Dec 05, 2021

HOLOLIVE FANTASY 1st LIVE FAN FUN ISLAND #ホロライブ3期生1stライブ の感想

半年くらい前からホロライブ関係の配信アーカイブやその切り抜き動画を見るようになり、アラフォーのドルオタ1年生をやっている今日この頃なのですが、先日11月25日に開催されたホロライブ3期生1stライブ「FAN FUN ISLAND」をSPWNの配信で見たので、その感想を。 (以下、各メンバー敬称略)

自分の感想

どんな雰囲気かは、ライブの配信の冒頭30分をYouTubeで無料で見られる

一言で言うと、とても「ホロライブ3期生、ホロライブファンタジー」らしさを感じるイベントだったと思う。個人的に、満足度はわりと高かった。

歌とダンスとMCのみで成り立つ一般的なライブとはやや趣の異なる、ストーリー仕立てで進行する形式には、僕はミュージカルを想起した(宝鐘マリンがラジオで語ったところによると、この形式は不知火フレアの発案とのこと。フレアのライブ後のスパチャ読み配信では、3期生の出会い編という案もあったと語られていた。pixivでホロライブ・オルタナティブ世界線での3期生出会い漫画3期生冒険漫画を見ていたこともあり、個人的にはそちらもぜひ見てみたかった)。 とはいえ、ガチのミュージカルほどにはかっちりしてもいない。ちょっと……いやかなりユルくて、通常のコラボ配信のごときわちゃわちゃ具合のある(「スゥーッ……」と無音でマッスルポーズを変える団長には大ウケした)、ファン感謝祭イベント的な面も感じた。 2時間ほどの尺に「ホロライブ3期生のエンターテインメント性」が上手くパックされていたと思う。

選曲については、こちら側がテストのヤマを外してしまったなあと感じた。Bouquetの曲と「Ahoy!! 我ら宝鐘海賊団☆(宝鐘マリン)」「ぺこらんだむぶれいん!(兎田ぺこら)」は元々聴いていたので、ライブ決定の報を見てから「アイリス。(潤羽るしあ)」「ほめのび(白銀ノエル)」「Smile & Go!!(不知火フレア)」も予習していたのだけど、この中から歌われたのは2曲だけで、多くはカバー曲だった。いくつかは知ってる曲もあったけど、全体として知らない曲が半分以上だったので、ややノリきれなかったのは否めない。開演前アナウンス時のBGMに各人のオリジナル曲のオケが流れていたのもあって、なんやかやでオリジナル曲は一通りやるのかなと思っていたので、そこは不完全燃焼感が残ってしまった気がする。

とはいえどの曲も、歌唱もダンスも聴き応え・見応えがあり、その点での不満は僕はなかった。特に「ギミー・レボリューション」や「こいあい」は、各人のイメージに非常に合っていて、むしろ元を知らなかった分、オリジナル曲と言われても違和感なく受け入れてしまいかねない勢いだった。

僕の満足度の高さに大きく影響したのが、ファンタジー感溢れる豪華なステージ演出だったと思う。

オープニングの「いんたらくとふぁんたじあ」の遺跡ステージは、神秘さのあるロケーションにライブステージ感のある派手なライティングが美しく、「ホロライブファンタジー」という言葉のイメージそのものズバリの具現化と感じた。

その直後、本編のっけからの「HOT LIMIT」は、意外性と原曲PVの再現度の高さに笑ってしまった。

「Ahoy!! 我ら宝鐘海賊団☆」では、文字通りの出航でちょっと感慨を覚えて涙ぐみ、「ミラクル船長キャノン」後の演出ではテンションぶち上がりだった。

森の中での3曲は、これも光の演出が綺麗だったし、「God Save The Girls」での森が湖面に沈んだりまた生えてきたりする演出は、スケールの大きさに「そこまでやるか!」と驚かされた。

