Mar 04, 2007

医療崩壊

医療崩壊の発現――普段弁当の内容とかほのぼのした話題が中心のkinaさんの日記でこの話題が出てくるということ自体が、事の深刻さを物語っていると思う。(って、失礼な表現だな自分)

国立循環器センターって、名前からしてもう大御所って感じじゃないすか。そこの<ruby><rb>ICU</rb><rp>(</rp><rt>集中治療室</rt><rp>)</rp></ruby>を担当してた医者が全員一気にいなくなるって、あんまりにも異常事態過ぎて、kinaさんのエントリを見てから今までむしろ触れられなかった感じだ。

こないだ大阪に帰った時に検診して貰った際にも、歯医者の先生がボヤいてた。政治が悪すぎる。医療費削減削減で日本の医療はもうボロボロだ。と。

保険料の自己負担分が増えて患者は余計に金がかかるようになって、医療費が削減されて医者は余計に安い給料でこき使われるようになって。制度自体を崩壊させようとしてるとしか思えないなあ。これも、国は国民の健康も教育もなーんも面倒見ませんよ、という「小さな政府」を実現するための作戦なの?

医療崩壊のスピードを速めているのは、制度に加えて訴訟リスクの影響も大きいんだってね。医療ミスじゃない物まで医療ミスとして訴えられて、医療の現場も知らなければ医学も当然知らない裁判官が「これは医療ミスだ」という裁定を軽々しく下して、それをマスコミが「患者の勝利だ」と報じて、一般人は「医者は医療ミスばっかりだ、何かあったら自分も医療ミスの被害者として訴えなければ」という気になって……みたいな循環。産科医が減ってるのはまさにそのせいで、柳沢厚労相が言うような「出産件数が減ったからそれに会わせて産科医も減ってるんです」みたいな流れでは決してない、と。

国の制度が破綻してるってことは、制度に頼らないで生きて行かなきゃいけないって事で、そのためには金が必要なわけで、ますます貯蓄に励まなくてはいけないわけで、財布の紐はきつくなって、消費は冷え込み、景気は後退し……

この国もいつまで存在してるんでしょうね、ほんと。

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