Sep 15, 2010
タブバーをドラッグしたらウィンドウが動くとかその辺のタイトルバーっぽい挙動を無効化する
ツリー型タブではタブバーをウィンドウの横に置く使い方を基本的には想定してるワケだけれども、普通にタブバーを縦型にするだけだと、Minefieldではタブバーをダブルクリックしたらウィンドウが最大化されるという謎の結果になってしまうことがある。
MinefieldではBug 555081で行われた変更により、ツールバーの空白の部分がウィンドウのタイトルバーと同じ扱いになるようになっている。ツールバーの空白部分をドラッグすればウィンドウが動くし、ダブルクリックすればウィンドウの最大化になる(Windowsの場合)し、ぴたすちおのようにタイトルバーを右クリックしたらウィンドウシェードするようなユーティリティを使っていれば、それも動く。
ただ、ウィンドウの横に移動されたタブバーのようにぱっと見ツールバーに見えない部分までもがこのような挙動になってしまうと、違和感があるし混乱の元ではある。また、ツリー型タブの場合はタブバーの空白の領域をドラッグするとタブバーの位置を変えられるという機能があるけれども、上記の通りの仕様なのでこのままではタブバーの位置を変えられないということにもなってしまう。こういう時、どうすればいいのか。
タイトルバーのように振る舞うツールバーの挙動は、chrome://global/content/bindings/toolbar.xml#toolbar-drag で定義されている。コードを見てみると、WindowDraggingUtils.jsmというモジュールを読み込んで自分自身をWindowDraggingElementという物に登録しており、こうして登録された要素がタイトルバーのように振る舞うようだ。じゃあこの初期化処理を無効化するか初期化処理で行われた結果を取り消してやればいいんじゃないか、と思ったけど、設計的にそれは無理だった。
仕方がないのでWindowDraggingUtils.jsmの方を見てみると、「タイトルバー上にあるボタン等をドラッグした時だけは上記のような動作にしないようにする」というのをどうやって実現しているのかが分かった。
- Windowsでは、マウスのボタンが押下された時にMozMouseHittestというイベントが発行されている。
- 任意で登録された関数(
mouseDownCheck
)がfalseを返した時か、クリックされた要素からその祖先までの間にドラッグ操作を受け付けそうな要素がある時は、preventDefault()
している。 preventDefault()
された場合、マウスのボタンがそもそも押下されなかったという扱いになるみたい。
端的に言うと、MozMouseHittestイベントをpreventDefault()
すれば、ツールバーのタイトルバー的な振る舞いを無効化することができるということのようだ。
gBrowser.tabContainer.addEventListener(
'MozMouseHittest',
function(aEvent) {
aEvent.preventDefault();
},
true
);
ただ、タブバー内で発生するMozMouseHittestイベントを常にpreventDefault()
してしまうと、タブをクリックしてもタブが切り替わらないということになってしまう。preventDefault()
するのは祖先要素にタブまたはクリック可能な要素が無い場合だけに制限しないといけない。
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