その後の再度の遺跡ステージの、歌が進むにつれて少しずつ形が変わっていく演出は、彼女らがゲームの協力プレイでフラグを立てていく様子を見守るような面白さがあった。ここでの「スキキライ」は、るしあの透明感ある歌声と船長の低音とのコントラストが鮮やかで、「普段はふざけていても、決めるときは決める」感があり、とても良かった。大サビのステージ演出といい、見返していてもついここはリピートしてしまう。

「現実世界」に戻ってからの「Mr. Music」は、固定カメラのステージを客席込みでカメラに捉える形式だったけど、フォーメーションの変化が見て取りやすい俯瞰気味アングルは、良い工夫だなと思った(ブルーレイで見た「Bloom,」でのステージは真横からアングルだったので、それと比較すると「平面」ぽさが薄れて生のステージ感を感じられた)。「本編」の〆を飾るに相応しい、音楽そのものをテーマとした曲と演出で、これもとても良かった。また、最後に見えたミジカらしき光には、「例え忘れても、いなくなってはいないし、近くに居続けている」というストーリーを感じて、ここでも涙がこぼれた。

そしてエンディングの「美味しいお肉が食べたいの!」。明るくもしっとりした前の曲から一転、カラッとしたコミカルな打ち上げムードで現実に送り返される、これもベタながら実に良い演出と感じた。

ライブ視聴時には、公演時間的にもうそろそろ終わりが近いかなとは思いつつ、「ここからやっとライブが始まる」というストーリー展開だったので、「美味しいお肉が食べたいの!」でスタッフロールが流れても、期待が高まったままでて、アンコールを何曲か期待してしまっていた。全公演を終了した旨のアナウンスが流れた時には、「ほんとに終わっちゃったんだ……」と、非常に寂しく物足りない気分になってしまった。「美味しいお肉が食べたいの!」の歌詞の中にあった「いつかいつか大スターになって ブイブイ言わせたなら A5ランクの黒毛和牛で焼肉をしよう」のくだりを、この1stライブがあくまで1stであるということの宣言、この先2nd、3rdと続いていくことの宣言だと受け取って、この物足りない気持ちも次で満たされることに期待したい。

配信アーカイブ

イベントそのものは終了したけれど、配信についてはまだライブの公式サイトからチケットを買えて(ニコニコ動画かSPWN)、アーカイブが12月25日まで視聴可能となっている。

ホロライブ内では、4期生・天音かなた(自称するほどのドルオタ)とHololiveEN・小鳥遊キアラ(ぺこらのファンであることを折に触れ公言している)が同時視聴の配信をしていたので、それらのアーカイブと併せて見ると、よりライブ感を感じられて良いと思う。

SPWNの配信アーカイブは場内アナウンスから始まっていて、開演(控え室の様子が映り始めたタイミング)は0:10:00からだった。

他の人の感想を見て思ったこと

僕の感想同様、アンコールが無いことに戸惑った人は少なくなかったようだ。小鳥遊キアラは「ぺこらんだむぶれいん」が最後まで歌われなかったことに大層不満そうで、同時視聴配信で自分で歌ってセルフアンコールしていた。

オープニング・エンディング含めて全13曲という数は、アルバム1枚分と思えばそう少なくはないけど、例えばB'zのライブだと20曲前後乃木坂46だと30曲以上やることもある、という数字と比較すると、物足りなさがあったのもむべなるかなと思えてくる。 MCを兼ねたパーティーゲーム的パート(特にポーズを合わせるやつ)がややグダってしまっていたのも、その印象を強めた要因のように思った。そういう綻びも含めて「3期生だなあ」と楽しめるタイプのファンにとっては、大きな問題とは感じなかったけど、オリジナル曲であったり、ファン感情抜きで質の高いエンターテインメントを求めていたりしていた人にとっては、不満の方が強く残ることはあり得るだろうな、とは思う。

 

現地で見ていた人の中には「ライブを見ているというより、映画のライブビューイングを見ているような感じだった」と不満を漏らしている人もいた。

自分は配信で見ていたので気付かなかったけど、確かに言われてみれば、この映像は普通のライブにおける、演奏・歌唱と並行してスクリーンに映し出されている映像っぽかったかもしれない。普通のライブだと、ステージ上の演者が見にくい時なんかに、演者の様子がよく見える補助的な映像としてありがたく感じられるのだけれども、その「ステージ上の演者」がいないことが仇になった形だろうか。

