Mar 02, 2008

さらに掘り下げてみた

OSCの帰り、ZINさんとネガティブ日記の内容ことについて話してた。

パイオニアについて。

コメント欄でも絶滅危惧種IA類氏が書かれてるけど、ZINさんにも同じようなことを言われた。先駆者、最初にやった人、パイオニアという評価はもう動かないんじゃないの、後から追いかけて参入してきた人は当然前例を踏まえてるからより良いものを作れるわけで、それらの人に物のクオリティで追い抜かれていくのは当たり前だけど、でもどんなに頑張っても彼らは「一番最初」にはなれない、その特別なステータスがあるということは認めていいんじゃないのか、という感じのこと。

まあどっちかというと処女厨気味の僕なので、その理屈はよく分かった。

しかし、処女厨云々で言えば、女や多数の男が「べつに処女とかどうでもいいじゃん……てか拘る男がキモい」と言ってるのにごく一部の男が「処女じゃなきゃヤダ」と言ってるという構図というのは、Web上でよく目にする。その場においては大抵「初めてかどうかとかは重要じゃない。いい関係を築けるかどうかが問題だ。初めてかどうかに拘る奴は幼稚な馬鹿だ。」というのが「良識的な結論」として確定しているように思う(だから「初めてかどうかに拘る」人が処女厨と呼ばれ蔑まれる)。

この理屈を転用すれば、「先駆者かどうかは重要じゃない。偉大な業績を残せるかどうかが問題だ。先駆者かどうかに拘る奴は幼稚な馬鹿だ。」という言い方もできてしまうわけで。実際、そんな様子を見事に言い表した言葉として、「老害」っていう言葉なんかもあるわけだし。

という風なことを考え始めると、一番最初、あるいは、他に人が少なかった初期の頃を牽引した、というのは、確かにそれは自負してるけど、でもそれだけを以て自信の拠り所にしてはいけないんじゃないか? と思ってしまうわけです。

多能工について。

くでんさんがコメントで書かれた「ポリバレント」という言葉の意味を知らなかったので調べてみたら、サッカーのオシム監督がそういう表現を使ったそうで専門馬鹿偏重に対する反動のような考え方と言えるもののようだ

確かに自分自身、「オールラウンド」プレーヤーではないにしても、複数の領域にまたがっている自覚はあるので、ある分野のトップのプロにはなれそうもないからそのプロと他の人とを繋ぐインターフェースとしての役割を果たせるようになれればいいな、とか、そういうことは前々から言ってはいた。

しかし、どうしても「器用貧乏」という言葉の方が強く想起される。広辞苑でも「大成しない」という説明が付いているように、ドラマにはならない。つまり上記のような、先駆者が老害にならないために必要な偉大な業績を、残しにくい。

「最初(の頃)にやった」ということそれ自体が「業績」だ、という見方もできるかも知れない。でも「何をしたか」という結果は生きている限りは嫌でも積み上がっていって、「最終学歴」のような「最終業績」はどんどん更新されていく。「最初(の頃)にやった」だけで後に何もトピックがなければ、有名私大附属幼稚園から大学へエスカレーターで上がれずドロップアウトしてショボい所に行ってしまいました、みたいな、尻すぼみな履歴書になる。

くでんさんが指摘していたことの意味がやっと分かったかも知れない。僕は、死んだ(あるいは引退した)後でしか得られない物を現役のうちに欲しがっているという、矛盾したことをしているのかも知れない。ある仕事をやり遂げた直後に死ぬなり引退するなりしたら、その人のその分野での最終業績はその仕事の成果ということになる。ずっと価値が変わらない安定した評価になる。「伝説を作る」というフレーズがよくある。アイドルやロックバンドが人気の絶頂で引退するとか、名作映画や名作ゲームが続編を作られずに一作だけで終わるとか。そういう、平生業成できないことを僕は人生の目的にしてしまっているのかも知れない。だからいつでも満たされないままでいるのかも知れない。

どうでもいいけど、このマンガの6ページ目で猛勉強してるのはどう見ても美浜ちよ10歳です。本当にありがとうございます。

「僕は新世界の神になる」について。

プログラムでも他人に嫉妬し、絵でも他人に嫉妬し、お前は一体何がしたいんだと。あらゆる分野で自分より勝った人間がいることが許せないのかと。お前は神になりたいのかと。そういう指摘も受けた。

確かに後からそれぞれの発言を拾い集めてつなぎ合わせれば、そういう結論に辿り着くかも知れない。しかし当人としては、それぞれの発言をした時にはそこまでのことは思っていなかったのもまた事実だ。

これについてはもう単純に、その時その時でそのトピックだけに視野が狭まっていてそれ以外の事に目を向けられなくなっている、あるいは、場合場合に応じて自分の価値観の根幹をなす物が入れ替わっている、価値観の根幹が揺らいでいる、そういう事だと思う。子供があれもこれもと欲しがるのと全く一緒だ。

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