Jul 12, 2007

日本語圏におけるAMOの構造的欠陥

僕みたいな苦労をする人がもしいたら助けになりたいと思って、レビュー依頼スレを立ててみた。

Caiさんは非英語圏全体の問題なんじゃないかとおっしゃっていて、確かにそうかもしれないんだけど、日本語圏では文化的背景から余計に深刻な問題なのではないかと、僕は思っている。

  • Firefoxの日本のアーリーアダプター層=日本のヘビーユーザは、作者のブログや2chでコミュニケーションを取ることが主。一度慣れ親しんだやり方を変えることはあまり無いので、結果として、AMOのレビュー機能やディスカッション機能が利用されないままになっている。
  • そもそも日本人にとってAMOはアウェー。身内で固まって自分の領域にひきこもりがちな日本人は、日本人が少ないAMOにわざわざ飛び込もうとはしない。
  • sandbox内にある新しいアドオンを探すには、「アカウントを作成する」「ログインする」「アカウント設定のページを開く」「sandboxを表示するように設定を変更する」という風に多くのステップを経る必要がある。一般ユーザからはsandboxの存在自体が可能な限り隠蔽されるようにシステムが作られている。
  • 2chでは「名無し」が主、スラッシュドットジャパンもAnonymous Cowardの書き込みがメイン、ブログもプロフィールすら無い場合が結構ある、という状況を見ても分かる通り、日本人は仮の物でも何でも、名前を出すこと(=自分という人格に攻撃が及ぶリスクを少しでも負うこと)を極端に嫌う傾向にある。よほど便利なサービスでもない限り、わざわざ自分の個人情報を差し出してアカウントを作成してまで利用しようとは思わず、匿名で安全に利用できるのならそちらの方を必ず選ぶ。そのため、アカウントを作成する事自体が稀であると考えられる。
  • 現状、レビューを書く事で得られるメリットは何もない。あくまで「他所」なのでいくら頑張っても自分のブログを充実させるようなインセンティブは得られないし、Amazonのレビューのように実利的な還元があるわけでもない。

以上の事から、現状のAMOの設計では、日本人向けの拡張機能について公開の承認を得ることは極めて困難であると言えると思う。というか、みんながみんな積極的に参加して発言してくれることを前提にシステムが設計されていて、その前提自体が日本の文化にはそぐわないんだと思う。

これだから日本はダメなんだとかそういう言い方をするつもりはなくて、むしろ、そういう臆病な日本人でも恩恵を得られるようなシステムを設計して欲しいというのが、僕の思いなんだけれども。

……という意見すら開発者に直接言わずに自分の日記に書いてるんだから、救いようがないな、まったく。

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