また、泉のくだり以外では基本的に、演者達は第四の壁を越えては観客とコミュニケートしない内容だったので、それも「映画を見てるだけ」感の強調につながったのだろう。

ただ、ステージ上の平面のスクリーンの中に演者が等身大で投影されて動いているだけなのは、「Bloom,」の映像を見ていた感じだと、少々寂しいように僕には思えた。実在タレントなら「立体」としてそこにいるのが分かるのに対し、バーチャルタレントではどうしても平面の映像にならざるを得ず、その分情報量が減ってしまうからだろうか。また、実在タレントではステージの端から端まで動き回って、センター以外の席の人にも近くで見られる機会を設けてくれる事もあるけど、バーチャルだとそれもできない。

大きな会場で行われるライブのように、ステージ中央に「Bloom,」のような固定視点の映像を映しつつ、その左右などに今回のような凝ったカメラワークの映像を映す、といった形であれば、情報量の少なさが補われてよさそうに思うのだけれど。予算的にそこまでは……という感じなんだろうか。

 

新型コロナウィルス感染拡大防止の観点からの声出し禁止というルールが、来場者の気分の盛り上がりに大きくマイナスに作用した様子も窺えた。

声出し有りのライブであれば、特にファンというわけではないアーティストの場合ですら、コール&レスポンスに乗っかることで、それなりに気分が盛り上がる。でも、そういう「救済」が無いために、「ちょっと粗はあるけど、楽しいからまあいいか!」という気持ちになる事ができず、「最高だった」と思ったファンと、粗が目について乗り切れなかったファンとの間で、同じ会場内ですら断絶が生じてしまったのではないだろうか。

曲の中には、「Ahoy!! 我ら宝鐘海賊団☆」のように声出しが前提となっているような物もあったので、声出し全面禁止での現地参加は、非常に歯がゆかったに違いない。今のこの状況は、高いクオリティのライブパフォーマンスで圧倒するタイプのタレントにとっても辛いけれど、少々の綻びを勢いでカバーするタイプのタレントにとっては、余計に辛い物があるのだと思う。

 

あと、他の人の感想で「ほとんど事前収録だった」といった断言をしている物を複数観測した。言われてみれば、そう解釈できる部分はあったと思う。ただ、公式にそうと言っていない限りは、「これはライブだった」と受け取っておくのがいいと僕は思っている。

しかし、考えれば考えるほど、バーチャルタレントの「ライブ」って何なんだろう?ということがよく分からなくなってくる。ダンスが売りのタレントやアイドルがライブで録音に当て振りすることはよくあると聞くし、バーチャルタレントではダンスのモーションも事前収録の物を使えてしまう。それどころか、やろうと思えば、プロのダンサーのモーションを使うことだって技術的には当然できるだろう。リアルのタレントと比べて、バーチャルタレントとは、余計に信じる力が求められる物なのだなということを考えさせられた。

ところで、来週にはサンリオ主催でSANRIO Virtual Fes in Sanrio Purolandというイベントが開かれるらしい。会場はメタバース内で、VRでライブステージを見られるのだとか。臨場感という意味では、バーチャルタレントのライブを見るなら、やはりこういう形態の方が本命ということになるのだろうか。(2021年12月12日追記:VRという技術は現状キヌのパーティクルライブのために存在している | からっぽもーどという記事によると、VRChatをインフラとして使い、既に実践している人もいるみたい。)ホロライブの運営元のカバー社自体もメタバース事業にかなりの金額を投じているようだし。もし3期生2ndライブや3rdライブがメタバース開催になって、その時も今回のような派手なステージ演出が行われるのであれば、「劇場版マクロスF イツワリノウタヒメ/サヨナラノツバサ」劇中で描かれたような超現実的なライブ体験を近い将来に自分も楽しめるかもしれず、だとしたら大変期待が高まるところだ。

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