Mar 29, 2006
スミレ♥17歳!!
スミレ♥17歳!! 1(Amazon.co.jp)買った。すげえ! これはメイドガイに次ぐ大ヒットだ!!
話の舞台も内容もごく普通の青春漫画。ただ一つ普通と違ったのは……主人公「四谷スミレ(17歳)」が人形で、背後で常に黒衣のオッサンが彼女を操作しているということ!
人形使いというと幻蔵(幻蔵人形鬼話)もなかなかのもんだと思うけど、何というか、情熱が桁違いだ。幻蔵はただ人形を上手く操るだけだけれど、こっちのオッサンは、女子高生・四谷スミレ(17歳)そのものを完璧に演じきっている。向こうは人間を演じている。こっちは人生を演じている。
スケールのでかさに感服しました……
※いや、そんな大層な漫画じゃなくて、ギャグマンガなんだけど……
しかし改めて考えてみると、このスミレというキャラクターと彼女を操るオヤジとの関係は、漫画の登場人物と漫画家の関係の比喩とも言えるんだよなあ。
そしてこの種の解釈は、本作品の様々なシーンに適用できる。例を示そう。
- スミレに恋する男達=漫画やアニメのキャラクターに恋するオタク達
- 「外はムリ!! 人形と一緒には歩けない!!」=人前でオタク趣味を晒すことへの恥ずかしさ
- 「なんで人形なんだよ!!」=「なんで二次元なんだよ!!」
- 見る人もいない夜の体育館でまでスミレを演じるオヤジ=誰も見ていないような部分にまでこだわる作者
- オヤジを意識させられることの違和感=作者が出しゃばることの違和感(例:るろうに剣心の単行本での作者の語り)
こんな萌えキャラの萌える仕草を描いてるのは実はいい歳したオサーンなんですよ!という、普段我々オタクコンテンツ消費者が意識していない、あるいは無意識のうちに目をそらしている事実を、分かりやすくビジュアライズして冷徹にも突きつける。考えようによってはこれほど残酷な漫画もないような気がする。
まあ、その黒さが面白さに繋がってるんだと思うんだけどね。
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