理システム)」でそこをカバーするしかないんだと考えている。

また、Web標準技術のありがたみは、エンドユーザが直接享受するものではない。エンドユーザのためを思うなら、あるいはクライアントのためを思うなら、Web標準を活かして彼らにとってどんなメリットをもたらすことができるか、ということを考えなくてはならない。

まだWeb標準を取り入れて日の浅い人が言うセリフがある。「StrictとかWeb標準とかに則って作るとコストがかさむ。余計なコストをかけてまでそこにこだわれない。エラーを取り除くために物凄く苦労がかかる。」だが、これはおかしな話だと思う。僕はこう考える。「StrictとかWeb標準とかに則って作るからコストが下がる。だからWeb標準への準拠は『特別な措置』ではなく『まず徹底するべきこと』。そこを徹底して効率的にやれば、そこにエラーが入り込む余地なんて(うっかりミス以外は)無い。だから、マナー面まで過剰にチェックするAnother HTML-lintはともかく、スキーマ的な整合性しか見ないW3Cのバリデータなんてのはノーエラーで通って当たり前。」

例えばうちの会社の場合、僕が入るまではこんな状態だった。

  • Webページは外注で制作された、テーブルレイアウトによるものだった。
  • オーサリングツールは無い。更新方法は、ソースをテキストエディタで編集し、ssh/scp/rsyncなどでサーバにコピーするというもの。(技術者集団の会社だから)
  • コードはタグだらけで、テキストエディタでの編集には多大なストレスがかかる。
  • 結果、ちょっと更新するだけでも物凄く手間がかかる。

そこで、CMSを導入した。

  • ブラウザ上でページが更新できるようになった。
  • タグのこともほとんど考えなくてよくなった(必要があったとしても、CSSにスタイル情報を全てまとめてあるので、書く必要のあるタグはごく僅かになっている)。
  • 結果として、更新のための時間的・精神的コストは大幅に下がった。

……これは物凄く原始的な例で、今現在Web制作の現場の一線で活躍している人達にしてみれば「何を今更」な話だろうと思うけれども。

Web標準の徹底は、目的ではなく手段であるべき。ただ、その「手段」は他の様々な手段と比較検討するまでもなく「当たり前のメソッド」であって「最適な方法」である。目的を達成するにあたっての最も基本となる部分にWeb標準はある。――というのが、「現実主義」から「理想主義」を経て辿り着いた、僕の最終的な結論なのですよ。

――とかなんとか偉そうなことを色々語ったけれども、社会人として、人間として、業界人として、僕はとてもこんなことを言える立場ではないんだよね。小さな会社の社内で、自社サイトに関して一人だけで好き勝手やらせてもらえてるわけで、しかも大量の情報を毎日更新しなければならないとかそういうシビアな仕事でもなく。はっきり言って、僕の喋ってることなんてほとんど誇張とハッタリの塊だ。実情を見たら「てめーが言うなよ」と絶対ツッコまれる。

詰まるところやっぱり色々話聞いてて、皆さん僕より年上で社会経験のある方々ばかりだし、僕と違って今も一線で情報収集にはげんでるんだから当たり前なんだけど、ビジネス寄りの話で商談をしていたり(ってここで仕事見つけるのかYO!)、業界の動向を分析していたり、10年後、20年後のことを考えていたり、歳食っても今の仕事は続けたい! コーディングからは退いてもディレクションという風な形で携わりたい! とおっしゃっていたり、その辺りのことについてはリアルな想像に頭を巡らせることを避けてノホホンと何も考えず生きている僕としては、ただただ話の聞き役に回って、皆さんすごいなあ僕って全然駄目だなあと言葉を失うばかりだったわけですが。

年齢といえば。なんか皆さん、僕のことを27~8くらいだと思ってたみたいで。曰く、貫禄ありすぎとか。曰く、その眼鏡がオサーンくさいとか(こないだうぷった写真でかけてたのより輪をかけてオサーンくさい、普段使い用の眼鏡だったんですよ……)。老けてますかそうですか。見た目はオサーン、中身は<ruby><rb>子供</rb><rp>(</rp><rt>ガキんちょ</rt><rp>)</rp></ruby>! って名探偵コナンの逆じゃん! いいとこ無いじゃん! ひどいわひどいわ! でも事実だから致し方ない

……まぁ、そんな感じで色々語ったり聞いたり面白い人達と知り合うことのできた、楽しい夜だったのでした。

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